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公開番号2025114998
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009284
出願日2024-01-25
発明の名称液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置、並びに、液体吐出ヘッドの駆動方法
出願人株式会社リコー
代理人個人
主分類B41J 2/015 20060101AFI20250730BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】ノズル板振動方式の液体吐出ヘッドにおいて、帯電したミストやチリなどの異物がノズル面上に付着するという不具合を抑制する。
【解決手段】液体を吐出するノズル2と、ノズルに連通する圧力室4と、圧力室のノズル形成壁110に設けられる圧電体素子5とを備え、圧電体素子の両電極51,53間に所定の駆動電圧を印加して圧力室内の液体をノズルから吐出させる液体吐出ヘッド1であって、圧電体素子は、正電圧の印加期間と負電圧の印加期間とを含む交番電圧が所定の駆動電圧として印加されるとき、当該印加される電圧の符号に応じて変位の向きが逆向きになる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
液体を吐出するノズルと、
前記ノズルに連通する圧力室と、
前記圧力室のノズル形成壁に設けられる圧電体素子とを備え、
前記圧電体素子の両電極間に所定の駆動電圧を印加して前記圧力室内の液体を前記ノズルから吐出させる液体吐出ヘッドであって、
前記圧電体素子は、正電圧の印加期間と負電圧の印加期間とを含む交番電圧が前記所定の駆動電圧として印加されるとき、当該印加される電圧の符号に応じて変位の向きが逆向きになることを特徴とする液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記圧電体素子は、前記所定の駆動電圧の絶対値の最大値をVmaxとし、当該最大値をもつ前記正電圧が印加されるときの変位量δ(Vmax)とし、当該最大値をもつ前記負電圧が印加されるときの変位量δ(-Vmax)としたとき、δ(Vmax)とδ(-Vmax)とが、略等しいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記圧電体素子は、窒化アルミニウム又は窒化アルミニウムスカンジウムであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記圧電体素子の両電極のいずれもが圧電体素子ごとの個別電極であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドの圧電体素子の両電極間に所定の駆動電圧を印加する駆動電圧印加部と、を備えることを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液体を吐出する装置において、
前記駆動電圧印加部は、前記圧電体素子の非駆動期間では該圧電体素子の両電極間に電圧を印加しないことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項7】
請求項5に記載の液体を吐出する装置において、
前記駆動電圧印加部は、正電圧の印加期間、負電圧の印加期間、正電圧の印加期間の順の電圧印加期間を含む交番電圧を前記所定の駆動電圧として印加することを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項8】
請求項5に記載の液体を吐出する装置において、
前記駆動電圧印加部は、前記圧電体素子の両電極のいずれに印加する電圧も変動させて、前記所定の駆動電圧を印加することを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項9】
液体を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室のノズル形成壁に設けられる圧電体素子とを備え、前記圧電体素子の両電極間に所定の駆動電圧を印加して前記圧力室内の液体を前記ノズルから吐出させる液体吐出ヘッドの駆動方法であって、
前記圧電体素子として、前記両電極間に印加される電圧の符号に応じて変位の向きが逆向きになるものを用い、
正電圧の印加期間と負電圧の印加期間とを含む交番電圧を、前記所定の駆動電圧として、前記圧電体素子の両電極間に印加することを特徴とする液体吐出ヘッドの駆動方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッド及び液体を吐出する装置、並びに、液体吐出ヘッドの駆動方法に関するものである。
続きを表示(約 3,800 文字)【0002】
従来、液体を吐出するノズルと、ノズルに連通する圧力室と、圧力室のノズル形成壁に設けられる圧電体素子とを備え、圧電体素子の両電極間に所定の駆動電圧を印加して圧力室内の液体をノズルから吐出させる液体吐出ヘッドが知られている。
【0003】
特許文献1には、ノズルに連通する圧力室のノズル形成壁に設けられる圧電体素子の両電極間に所定の駆動信号(駆動電圧)を印加して、圧力室内の液体をノズルから吐出させるインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)が開示されている。このインクジェットヘッドでは、圧電体素子の両電極間に一定の向きの電圧(正電圧)の印加期間しか含まない駆動信号(逆向きの電圧(負電圧)の印加期間が存在しない駆動信号)を用いる。すなわち、圧電体素子の両電極間に印加する電圧値を正電圧の範囲で変化させることで、圧電体を変位させて圧力室の容積を変化させ、ノズルから液体を吐出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、圧電体素子が圧力室のノズル形成壁に設けられるいわゆるノズル板振動方式では、従来、ノズルが開口したノズル面(液体が吐出される吐出面)上に、帯電したミストやチリなどの異物が付着しやすいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、液体を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室のノズル形成壁に設けられる圧電体素子とを備え、前記圧電体素子の両電極間に所定の駆動電圧を印加して前記圧力室内の液体を前記ノズルから吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記圧電体素子は、正電圧の印加期間と負電圧の印加期間とを含む交番電圧が前記所定の駆動電圧として印加されるとき、当該印加される電圧の符号に応じて変位の向きが逆向きになることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、いわゆるノズル板振動方式の液体吐出ヘッドにおいて、帯電したミストやチリなどの異物がノズル面上に付着するという不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態におけるノズル板振動方式の液体吐出ヘッドを模式的に示す断面図。
同液体吐出ヘッドのノズル面を模式的に示す斜視図。
図1中の符号Xで示す破線で囲った部分の拡大断面図。
同液体吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す平面図であり、C-C'断面の断面図。
同液体吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す正面図であり、A-A'断面の断面図。
同液体吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す側面図であり、B-B'断面の断面図。
実施形態の圧電体素子への印加電圧に対する静的な変位量を示すグラフ。
実施形態における駆動電圧の波形の一例を示すグラフ。
(a)~(c)は、従来構成の駆動電圧の例を示すグラフ。
実施形態における駆動電圧の波形の他の例を示すグラフ。
実施形態において、駆動波形源から各圧力室の各圧電体素子の第一電極(下部電極)及び第二電極(上部電極)へ所定の駆動電圧を印加する駆動電圧印加部の一例を示すブロック図。
(a)は、第一駆動波形源から出力される電圧の波形の一例を示すグラフ。(b)は、同例における圧電体素子の第二電極(上部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(c)は、同例における圧電体素子の第一電極(下部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(d)は、同例における圧電体素子に印加される電圧(第二電極の印加電圧から第一電極の印加電圧を引いた電圧=駆動電圧)の波形を示すグラフ。
(a)は、第一駆動波形源から出力される電圧の波形の他の例を示すグラフ。(b)は、同例における圧電体素子の第二電極(上部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(c)は、同例における圧電体素子の第一電極(下部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(d)は、同例における圧電体素子に印加される電圧(第二電極の印加電圧から第一電極の印加電圧を引いた電圧=駆動電圧)の波形を示すグラフ。
(a)は、第一駆動波形源から出力される電圧の波形の更に他の例を示すグラフ。(b)は、同例における圧電体素子の第二電極(上部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(c)は、同例における圧電体素子の第一電極(下部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(d)は、同例における圧電体素子に印加される電圧(第二電極の印加電圧から第一電極の印加電圧を引いた電圧=駆動電圧)の波形を示すグラフ。
(a)は、第一駆動波形源から出力される電圧の波形の更に他の例を示すグラフ。(b)は、同例における圧電体素子の第二電極(上部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(c)は、同例における圧電体素子の第一電極(下部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(d)は、同例における圧電体素子に印加される電圧(第二電極の印加電圧から第一電極の印加電圧を引いた電圧=駆動電圧)の波形を示すグラフ。
実施形態において、駆動波形源から各圧力室の各圧電体素子の第一電極(下部電極)及び第二電極(上部電極)へ所定の駆動電圧を印加する駆動電圧印加部の他の例を示すブロック図。
実施形態において、駆動波形源から各圧力室の各圧電体素子の第一電極(下部電極)及び第二電極(上部電極)へ所定の駆動電圧を印加する駆動電圧印加部の更に他の例を示すブロック図。
(a)は、図17の例において、第一駆動波形源から出力される電圧の波形を示すグラフ。(b)は、同例において、第三駆動波形源から出力される電圧の波形を示すグラフ。(c)は、同例における圧電体素子の第二電極(上部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(d)は、同例における圧電体素子の第一電極(下部電極)に印加される電圧の波形を示すグラフ。(e)は、同例における圧電体素子に印加される電圧(第二電極の印加電圧から第一電極の印加電圧を引いた電圧=駆動電圧)の波形を示すグラフ。
実施形態における印刷装置の概略説明図。
同印刷装置のヘッドユニットの一例の平面説明図。
他の印刷装置の要部平面説明図。
本例の印刷装置の要部側面説明図。
本例の液体吐出ユニットの要部平面説明図。
本例の液体吐出ユニットの正面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、液体を吐出する装置に設けられる液体吐出ヘッドに適用した一実施形態について説明する。
なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0009】
本実施形態における液体吐出ヘッドは、ノズルを有するノズル板に設けられるアクチュエータにより圧力室の圧力を変動させることにより圧力室内の液体をノズルから吐出するノズル板振動方式の液体吐出ヘッドである。ノズル板振動方式は、一般的なユニモルフ型ピエゾヘッド(圧力室のノズルに連通する連通口を有する壁部(ノズル連通壁)に対向する面を振動させて液体を吐出するもの)に比べて小さい力で液滴が飛ばせるという特徴があり、アクチュエータの省電力化を図ることができる。
【0010】
ノズル密度を高くすると電圧印加のための配線をレイアウトするスペースが限られ、基板表面での配線構築が困難となる。基板内に配線や駆動回路を構築することで、ノズル密度が高い構成でも、配線をレイアウトすることができる。一般に、アクチュエータとして用いられる圧電体の材料として、圧電特性の高さから、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が広く利用されている。ただし、配線や駆動回路が構築された基板上に圧電膜を成膜する場合、PZTの成膜・結晶化温度は600℃以上を要することから、圧電体の材料としてPZTを用いると、基板内の駆動回路とその配線が高温に耐えられなくなる。そのため、基板内に配線や駆動回路を構築する構成では、圧電材料としては、PZTよりも成膜温度の低い圧電材料が求められ、PZTに比べ圧電特性の低い材料を選択することを余儀なくされる。しかしながら、上述したノズル板振動方式は、一般的なユニモルフ型ピエゾヘッドに比べ小さい力で液滴が飛ばせるという特徴があるため、PZTに比べ圧電特性の低い材料を選択しても、良好に液体を吐出することが可能である。よって、非鉛材料など成膜・結晶化温度は低いがパワーの小さい圧電材料でも良好に液体を吐出することができる。これにより、基板内に配線や駆動回路を構築することができ、高密度化が可能となる。さらに、ノズル板振動方式は、圧力室の容積を小さくできることから、ヘッドの小型化も可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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