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公開番号2025114906
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009137
出願日2024-01-25
発明の名称車両の乗員保護装置
出願人株式会社SUBARU
代理人弁理士法人i-MIRAI,個人,個人,個人
主分類B60R 21/205 20110101AFI20250730BHJP(車両一般)
要約【課題】車両のドライバのための保護装置を改善する。
【解決手段】車両のステアリングホイールが前に配置されるシートに着座するドライバを保護するための車両の乗員保護装置は、ダッシュボードから後側へ展開する上エアバッグを有する上エアバッグ装置と、上エアバッグの下側においてダッシュボードから後側へ展開する下エアバッグを有する下エアバッグ装置と、を有する。下エアバッグは、ステアリングホイールより幅広に、ステアリングホイールに被さるように展開する。上エアバッグは、下エアバッグより幅広に、下エアバッグに被さるように展開する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
車両のシートに着座するドライバを保護するための車両の乗員保護装置であって、
前記シートの前方に配置されるダッシュボードから後側へ向けて展開可能な上エアバッグを有する上エアバッグ装置と、
前記上エアバッグの下側において前記ダッシュボードから後側へ向けて展開可能な下エアバッグを有する下エアバッグ装置と、
を有し、
前記ダッシュボードから後側へ向けて展開する前記下エアバッグは、
前記シートの前方に配置されるステアリングホイールより幅広に且つ前記ステアリングホイールの内側または上側から前記ステアリングホイールの後側に延在するように展開して、前記ステアリングホイールに被さるように展開可能であり、
前記ダッシュボードから後側へ向けて展開する前記上エアバッグは、
前記下エアバッグより幅広に且つ前記下エアバッグの上側から前記下エアバッグの後側に延在するように展開して、前記下エアバッグに被さるように展開可能である、
車両の乗員保護装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記ステアリングホイールより幅広の前記下エアバッグは、
前記ダッシュボードから前記ステアリングホイールの後側までに到達する長さに展開可能な略楕円形状に形成され、
前記ダッシュボードから後方へ向けて展開する前記下エアバッグについての、前記ステアリングホイールより後側において展開している下展開先端部分が、下向きに折れ曲がる形状に展開することにより、前記ステアリングホイールの上側から後側までに被さるように展開可能であり、
前記下エアバッグより幅広の前記上エアバッグは、
前記ダッシュボードから前記下エアバッグの後側までに到達する長さに展開可能な略楕円形状に形成され、
前記ダッシュボードから後方へ向けて展開する前記上エアバッグについての、前記下エアバッグより後側において展開している上展開先端部分が、下向きに折れ曲がる形状に展開することにより、前記下エアバッグまたは前記ステアリングホイールの上側から後側までに被さるように展開可能であり、
前記上エアバッグについての下向きに折れ曲がる前記上展開先端部分には、前記車両の車幅方向に並んだ状態に展開する2つの分割展開部が設けられる、
請求項1記載の、車両の乗員保護装置。
【請求項3】
前記ダッシュボードには、前記ステアリングホイールの前側となる部分に、メータパネル用の薄型ディスプレイが上に跳ね上げ可能に設けられ、
前記下エアバッグは、
前記薄型ディスプレイの裏側から展開して、前記薄型ディスプレイを上へ跳ね上げて展開し、
前記上エアバッグは、
前記ダッシュボードについての、前記薄型ディスプレイより前側の部分から展開して、前記ダッシュボードと前記ダッシュボードの上側にある前記車両のフロントガラスと接触する状態で後側へ向けて展開する、
請求項2記載の、車両の乗員保護装置。
【請求項4】
前記上エアバッグの展開と前記下エアバッグの展開とを制御する制御部、を有し、
前記制御部は、
前記上エアバッグと前記下エアバッグとを共に展開する場合、前記上エアバッグの前に前記下エアバッグの展開を開始する、
請求項1から3のいずれか一項記載の、車両の乗員保護装置。
【請求項5】
前記ステアリングホイールについての、チルト機構またはテレスコピック機構により調整されている位置を検出するステア位置検出センサ、前記シートの調整位置を検出するシート位置検出センサ、および、前記シートに着座するドライバを検出するドライバセンサ、の中の少なくとも1つの乗員センサ、を有し、
前記乗員センサは、前記制御部に接続され、
前記制御部は、
前記乗員センサの検出に基づいて、前記シートに着座しているドライバについての体格または前記ステアリングホイールからの離隔距離を推定し、
前記シートに着座しているドライバの体格が小柄であると判断する第一の場合、または前記離隔距離が閾値以下であると判断する第二の場合、前記下エアバッグの展開を不可に制御して、前記上エアバッグおよび前記下エアバッグのうち前記上エアバッグのみを展開可能に制御し、
前記第一の場合および前記第二の場合のいずれとも判断しない場合、前記下エアバッグの展開を可に制御して、前記上エアバッグおよび前記下エアバッグを展開可能に制御する、
請求項4記載の、車両の乗員保護装置。
【請求項6】
前記車両の前面衝突を検出する車両センサ、を有し、
前記ステアリングホイールは、円環形状とは異なる異形のものであり、
前記車両センサは、前記制御部に接続され、
前記制御部は、
車両センサの検出情報に基づいて、前記車両の前面衝突を検出し、
前記上エアバッグおよび前記下エアバッグの展開を開始する前に、前記ステアリングホイールを中立位置へ戻す制御を開始し、
前記上エアバッグおよび前記下エアバッグを展開するタイミングにおいて、前記ステアリングホイールが前記中立位置となっていない場合、前記上エアバッグおよび前記下エアバッグのうち前記上エアバッグのみを展開する、
請求項5記載の、車両の乗員保護装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員保護装置に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1では、自動車のドライバなどを保護するために、ステアリングからエアバッグを展開する。これにより、エアバッグがドライバの前で展開し、自動車の前面衝突の際に前へ移動しようとするドライバの頭部や上体を支えて衝撃を吸収することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-35450号公報
国際公開第2020/241079号公報
特開2018-158638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようにステアリングからエアバッグを展開する場合、そのエアバッグは、基本的に、ステアリングと同等のサイズでしか有効に展開できない。第一に、ステアリングから展開するエアバッグは、ステアリングホイールより大きいサイズに展開したとしても、ドライバの荷重を支えるための反力を、ステアリングホイールから外へはみ出している部分において得ることが難しい。第二に、ステアリングには、大きなエアバッグを格納するスペースを確保することが難しい。特許文献2のように、ステアリングから上前方向へ大きく展開する大きいエアバッグは、その実現性に乏しい。
また、特許文献3は、助手席の乗員の前へ向けて、ダッシュボードから、2つのエアバッグを展開することを開示する。2つのエアバッグは、前後方向に重なる。後側のエアバッグが、助手席の乗員の前まで展開する。しかしながら、このようにダッシュボードから乗員の前まで展開する後側のエアバッグは、ドライバの前にステアリングホイールが設けられている場合、ドライバの前まで展開することは容易でない。このため、特許文献3でも、2つのエアバッグを助手席の乗員のためのものとしている。
また、特許文献2は、さらに、ステアリングホイールから下側のエアバッグを展開し、ダッシュボードから上側のエアバッグを展開することを開示する。しかしながら、この2つのエアバッグは、ドライバの前において、上下のエアバッグが単に上下に接するだけである。この場合、ドライバの上体と頭部とは、別々のエアバッグに当たる。そして、上側のエアバッグは、ドライバを支えるための反力を主にダッシュボードから得ているのに対し、下側のエアバッグは、ドライバを支えるための反力を主にステアリングホイールから得ているものと考えられる。その結果、特許文献2のように単に上下で接している上側のエアバッグと下側のエアバッグとは、それぞれ異なる場所から異なる反力を得て、同じ向きの荷重が作用しても、別々の動きになり易い。上側のエアバッグに当たるドライバの頭部と、下側のエアバッグに当たるドライバの胸部とは、荷重に対して別々の動きをする2つのエアバッグの相対的なずれにより、首に対してひねりなどの力が作用し易いと考えられる。
【0005】
しかも、ドライバ用のエアバッグを開示している特許文献1、2のいずれにおいても、自動車の前面衝突の際にドライバが斜め前方向へ倒れ込むように挙動する場合に、その斜め前方向へ倒れ込むドライバの上体や頭部を、各々で開示しているエアバッグが反力を得ながら支えることは困難である。自動車がたとえば左前部分や右前部分で前面衝突する場合、ドライバは、斜め前方向へ倒れ込む。ドライバではない乗員用のエアバッグを開示している特許文献3においても、単に、エアバッグを助手席の乗員の外側に延長して展開することを開示するだけである。このようにエアバッグを外側に延長して展開しても、助手席の乗員が、斜め前方向の内側へ倒れ込む場合には、エアバッグが反力を得ながら助手席の乗員の上体や頭部を支えることはできない。
【0006】
このように、車両のドライバのための保護装置には、改善が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の一形態に係る車両の乗員保護装置は、車両のダッシュボードおよびステアリングホイールが前に配置されるシートに着座するドライバを保護するための車両の乗員保護装置であって、前記ダッシュボードから後側へ向けて展開可能な上エアバッグを有する上エアバッグ装置と、前記上エアバッグの下側において前記ダッシュボードから後側へ向けて展開可能な下エアバッグを有する下エアバッグ装置と、を有し、前記ダッシュボードから後側へ向けて展開する前記下エアバッグは、前記ステアリングホイールより幅広に且つ前記ステアリングホイールの内側または上側から前記ステアリングホイールの後側に延在するように展開して、前記ステアリングホイールに被さるように展開可能であり、前記ダッシュボードから後側へ向けて展開する前記上エアバッグは、前記下エアバッグより幅広に且つ前記下エアバッグの上側から前記下エアバッグの後側に延在するように展開して、前記下エアバッグに被さるように展開可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、車両のダッシュボードから後側へ向けて下エアバッグと上エアバッグとを展開する。ダッシュボードから展開する下エアバッグおよび上エアバッグは、ステアリングホイールに設けられるエアバッグより大きくすることができる。
下エアバッグは、上エアバッグの下側において、ステアリングホイールの内側または上側からステアリングホイールの後側に延在するように展開する。下エアバッグは、ステアリングホイールに被さるように展開するため、ドライバの荷重が作用する場合、ステアリングホイールから反力を得ることができる。また、上エアバッグは、下エアバッグの上側から下エアバッグの後側に延在するように展開する。上エアバッグは、下エアバッグに被さるように展開するため、ドライバの荷重が作用する場合、下エアバッグから反力を得ることができる。このように下エアバッグおよび上エアバッグは、ステアリングホイールの内側または上側からステアリングホイールの後側に延在するように展開するため、ドライバの前にステアリングホイールがある場合でも、ドライバの前に到達するように展開できる。
シートに着座するドライバは、車両の前面衝突の衝撃により前方向へ移動しても、ステアリングホイールの上に重ねて被さる下エアバッグと上エアバッグとにより支えられ得る。シートに着座するドライバは、前面衝突の際に、ステアリングホイールに対して直接的に接しない。シートに着座するドライバは、その前にステアリングホイールが存在していても、ステアリングホイールとの衝突から良好に保護される。
しかも、本発明において、ダッシュボードから後側へ向けて展開する下エアバッグは、ステアリングホイールより幅広に展開する。また、ダッシュボードから後側へ向けて展開して、下エアバッグに被さるように展開する上エアバッグは、下エアバッグより幅広に展開する。幅広の下エアバッグは、ステアリングホイールから外へはみ出している部分についてもステアリングホイールにより反力を得て、さらに幅広の上エアバッグは、下エアバッグから外へはみ出している部分についても下エアバッグにより反力を得られる。ドライバが斜め前方向へ倒れ込むように挙動して、上エアバッグや下エアバッグについての、ステアリングホイールから外へはみ出している部分へ倒れ込んだとしても、上エアバッグや下エアバッグは、そのドライバの頭部や上体を支えることができる。しかも、上エアバッグは、ドライバの荷重により下エアバッグと面接触で密着して、下エアバッグにより反力を得る。上エアバッグは、下エアバッグの上でずれ難い。上エアバッグと下エアバッグとは、ドライバの頭部や上体をともに良好に支えることができる。ドライバの首に対して、ひねる力などは作用し難い。
このように、本発明では、車両のドライバのための保護装置を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の第一実施形態に係る自動車の模式的な側面図である。
図2は、図1の自動車の模式的な上面図である。
図3は、図1の自動車の乗員保護装置の構成図である。
図4は、図3の乗員保護装置の各部の配置の説明図である。
図5は、図3の制御部による、前面衝突予測制御のフローチャートである。
図6は、図3の制御部による、前面衝突検出制御のフローチャートである。
図7は、乗員保護装置の下エアバッグおよび上エアバッグがともに展開している状態の説明図である。
図8は、図7の展開状態を自動車の後方から見た透視図である。
図9は、小柄なドライバの場合に、乗員保護装置の上エアバッグのみが展開している状態の説明図である。
図10は、本発明の第二実施形態に係る自動車の乗員保護装置の下エアバッグおよび上エアバッグが展開する状態の説明図である。
図11は、図10の展開状態を自動車の後方から見た透視図である。
図12は、第二実施形態の制御部による、前面衝突検出制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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