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公開番号2025109103
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-24
出願番号2024002820
出願日2024-01-11
発明の名称水素の混焼を制御する装置および方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類F02D 19/08 20060101AFI20250716BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】センサ等を新たに付加することなく水素混焼エンジンにおける異常燃焼をリアルタイムで検出し、水素混合割合を適切に制御することが可能な技術を提供する。
【解決手段】水素混焼制御装置は、気筒を有し、第一燃料を当該気筒に供給する第一燃料供給機構と、水素を含む第二燃料を当該気筒に供給する第二燃料供給機構とを備え、第一燃料と第二燃料とを含む混合気を当該気筒内の燃焼室で燃焼させることにより燃焼室で混焼させる水素の混合割合を制御する装置であって、クランク軸の回転を検出する回転センサと、回転センサの検出結果に基づいて、所定のクランク回転角度の範囲内におけるクランク軸の回転時間の極値と、当該回転時間の極値をとるタイミングを表す極値タイミングとを算出する演算部とを有し、算出された回転時間の極値および極値タイミングに基づいて、燃焼室における異常燃焼の有無を判定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
気筒を有し、当該気筒内のピストンの往復運動をクランク軸の回転に変換するエンジンと、
第一燃料を当該気筒に供給する第一燃料供給機構と、
水素を含む第二燃料を当該気筒に供給する第二燃料供給機構と
を備え、
前記第一燃料と前記第二燃料とを含む混合気を当該気筒内の燃焼室で燃焼させることにより前記燃焼室で混焼させる水素の混合割合を制御する
水素混焼制御装置であって、
前記クランク軸の回転を検出する回転センサと、
前記回転センサの検出結果に基づいて、所定のクランク回転角度の範囲内における前記クランク軸の回転時間の極値と、当該回転時間の極値をとるタイミングを表す極値タイミングとを算出する演算部と
を有し、
前記算出された回転時間の極値および極値タイミングに基づいて、前記燃焼室における異常燃焼の有無を判定する、
水素混焼制御装置。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記エンジンは、複数の気筒を備える、請求項1に記載の水素混焼制御装置。
【請求項3】
前記エンジンの運転条件毎に、前記燃焼室における異常燃焼の有無を判定する、請求項1に記載の水素混焼制御装置。
【請求項4】
前記エンジンの出力変動時に、前記燃焼室における異常燃焼の有無を判定する、請求項1に記載の水素混焼制御装置。
【請求項5】
前記所定のクランク回転角度は、720度である、請求項1に記載の水素混焼制御装置。
【請求項6】
前記異常燃焼の有無は、前記回転時間の極値における極大値と極小値との差および前記極値タイミングが、所定の閾値内にあるか否かにより判定される、請求項1に記載の水素混焼制御装置。
【請求項7】
前記所定の閾値は、水素混焼率、運転条件および環境条件毎に予め設定される、請求項6に記載の水素混焼制御装置。
【請求項8】
運転実績の履歴情報を少なくとも記憶する記憶装置をさらに備え、
前記所定の閾値は、前記記憶された運転実績の履歴情報に応じて更新される、
請求項6に記載の水素混焼制御装置。
【請求項9】
前記回転時間の極値における極大値と極小値との差および前記極値タイミングが、前記所定の閾値内にないと判定された場合、当該判定された閾値外の領域により異常燃焼の状態を判定し、
前記判定された異常燃焼の状態に応じて制御モードを決定する、
請求項6に記載の水素混焼制御装置。
【請求項10】
前記制御モードは、当該気筒への第二燃料の供給量を制御するモードであり、
当該第二燃料の供給量は、目標水素混焼率または現在第一燃料流量の少なくともいずれか一つに基づいて決定される、
請求項9に記載の水素混焼制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素混焼エンジンにおいて水素の混焼を制御する技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
化石燃料の使用を削減するための脱炭素システムとして、再生可能エネルギーで生成した水素を使用した水素混焼の発電システムが、発電用やコジェネレーション向け等で検討されている。水素は燃焼速度が従来の炭化水素燃料の約7倍以上であることから、このような水素混焼エンジンにおいては、水素の供給を調整することにより熱効率を向上させることが可能である。
【0003】
その一方で、水素の供給量によって燃焼タイミングが大きく変化することで、バックファイア(Back-fire)、アフターファイア(After-fire)、プレイグニッション(Pre-ignition)、ノッキング(Knocking)といった異常燃焼が発生し、場合によってはエンジンが故障するおそれがある。ここで、バックファイアとは、エンジンの中で燃焼しきれなかったガスが外に出てエンジンの外で爆発を起こしてしまい、吸気側に炎が逆流する現象であり、アフターファイアとは、排気側で未燃焼ガスが爆発燃焼してしまう現象である。また、プレイグニッションとは、予期した点火タイミングよりも前に、シリンダー内の空気と燃料の混合気が着火する現象であり、ノッキングとは、シリンダー内で本来とは異なるタイミングで混合気が発火し、異音や振動が発生する現象である。
【0004】
また、水素の可燃範囲を外れると、燃え切らない未燃の水素がエンジンの外に排出されるため、熱効率の低下につながる。その場合、エンジンの外に水素が排出されることにより周辺の安全面が懸念となる。
【0005】
以上より、水素を一部燃料とするエンジンにおいては、異常燃焼や失火を抑制するために、リアルタイムに燃焼状態を検出する必要がある。エンジン内の燃焼状態を検出する技術としては、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に記載された技術が挙げられる。
【0006】
特許文献1には、水素が燃料として供給されるエンジンにおいて、「内燃機関の制御装置は、各気筒筒内圧およびクランクアングルに基づき、各気筒におけるプレイグニッション/バックファイアの発生の有無を検知」することや、「プレイグニッションの発生が検知された各気筒に対しては、燃焼速度を上昇させるための制御を行い、バックファイアの発生が検知された各気筒に対しては、筒内温度を低下させるための制御を行う」ことが記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、筒内圧センサを用いずに既存のクランク回転速度の極値タイミングを検出し、燃焼タイミングを推定する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2016-130473号公報
特開2020-190234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載された技術は、各気筒の内圧とクランクアングルに基づき、各気筒におけるプレイグニッション/バックファイアの発生の有無を検知し、異常が発生した気筒に対して温度を低下させるように内燃機関を制御するものである。そのため、特許文献1に記載された技術を用いる場合には、異常燃焼の検知のために、筒内圧センサが気筒毎に必要となるため、追加コストがかかる、という問題点があった。また、特許文献1に記載された技術を用いる場合には、筒内圧センサを燃焼室に接続するためのスペースの確保と、エンジン製造時にそのための加工が必要になる、という問題点もあった。
【0010】
他方、特許文献2に記載された内燃機関制御装置によれば、MFB50タイミング(燃焼重心タイミング)、すなわち燃焼室内に噴射された燃料が燃焼室内で燃焼する際に、その全ての燃料の燃焼が完了する完全燃焼状態における燃焼度合いを「100%」とした場合において、燃焼度合いが「50%」に達するタイミングを検出することが可能である。しかしながら、この特許文献2に記載された技術によって燃焼状態を把握する場合、ノッキングやプレイグニッションといった異常燃焼をリアルタイムに検出することが難しい、という問題点があった。また、特許文献2に記載された技術を用いる場合、回転数やトルクの変化に対応するために、別途、トルク情報を追加で取得する必要がある、という問題点があった。
(【0011】以降は省略されています)

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