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公開番号2025107986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-22
出願番号2025002636
出願日2025-01-08
発明の名称イムノアッセイにおける干渉を低減するための方法およびキット
出願人シーメンス ヘルスケア ダイアグノスティクス プロダクツ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
代理人個人,個人
主分類C07K 16/18 20060101AFI20250714BHJP(有機化学)
要約【課題】イムノアッセイにおいて干渉を低減するための方法およびキットを提供すること。
【解決手段】本発明は、in vitroでの診断適用に向けたイムノアッセイの分野の発明であり、異好性抗体またはリュウマチ因子によって引き起こされる干渉の低減に向けた検査特有のブロッキング抗体の使用に関するものである。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
体液サンプルにおいて分析物を検出する方法に使用するためのキットであって、
a)第1の抗原特異的抗体であって、
第1のアミノ酸配列を有し、
抗原に特異的に結合し、
その使用が、分析物の検出用の規定された検査システムで分析物特異的検出反応をもたらす、第1の抗原特異的抗体と、
b)抗体バリアントであって、
第2のアミノ酸配列を有し、
その抗体バリアントの抗原結合能力は第1の抗体と比較して大幅に低減されており、その結果、分析物の検出用の規定された検査システムでの抗体バリアントの付加的使用によって、分析物特異的検出反応が最大で15%低減する、抗体バリアントと
を含有し、
抗体バリアントのアミノ酸配列は、1~3個の改変アミノ酸残基を除いて、第1の抗原特異的抗体のアミノ酸配列と同一であることを特徴とする、
キット。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
1~3個の改変アミノ酸残基は、抗体バリアントの重鎖または軽鎖の相補性決定領域(CDR)のうちの1つまたはそれ以上に位置する、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
少なくとも1個の改変アミノ酸残基は、抗体バリアントの重鎖の1つの相補性決定領域に位置する、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
少なくとも1個の改変アミノ酸残基は、抗体バリアントの重鎖の相補性決定領域CDR-H3に位置する、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
少なくとも抗体バリアントは組換えで生成された、請求項1~4のいずれか1項に記載のキット。
【請求項6】
第1の抗原特異的抗体および抗体バリアントは、異なる試薬に存在する、請求項1~5のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
第1の抗原特異的抗体は、固相および/またはシグナル形成システムの成分と会合している、請求項1~6のいずれか1項に記載のキット。
【請求項8】
第1の抗原特異的抗体は分析物の特異的抗体である、請求項1~7のいずれか1項に記載のキット。
【請求項9】
c)少なくとも1つのさらなる抗原特異的抗体であって、
第3のアミノ酸配列を有し、
抗原に特異的に結合し、
その使用が、分析物の検出用の規定された検査システムで、分析物特異的検出反応をもたらす、
少なくとも1つのさらなる抗原特異的抗体と、
d)さらなる抗体バリアントであって、
第4のアミノ酸配列を有し、
そのさらなる抗体バリアントの抗原結合能力は、さらなる抗原特異的抗体と比較して大幅に低減されており、その結果、分析物の検出用の規定された検査システムでのさらなる抗体バリアントの付加的使用によって、分析物特異的検出反応が最大で15%低減する、さらなる抗体バリアントと
をさらに含有し、
さらなる抗体バリアントのアミノ酸配列は、1~3個の改変アミノ酸残基を除いて、さらなる抗原特異的抗体のアミノ酸配列と同一である、
請求項1~8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
第1の抗原特異的抗体はGPIbタンパク質に特異的に結合する、請求項1に記載のキット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、in vitroでの診断適用に向けたイムノアッセイの分野の発明であり、異好性抗体またはリュウマチ因子によって引き起こされる干渉の低減に向けた検査特有のブロッキング抗体の使用に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
イムノアッセイは、体液サンプルにおいて様々な分析物を定量的または定性的に検出するための臨床診断検査において、何十年にもわたって使用されてきた。抗原の直接検出用にまたは異なる分析物の間接検出用に使用される抗体は、通常、免疫性を付与した動物(例えばウサギ、マウス、ヒツジ)からまたはバイオテクノロジー手段によって入手される、モノクローナルまたはポリクローナルの動物抗体である。患者のサンプルに由来する干渉物質によりもたらされる誤った検査結果によって、広範囲にわたる誤診が導かれるおそれがある。既知であり比較的頻繁に生じる一問題とは、個体のサンプルに内因的に存在する可能性のある干渉抗体の問題である(非特許文献1)。干渉抗体の例は、異好性抗体、すなわち、別の種の抗原、特に免疫グロブリンに対して向けられる患者の血中の抗体、例えばヒト抗マウス抗体(HAMA)である。干渉抗体の別の例は、いわゆるリウマチ因子、すなわち、ヒト免疫グロブリンGのFc部分に対して向けられたヒト自己抗体である。これらの干渉抗体すべてが、通常、動物抗体に対する親和性を有し、Fc部分にしばしば結合する。検査システムで、分析物の検出のために検出反応の一部として動物抗体(「分析用抗体」)を使用するならば、患者サンプル由来の干渉抗体の存在下で起こる可能性があることとは分析用抗体と干渉抗体の間の結合反応であり、この結合反応によって、検出反応がブロックされおよび偽陰性の/誤った低い結果がもたらされるか、または、検出反応が強化されおよび偽陽性の/誤った高い結果がもたらされる。
【0003】
したがって、このような干渉を低減するために、最新のイムノアッセイにはブロッキング抗体を添加することが標準手順である。前記ブロッキング抗体は、通常、検査システムで使用される分析用抗体と同じ免疫グロブリンクラスおよび同じ種の、無作為に選択された非特異的抗体の混合物である。例えば、モノクローナルマウス抗体(例えばマウスIgG1)を分析用抗体として使用する検査システムにおいてさらに添加することができるものとは、無関係なマウスIgG1、すなわち、検査システムにおいて非機能性であるマウスIgG1の過剰な混合物である。ほとんどの場合、このことより、患者サンプル由来の任意の干渉抗体が無関係な抗体に結合し、それによって、分析用抗体への問題を生じる結合が防止されるか、または少なくとも最小限に抑えられる。このようなブロッキング剤は、市販されており、例えば、Scantibodies Laboratory, Inc.製のHeterophilic Blocking Reagent試薬(HBR)またはMeridian Bioscience, Inc.製のTRU Block試薬である。このような無関係な抗体のブロッキング効果は、無関係な抗体を事前に凝集させることによって最適化することができる(特許文献1)。
【0004】
これらの措置にもかかわらず、従来のブロッキング試薬による明らかに効果不十分であるブロッキングのせいで、特定のイムノアッセイ検査システムを使用してある特定のサンプルを正確に分析することができないケースがそれでもなおある。非特許文献2では、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)活性を決定するための異なる2つの検査システムの使用により、両方のケースでとりわけモノクローナルマウス抗体の使用を伴うが、HAMAブロッキング剤(ヒト抗マウス抗体のブロッキング用)の添加にもかかわらず、誤った高い結果が繰返し得られた患者サンプルが記載されている。
【0005】
本発明に関連して「イムノアッセイ」とは、少なくとも1つの抗原特異的抗体の使用を含む、サンプルの分析物を検出するための方法である。抗原特異的抗体は、分析物の特異的抗体とすることができるが、必ずしもそうである必要はないことがある。
【0006】
検査設定に応じて、使用される抗体は様々な機能を果たすことができる。例えば、抗体は、捕捉抗体として使用することができ、または分析物を直接結合し検出するための標識二次抗体として使用することができる;この目的のためには、抗体は分析物の特異的抗体である必要がある。別のケースでは、抗体は、例えば、検出される分析物の結合パートナーを固相上に固定化するために使用することができる;この目的のためには、抗体は、前記結合パートナーに対して特異性を有する抗体である必要がある。様々なイムノアッセイの原理が知られている(直接法、間接法、競合法、非競合法)。すべてに共通することとは、そういった原理は、分析物の検出用の選択された検査システムにおいて、分析物特異的検出反応に直接的または間接的に関与する少なくとも1つの抗原特異的抗体の使用を含むこと、である。
【0007】
したがって、抗体誘発性干渉の発生を最小限に抑えるために最適化された従来のイムノアッセイとは、以下の工程を本質的に含む、体液サンプルにおいて分析物を検出するため方法である:
i)サンプルを、
a)抗原に特異的に結合する抗原特異的抗体、および、
b)サンプルに存在する干渉抗体の抗原特異的抗体への結合をブロックすると経験上知られている、非特異的な、無作為に選択された抗体の混合物
と接触させることにより、反応混合物を用意する工程と、
ii)抗原と第1の抗原特異的抗体との複合体の形成によって影響を受けおよび分析物の量と相関する、反応混合物中の測定変数を測定する工程。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
US2004/0018556A1
【非特許文献】
【0009】
Bolstad,N.ら、Heterophilic antibody interference in immunometric assays. Best Practice & Research Clinical Endocrinology & Metabolism(2013)、647~661頁
Bowyer A.E.ら(Von Willebrand factor activity assay errors.Haemophilia (2016)、22、e74~e76頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
反応混合物へのブロッキング抗体の添加にもかかわらず、明らかに効果不十分であるブロッキングのせいで、ある特定のイムノアッセイにおいて正確に分析することができないサンプルが常に存在することから、本発明の一目的は、患者サンプルに存在する異好性抗体またはリウマチ因子などの干渉抗体により引き起こされる任意の干渉を効果的に低減することによってイムノアッセイの信頼性を向上させる、イムノアッセイに向けたさらなる方法および手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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