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公開番号2025107338
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-17
出願番号2025076181,2023034101
出願日2025-05-01,2013-09-17
発明の名称光電子素子
出願人オックスフォード ユニヴァーシティ イノヴェーション リミテッド
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類H10K 30/57 20230101AFI20250710BHJP()
要約【課題】光電子素子。
【解決手段】タンデム接合光電子素子又は多接合電子素子である光起電力素子であって、光起電力素子は、光活性領域を含み、光活性領域が、少なくとも1つのn型層を含むn型領域と、少なくとも1つのp型層を含むp型領域とを含み、n型領域とp型領域との間に、開口気孔のないペロブスカイト半導体の層が配置されている、光起電力素子。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
タンデム接合光電子素子又は多接合電子素子である光起電力素子であって、前記光起電力素子は、光活性領域を含み、前記光活性領域が、
少なくとも1つのn型層を含むn型領域と、
少なくとも1つのp型層を含むp型領域とを含み、
前記n型領域と前記p型領域との間に、開口気孔のないペロブスカイト半導体の層が配置されている、光起電力素子。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記光起電力素子が、第1の電極と、第2の電極とを含み、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に、
(i)前記光活性領域と、
(ii)少なくとも1つの別の光活性領域と
が配置されている、請求項1に記載の光起電力素子。
【請求項3】
開口気孔のない前記ペロブスカイト半導体の前記層の厚さが、10nm~100μmである、請求項1又は2に記載の光起電力素子。
【請求項4】
開口気孔のない前記ペロブスカイト半導体の前記層の厚さが、100nm~100μmである、請求項1又は2に記載の光起電力素子。
【請求項5】
前記ペロブスカイト半導体が、三次元結晶構造を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項6】
前記ペロブスカイト半導体の前記層が、前記n型領域と第1のプレーナ・ヘテロ接合を形成し、前記p型領域と第2のプレーナ・ヘテロ接合を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項7】
前記光活性領域が、
前記n型領域と、
前記p型領域とを含み、
前記n型領域と前記p型領域との間に、
(i)多孔質スカフォールド材料と、前記スカフォールド材料の細孔内に配置されたペロブスカイト半導体とを含む第1の層であって、随意的に、前記スカフォールド材料が誘電性スカフォールド材料又は電子輸送スカフォールド材料である、第1の層と、
(ii)前記第1の層上に配置されたキャッピング層であって、前記キャッピング層は、開口気孔のないペロブスカイト半導体の前記層であり、前記キャッピング層内の前記ペロブスカイト半導体が、前記第1の層内の前記ペロブスカイト半導体と接触している、キャッピング層と
が配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項8】
前記ペロブスカイト半導体が、ハロゲン化物アニオンから選択される少なくとも1つのアニオンを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の光起電力素子。
【請求項9】
前記ペロブスカイトが、
有機カチオンである第1のカチオンと、
金属カチオンである第2のカチオンと、
ハロゲン化物アニオンから選択される前記少なくとも1つのアニオンとを含み、
随意的に、さらなるカチオンまたはさらなるアニオンを含む、請求項8に記載の光起電力素子。
【請求項10】
前記第1のカチオンが、(H

N=CH-NH



であり、前記第2のカチオンが、Pb
2+
又はSn
2+
である、請求項9に記載の光起電力素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子素子に関し、特に、平面接合光電子素子に関する。本発明はまた、このような光電子素子を製造するためのプロセスに関する。
続きを表示(約 5,400 文字)【背景技術】
【0002】
薄膜光電池は、その高効率、同等の安定性、及び潜在的に低い製造コストのために単結晶対応物に対する将来有望な代替物である。光電池用途に対して現在検討中である最も広く研究されている薄膜材料は、化合物半導体CdTe[X. Wu, Solar Energy, vol. 77, p. 803, 2004]、CuIn
1-x
Ga

Se

(CIGS)[Chirila et al., Nature Materials, vol. 10, p. 857, 2011]、Cu

ZnSnS

(CZTS)[D. Barkhouse et al., Progress in Photovoltaics, vol. 20, p. 6, 2012]、色素増感太陽電池[A. Yalla et al., Science, vol. 334, p. 629, 2011]、及び有機半導体太陽電池[Y. Liang et al., Advanced Energy Materials, vol. 22, p. E135, 2010]を含む。高効率太陽電池を含む無機化合物半導体は、典型的には費用のかかる真空系の堆積を使用して製造されるが、CIGS及びCZTSの溶液処理に向けた最近の道筋は、高効率素子を明示した[M. Graetzel at al., Nature, vol. 488, p. 304, 2012]。低い記録効率を有する色素増感太陽電池及び有機太陽電池は、典型的には溶液系の堆積処理手順で製造されるが、不十分な長期安定性に悩まされている。加えて、テルル及びインジウムの比較的小さな製造能力が、CdTe及びCIGSを潜在的に商業的に魅力のないものにさせている。
【0003】
ペロブスカイト(Perovskites)[D. Mitzi et al., Science, vol. 267, p. 1473, 1995]は、素子用途に対して検討されてきている半導体材料の代替ファミリである[D. Mitzi at al., IBM Journal of Research and Development, vol. 45, p. 29, 2001]。光電池に関して、ペロブスカイトは、液体電解質光電気化学セルにおける増感剤として使用されてきている[J.-H. Im et al., Nanoscale, vol. 3, p. 4088, 2011; A. Kojima et al., Journal of American Chemical Society, vol. 131, p. 6050, 2009]、とはいえこの以前に報告された電解質系では、ペロブスカイト吸収材は、急速に崩壊し、太陽電池は、たった10分後に性能が低下した。ペロブスカイトは、固体光電気化学セルにおいて[H.-S. Kim et al., Scientific Reports, doi:10.1038/srep00591; A. Kojima et al., ECS Meeting Abstracts, vol. MA2007-02, p. 352, 2007]及び固体色素増感太陽電池における正孔トランスポータとして[I. Chung, Nature, vol. 485, p. 486, 2012]やはり使用されてきている。増感太陽電池の主要な動作原理は、光吸収及び電荷輸送の役割が太陽電池内の異なる材料へと分離されることである。これは、光が材料の固体膜を照らした場合に電荷を非効率的に発生するはずの光吸収材が、増感太陽電池内で非常に効率的に動作することを可能にする。これゆえ、メソ構造の太陽電池内で増感剤として又は色素増感太陽電池内で正孔トランスポータとして利用されるペロブスカイトの実例はあるが、太陽電池において効率的に動作するペロブスカイトの固体膜の報告がないので、ペロブスカイトが薄膜光電池において固体薄膜として利用される材料の理想的なファミリではないと仮定することは妥当なはずである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
X. Wu, Solar Energy, vol. 77, p.803, 2004
Chirila et al., Nature Materials, vol. 10, p. 857, 2011
D. Barkhouse et al., Progress in Photovoltaics, vol. 20, p. 6, 2012
A. Yalla et al., Science, vol. 334, p. 629, 2011
Y. Liang et al., Advanced Energy Materials, vol. 22, p. E135, 2010
M. Graetzel at al., Nature, vol. 488, p. 304, 2012
D. Mitzi et al., Science, vol. 267, p. 1473, 1995
D. Mitzi at al., IBM Journal of Research and Development, vol. 45, p. 29, 2001
J.-H. Im et al., Nanoscale, vol. 3, p. 4088, 2011
A. Kojima et al., Journal of American Chemical Society, vol. 131, p. 6050, 2009
H.-S. Kim et al., Scientific Reports, doi:10.1038/srep00591
A. Kojima et al., ECS Meeting Abstracts, vol. MA2007-02, p. 352, 2007
I. Chung, Nature, vol. 485, p. 486, 2012
J. Rouquerol et al., "Recommendations for the Characterization of Porous Solids", Pure & Appl. Chem., Vol. 66, No. 8, pp. 1739-1758, 1994
K. S. W. Sing, et al., Pure and Appl. Chem., vol. 57, n04, pp. 603-919, 1985
IUPAC "Manual on Catalyst Characterization", J. Haber, Pure and Appl. Chem., vol. 63, pp. 1227-1246, 1991
Barkhouse et al., Prog. Photovolt: Res. Appl. 2012; 20:6-11
P. Peumans, A. Yakimov, and S. R. Forrest, "Small molecular weight organic thin-film photodetectors and solar cells" J. Appl. Phys. 93, 3693 (2001)
Masaya Hirade, and Chihaya Adachi, "Small molecular organic photovoltaic cells with exciton blocking layer at anode interface for improved device performance" Appl. Phys. Lett. 99, 153302 (2011)
V. K. Dwivedi, J. J. Baumberg, and G. V. Prakash, "Direct deposition of inorganic-organic hybrid semiconductors and their template-assisted microstructures," Materials Chemistry and Physics, vol. 137, no. 3, pp. 941-946, Jan. 2013
T. Miyasaka et al., Journal of Electrochemical Society, vol. 154, p. A455, 2007
Lee et al., Science, Submitted 2012
Ball, J. M.; Lee, M. M.; Hey, A.; Snaith, H. Low-Temperature Processed Mesosuperstructured to Thin-Film Perovskite Solar Cells, Energy & Environmental Science 2013
Beiley, Z. M.; McGehee, M. D. Modeling low cost hybrid tandem photovoltaics with the potential for efficiencies exceeding 20%, Energy & Environmental Science 2012, 5, 9173-9179
Journal of Luminescence 60&61 (1994) 269 274
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、n型(電子伝導)層とp型(正孔伝導)層との間に配置された光吸収性又は発光性ペロブスカイトの薄膜を有する光電子素子を提供する。発明者は、メソポーラス複合材の必要条件とは反対に、光活性ペロブスカイトの緻密な薄膜を使用することによって優れた素子効率を得ることが可能であるということを予期せずに見出した。開口多孔質ペロブスカイト構造が、典型的には、この材料を用いてバルク・ヘテロ接合を形成するためにp型又はn型材料で浸透され得るとはいえ、本発明において利用する密なペロブスカイト層は、一般にp型層及び/又はn型層とプレーナ・ヘテロ接合を形成する。
【0006】
ペロブスカイトは、溶液処理及び真空処理の両方によって地球上に豊富な元素から形成されることが可能であり、可変のバンド構造(並びにこれゆえ、光学的特性及び電子的特性)を有し、且つ大気条件において安定であり得るという理由で、本発明の光電子素子において利用するペロブスカイトは、光電子素子用途にとって魅力的である。発明者は、光活性ペロブスカイト膜を、溶液堆積によって、薄いスカフォールド(scaffold)層若しくはシード層上に、又はこのようなスカフォールドがなくとも成長することができることを示した。薄いシード層を組み込んだ素子を、150℃を超えない温度で全体を処理することが可能であり、これは、製造コストを削減するため、及び柔軟な素子を提供するためにプラスチック基板上の処理を可能にするため、並びにタンデム接合素子及び多接合素子の製造を可能にする他の層の上部での処理をやはり可能にするために重要である。ペロブスカイト薄膜を、バルク粉末からの蒸着によって又はペロブスカイト前駆物質化合物からの共蒸着によって、やはり有効に形成することが可能である。
【0007】
従って、本発明は、光活性領域を含む光電子素子を提供し、この光活性領域は、
少なくとも1つのn型層を含むn型領域と、
少なくとも1つのp型層を含むp型領域と、n型領域とp型領域との間に配置された、
開口気孔(open porosity)のないペロブスカイト半導体の層と
を含む。
【0008】
典型的には、光電子素子は、光起電力素子である。
【0009】
或いは、光電子素子を、光起電力素子以外とすることができる。光電子素子を、例えば、発光素子とすることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、光活性領域は、
前記n型領域と、
前記p型領域と、n型領域とp型領域との間に配置された、
(i)スカフォールド材料及びペロブスカイト半導体を含む第1の層と、
(ii)前記第1の層の上に配置されたキャッピング層であって、このキャッピング層は、開口気孔のないペロブスカイト半導体の前記層である、キャッピング層と、
を含み、
キャッピング層中のペロブスカイト半導体は、第1の層中のペロブスカイト半導体と接触する。
(【0011】以降は省略されています)

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