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公開番号2025107008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-17
出願番号2024000682
出願日2024-01-05
発明の名称回転子と、固定子と、その回転子および固定子からなる内包磁石型同期機、並びに回転子コアと固定子コアの製造方法
出願人マグネデザイン株式会社
代理人
主分類H02K 1/276 20220101AFI20250710BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転子コアの誘起変態タイプの磁石へのラジアル異方の附与よび回転子コアと固定子コアを同一化学組成の素材とする。
【解決手段】内包磁石型の同期機の回転子1は、回転子コアとその内包部内に射出成形された希土類ボンド磁石10と極異方着磁とからなり、回転子コアは誘起変態マルテンサイト組織の磁石よりなる回転子コア部品の積層体からなり、かつラジアル異方性に配向着磁されている。固定子コアは、回転子コアと同一化学組成を有して、熱処理された等方性軟磁性特性を有する固定子コアの積層体からなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内包磁石型同期機の回転子は、回転子コアと永久磁石とからなり、
前記回転子コアは、誘起変態マルテンサイト組織の磁石よりなる回転子コア部品の積層体からなり、回転中心軸の周囲に軸対称的に配置された空隙からなる偶数個の内包部を有し、かつラジアル異方性を有し、
前記永久磁石は、前記内包部に偶数個が配設されており、配向磁場が印可された前記内包部内で射出成形された希土類異方性ボンド磁石からなり、
前記永久磁石の端部から前記回転子コアの外周端に至る磁石端部域は、非磁性部であることを特徴とする回転子。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記永久磁石の一端部から前記回転子コアの外周端に至る磁石端部域、前記永久磁石に隣接する他の前記永久磁石の他端部から前記回転子コアの外周端に至る磁石端部域および前記磁石端部域を連結する連結領域よりなる磁石端部外周側領域は非磁性部からなることを特徴とする回転子。
【請求項3】
内包磁石型同期機の固定子において、
前記固定子の固定子コアは、請求項1に記載の回転子コアと同一化学組成を有し、
熱処理された固定子コア部品の積層体からなることを特徴とする固定子。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の回転子と、固定子とからなることを特徴とする内包磁石型同期機。
【請求項5】
内包磁石型同期機を構成する回転子の回転子コアと固定子の固定子コアの製造方法において、
(1)非磁性のオーステナイト組織を有するFe系合金の板部材を、低温で冷間圧延加工し、80%以上のマルテンサイト組織を誘起させて半硬質磁性板部材とし、
(2)圧延方向に形成・延伸した繊維組織に沿って張力を付加して熱処理を行ない、
(3)プレス加工で、板部材から回転子コア部品と固定子コア部品とを共通の軸で打ち抜き、
(4)回転子コアは、一軸異方性を有する磁石からなる回転子コア部品をコア全体として、ラジアル異方性特性となるように角度を付けて積層して、ラジアル異方性を有する円筒状とし、
(5)固定子コアは、固定子コア部品を再結晶熱処理によりフェライト組織として等方性軟磁性としたうえで、積層して円筒状とし、
回転子コアと固定子コアとを製造することを特徴とする製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘起変態マルテンサイト組織の磁石よりなるラジアル異方性の回転子コアと等方性の固定子コアとからなり、かつ回転子コアと固定子コアが同一化学組成からなり、回転子に設けられた内包部に希土類ボンド磁石を形成し、隣り合ったN極とS極が極異方性着磁されている内包磁石型同期機に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電動機(発電機を含めて単に「モータ」という。)には種々のタイプがある。最近では、インバータ制御の発達と高磁気特性の希土類磁石の普及に伴い、省電力で高効率であり高トルクまたは高出力が望める同期機が注目されている。
【0003】
同期機は、界磁用の永久磁石を回転子(ロータ)に有し、電機子巻線(コイル)を固定子(ステータ)に有するモータであって、その電機子巻線に多相交流(AC)を供給することにより固定子に回転磁界が生じて回転するACモータである。同期機は、永久磁石を回転子の表面に配設した表面磁石型モータ(SPM)と、永久磁石を回転子の内部に埋め込んだ埋込磁石型モータ(IPM)とに大別されるが、出力トルクが大きく、磁石の飛散防止を図れて信頼性が高いIPMが現在の主流となりつつある。さらにIPMモータの出力を増加させるために、回転数の増加が図られている。
現在永久磁石としてはNd焼結磁石が主に使用されているが、高速回転化に伴い発熱問題が深刻となり、希土類ボンド磁石への変更が検討されている。
【0004】
さらにNd焼結磁石の問題点として、従来のIPMは、所定の寸法に切削、研磨等され飽和着磁された焼結磁石をロータに設けたスロット(内包部)へ挿入して構成していた。ところが、着磁した強力な希土類焼結磁石をスロットに挿入する際に、その磁石に欠損等が生じやすい。
そこで特許文献1では、従来の焼結磁石から希土類磁石と樹脂からなる溶融ストランドをロータのスロットへ磁場中で射出充填し、冷却固化させる射出成形タイプの希土類ボンド磁石へ置換することを開示している。
以上の事情から、IPMモータの高速回転化と出力アップのために、Nd焼結磁石を変更した射出成形タイプの希土類ボンド磁石の採用が検討されている。
【0005】
特許文献6には、上記問題を解決するために、射出成形タイプの希土類ボンド磁石を用い、高速回転化を図り、同時にロータコアに誘起変態タイプの磁石と磁石端部を非磁性にすることによって出力アップを図ることができることが開示されている。
しかし、ロータコアの誘起変態タイプの磁石にラジアル異方性をどう付与するのかの問題が未解決であり、またステータコアに従来素材を使用した場合、二つのコア素材として異なる材料を使用する場合には大幅なコストアップとなってしまうという問題が生じてしまう。これらの問題の解決が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平11-206075号公報
特許第4626683号公報
特開2013-1433791号公報
特許第6868174号公報
特許第7125684号公報
特許第7394427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
もっとも特許文献1は、単にIPMの希土類焼結磁石を希土類ボンド磁石に置換することを提案している留まり、希土類ボンド磁石の磁場中射出成形に適したロータやスロットの構成等に関して何ら触れていない。
【0008】
特許文献2では、鉄心であるロータの一部に非磁性部を設けることが従来から提案されている。これにより、漏れ磁束が低減され、モータ出力に寄与する有効磁束(鎖交磁束)が増加しうる。もっとも、このような非磁性部は、モータ運転時のロータとステータとの間に形成される磁気回路に着目して配設されているに過ぎず、後述するような希土類ボンド磁石の射出成型時の配向磁場とは関係ない。
【0009】
特許文献3では、希土類ボンド磁石を構成する希土類異方性磁石粒子は、組成によらず、一般的に多用されているフェライト磁石粒子と比較して、磁束密度のみならず保磁力がはるかに高いため、射出成形時の配向にフェライト磁石粒子より高い配向磁場が必要である。従って高性能なIPMを効率的に生産するためには、希土類異方性ボンド磁石の射出成形時に印加する配向磁場を、そのボンド磁石が収まるロータコアのスロットへ有効に作用させる方法が開示されている。
非磁性部の改質は合金元素を転嫁するレーザ溶接などで行なっているが、改質部は凹凸が激しいうえに形状も変化するので、表面研削や形状修正加工などの改質後の処理が複雑で実用的とは言えない。実際には、本件出願は審査請求されることなく放棄されている。当然ながら産業上は使用されていない。
しかし、希土類ボンド磁石はNd焼結磁石に比べて磁石性能の点で落ちるのでモータトルクの点で低下しがちであり、トルクアップ方策が期待されている。
【0010】
特許文献6では、射出成形タイプの希土類ボンド磁石を用い、高速回転化を図り、同時にロータコアに誘起変態タイプの磁石と磁石端部を非磁性にすることによって出力アップを図ることができることを開示している。
(【0011】以降は省略されています)

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