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公開番号2025105079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223377
出願日2023-12-28
発明の名称直動案内装置及びその製造方法
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16C 29/06 20060101AFI20250703BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】軌道面に進入するボールの挙動に関わらず、衝撃力を緩和しつつ円滑なボールの移動を確保できるにも関わらず、低コストである直動案内装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】直動案内装置において、スライダ本体の幅方向中心と、案内レールの長手方向軸線とを通過する面を垂直中心面CPとし、垂直中心面CPに直交し、転動通路の直線部中心線を通る平面を水平基準面HPとし、垂直中心面CPに平行であって面取り部と交差する面を垂直基準面VPとしたときに、面取り部の表面は、直線部中心線に直交する断面において、第1軌道面の溝底中心O1に対して第1軌道面から離間するように水平基準面HPに沿ってシフトした点O2を中心とする回転軌跡上にあり、回転軌跡の最小半径は第1軌道面の溝底半径rより大きい。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
案内レールと、
案内レールに対して長手方向に相対移動するように配置されたスライダと、
前記案内レールと前記スライダとの間に形成される転動通路内に沿って転動自在に配置される複数の転動体と、を備えた直動案内装置であって、
前記スライダは、
前記案内レールの軌道溝に対向配置されて前記転動体の転動通路を形成する軌道溝、及び前記転動体の戻し通路を有するスライダ本体と、
前記戻し通路と前記転動通路とを接続する方向転換路を有するエンドキャップと、を備え、
前記スライダ本体の軌道溝は、前記転動通路の中央部側の第1軌道面と、前記転動通路の端部側の第2軌道面とを有し、
前記第2軌道面は、前記第1軌道面から前記スライダ本体の端面まで延在する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に接することなく前記スライダ本体の端面まで延在する面取り部とを有し、
前記スライダ本体の幅方向中心と、前記案内レールの長手方向軸線とを通過する面を垂直中心面CPとし、前記垂直中心面CPに直交し、前記転動通路の直線部中心線を通る平面を水平基準面HPとし、前記垂直中心面CPに平行であって前記面取り部と交差する面を垂直基準面VPとしたときに、
前記面取り部の表面は、前記直線部中心線に直交する断面において、前記転動通路の直線部中心線O1に対して前記第1軌道面から離間するように前記水平基準面HPに沿ってシフトした点O2を中心とする回転軌跡上にあり、前記回転軌跡の最小半径は前記第1軌道面の溝底半径rより大きい、
ことを特徴とする直動案内装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記点O2から最も離れた前記面取り部の縁は、前記点O2を中心とする円の一部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。
【請求項3】
前記第1傾斜面は、前記スライダ本体の端面に向かうにつれて、前記垂直基準面VPから離間し、
前記面取り部の表面は、前記スライダ本体の端面に向かうにつれて、前記水平基準面HPから離間する、
ことを特徴とする請求項2に記載の直動案内装置。
【請求項4】
前記水平基準面HPで切断されて得られる前記第1傾斜面の断面形状は、曲率半径R1の円弧形状を有し、前記垂直基準面VPで切断されて得られる前記面取り部の表面断面形状は、曲率半径R2の円弧形状を有し、R2<R1である、
ことを特徴とする請求項3に記載の直動案内装置。
【請求項5】
前記水平基準面HPで切断されて得られる前記第1傾斜面の断面形状は、円弧形状を有し、前記垂直基準面VPと交差する前記面取り部の表面の交差部は、直線状である、
ことを特徴とする請求項3に記載の直動案内装置。
【請求項6】
前記水平基準面を挟んで前記第1傾斜面の両側に第2傾斜面及び第3傾斜面が形成されており、
前記第2傾斜面及び前記第3傾斜面が前記面取り部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。
【請求項7】
前記第2傾斜面と前記第3傾斜面とが接続している、
ことを特徴とする請求項6に記載の直動案内装置。
【請求項8】
前記水平基準面から記第1傾斜面を挟んで離間する側に第2傾斜面が形成されており、
前記第2傾斜面が前記面取り部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。
【請求項9】
前記面取り部の表面の面粗度は、前記第1傾斜面の面粗度と異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。
【請求項10】
案内レールと、
案内レールに対して長手方向に相対移動するように配置されたスライダと、
前記案内レールと前記スライダとの間に形成される転動通路内に沿って転動自在に配置される複数の転動体と、を備えた直動案内装置の製造方法であって、
前記スライダは、
前記案内レールの軌道溝に対向配置されて前記転動体の転動通路を形成する軌道溝、及び前記転動体の戻し通路を有するスライダ本体と、
前記戻し通路と前記転動通路とを接続する方向転換路を有するエンドキャップと、を備え、
前記スライダ本体の軌道溝は、前記転動通路の中央部側の第1軌道面と、前記転動通路の端部側の第2軌道面とを有し、
前記第2軌道面は、前記第1軌道面から前記スライダ本体の端面まで延在する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に接することなく前記スライダ本体の端面まで延在する面取り部とを有しており、
テーパ状の回転軌跡を有する研削工具または切削工具を、前記転動通路の直線部中心線O1に対して前記第1軌道面から離間させるよう平行移動させた加工軸線O2回りに回転させつつ、前記加工軸線O2に沿って前記第2軌道面に接近させて、前記第1傾斜面の一部を切除することにより前記面取り部を形成する、
ことを特徴とする直動案内装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、直動案内装置及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ころやボール等の転動体を内部で無限循環させながら被案内物を直線的に案内する直動案内装置は、半導体製造装置や超精密加工機械、超精密測定機器等の運動精度に大きな影響を与える重要な機械要素の一つである。
【0003】
直動案内装置は、案内レールとスライダ本体とを備える。案内レールには、レール側転動体軌道溝が設けられる。スライダ本体には、レール側転動体軌道溝に対向するスライダ側転動体軌道溝が設けられ、このスライダ側転動体軌道溝及びレール側転動体軌道溝の間に形成した転動通路内に配設された複数の転動体の転動を介して軸方向に移動可能となるように案内レールに支持される。直動案内装置は、さらに転動通路と略平行となるようにスライダ本体内に設けた転動体戻し通路と、スライダ本体の移動方向の両端部に取付けられたエンドキャップに設けられて転動通路及び転動体戻し通路を連通させる方向転換路と、を備えている。
【0004】
直動案内装置の転動体が、転動通路、方向転換路及び転動体戻し通路を無限循環する際には、周期的な微小振動(以下、転動体通過振動という)が発生し、これが前述した機器類の運動精度を大きく左右する。転動体通過振動は、予圧や外部荷重によって負荷を受けながら転動通路(負荷域)を転動している転動体が、負荷域から転動体循環路(無負荷域)に出る際に負荷が開放されるとき、または反対に、無負荷域から負荷域に進入する際に新たに負荷を負うときに発現する。
【0005】
この転動体通過振動の抑制のため、転動通路を形成しているスライダ側転動体軌道溝の両端部にクラウニングと呼ばれる傾斜面を設けている。クラウニングにより転動体の負荷域出入りに伴う負荷変動を徐々に行わせることで、転動体通過振動を低減させることができる。
【0006】
特許文献1には、スライダ側転動体軌道溝の両端部に設けた傾斜部を、スライダ側転動体軌道溝から連続して傾斜が緩やかになるように大きな曲率半径で形成した曲面形状の第1クラウニングと、この第1クラウニングと隣接し、方向転換路の内周面に向かって延びる第1クラウニングよりも傾斜が急で第1クラウニングの軸方向長さよりも短い第2クラウニングと、この第2クラウニングとスライダ本体の端面との間に設けられ、第1クラウニング及び第2クラウニングよりも傾いた傾斜面とで構成した直動案内軸受が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-133837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1のスライダ本体において、スライダ側転動体軌道溝の軸線を通る、鉛直方向や水平方向等々にのびる面でスライダ側転動体軌道溝を切断した断面において、何れの断面でもその端部における形状が一様である。このため、すべての断面において、共通する形状の第1クラウニング、第2クラウニング及び傾斜面を形成する必要があり、これにより加工工具の早期損耗が生じ、直動案内軸受の製造コストを押し上げる恐れがある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、軌道面に進入するボールの挙動に関わらず、衝撃力を緩和しつつ円滑なボールの移動を確保できるにも関わらず、低コストである直動案内装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の直動案内装置は、
案内レールと、
案内レールに対して長手方向に相対移動するように配置されたスライダと、
前記案内レールと前記スライダとの間に形成される転動通路内に沿って転動自在に配置される複数の転動体と、を備えた直動案内装置であって、
前記スライダは、
前記案内レールの軌道溝に対向配置されて前記転動体の転動通路を形成する軌道溝、及び前記転動体の戻し通路を有するスライダ本体と、
前記戻し通路と前記転動通路とを接続する方向転換路を有するエンドキャップと、を備え、
前記スライダ本体の軌道溝は、前記転動通路の中央部側の第1軌道面と、前記転動通路の端部側の第2軌道面とを有し、
前記第2軌道面は、前記第1軌道面から前記スライダ本体の端面まで延在する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に接することなく前記スライダ本体の端面まで延在する面取り部とを有し、
前記スライダ本体の幅方向中心と、前記案内レールの長手方向軸線とを通過する面を垂直中心面CPとし、前記垂直中心面CPに直交し、前記転動通路の直線部中心線を通る平面を水平基準面HPとし、前記垂直中心面CPに平行であって前記面取り部と交差する面を垂直基準面VPとしたときに、
前記面取り部の表面は、前記直線部中心線に直交する断面において、前記転動通路の直線部中心線O1に対して前記第1軌道面から離間するように前記水平基準面HPに沿ってシフトした点O2を中心とする回転軌跡上にあり、前記回転軌跡の最小半径は前記第1軌道面の溝底半径rより大きい、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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