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公開番号
2025095717
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2023211958
出願日
2023-12-15
発明の名称
シミュレータ、シミュレーション方法およびシミュレータ用学習済モデル
出願人
株式会社東芝
,
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人東京国際特許事務所
主分類
G06F
30/27 20200101AFI20250619BHJP(計算;計数)
要約
【課題】任意の大きな領域での物理挙動の数値シミュレーション結果を瞬時に導くようにする。
【解決手段】シミュレータ1は、物質のシミュレーションに用いる複数の計算領域Rの選択、および、これらを組み合わせるときの組合態様をユーザから受け付け、ユーザが選択した複数の計算領域Rに対応する複数の学習済モデル20を組合態様にしたがって組み合わせて物質のシミュレーションの対象となる全体領域Wを構築し、互いの物質の物理量が相関し合い、かつ全体領域を構築している複数の学習済モデル20に対し、物質のシミュレーションの対象となる第1時点のデータを入力し、第2時点のデータを出力させる、ように構成されている1つ以上のコンピュータ2を備える。
【選択図】図12
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも一部が互いに組み合わされる形状を成す複数の計算領域に対応している複数の学習済モデルを予め記憶し、
前記学習済モデルは、前記計算領域に存在する物質に関する物理量を示す第1時点のデータが入力されたときに、前記第1時点よりも未来の前記物質の前記物理量を示す第2時点のデータを出力するように予め機械学習されており、
前記物質のシミュレーションに用いる複数の前記計算領域の選択、および、これらを組み合わせるときの組合態様をユーザから受け付け、
前記ユーザが選択した複数の前記計算領域に対応する複数の前記学習済モデルを前記組合態様にしたがって組み合わせて前記物質のシミュレーションの対象となる全体領域を構築し、
互いの前記物質の前記物理量が相関し合い、かつ前記全体領域を構築している複数の前記学習済モデルに対し、前記物質のシミュレーションの対象となる前記第1時点のデータを入力し、前記第2時点のデータを出力させる、
ように構成されている1つ以上のコンピュータを備える、
シミュレータ。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
前記物質が流体であり、少なくとも1つの前記計算領域に、前記流体の挙動に影響を与える少なくとも1つの物体が存在しており、
前記学習済モデルは、前記第1時点のデータが入力されたときに、前記物体の周囲を流れる前記流体の挙動に基づいて、前記第2時点のデータを出力するように予め機械学習されている、
請求項1に記載のシミュレータ。
【請求項3】
少なくとも1つの前記物体が、少なくとも2つの前記計算領域の境界を跨ぐように配置され、それぞれの前記計算領域の前記境界に沿って前記物体が分割されており、前記計算領域同士が組み合わされるときに、分割されている前記物体も組み合わされる、
請求項2に記載のシミュレータ。
【請求項4】
複数の前記物体は、第1形状を成す第1物体と、前記第1形状とは異なる第2形状を成す第2物体と、を含み、
複数の前記計算領域は、前記第1物体が存在する第1計算領域と、前記第2物体が存在する第2計算領域と、任意の第3計算領域と、を含み、
前記全体領域を構築するための複数の前記計算領域が前記第3計算領域を含み、かつ前記第3計算領域に前記ユーザが希望する形状を成す前記物体が存在していない場合に、前記第1物体および前記第2物体の選択、および、前記第1物体および前記第2物体を組み合わせるときの指定態様を前記ユーザから受け付け、
前記全体領域を構築するときに、前記ユーザが選択した前記第1物体および前記第2物体を前記指定態様にしたがって組み合わせて第3形状を成す第3物体を新たに形成し、かつ前記第3物体を前記第3計算領域に配置し、
前記第1計算領域および前記第2計算領域に対応する前記学習済モデルに基づいて、前記第3計算領域に対応する前記学習済モデルを更新する、
請求項2または請求項3に記載のシミュレータ。
【請求項5】
複数の前記計算領域は、前記ユーザが希望する位置に前記物体が存在していない第4計算領域と、他の位置に前記物体が存在する第5計算領域と、を含み、
前記全体領域を構築するための複数の前記計算領域が前記第4計算領域を含む場合に、前記第5計算領域の前記物体の選択、および、この物体の配置を希望する前記第4計算領域における指定位置を前記ユーザから受け付け、
前記全体領域を構築するときに、前記ユーザが選択した前記物体を前記指定位置にしたがって前記第4計算領域に配置し、
前記第5計算領域に対応する前記学習済モデルに基づいて、前記第4計算領域に対応する前記学習済モデルを更新する、
請求項2または請求項3に記載のシミュレータ。
【請求項6】
複数の前記計算領域は、任意の大きさの第6計算領域と、前記第6計算領域とは大きさが異なる第7計算領域と、を含む、
請求項1または請求項2に記載のシミュレータ。
【請求項7】
複数の前記計算領域は、任意の形状の第8計算領域と、前記第8計算領域とは形状が異なる第9計算領域と、を含む、
請求項1または請求項2に記載のシミュレータ。
【請求項8】
少なくとも一部が互いに組み合わされる形状を成す複数の計算領域に対応している複数の学習済モデルを予め記憶し、
前記学習済モデルは、前記計算領域に存在する物質に関する物理量を示す第1時点のデータが入力されたときに、前記第1時点よりも未来の前記物質の前記物理量を示す第2時点のデータを出力するように予め機械学習されており、
前記物質のシミュレーションに用いる複数の前記計算領域の選択、および、これらを組み合わせるときの組合態様をユーザから受け付け、
前記ユーザが選択した複数の前記計算領域に対応する複数の前記学習済モデルを前記組合態様にしたがって組み合わせて前記物質のシミュレーションの対象となる全体領域を構築し、
互いの前記物質の前記物理量が相関し合い、かつ前記全体領域を構築している複数の前記学習済モデルに対し、前記物質のシミュレーションの対象となる前記第1時点のデータを入力し、前記第2時点のデータを出力させる、
処理を1つ以上のコンピュータが実行する、
シミュレーション方法。
【請求項9】
少なくとも一部が互いに組み合わされる形状を成す複数の計算領域に対応している複数の学習済モデルを予め記憶し、
前記計算領域に存在する物質のシミュレーションに用いる複数の前記計算領域の選択、および、これらを組み合わせるときの組合態様をユーザから受け付け、
前記ユーザが選択した複数の前記計算領域に対応する複数の前記学習済モデルを前記組合態様にしたがって組み合わせて前記物質のシミュレーションの対象となる全体領域を構築し、
前記全体領域を構築している複数の前記学習済モデルに対し、前記物質のシミュレーションの対象となる、前記物質に関する物理量を示す第1時点のデータを入力し、前記第1時点よりも未来の前記物質の前記物理量を示す第2時点のデータを出力させる、
ように構成されている1つ以上のコンピュータに用いられる複数の前記学習済モデルのうちの1つであり、
前記第1時点のデータが入力される入力層と、
前記第2時点のデータを出力する出力層と、
前記第1時点のデータまたはこれを模したデータの少なくとも一方を入力、前記第2時点のデータまたはこれを模したデータの少なくとも一方を出力とする学習データを用いてパラメータが予め機械学習されており、前記全体領域を構築している複数の前記学習済モデルの互いの前記物質の前記物理量が相関し合うように演算する中間層と、
を備える、
シミュレータ用学習済モデル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シミュレーション技術に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ディープニューラルネットワークを用いた機械学習(深層学習)は、音声認識、自然言語翻訳、コンピュータビジョンなどの分類問題から、非線形・不連続関数の近似のような複雑な回帰問題まで、多様な分野で幅広く利用されている。物理挙動の数値シミュレーション、例えば、流体シミュレーションで空間内の物体の配置の変化に対応した評価を行う際に、近年、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)およびLong Short-Term Memory(LSTM)と呼ばれる機械学習技術が用いられている。この技術を用いることで、長時間の計算を再度行うのではなく、リアルタイムに空間内の流動挙動を予測する方法が知られている。
【0003】
また、普遍的な近似と高い表現力を備えたニューラルネットワークによる深層学習で物理現象の支配方程式である偏微分方程式(PDE)を解くことが、物理挙動を表現する数値シミュレーションの新しい分野として提案されている。この分野では、RaissiらによるPhysics informed neural networks(PINNs)と呼ばれる方法が提案されている。しかし、多次元の時間依存のPDEを長時間積分する場合、時空間領域が非常に大きくなることによるニューラルネットワークの学習の時間増加、すなわち大きな計算コストが懸念されている。その対策はいくつか提案されているが、中でもConservative physics informed neural networks(CPINNs)と呼ばれる方法は、1つの大きな領域をいくつかの小さいサブ領域に分割し、これらサブ領域同士を適切な境界条件で接続することで、一度に大きな領域を計算する必要がなくなり、前述の課題を克服することができる。
【0004】
一方、深層学習とは関連はないが、物理挙動の数値シミュレーション、例えば、一般的な商用の汎用熱流体解析ソフト(CFDソフト)で評価する流体のシミュレーションが知られている。このシミュレーションでは、対象とする領域に非常に多くの計算格子を生成し、流体の運動量と質量に関するPDEを数値的に収束させながら計算を進めていくため計算コストが嵩んでしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-127035号公報
【非特許文献】
【0006】
“Ansys Fluentによる解析例”,インターネット<URL:https://www.rccm.co.jp/product/fluid/ansys-fluent/fluid_sample.html#heat>,[令和5年11月28日検索]
“気流のシミュレーション”,インターネット<URL:https://www.jfe-tec.co.jp/jfetec-news/65/2p.html>,[令和5年11月28日検索]
Raissi, M., et al, “Physics Informed Deep Learning (Part I): Data-driven Solutions of Nonlinear Partial Differential Equations,” arXiv:1711.10561v1 [cs.AI] 28 Nov 2017.
Jagtap, A. D., “Conservative physics-informed neural networks on discrete domains for conservation laws: Applications to forward and inverse problems,” Comput. Methods Appl. Mech. Engrg. 365, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
CFDソフトによる流体のシミュレーションにおいて、例えば、1つまたは複数の物体が設定されている空間内の3次元熱流動挙動をCFDソフトで高精度に評価する場合、非常に多くの計算格子を必要とすると同時に、多大な計算時間を要する。そのため、物体の位置と形状を変更するたびに、多大な計算コストが必要となる。また、例えば、市街地の浸水被害における水の挙動を評価する場合、リアルタイムでの評価が求められるが、対象とする市街地の形状がそれほど変わらなかったとしても、市街地毎に計算する領域を作り直す必要があり、かつ長時間の計算も必要となる。一方、任意の領域内で物体を移動させた場合でのリアルタイムシミュレーションは可能であるが、その領域の大きさは固定であり、領域自体の大きさの変化に対応できない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、任意の大きな領域での物理挙動の数値シミュレーション結果を瞬時に導くことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係るシミュレータは、少なくとも一部が互いに組み合わされる形状を成す複数の計算領域に対応している複数の学習済モデルを予め記憶し、前記学習済モデルは、前記計算領域に存在する物質に関する物理量を示す第1時点のデータが入力されたときに、前記第1時点よりも未来の前記物質の前記物理量を示す第2時点のデータを出力するように予め機械学習されており、前記物質のシミュレーションに用いる複数の前記計算領域の選択、および、これらを組み合わせるときの組合態様をユーザから受け付け、前記ユーザが選択した複数の前記計算領域に対応する複数の前記学習済モデルを前記組合態様にしたがって組み合わせて前記物質のシミュレーションの対象となる全体領域を構築し、互いの前記物質の前記物理量が相関し合い、かつ前記全体領域を構築している複数の前記学習済モデルに対し、前記物質のシミュレーションの対象となる前記第1時点のデータを入力し、前記第2時点のデータを出力させる、ように構成されている1つ以上のコンピュータを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態により、任意の大きな領域での物理挙動の数値シミュレーション結果を瞬時に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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