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公開番号2025094058
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2025042770,2023203783
出願日2025-03-17,2019-08-27
発明の名称光学素子および光偏向装置
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250617BHJP(光学)
要約【課題】面内における回折効率の平均化を図り、平均的な回折効率を向上させた光学素子および光偏向装置を提供する。
【解決手段】光学素子1および光偏光装置は、液晶化合物30に由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化した面内配向パターンを有する光学異方性層10,20を厚さ方向に複数備え、光学異方性層は、一方向において光学軸の向きが180°回転するまでの長さが互いに異なる領域を有し、複数の光学異方性層の少なくとも1層は、一方向に沿って厚さ方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡で観察した断面像において、光学軸の向きに由来した明線および暗線の対が一方向に沿って複数あり、明線および暗線の対が光学異方性層の界面の法線に対して互いに異なる傾き角度で傾いた領域を有する傾斜光学異方性層である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
液晶化合物に由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化した面内配向パターンを有する光学異方性層を厚さ方向に複数備え、
前記複数の光学異方性層間において、前記一方向における前記光学軸の向きが180°回転するまでの1周期の長さが±10%以内の範囲で一致している領域を有し、
前記複数の光学異方性層はそれぞれ、前記一方向に沿って前記厚さ方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡で観察した断面像において、前記光学軸の向きに由来した明線および暗線の対を前記一方向に沿って複数有し、
前記複数の光学異方性層のうちの1層である第1光学異方性層は、前記断面像において前記明線および暗線の対が前記光学異方性層の界面の法線に対して互いに異なる傾き角度で傾いた領域を有する傾斜光学異方性層であり、
前記複数の光学異方性層は、前記第1光学異方性層と隣接して配置されている第2光学異方性層を含み、
前記複数の光学異方性層は、前記第1光学異方性層および前記第2光学異方性層とは異なる第3光学異方性層を含み、前記第3光学異方性層が、前記断面像において、前記明線および暗線の対が前記光学異方性層の界面の法線に対して互いに異なる傾き角度で傾いた領域を有する傾斜光学異方性層であり、前記第3光学異方性層が、前記第2光学異方性層と隣接しており、前記断面像において、前記第2光学異方性層と前記第3光学異方性層との明線同士および暗線同士が両者の界面で繋がっており、
前記第1光学異方性層と前記第3光学異方性層とは、前記断面像において、前記第1光学異方性層の前記明線および暗線の対と、前記第3光学異方性層の前記明線および暗線の対との、前記法線に対する傾き方向が異なる、
光学素子。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記第2光学異方性層と前記第3光学異方性層とは、前記断面像において、前記第2光学異方性層の前記明線および暗線の対と、前記第3光学異方性層の前記明線および暗線の対との、前記法線に対する傾き方向が異なる、
請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記第1光学異方性層と前記第3光学異方性層とは、前記断面像において、前記第1光学異方性層の前記明線および暗線の対と、前記第3光学異方性層の前記明線および暗線の対との、前記傾き角度が互いに異なっている、
請求項1又は2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記第2光学異方性層と前記第3光学異方性層とは、前記断面像において、前記第2光学異方性層の前記明線および暗線の対と、前記第3光学異方性層の前記明線および暗線の対との、前記傾き角度が互いに異なっている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記傾斜光学異方性層は、前記光学軸が厚さ方向に捩れ配向した領域を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項6】
入射した光を回折して透過する機能を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項7】
前記傾斜光学異方性層において、前記液晶化合物がコレステリック配向している請求項1から4のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項8】
入射した光を回折して反射する機能を有する請求項7に記載の光学素子。
【請求項9】
前記複数の光学異方性層のそれぞれの前記面内配向パターンが、前記一方向において前記光学軸の向きが180°回転するまでの長さが、該一方向において徐々に変化するパターンである請求項1から8のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項10】
前記複数の光学異方性層のそれぞれの前記面内配向パターンが、前記一方向を、内側から外側に向かう放射状に有するパターンである請求項1から8のいずれか1項に記載の光学素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光学素子および光学素子を備えた光偏向装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
多くの光学デバイスあるいはシステムにおいて、偏光が利用されており、偏光の反射、集光および発散などの制御を行うための光学素子の開発が進められている。
【0003】
特開2014-16632号公報(以下において、特許文献1)、および特開2010-525394号公報(以下において、特許文献2)等には、光学的異方性を有する液晶化合物をパターン配向させることによって形成された偏光回折素子が開示されている。
【0004】
また、特開2016-519327号公報(以下において、特許文献3)には表面に沿って少なくとも1つの次元で非線形に変化する局所的な光学軸方向を備えた光学異方性を有する幾何学的位相素子を用いた偏光変換システムが開示されている。ここでも、液晶化合物のパターン配向が利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2は、入射位置によって光の回折角度を異なる方向に出射させる技術ではなく、そのような記載もない。
特許文献3のような1つの次元で非線形に変化する局所的な光学軸方向を備えた光学異方性を有する層に対して、光を入射させると、入射位置によって回折度合いが異なることが本発明者らの検討により明らかになった。このような素子において、領域によって異なる入射角で光を入射させ、出射させる場合、面内の回折効率が領域によって異なり、回折効率が低下する領域が生じることがあった。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑み、面内における回折効率の平均化を図り、平均的な回折効率を向上させた光学素子および光偏向装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術には、以下の態様が含まれる。
<1> 液晶化合物に由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化した面内配向パターンを有する光学異方性層を厚さ方向に複数備え、
上記光学異方性層は、上記一方向において上記光学軸の向きが180°回転するまでの長さが互いに異なる領域を有し、
上記複数の光学異方性層の少なくとも1層は、上記一方向に沿って上記厚さ方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡で観察した断面像において、上記光学軸の向きに由来した明線および暗線の対が上記一方向に沿って複数あり、上記明線および暗線の対が上記光学異方性層の界面の法線に対して互いに異なる傾き角度で傾いた領域を有する傾斜光学異方性層である光学素子。
<2> 上記傾斜光学異方性層を2層備え、上記断面像において、上記2層の傾斜光学異方性層の少なくとも一部の対向領域の、一方の傾斜光学異方性層における上記明線および暗線の対と、他方の傾斜光学異方性層における上記明線および暗線の対との、上記傾き角度が互いに異なっている<1>に記載の光学素子。
<3> 上記傾斜光学異方性層を2層備え、上記断面像において、上記2層の傾斜光学異方性層が少なくとも一部の対向領域の、一方の傾斜光学異方性層における上記明線および暗線の対と、他方の傾斜光学異方性層における上記明線および暗線の対との、上記法線に
対する傾き方向が異なる<1>または<2>のいずれかに記載の光学素子。
<4> 上記傾斜光学異方性層を2層備え、上記断面像において、上記2層の傾斜光学異方性層が少なくとも一部の対向領域の、一方の傾斜光学異方性層における上記明線および暗線の対と、他方の傾斜光学異方性層における上記明線および暗線の対との、上記法線に対する傾き方向が同じである<1>から<3>のいずれかに記載の光学素子。
<5> 上記傾斜光学異方性層は、上記光学軸が厚さ方向に捩れ配向した領域を有する<1>から<4>のいずれかに記載の光学素子。
<6> 入射した光を回折して透過する機能を有する<1>から<5>のいずれかに記載の光学素子。
<7> 上記傾斜光学異方性層において、上記液晶化合物がコレステリック配向している<1>から<5>のいずれかに記載の光学素子。
<8> 入射した光を回折して反射する機能を有する<7>に記載の光学素子。
<9> 上記光学異方性層の上記面内配向パターンが、上記一方向において上記光学軸の向きが180°回転するまでの長さが、該一方向において徐々に変化するパターンである<1>から<8>のいずれかに記載の光学素子。
<10> 上記光学異方性層の上記面内配向パターンが、上記一方向を、内側から外側に向かう放射状に有するパターンである。
<1>から<9>のいずれかに記載の光学素子。
<11> 上記光学異方性層の上記面内配向パターンにおいて、上記一方向において上記光学軸の向きが180°回転するまでの長さが10μm以下である領域を有する<1>から<10>のいずれかに記載の光学素子。
<12> 入射された光を偏向して出射する光偏向素子と、上記光偏向素子を駆動する駆動手段と、上記光偏向素子の光出射側に配置された、<1>から<11>のいずれかに記載の光学素子とを備えた光偏向装置。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、光学素子および光偏向装置において、面内における回折効率の平均化を図り、平均的な回折効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1の実施形態の光学素子の表面の一部における光学軸の配向パターンを模式的に示す平面図である。
図1に示す光学素子についての走査型顕微鏡で得られる断面像の模式図である。
図1に示す光学素子の厚み方向(z方向)および水平方向(x方向)の液晶配向パターンを模式的に示す図である。
水平回転配向パターンを有する光学異方性層の作用を示す概念図である。
第2の実施形態の光学素子についての走査型顕微鏡で得られる断面像の模式図である。
第3の実施形態の光学素子についての走査型顕微鏡で得られる断面像の模式図である。
第4の実施形態の光学素子の断面を模式的に示す図である。
設計変更例の光学素子の表面における光学軸の配向パターンを模式的に示す平面図である。
配向膜を露光して配向パターンを形成する露光装置の一例を概念的に示す図である。
光偏向装置の一例の概略構成を示す図である。
比較例1の光学素子の層構成を示す図である。
実施例1の光学素子の層構成を示す図である。
実施例2の光学素子の層構成を示す図である。
実施例3の光学素子の層構成を示す図である。
実施例4の光学素子の層構成を示す図である。
実施例5の光学素子の層構成を示す図である。
透過光強度の測定方法を示す概念図である。
比較例11の光学素子の層構成を示す図である。
実施例11の光学素子の層構成を示す図である。
反射光強度の測定方法を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の光学素子の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、角度について「直交」および「平行」とは、厳密な角度±10°の範囲を意味するものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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