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公開番号2025090173
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205248
出願日2023-12-05
発明の名称テープ巻き絶縁電線及びコイル
出願人株式会社TOTOKU
代理人弁理士法人MTI特許事務所
主分類H01F 5/06 20060101AFI20250610BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】絶縁被覆の厚さを薄くして絶縁電線を細径化しても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができるテープ巻き絶縁電線及びコイルを提供する。
【解決手段】導体1と、導体1の外周に絶縁被覆2とを有する絶縁電線10であって、絶縁被覆2は、2つ~5つの絶縁テープ(11、12、13、・・・)で重ね巻された複数の絶縁層(2a、2b、2c、・・・)で構成され、絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が2層又は3層の場合、個々の絶縁層の巻き数の合計は、個々の絶縁層の巻き数の整数部分の合計に1を加えた総数以下であり、絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が4層又は5層の場合、個々の絶縁層の巻き数の合計は、個々の絶縁層の巻き数の整数部分の合計に2を加えた総数以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
導体と、導体の外周に絶縁被覆とを有する絶縁電線であって、前記絶縁被覆は、2つ~5つの絶縁テープで重ね巻された複数の絶縁層で構成され、
前記絶縁被覆が、前記絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が2層又は3層の場合において、前記個々の絶縁層の巻き数の合計は、前記個々の絶縁層の巻き数の整数部分の合計に1を加えた総数以下であり、又は、前記絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が4層又は5層の場合において、前記個々の絶縁層の巻き数の合計は、前記個々の絶縁層の巻き数の整数部分の合計に2を加えた総数以下であり、前記個々の絶縁層が2層~5層の場合のいずれにおいても前記巻き数の整数部分は1~4の範囲である、ことを特徴とするテープ巻き絶縁電線。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記絶縁被覆が前記絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が2層又は3層の場合において、第1の絶縁テープでの巻き数をs.α重巻きと表し、第2の絶縁テープでの巻き数をt.β重巻きと表し、第3の絶縁テープでの巻き数をu.γ重巻きと表したとき、前記整数部分の合計は、前記絶縁層が2層の場合はs+tとなり、前記絶縁層が3層の場合はs+t+uとなり、小数部分の合計は、前記絶縁層が2層の場合はα+βとなり、前記絶縁層が3層の場合はα+β+γとなり、該小数部分の合計は1.0以下である、請求項1に記載のテープ巻き絶縁電線。
【請求項3】
前記絶縁テープが2つの場合、前記整数部分の合計が2~8で、前記小数部分の合計が1.0以下で、合計の総数が2.0~9.0であり、前記絶縁テープが3つの場合、前記整数部分の合計が3~12で、前記小数部分の合計が1.0以下で、合計の総数が3.0~13.0である、請求項2に記載のテープ巻き絶縁電線。
【請求項4】
前記絶縁被覆が前記絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が4層又は5層の場合において、第1の絶縁テープでの巻き数をs.α重巻きと表し、第2の絶縁テープでの巻き数をt.β重巻きと表し、第3の絶縁テープでの巻き数をu.γ重巻きと表し、第4の絶縁テープでの巻き数をv.δ重巻きと表し、第5の絶縁テープでの巻き数をw.ε重巻きと表したとき、前記整数部分の合計は、前記絶縁層が4層の場合はs+t+u+vとなり、前記絶縁層が5層の場合はs+t+u+v+wとなり、小数部分の合計は、前記絶縁層が4層の場合はα+β+γ+δとなり、前記絶縁層が5層の場合はα+β+γ+δ+εとなり、該小数部分の合計は2.0以下である、請求項1に記載のテープ巻き絶縁電線。
【請求項5】
前記絶縁テープが4つの場合、前記整数部分の合計が4~16で、前記小数部分の合計が2.0以下で、合計の総数が4.0~18.0であり、前記絶縁テープが5つの場合、前記整数部分の合計が5~20で、前記小数部分の合計が2.0以下で、合計の総数が5.0~22.0である、請求項4に記載のテープ巻き絶縁電線。
【請求項6】
前記2つ~5つの絶縁テープのいずれか1又は2以上の絶縁テープは、片面に接着層が設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載のテープ巻き絶縁電線。
【請求項7】
前記複数の絶縁テープのうち最後に巻かれる絶縁テープは、融着層が外向きの面に設けられている、1~5のいずれか1項に記載のテープ巻き絶縁電線。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載のテープ巻き絶縁電線を巻回して得た、ことを特徴とするコイル。
【請求項9】
請求項6に記載のテープ巻き絶縁電線を巻回して得た、ことを特徴とするコイル。
【請求項10】
請求項7に記載のテープ巻き絶縁電線を巻回して得た、ことを特徴とするコイル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電源トランス等の電子部品のコイルに用いられるテープ巻き絶縁電線及びコイルに関し、さらに詳しくは、絶縁被覆の厚さが同じであっても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができ、又は、絶縁被覆の厚さを薄くして絶縁電線を細径化しても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができる、テープ巻き絶縁電線、及びそのテープ巻き絶縁電線で形成したコイルに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
トランス、インダクタンス、チョークコイル等の電子部品では、占積率を高めるため、IEC等の安全規格における強化絶縁となる三層絶縁電線を用いることがある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、絶縁層が3層の押出被覆層で形成され、絶縁層の厚みを薄くしても、半田付け性,耐熱性,層間剥離性,電気絶縁性がIEC規格を満足する多層絶縁電線が提供されている。この多層絶縁電線は、1層目の絶縁層を機械的強度や軟化温度が高いポリアミド樹脂で形成しているので、コイル加工時の巻張力やコイル使用時の導体発熱に起因する絶縁層のつぶれ現象が導体表面にまで波及しなくなり、そのため、3層の押出被覆層の合計厚さを100μm以下としても、コイル巻線として使用したときに、コイルの占積率を高めることができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-139829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、トランスのコイル巻線の占積率の更なる向上による高効率化と小型化が望まれている。しかし、上記した従来の3層の押出被覆層は、一層の被覆厚さは30μm程度が限界であり、被覆厚さをより薄くして占積率を高めることが難しかった。一方、押出被覆層に代わる絶縁テープを巻いたテープ巻き絶縁被覆も行われているが、テープ材質による被覆強度と厚さより、10μm程度のテープ厚さが限界であった。しかし、薄い厚さのテープでは絶縁性能を十分に満足させることができなかった。こうした従来のコイル巻線用絶縁電線では、高い耐電圧を確保した上で厚さを薄くすることが難しく、コイルの占積率を高めたコイルの小型化が十分に実現できていなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、絶縁被覆の厚さが同じであっても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができ、又は、絶縁被覆の厚さを薄くして絶縁電線を細径化しても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができる、テープ巻き絶縁電線、及びそのテープ巻き絶縁電線で形成したコイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るテープ巻き絶縁電線は、導体と、導体の外周に絶縁被覆とを有する絶縁電線であって、前記絶縁被覆は、2つ~5つの絶縁テープで重ね巻された複数の絶縁層で構成され、
前記絶縁被覆が、前記絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が2層又は3層の場合において、前記個々の絶縁層の巻き数の合計は、前記個々の絶縁層の巻き数の整数部分の合計に1を加えた総数以下であり、又は、前記絶縁テープそれぞれで重ね巻きした個々の絶縁層が4層又は5層の場合において、前記個々の絶縁層の巻き数の合計は、前記個々の絶縁層の巻き数の整数部分の合計に2を加えた総数以下であり、前記個々の絶縁層が2層~5層の場合のいずれにおいても前記巻き数の整数部分は1~4の範囲である、ことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、導体の外周に2つ~5つの絶縁テープで重ね巻された複数の絶縁層で構成される絶縁被覆を有するが、その絶縁被覆は、個々の絶縁層の層数を2層又は3層とした場合にその個々の絶縁層の巻き数の合計が個々の絶縁層の巻き数の整数部分(1~4の範囲)の合計に1を加えた総数以下とし、個々の絶縁層の層数を4層又は5層とした場合にその合計が個々の絶縁層の巻き数の整数部分(1~4の範囲)の合計に2を加えた総数以下としたので、個々の絶縁テープで重ね巻きした際の周回の重なる整数部分の端数となる小数部分の合計を1.0以下又は2.0以下とすることができる。こうしたことにより、絶縁被覆の合計厚さを薄くすることができ、得られた絶縁電線を細径化することができる。その結果、コイルを製造した際の占積率を向上させることができる。
【0009】
また、前記した小数部分の合計が1以下又は2以下となることで、個々の絶縁テープで重ね巻きした際の周回の重なる整数部分の巻き数を十分に確保できる。その結果、従来の絶縁電線と比較して絶縁被覆の厚さが同じであっても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができ、又は、絶縁被覆の厚さを薄くして絶縁電線を細径化しても絶縁破壊電圧を同等又は高くすることができる。また、小数部分が1.0以下又は2.0以下となることで細径化に有利であるが、整数部分の合計からなる実質的な巻き数(以下「最小巻き数」という。)の観点からは、最小巻き数を1又は2つ多くすることができ、絶縁破壊電圧を高めることができる。なお、絶縁破壊電圧を高くすることができるので、絶縁破壊電圧が同等レベルで十分であれば、絶縁被覆を薄くして絶縁電線の細径化とコイルの占積率向上に寄与できる。
【0010】
こうしたテープ巻き絶縁電線により、絶縁破壊電圧を同等又は向上させ、柔軟でコイル巻き線性に優れ、占積率を高めてコイルを小型化することができる。また、絶縁被覆を薄くできるので、絶縁電線の熱抵抗が下がり放熱性が高くなって絶縁電線の温度を下げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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