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公開番号
2025034035
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140164
出願日
2023-08-30
発明の名称
静的破砕材及び静的破砕方法
出願人
デンカ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B02C
19/18 20060101AFI20250306BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約
【課題】鉄砲現象の発生が抑制され安全性の高い静的破砕材を提供する。
【解決手段】物理変化により膨張する物理変化膨張材および化学変化により膨張する化学変化膨張材を含む静的破砕材、及び、当該静的破砕材を被破砕物の削孔に充填し、水を付与して膨張させる静的破砕方法である。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
物理変化により膨張する物理変化膨張材および化学変化により膨張する化学変化膨張材を含む静的破砕材。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
前記物理変化膨張材の少なくとも一部の長さが、水を付与してから30分後に1.5倍以上に膨張する請求項1に記載の静的破砕材。
【請求項3】
前記物理変化膨張材が棒状である請求項1又は2に記載の静的破砕材。
【請求項4】
前記物理変化膨張材の直径が30mm~100mmである請求項3に記載の静的破砕材。
【請求項5】
前記物理変化膨張材が圧密木材である請求項1又は2に記載の静的破砕材。
【請求項6】
前記化学変化膨張材が酸化カルシウムを含むことを特徴する請求項1に記載の静的破砕材。
【請求項7】
前記化学変化膨張材が、化学変化後に水酸化カルシウムを生成することを特徴とする請求項1又は6に記載の静的破砕材。
【請求項8】
前記化学変化膨張材が、化学変化後に水酸化カルシウムとともにエトリンガイトを生成することを特徴とする請求項1に記載の静的破砕材。
【請求項9】
請求項1又は6に記載の静的破砕材を被破砕物の削孔に充填し、水を付与して膨張させる静的破砕方法。
【請求項10】
前記被破砕物が、セメント硬化体、転石又は岩盤である請求項9に記載の静的破砕方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に土木や建築業界において利用される静的破砕材及び静的破砕方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、岩石又はコンクリート等の脆性物体を爆発や機械的な衝撃を与えずに破砕する、いわゆる静的破砕方法が知られている。静的破砕方法では、岩石又はコンクリートにあらかじめ孔をあけておき、この孔の中に膨張性スラリーを充填し、その膨張力により破砕する。例えば、生石灰は水和の際の膨張力が大きいので、これを破砕材として使用することが試みられている。
【0003】
しかしながら、生石灰単独では、水和速度が非常に速く、水と練混ぜると直ちに水和膨張し、流動性が急激に低下して孔への注入が困難となる。また、注入できたとしても、急激な発熱反応のため孔の上部より吹き出してしまう、いわゆる鉄砲現象により十分な破砕効果が得られなかった。鉄砲現象がどのようにして起こるかは定かではないが、急激な発熱反応により生じる水和熱が120℃程度にもなることから、水蒸気爆発が起きているものと推察される。
【0004】
生石灰を利用した静的破砕材として、生石灰の結晶をエーライトの結晶に包含した鉱物粉末に減水剤を添加したものや硬焼生石灰粉末に水硬性物質と混和剤を添加したものを水で練り、ペーストとし、これを岩石又はコンクリートの孔中に注入する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭55-142894号公報
特開昭56-67059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1や特許文献2に記載された方法は、生石灰の水和反応を適切に制御した材料設計ではあるものの、適用範囲に限界があった。すなわち、削孔径は最大でも70mm未満に限定されるものであった。削孔径が70mmを超えると、充填する静的破砕材の量が多くなるため、水和発熱量も大きくなり、鉄砲現象の危険度が増してしまうものであった。そのため、削孔径を一定の大きさよりも小さくし、削孔間隔を狭めて削孔数を多くする必要があった。
【0007】
また、そもそも生石灰は、石灰岩を砕いた炭酸カルシウム(CaCO
3
)を高温で熱することで製造されるが、同時に二酸化炭素が発生する。そのため、カーボンニュートラルの観点からは、生石灰の使用量を減らす等、より環境負荷の小さい静的破砕材が今後は求められる。
【0008】
以上から、本発明は、鉄砲現象の発生が抑制され安全性の高い静的破砕材および静的破砕方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を進めたところ、下記本発明により上記課題を解決できることを見出した。本発明は、上記の知見に基づくものであり、以下を要旨とする。
【0010】
[1] 物理変化により膨張する物理変化膨張材および化学変化により膨張する化学変化膨張材を含む静的破砕材。
[2] 前記物理変化膨張材の少なくとも一部の長さが、水を付与してから30分後に1.5倍以上に膨張する[1]に記載の静的破砕材。
[3] 前記物理変化膨張材が棒状である[1]又は[2]に記載の静的破砕材。
[4] 前記物理変化膨張材の直径が30mm~100mmである[3]に記載の静的破砕材。
[5] 前記物理変化膨張材が圧密木材である[1]~[3]のいずれか1つに記載の静的破砕材。
[6] 前記化学変化膨張材が酸化カルシウムを含むことを特徴する[1]~[5]のいずれか1つに記載の静的破砕材。
[7] 前記化学変化膨張材が、化学変化後に水酸化カルシウムを生成することを特徴とする[1]~[6]のいずれか1つに記載の静的破砕材。
[8] 前記化学変化膨張材が、化学変化後に水酸化カルシウムとともにエトリンガイトを生成することを特徴とする[1]~[7]のいずれか1つに記載の静的破砕材。
[9] [1]~[8]のいずれか1つに記載の静的破砕材を被破砕物の削孔に充填し、水を付与して膨張させる静的破砕方法。
[10] 前記被破砕物が、セメント硬化体、転石又は岩盤である[9]に記載の静的破砕方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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