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公開番号2025016817
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2021210610
出願日2021-12-24
発明の名称複合材料の検査装置、複合材料の検査方法、複合材料の検査プログラム
出願人国立大学法人愛媛大学,帝人株式会社
代理人弁理士法人航栄事務所
主分類G01N 29/06 20060101AFI20250129BHJP(測定;試験)
要約【課題】機械物性を測定することなく、複合材料の機械物性を推測して複合材料の評価に役立てることのできる複合材料の検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置は、強化繊維で強化され且つ機械物性情報及び非破壊検査情報が既知の第一複合材料の当該機械物性情報及び当該非破壊検査情報に基づく機械学習によって生成された機械物性推測モデルであって、強化繊維で強化され且つ機械物性情報が未知の第二複合材料の非破壊検査情報を入力として前記第二複合材料の機械物性情報を推測する機械物性推測モデルを記憶する記憶部と、前記第二複合材料の非破壊検査情報を取得し、当該非破壊検査情報を前記機械物性推測モデルに入力して、前記機械物性推測モデルから当該第二複合材料の機械物性情報を取得し、当該機械物性情報に基づく出力を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
機械物性情報及び非破壊検査情報が既知の、繊維強化された第一複合材料の当該機械物性情報及び当該非破壊検査情報に基づく機械学習によって生成された機械物性推測モデルであって、
機械物性情報が未知の、繊維強化された第二複合材料の非破壊検査情報を入力として前記第二複合材料の機械物性情報を推測する機械物性推測モデルを記憶する、モデル記憶部にアクセス可能なプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記第二複合材料の非破壊検査情報を取得し、当該非破壊検査情報を前記機械物性推測モデルに入力して、前記機械物性推測モデルから当該第二複合材料の機械物性情報を取得し、当該機械物性情報に基づく出力を行い、
前記非破壊検査情報は、振動特性情報又は音響特性情報であって、前記第二複合材料の非破壊検査情報を取得する際のサンプリング周波数は0Hz超である、複合材料の検査装置。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
請求項1記載の検査装置であって、
前記非破壊検査情報は、画像又は数値データである検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の検査装置であって、
前記機械物性情報は、複合材料の弾性率、又は破壊強度に関する情報である検査装置。
【請求項4】
請求項3記載の検査装置であって、
前記弾性率に関する情報は、弾性率、又は弾性率をランク分けした場合のランクを含み、
前記破壊強度に関する情報は、破壊強度、又は破壊強度をランク分けした場合のランクを含む検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の検査装置であって、
前記弾性率、又は破壊強度に関する情報は、前記弾性率、又は破壊強度が推測困難であることを示す情報、前記弾性率、又は破壊強度が不良品に相当することを示す情報、及び、前記弾性率、又は破壊強度が良品に相当することを示す情報の少なくとも1つを含む検査装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の検査装置であって、
前記繊維が炭素繊維である検査装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の検査装置であって、
前記第一複合材料及び前記第二複合材料は、それぞれ、熱硬化性のプリプレグを用いた成形体である検査装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の検査装置であって、
前記第一複合材料及び前記第二複合材料は、それぞれ、一方向性材料である検査装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の検査装置であって、
前記第一複合材料の機械物性情報又は非破壊検査情報は、有限要素法により取得された情報を少なくとも1つ以上含む検査装置。
【請求項10】
請求項2記載の検査装置であって、
前記画像は振動減衰の波形を含む検査装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化された複合材料の検査装置、検査方法、及び検査プログラムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維によって繊維補強された複合材料は、マトリックス樹脂の脆弱性を強度の高い繊維によって補強することができる。このため、軽量、高物性の優れた材料として広く採用されている。
従来、繊維強化された複合材料の生産工程では、複合材料の製造時の不良品を検査するための超音波検査が行われている。例えば、特許文献1では、熱可塑性樹脂を炭素繊維へ含浸させる工程において、次のような検査が行われる。まず、被検査物(熱可塑性樹脂を炭素繊維へ含浸させた複合材料)に一定の距離を隔てて指向性を有する超音波送波器と受波器を対向させる。そして、一方の超音波送波器から超音波を発射し、被検査物をその対向した受波器で超音波を受け、信号処理回路によりその超音波の伝播時間を測定し、これらにより被検査物の内部欠陥を非接触で検出する。ここでの超音波を用いた検査のデータは画像に変換されることで、当該画像に基づき、被検査物の合否判定を行うことができる。
特許文献2、3には、加工食品の生産工程で効率的に血合いや羽などの選別を行うため、高精度の検索を自動的に行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-158459号公報
国際公開第2019/151393号
国際公開第2019/151394号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、原材料価格や人件費の高騰などもあり、高い品質を維持しながら生産コストを抑えることが課題となっており、繊維強化された複合材料に対し、低コスト且つ高精度な検査を実現することが求められている。
特許文献1に記載の超音波検査による複合材料の選別作業は、得られた画像の目視検査に頼っている。このため、複合材料の状態を詳細に把握することは難しい。特に、画像を目視して行う合否判定では、客観的な評価基準を設けるのが難しく、何をもって材料の合否基準を算出するのかが定まりにくい。
また、特許文献2、3に記載の食品検査システムは、人間が硬骨の位置を探すための装置であり、複合材料の検査を行う技術とは異なる。この食品検査システムは、あくまで画像や測定対象物の良否を人間が見れば判断できるものを、ニューラルネットワークに代替させているに過ぎない。
【0005】
本発明は、機械物性を測定することなく、複合材料の機械物性を推測して複合材料の評価に役立てることのできる複合材料の検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は以下の各態様によって解決できる。
本発明の一態様の検査装置は、機械物性情報及び非破壊検査情報が既知の、繊維強化された第一複合材料の当該機械物性情報及び当該非破壊検査情報に基づく機械学習によって生成された機械物性推測モデルであって、
機械物性情報が未知の、繊維強化された第二複合材料の非破壊検査情報を入力として前記第二複合材料の機械物性情報を推測する機械物性推測モデルを記憶する、モデル記憶部にアクセス可能なプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記第二複合材料の非破壊検査情報を取得し、当該非破壊検査情報を前記機械物性推測モデルに入力して、前記機械物性推測モデルから当該第二複合材料の機械物性情報を取得し、当該機械物性情報に基づく出力を行うものである。ただし、前記非破壊検査情報は、振動特性情報又は音響特性情報であって、第二複合材料の非破壊検査情報を取得する際のサンプリング周波数は0Hz超である。
【0007】
本発明の一態様の検査方法は、機械物性情報及び非破壊検査情報が既知の、繊維強化された第一複合材料の当該機械物性情報及び当該非破壊検査情報を機械学習させることで、機械物性情報が未知の、繊維強化された第二複合材料の非破壊検査情報を入力として前記第二複合材料の機械物性情報を推測する機械物性推測モデルを生成するステップと、前記第二複合材料の非破壊検査情報を取得するステップと、前記取得した前記非破壊検査情報を前記機械物性推測モデルに入力して、前記機械物性推測モデルから前記第二複合材料の機械物性情報を取得し、当該機械物性情報に基づく出力を行うステップと、を備えるものである。ただし、前記非破壊検査情報は、振動特性情報又は音響特性情報であって、第二複合材料の非破壊検査情報を取得する際のサンプリング周波数は0Hz超である。
【0008】
本発明の一態様の検査プログラムは機械物性情報及び非破壊検査情報が既知の、繊維強化された第一複合材料の当該機械物性情報及び当該非破壊検査情報を機械学習させることで、機械物性情報が未知の、繊維強化された第二複合材料の非破壊検査情報を入力として前記第二複合材料の機械物性情報を推測する機械物性推測モデルを生成するステップと、前記第二複合材料の非破壊検査情報を取得するステップと、前記取得した前記非破壊検査情報を前記機械物性推測モデルに入力して、前記機械物性推測モデルから前記第二複合材料の機械物性情報を取得し、当該機械物性情報に基づく出力を行うステップと、をプロセッサに実行させるものである。ただし、前記非破壊検査情報は、振動特性情報又は音響特性情報であって、第二複合材料の非破壊検査情報を取得する際のサンプリング周波数は0Hz超である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機械物性を測定することなく、非破壊検査情報のみによって複合材料の機械物性を推測して複合材料の評価に役立てることができる。本発明によれば、非破壊検査情報からでは人がどのように頑張っても推測することが出来ない機械物性情報を、高い精度にて瞬時に推測することができる。これにより、複合材料の生産における廃棄ロスを低減し、高品質な複合材料を低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
検査システムの構成例を示す図。
学習処理のフローチャート。
3つの反応値を出力するニューラルネットワークの例を示す図。
ニューラルネットワークのユニット間の演算処理を示す図。
推測処理のフローチャート。
活性化関数にRBFを使ったときの識別曲面と反応値の分布。
活性化関数にシグモイド関数を使ったときの識別曲面と反応値の分布。
(a)(b)(c)(d)振動検査画像を示す図。エルメック社製解析ツールBIOMASを使用したもの。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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