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公開番号2025003495
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2024181780,2023186709
出願日2024-10-17,2022-01-27
発明の名称サーバおよびプログラム
出願人日本電信電話株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G06F 9/48 20060101AFI20241226BHJP(計算;計数)
要約【課題】アプリケーションの特性がそれぞれ異なるアプリケーションに対しても、消費電力の低減を図りつつ、サーバ内の遅延を小さくしてパケット転送を行うサーバ内遅延制御装置、サーバ内遅延制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ内遅延制御装置200は、データ到着監視部210が取得したデータをデータ処理APL1に通知して受け渡すデータ到着通知部220と、Polling Threadをスリープさせ、かつ、パケット到着時はハードウェア割込により当該Polling Threadのスリープ解除を行うSleep管理部230と、を備え、Sleep管理部230は、アプリケーションプログラムの特性に基づいて、ハードウェア割込を許可してスリープするタイミングを制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ユーザ空間に配置され、ポーリングモデルを用いてパケット到着を監視するスレッドを立ち上げるサーバ内遅延制御装置であって、
デバイスの受信キューをポーリングにより監視し、パケットが到着している場合は、データを取得するデータ到着監視部と、
前記データ到着監視部が取得したデータをアプリケーションプログラムに通知して受け渡すデータ到着通知部と、
パケットが所定期間到着しない場合は前記スレッドをスリープさせ、かつ、パケット到着時はハードウェア割込により当該スレッドのスリープ解除を行うスリープ管理部と、を備え、
前記スリープ管理部は、アプリケーションプログラムの特性に基づいて、前記ハードウェア割込を許可して前記スリープするタイミングを制御する
ことを特徴とするサーバ内遅延制御装置。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
ユーザ空間に配置され、ポーリングモデルを用いてパケット到着を監視するスレッドを立ち上げるサーバ内遅延制御装置のサーバ内遅延制御方法であって、
前記サーバ内遅延制御装置は、
デバイスの受信キューをポーリングにより監視し、パケットが到着している場合は、データを取得するステップと、
取得したデータをアプリケーションプログラムに通知して受け渡すステップと、
パケットが所定期間到着しない場合は前記スレッドをスリープさせ、かつ、パケット到着時はハードウェア割込により当該スレッドのスリープ解除を行うとともに、
前記アプリケーションプログラムの特性に基づいて、前記ハードウェア割込を許可して前記スリープするタイミングを制御するステップと、を実行する
ことを特徴とするサーバ内遅延制御方法。
【請求項3】
コンピュータを、請求項1に記載のサーバ内遅延制御装置として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ内遅延制御装置、サーバ内遅延制御方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
NFV(Network Functions Virtualization:ネットワーク機能仮想化)による仮想化技術の進展などを背景に、サービス毎にシステムを構築して運用することが行われている。また、上記サービス毎にシステムを構築する形態から、サービス機能を再利用可能なモジュール単位に分割し、独立した仮想マシン(VM:Virtual Machineやコンテナなど)環境の上で動作させることで、部品のようにして必要に応じて利用し運用性を高めるといったSFC(Service Function Chaining)と呼ばれる形態が主流となりつつある。
【0003】
仮想マシンを構成する技術としてLinux(登録商標)とKVM(kernel-based virtual machine)で構成されたハイパーバイザー環境が知られている。この環境では、KVMモジュールが組み込まれたHost OS(物理サーバ上にインストールされたOSをHost OSと呼ぶ)がハイパーバイザーとしてカーネル空間と呼ばれるユーザ空間とは異なるメモリ領域で動作する。この環境においてユーザ空間にて仮想マシンが動作し、その仮想マシン内にGuest OS(仮想マシン上にインストールされたOSをGuest OSと呼ぶ)が動作する。
【0004】
Guest OSが動作する仮想マシンは、Host OSが動作する物理サーバとは異なり、(イーサネット(登録商標)カードデバイスなどに代表される)ネットワークデバイスを含むすべてのHW(hardware)が、HWからGuest OSへの割込処理やGuest OSからハードウェアへの書き込みに必要なレジスタ制御となる。このようなレジスタ制御では、本来物理ハードウェアが実行すべき通知や処理がソフトウェアで擬似的に模倣されるため、性能がHost OS環境に比べ、低いことが一般的である。
【0005】
この性能劣化において、特にGuest OSから自仮想マシン外に存在するHost OSや外部プロセスに対して、HWの模倣を削減し、高速かつ統一的なインターフェイスにより通信の性能と汎用性を向上させる技術がある。この技術として、virtioというデバイスの抽象化技術、つまり準仮想化技術が開発されており、すでにLinux(登録商標)を始め、FreeBSD(登録商標)など多くの汎用OSに組み込まれ、現在利用されている。
【0006】
virtioでは、コンソール、ファイル入出力、ネットワーク通信といったデータ入出力に関して、転送データの単一方向の転送用トランスポートとして、リングバッファで設計されたキューによるデータ交換をキューのオペレーションにより定義している。そして、virtioのキューの仕様を利用して、それぞれのデバイスに適したキューの個数と大きさをGuest OS起動時に用意することにより、Guest OSと自仮想マシン外部との通信を、ハードウェアエミュレーションを実行せずにキューによるオペレーションだけで実現することができる。
【0007】
サーバ内のデータ転送技術としてNew API(NAPI)、DPDK(Data Plane Development Kit)、KBP(Kernel Busy Poll)がある。
【0008】
New API(NAPI)は、パケットが到着するとハードウェア割込要求の後、ソフトウェア割込要求によりパケット処理を行う(非特許文献1参照)(後記図19参照)。
【0009】
DPDKは、アプリケーションが動作するユーザスペースでパケット処理機能を実現し、ユーザスペースからpollingモデルでパケット到着時に即時刈取りを行う。詳細には、DPDKは、従来Linux kernel(登録商標)が行っていたNIC(Network Interface Card)の制御をユーザ空間で行うためのフレームワークである。Linux kernelにおける処理との最大の違いは、PMD(Pull Mode Driver)と呼ばれるポーリングベースの受信機構を持つことである。通常、Linux kernelでは、NICへのデータの到達を受けて、割込が発生し、それを契機に受信処理が実行される。一方、PMDは、データ到達の確認や受信処理を専用のスレッドが継続的に行う。PMDは、コンテキストスイッチや割込などのオーバーヘッドを排除することで高速なパケット処理を行うことができる。DPDKは、パケット処理のパフォーマンスとスループットを大幅に高めて、データプレーン・アプリケーション処理に多くの時間を確保することを可能にする。ただし、DPDKは、CPU(Central Processing Unit)やNICなどのコンピュータ資源を占有的に使用する。
【0010】
特許文献1には、サーバ内ネットワーク遅延制御装置(KBP:Kernel Busy Poll)が記載されている。KBPは、kernel内でpollingモデルによりパケット到着を常時監視する。これにより、softIRQを抑止し、低遅延なパケット処理を実現する。
(【0011】以降は省略されています)

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