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公開番号2024171253
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023088225
出願日2023-05-29
発明の名称変換装置、変換プログラム及び変換方法
出願人三菱電機株式会社,日本電信電話株式会社
代理人弁理士法人クロスボーダー特許事務所
主分類H04L 7/00 20060101AFI20241204BHJP(電気通信技術)
要約【課題】マスター装置とマスター装置の時刻に同期するクライアント装置との間でEnd to End、Peer to Peerのように異なる伝送遅延測定方法が使用される場合も時刻同期を可能とする装置を提供する。
【解決手段】変換装置100は、Syncメッセージ処理部11、Follow_Upメッセージ処理部12、Delay_Reqメッセージ処理部13、Delay_Respメッセージ処理部14、Pdelay_Reqメッセージ処理部21、Pdelay_Respメッセージ処理部22、Pdelay_Resp_Follow_Upメッセージ処理部23、マスター装置200と変換装置100の間の伝送遅延時間pt1を計算する上位側伝送遅延計算部40、変換装置100の内部処理時間を計算する内部処理時間計算部50及びpt1と内部処理時間の合計値をFollow_Upメッセージに格納するCF処理部60を備える。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
PTP(Precision Time Protocol)通信を行う上位装置と前記PTP通信を行う下位装置との間で伝送遅延測定方法が異なる場合に、前記上位装置の伝送遅延測定方法を、前記下位装置の伝送遅延測定方法に変換する変換装置であって、
前記上位装置から送信されるSyncメッセージを受信して受信時刻dt1を記録し、前記Syncメッセージを前記下位装置へ中継のために送信する際の前記Syncメッセージの送信時刻dt2を記録するSyncメッセージ処理部と、
前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1が格納されて前記上位装置から送信されるFollow_Upメッセージから、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1を抽出するFollow_Upメッセージ処理部と、
前記上位装置へDelay_Reqメッセージを送信すると共に前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3を記録するDelay_Reqメッセージ処理部と、
前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4が格納されて前記上位装置から送信されるDelay_Respメッセージから、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4を抽出するDelay_Respメッセージ処理部と、
前記下位装置から送信されるPdelay_Reqメッセージの受信時刻t2を記録するPdelay_Reqメッセージ処理部と、
前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2をPdelay_Respメッセージに格納し、前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2の格納されたPdelay_Respメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Respメッセージ処理部と、
前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3をPdelay_Resp_Follow_Upメッセージに格納し、前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3の格納されたPdelay_Resp_Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Resp_Follow_Upメッセージ処理部と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1と、前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3と、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4と、を用いて、前記上位装置と前記変換装置との間の伝送遅延時間pt1を計算する上位側伝送遅延計算部と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの中継のための送信時刻dt2と、を用いて、前記変換装置の内部処理時間を計算する内部処理時間計算部と、
前記Follow_UpメッセージのCorrectionFieldに、前記上位装置と前記変換装置との間の前記伝送遅延時間pt1と、前記変換装置の前記内部処理時間との合計値を格納し、前記合計値の格納された前記Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ中継のために送信する合計値格納部と、
を備える変換装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
PTP(Precision Time Protocol)通信を行う上位装置と前記PTP通信を行う下位装置との間で伝送遅延測定方法が異なる場合に、前記上位装置の伝送遅延測定方法を、前記下位装置の伝送遅延測定方法に変換するコンピュータである変換装置に、
前記上位装置から送信されるSyncメッセージを受信して受信時刻dt1を記録し、前記Syncメッセージを前記下位装置へ中継のために送信する際の前記Syncメッセージの送信時刻dt2を記録するSyncメッセージ処理と、
前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1が格納されて前記上位装置から送信されるFollow_Upメッセージから、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1を抽出するFollow_Upメッセージ処理と、
前記上位装置へDelay_Reqメッセージを送信すると共に前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3を記録するDelay_Reqメッセージ処理と、
前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4が格納されて前記上位装置から送信されるDelay_Respメッセージから、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4を抽出するDelay_Respメッセージ処理と、
前記下位装置から送信されるPdelay_Reqメッセージの受信時刻t2を記録するPdelay_Reqメッセージ処理と、
前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2をPdelay_Respメッセージに格納し、前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2の格納されたPdelay_Respメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Respメッセージ処理と、
前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3をPdelay_Resp_Follow_Upメッセージに格納し、前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3の格納されたPdelay_Resp_Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Resp_Follow_Upメッセージ処理と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1と、前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3と、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4と、を用いて、前記上位装置と前記変換装置との間の伝送遅延時間pt1を計算する上位側伝送遅延計算処理と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの中継のための送信時刻dt2と、を用いて、前記変換装置の内部処理時間を計算する内部処理時間計算処理と、
前記Follow_UpメッセージのCorrectionFieldに、前記上位装置と前記変換装置との間の前記伝送遅延時間pt1と、前記変換装置の前記内部処理時間との合計値を格納し、前記合計値の格納された前記Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ中継のために送信する合計値格納処理と、
を実行させる変換プログラム。
【請求項3】
PTP(Precision Time Protocol)通信を行う上位装置と前記PTP通信を行う下位装置との間で伝送遅延測定方法が異なる場合に、前記上位装置の伝送遅延測定方法を、前記下位装置の伝送遅延測定方法に変換するコンピュータである変換装置が、
前記上位装置から送信されるSyncメッセージを受信して受信時刻dt1を記録し、前記Syncメッセージを前記下位装置へ中継のために送信する際の前記Syncメッセージの送信時刻dt2を記録するSyncメッセージ処理工程と、
前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1が格納されて前記上位装置から送信されるFollow_Upメッセージから、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1を抽出するFollow_Upメッセージ処理工程と、
前記上位装置へDelay_Reqメッセージを送信すると共に前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3を記録するDelay_Reqメッセージ処理工程と、
前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4が格納されて前記上位装置から送信されるDelay_Respメッセージから、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4を抽出するDelay_Respメッセージ処理工程と、
前記下位装置から送信されるPdelay_Reqメッセージの受信時刻t2を記録するPdelay_Reqメッセージ処理工程と、
前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2をPdelay_Respメッセージに格納し、前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2の格納されたPdelay_Respメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Respメッセージ処理工程と、
前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3をPdelay_Resp_Follow_Upメッセージに格納し、前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3の格納されたPdelay_Resp_Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Resp_Follow_Upメッセージ処理工程と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1と、前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3と、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4と、を用いて、前記上位装置と前記変換装置との間の伝送遅延時間pt1を計算する上位側伝送遅延計算工程と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの中継のための送信時刻dt2と、を用いて、前記変換装置の内部処理時間を計算する内部処理時間計算工程と、
前記Follow_UpメッセージのCorrectionFieldに、前記上位装置と前記変換装置との間の前記伝送遅延時間pt1と、前記変換装置の前記内部処理時間との合計値を格納し、前記合計値の格納された前記Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ中継のために送信する合計値格納工程と、
を実行する変換方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、PTP(Precision Time Protocol)通信を行う上位装置とPTP通信を行う下位装置との間で伝送遅延測定方法が異なる場合に、上位装置の伝送遅延測定方法を、下位装置の伝送遅延測定方法に変換する、変換装置、変換プログラム及び変換方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
非特許文献1で定義されたPrecision Time Protocol(以下、PTP)は、パケットベースのネットワークシステムにおいて時計の正確な同期を実現するプロトコルである。
【0003】
PTPでは、分野ごとにプロファイルと呼ばれるフォーマットが規定されており、異なるプロファイル間では時刻同期できない。そのため、分野ごとに、個別に時刻配信ネットワークの構築が必要となり、高コストとなる。ここで、異なるプロファイル間で時刻同期ができない理由の1つとして、伝送遅延測定方法の相違がある。Transparent Clockでは、End to Endと、Peer to Peerの2種類の伝送遅延測定方法があり、それぞれで使用するメッセージが異なるため時刻同期できない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
IEEE Std 1588TM-2019 IEEE Standard for a Precision Clock Synchronization Protocol for Networked Measurement and Control Systems
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上位装置と、上位装置の時刻に同期する下位装置との間で、End to Endと、Peer to Peerとのように、2種類の異なる伝送遅延測定方法が使用される場合にも、時刻同期を可能とする装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る変換装置は、PTP(Precision Time Protocol)通信を行う上位装置と前記PTP通信を行う下位装置との間で伝送遅延測定方法が異なる場合に、前記上位装置の伝送遅延測定方法を、前記下位装置の伝送遅延測定方法に変換する変換装置である。
本開示に係る変換装置は、
前記上位装置から送信されるSyncメッセージを受信して受信時刻dt1を記録し、前記Syncメッセージを前記下位装置へ中継のために送信する際の前記Syncメッセージの送信時刻dt2を記録するSyncメッセージ処理部と、
前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1が格納されて前記上位装置から送信されるFollow_Upメッセージから、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1を抽出するFollow_Upメッセージ処理部と、
前記上位装置へDelay_Reqメッセージを送信すると共に前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3を記録するDelay_Reqメッセージ処理部と、
前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4が格納されて前記上位装置から送信されるDelay_Respメッセージから、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4を抽出するDelay_Respメッセージ処理部と、
前記下位装置から送信されるPdelay_Reqメッセージの受信時刻t2を記録するPdelay_Reqメッセージ処理部と、
前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2をPdelay_Respメッセージに格納し、前記Pdelay_Reqメッセージの受信時刻t2の格納されたPdelay_Respメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Respメッセージ処理部と、
前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3をPdelay_Resp_Follow_Upメッセージに格納し、前記Pdelay_Respメッセージの送信時刻t3の格納されたPdelay_Resp_Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ送信するPdelay_Resp_Follow_Upメッセージ処理部と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの前記上位装置の送信時刻T1と、前記Delay_Reqメッセージの送信時刻T3と、前記Delay_Reqメッセージの受信時刻T4と、を用いて、前記上位装置と前記変換装置との間の伝送遅延時間pt1を計算する上位側伝送遅延計算部と、
前記Syncメッセージの受信時刻dt1と、前記Syncメッセージの中継のための送信時刻dt2と、を用いて、前記変換装置の内部処理時間を計算する内部処理時間計算部と、
前記Follow_UpメッセージのCorrectionFieldに、前記上位装置と前記変換装置との間の前記伝送遅延時間pt1と、前記変換装置の前記内部処理時間との合計値を格納し、前記合計値の格納された前記Follow_Upメッセージを、前記下位装置へ中継のために送信する合計値格納部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る変換装置は、Delay_Reqメッセージ処理部、Delay_Respメッセージ処理部、上位側伝送遅延計算部及び合計値格納部を備えている。よって、本開示に係る変換装置は、上位装置と、上位装置の時刻に同期する下位装置との間で、End to Endと、Peer to Peerとのように、2種類の異なる伝送遅延測定方法が使用される場合にも、時刻同期を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施の形態1の図で、変換装置100の比較例1として、TC101の動作を示す図。
実施の形態1の図で、変換装置100の比較例2として、TCl02の動作を示す図。
実施の形態1の図で、変換装置100の動作概要を説明する図であり、End to EndをPeer to Peerへ変換するイメージを示す図。
実施の形態1の図で、変換装置100の動作詳細を説明する図。
実施の形態1の図で、図4に示す各時刻を説明する図。
実施の形態1の図で、変換装置100のブロック構成を示す図。
実施の形態1の図で、Follow_Upメッセージのない、1stepの場合を示す図。
実施の形態1の図で、変換装置100のハードウェア構成を示す図。
実施の形態1の図で、変換装置100の機能がハードウェアで実現される構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態の説明及び図面において、同じ要素及び対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略又は簡略化する。以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「サーキットリー」に適宜読み替えてもよい。
【0010】
実施の形態1.
以下に図を参照して、実施の形態1の変換装置100を説明する。変換装置100は、PTP通信を行う上位装置とPTP通信を行う下位装置との間で伝送遅延測定方法が異なる場合に、上位装置の伝送遅延測定方法を、下位装置の伝送遅延測定方法に変換する装置である。実施の形態1では、上位装置はマスター装置200、下位装置はクライアント装置300を想定する。また、以下に記載するCFはPTPメッセージにおける「CorrectionField」を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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