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公開番号2024178152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2024130106,2023063593
出願日2024-08-06,2019-05-29
発明の名称光学フィルターおよび撮像装置
出願人HOYA株式会社
代理人弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類G02B 5/22 20060101AFI20241217BHJP(光学)
要約【課題】リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩ガラスからなる吸収ガラス基板に対し高い
密着性を有する樹脂膜を設けた赤外カットフィルターを提供する。
【解決手段】リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対
し、Si原子とともに、Ti原子、Zr原子およびAl原子から選ばれる一種以上を含む
単層構造を有する接合層を介して樹脂膜が設けられてなることを特徴とする光学フィルタ
ーであるか、リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対
し、Si原子とともに、Ti原子、Zr原子およびAl原子から選ばれる一種以上とを含
む樹脂膜が設けられてなることを特徴とする光学フィルターである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対し、Si原
子とともに、Ti原子、Zr原子およびAl原子から選ばれる一種以上を含む単層構造を
有する接合層を介して樹脂膜が設けられてなることを特徴とする光学フィルター。
続きを表示(約 4,300 文字)【請求項2】
前記接合層において、Si原子、Ti原子、Zr原子およびAl原子の総数に占める、
Ti原子、Zr原子およびAl原子の合計原子数の割合が、0atomic%を超え33
.3atomic%以下である請求項1に記載の光学フィルター。
【請求項3】
リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対し、下記一
般式(I)
M(OSiR





)
n
(I)
(ただし、MはTi原子、Zr原子またはAl原子であり、R

、R

およびR

は、酸
素原子または窒素原子を含んでもよい炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素
基であって、互いに同一であっても異なっていてもよく、nは、MがTi原子またはZr
原子である場合は4でありMがAl原子である場合は3であり、複数の-OSiR





基は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物および下記一般式(II)
(Ti


k-1
)(OSiR






2k+2
(II)
(ただし、R

、R

およびR

は、酸素原子または窒素原子を含んでもよい炭素数1~
10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていて
もよく、kは、2以上15以下の実数であり、複数の-OSiR





基は互いに同
一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物から選ばれる一種以上のカップリング剤の加水分解、脱水縮合物を含む
接合層を介して
樹脂膜が設けられてなる
請求項1または請求項2に記載の光学フィルター。
【請求項4】
リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対し、下記一
般式(III)
M{OSi(OR

) (OR

) (OR

)}
n
(III)
(ただし、MはTi原子、Zr原子またはAl原子であり、R

、R

およびR

は、炭
素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基であって、互いに同一であっても異な
っていてもよく、nは、MがTi原子またはZr原子である場合は4でありMがAl原子
である場合は3であり、複数の-OSi(OR

) (OR

) (OR

)基は互いに同一であ
ってもよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物および下記一般式(IV)
(Ti


k-1
){OSi(OR
10
) (OR
11
) (OR
12
)}
2k+2
(IV)
(ただし、R
10
、R
11
およびR
12
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭
化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよく、kは、2以上15以下の
実数であり、複数の-OSi(OR
10
) (OR
11
) (OR
12
)基は互いに同一であって
もよいし異なっていてもよい。)
で表される化合物から選ばれる一種以上のカップリング剤の加水分解、脱水縮合物を含む
接合層を介して
樹脂膜が設けられてなる
請求項1~請求項3のいずれかに記載の光学フィルター。
【請求項5】
前記一般式(III)で表されるカップリング剤が、下記一般式(V)
Si(OR

)(OR

) (OR

)OH (V)
(ただし、R

、R

およびR

は、炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素
基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされるケイ素化合物と、下記一般式(VI)
Ti(OR
13
)(OR
14
)(OR
15
)(OR
16
)
(VI)
(ただし、R
13
、R
14
、R
15
およびR
16
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐
鎖状の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)、下記一般式
(VII)
Zr(OR
17
)(OR
18
)(OR
19
)(OR
20
) (VII)
(ただし、R
17
、R
18
、R
19
およびR
20
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐
鎖状の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)および下記一
般式(VIII)
Al(OR
21
)(OR
22
)(OR
23
) (VIII)
(ただし、R
21
、R
22
およびR
23
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭
化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される金属アルコキシドから選ばれる一種以上
との反応物からなる請求項4に記載の光学フィルター。
【請求項6】
前記接合層がさらにシラノールの脱水縮合物を含む請求項1~請求項5のいずれかに記
載の光学フィルター、
【請求項7】
リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対し、下記一
般式(V)
Si(OR

)(OR

) (OR

)OH (V)
(ただし、R

、R

およびR

は、炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素
基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされるケイ素化合物50モル%以上100モル%未満と、下記一般式(VI)
Ti(OR
13
)(OR
14
)(OR
15
)(OR
16
)
(VI)
(ただし、R
13
、R
14
、R
15
およびR
16
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐
鎖状の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)、下記一般式
(VII)
Zr(OR
17
)(OR
18
)(OR
19
)(OR
20
) (VII)
(ただし、R
17
、R
18
、R
19
およびR
20
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐
鎖状の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)および下記一
般式(VIII)
Al(OR
21
)(OR
22
)(OR
23
) (VIII)
(ただし、R
21
、R
22
およびR
23
は、炭素数1~10の直鎖状または分岐鎖状の炭
化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される金属アルコキシドから選ばれる一種以上0モル%超50モル%以下との反応物
を含むカップリング剤組成物の加水分解、脱水縮合物を含む接合層を介して
樹脂膜が設けられてなる請求項1~請求項6のいずれかに記載の光学フィルター。
【請求項8】
前記カップリング剤組成物が、前記一般式(V)で表されるケイ素化合物80モル%超
100モル%未満および前記一般式(VI)~一般式(VIII)から選ばれる一種以上の金属
アルコキシド0モル%超20モル%未満との反応物からなる請求項7に記載の光学フィル
ター。
【請求項9】
前記カップリング剤組成物が、前記一般式(V)で表されるケイ素化合物85~94モ
ル%および前記一般式(VI)~一般式(VIII)から選ばれる一種以上の金属アルコキシド
6~15モル%との反応物からなる請求項7に記載の光学フィルター。
【請求項10】
リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板に対し、Si原
子とともに、Ti原子、Zr原子およびAl原子から選ばれる一種以上とを含む樹脂膜が
設けられてなることを特徴とする光学フィルター。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルターおよび撮像装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
コンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフカメラ等のデジタルスチルカメラ(DS
C:Digital Still Camera)に搭載されるCCDやCMOSイメージ
センサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置では、色調を良好に再現し、かつ鮮明な画像を
得るために、可視光を透過し、紫外光および近赤外光を遮蔽する赤外カットフィルター(
IRCF(InfraRed Cut Filter))と称されるものが使用されてい
る(例えば、特許文献1(特開2014-148567号公報)参照)。
【0003】
図1は、DSCを構成するカメラモジュールの概略説明図であり、図1(a)がスマー
トフォン等に搭載されるコンパクトデジタルカメラに係るカメラモジュールの概略説明図
、図1(b)がデジタル一眼レフカメラに係るカメラモジュールの概略説明図である。
図1(a)に示すカメラモジュールにおいては、レンズLを透過した光のうち、赤外カ
ットフィルター(IRCF)1により紫外光および近赤外光を選択的に反射して人間の視
感度特性に合わせた可視光領域の光のみを選択的にモジュール内に導入し、イメージセン
サIC内に取り込んでいる。また、図1(b)に示すカメラモジュールにおいても同様に
、レンズLを透過した光のうち、赤外カットフィルター(IRCF)1により紫外光およ
び近赤外光を選択的に反射した上で、カバーグラスCGによりα線を除去しつつゴミの侵
入を抑制し、人間の視感度特性に合わせた可視光領域の光のみを選択的にモジュール内に
導入し、イメージセンサIC内に取り込んでいる。
【0004】
そして、上記赤外カットフィルター(IRCF)としては、ガラス基板の上面側(光入
射面側)に反射膜(UVIR膜)が設けられるとともに、ガラス基板の下面側(光出射面
側)に反射防止膜(AR膜)が設けられたものが主流であった。
図2(a)は、従来の赤外カットフィルター(IRCF)1の構造を示す概略説明図で
あり、図2(a)に示す赤外カットフィルター(IRCF)1においては、ガラス基板3
の上面側(光入射面側)に反射膜(UVIR膜)2が設けられるとともに、ガラス基板3
の下面側(光出射面側)に反射防止膜(AR膜)4が設けられ、上部から入射した光のう
ち紫外光および近赤外光を反射膜2により選択的に反射して、人間の視感度特性に合わせ
た可視光領域の光のみをガラス基板3および反射防止膜(AR膜)4内を透過させ、反射
防止膜(AR膜)4の下部から出射させている。
【0005】
しかしながら、デジタルスチルカメラは、その薄型化の要求に伴って各種構成部品も小
型化、低背化しており、イメージセンサーに対してもより斜めの光が入射するように光学
設計がされている。一方、上記反射型の赤外カットフィルター(IRCF)は光の波長依
存性が高いことから、光の入射角が大きくなるとカットオフ周波数が短波長側にズレる位
相のズレを生じ、レンズの中心付近を通過した光と周辺部分を通過した光では赤外カット
フィルター(IRCF)へ入射する光線の入射角が異なることから干渉ズレによる色再現
性の低下を生じ易くなる。
【0006】
このため、赤外カットフィルター(IRCF)として、反射膜(UVIR膜)だけでな
く、吸収樹脂膜を別途設けたり、ガラス基板として光吸収性を帯びたもの(吸収ガラス基
板)を併用することにより、反射膜(UVIR膜)の負担を軽減し、入射光中の紫外光お
よび近赤外光をより効果的に低減しつつ優れた斜入射特性を発揮し得るハイブリッドタイ
プの赤外カットフィルター(IRCF)が検討されるようになっている。
【0007】
図2(b)は、上記ハイブリッドタイプの赤外カットフィルター(IRCF)1の構造
例を示す概略説明図であり、図2(b)に示す赤外カットフィルター(IRCF)1にお
いては、紫外光および近赤外光の少なくともいずれか一方を吸収する吸収ガラス基板3’
の上面側(光入射面側)に反射膜(UVIR膜)2が設けられるとともに、上記吸収ガラ
ス基板3’の下面側(光出射面側)にさらに紫外光または近赤外光を吸収する吸収樹脂膜
5および反射防止膜(AR膜)4が順次設けられており、上記反射膜(UVIR膜)2、
吸収ガラス基板3’および吸収樹脂膜5を併用することで、入射光中の紫外光および近赤
外光をより効果的に低減しつつ高い斜入射特性の下で可視光領域の光のみを下部方向に透
過させ、出射し得る構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2014-148567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、本発明者等が検討したところ、上記紫外光または近赤外光を吸収する吸
収ガラス基板の構成材料としては、通常、リン酸塩ガラスまたはフツリン酸塩ガラス等の
リン酸塩系ガラスが使用されており、一方で上記吸収樹脂膜の構成材料としては各種重合
体からなる有機材料が使用されているが、両者の密着性が必ずしも十分でなく、特に水分
共存下における密着性が不足し易いことが判明した。
【0010】
このような状況下、本発明は、リン酸塩系ガラスまたはフツリン酸塩系ガラスからなる
吸収ガラス基板に対し高い密着性を有する樹脂膜を設けた光学フィルターを提供するとと
もに、係る光学フィルターを有する撮像装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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