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公開番号
2024172663
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023090519
出願日
2023-05-31
発明の名称
燃料電池セパレータ用チタン基材及びその製造方法、並びに燃料電池セパレータ
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
H01M
8/0206 20160101AFI20241205BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】厳しい腐食環境であっても基材の腐食溶解を防止することができ、優れた導電性を維持することができる燃料電池セパレータ用チタン基材を提供する。
【解決手段】燃料電池セパレータ用チタン基材は、厚さ方向に直交する一対の面を有し、Taを含有する。Taの原子濃度は、一対の面のうち少なくとも一方の面から厚さ方向に平行に内方に向かって増加した後、減少する濃度分布を有し、Ta、Ti及びOの含有量を前記一方の面から前記厚さ方向に平行に内方に向かって測定し、測定位置におけるTaの原子濃度を[Ta]、前記測定位置におけるTiの原子濃度を[Ti]、前記測定位置における酸素の原子濃度を[O]とする場合に、[Ta]/[Ti]の最大値が0.65以上であるとともに、一方の面から15nmの位置から内方の領域において、[O]/([Ta]+[Ti])が0.50以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
厚さ方向に直交する一対の面を有し、Taを含有するチタン基材であって、
Taの原子濃度は、前記一対の面のうち少なくとも一方の面から前記厚さ方向に平行に内方に向かって増加した後、減少する濃度分布を有し、
Ta、Ti及びOの含有量を前記一方の面から前記厚さ方向に平行に内方に向かって測定し、測定位置におけるTaの原子濃度を[Ta]、前記測定位置におけるTiの原子濃度を[Ti]、前記測定位置における酸素の原子濃度を[O]とする場合に、
[Ta]/[Ti]の最大値が0.65以上であるとともに、
前記一方の面から15nmの位置から内方の領域において、
[O]/([Ta]+[Ti])が0.50以下、であることを特徴とする燃料電池セパレータ用チタン基材。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
少なくとも前記一方の面上に炭素膜を有することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材の製造方法であって、
厚さ方向に直交する一対の面を有するチタン箔における、少なくとも一方の面上にTa膜を形成する成膜工程と、
前記Ta膜が形成された前記チタン箔を、真空中又は不活性ガス雰囲気中において熱処理する熱処理工程と、を有することを特徴とする燃料電池セパレータ用チタン基材の製造方法。
【請求項4】
前記チタン箔は、表面に不働態皮膜を有し、
前記不働態皮膜を除去することなく、前記成膜工程を実施することを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理工程の後に、前記チタン箔における前記一方の面上に炭素膜を形成する炭素膜形成工程を有し、
前記炭素膜形成工程の前に、前記チタン箔をプレス成型する成型工程を有することを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータ用チタン基材を有し、電池セルに含まれる燃料電池セパレータであって、
両面に電極層が形成された電解質膜と、前記電解質膜の両側に配置された一対のガス拡散層と、を外面側から挟持するように設けられ、
前記燃料電池セパレータ用チタン基材における前記一方の面が前記ガス拡散層に対向するように配置されていることを特徴とする、燃料電池セパレータ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐食性に優れる固体高分子形燃料電池セパレータ用チタン基材及び製造方法、並びに該燃料電池セパレータ用チタン基材を用いた燃料電池セパレータに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素と酸素との結合反応の際に発生するエネルギーを利用して発電する。そのため、省エネルギーと環境対策の両面から期待されている。固体高分子形燃料電池においては、固体高分子膜の両面に白金系触媒が塗布され、その外側の両面に、燃料ガスである水素と酸素とを触媒表面に均一に分配するガス拡散層とよばれる一対のカーボンペーパー又はカーボンクロスが配置されている。また、これらの固体高分子膜及びガス拡散層は、燃料ガスの流路が形成された集電板であるセパレータによって挟持されることにより、電池セルが構成されている。固体高分子形燃料電池は、これらの電池セルが複数積み重ねられることにより形成されており、低温作動、クイックスタート、高効率、小型軽量などの特徴を有することから、乗用車や家庭用の燃料電池に使用されている。
【0003】
特に、燃料電池を乗用車用として使用される場合に、燃料電池を搭載するスペースが限られているため、小型化が求められているとともに、燃費を向上させるために軽量化が求められている。また、乗用車の走行中の振動や衝撃に耐える必要があるため、セパレータとしては、薄肉化しても十分な強度が得られる金属材料が用いられている。
【0004】
近年、固体高分子形燃料電池は、商用車や鉄道、船、飛行機等(以下、商用車等のモビリティという。)への適用についての検討が進められている。これらの商用車等のモビリティの分野においても、燃料電池の軽量、耐震性が求められることから、金属材料からなるセパレータを用いることが検討されている。
【0005】
ところで、商用車等のモビリティは、乗用車に比べて長寿命化が要求される。例えば、商用車は、乗用車と比較して3~10倍程度の寿命が求められる。また、商用車等のモビリティは、乗用車と比較して高出力で長時間運転されるため、燃料電池が高温になる時間の割合も増加する。このため、水素イオンを伝導する固体高分子膜の分解が促進され、腐食性物質であるスルホン酸基やフッ素イオンがより多く溶出する。また、燃料電池が高温となる状態の時間の割合が増えるため、燃料電池の内部は過酷な酸性の腐食環境となる。したがって、商用車等のモビリティにおいて、燃料電池のセパレータは乗用車よりも過酷な腐食環境に長時間晒されることになる。
【0006】
このように、燃料電池の内部が過酷な腐食環境となると、セパレータの腐食によって金属イオンが放出される。金属イオンは固体高分子膜の水素イオン伝導を阻害し、水素のイオン化や水の合成の触媒となる白金系触媒を被毒するため、金属イオンの放出は、燃料電池性能を劣化させる原因となる。特に、鉄イオンは、最も燃料電池性能を劣化させる金属イオンの一つであり、加えて、燃料電池内で副反応として発生する過酸化水素と反応して固体高分子膜を分解するヒドロキシルラジカルを形成する。そこで、鉄イオンによる燃料電池性能の劣化や固体高分子膜の分解を防止するために、従来のセパレータ用基材としては、チタンやステンレスの耐食性金属材料が使用されている。
【0007】
また、セパレータは、燃料電池内で発生した電子をその表面を通して集めて流す役割を果たすため、表面の導電性が要求される。耐食性の金属材料は表面に不働態と言われる酸化皮膜が形成されることで耐食性を発揮するが、不働態皮膜は燃料電池内部の腐食環境では電気抵抗が上昇するため、一般的には、燃料ガス流路を形成するためのプレス成型を行った後に、導電性を有する耐食性皮膜の形成や表面処理を行う。
【0008】
しかし、導電性を有する耐食性皮膜を形成する処理を行っても、耐食性皮膜には必ずピンホールが存在する。したがって、セパレータ用基材としてチタンやステンレス等の材料を使用した場合であっても、過酷な腐食環境になると、ピンホール部から腐食が徐々に進行する。その結果、金属イオンの放出や、皮膜の剥離発生による表面の導電性低下により、燃料電池が劣化してしまう。
【0009】
また、セパレータの製造においては、耐食性皮膜の形成処理を行った後に、プレス成型を行う場合もある。この場合に、必ずコーティング層が割れて基材がむき出しになるため、腐食により金属イオンの放出が起こってしまう。
【0010】
特に、セパレータ用基材としてステンレスを使用すると、鉄イオンを放出するため、上記のとおり燃料電池の発電性能劣化に大きく影響する。一方、チタンはステンレスと比較して金属イオンとしての溶出が少なく、固体高分子膜の水素イオン伝導阻害や白金系触媒の被毒性も低いと言われているため、セパレータ用基材の材料としては、チタンを使用することが好ましい。しかし、商用車等のモビリティにおいては、燃料電池内部の環境によって、チタンを使用した場合であっても腐食が進行する。したがって、商用車等の長寿命化や高出力に対応するためには、セパレータ用チタン基材の耐食性をより一層向上する必要がある。
(【0011】以降は省略されています)
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