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公開番号2024168162
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084602
出願日2023-05-23
発明の名称ガス遮断器
出願人日新電機株式会社
代理人個人,個人
主分類H01H 33/915 20060101AFI20241128BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】アークに吹き付けるガスの低温化をより安定的なものとして、アークの消弧性能の向上を図り得るガス遮断器を提供する。
【解決手段】パッファ機構20は、第1パッファ室24a内に突出する態様にて設けられて同室内に導入される絶縁ガスGの熱を吸熱する冷却部材25を備える。冷却部材25は、第1パッファ室24aを構成する構成部材であるシリンダ21及び可動接点11bと連結して熱的に接続される。熱容量の十分大きいシリンダ21及び可動接点11bとの連結にて、冷却部材25での熱籠もりが極力抑えられて、冷却部材25による吸熱を安定して効果的に行うことが可能となる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁ガスの雰囲気中に固定接点と可動接点とが配置され、開極時に前記固定接点から前記可動接点が離間動作し、各接点間で生じたアークを消弧して電流遮断を図るべく、
前記アークの熱にて膨張した前記絶縁ガスをパッファ室内に充填し、充填した前記絶縁ガスを前記アークの消弧ガスとして前記パッファ室から噴出させる、少なくとも熱パッファ動作を行うパッファ部を備えたガス遮断器であって、
前記パッファ部は、前記パッファ室内に突出する態様にて設けられて前記パッファ室内に導入される前記絶縁ガスの熱を吸熱する冷却部材を備え、
前記冷却部材は、前記パッファ室を構成する構成部材と連結して熱的に接続されて構成されている、ガス遮断器。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記パッファ部は、前記パッファ室を、前記アークによる前記絶縁ガスの熱膨張に基づく熱パッファ動作を行う容積不変の第1パッファ室と、ピストンの押し込み動作に基づく機械パッファ動作を行う容積可変の第2パッファ室とに分割して構成されており、
前記冷却部材は、前記第1パッファ室に設けられている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記パッファ部は、前記パッファ室において、前記アークによる前記絶縁ガスの熱膨張に基づく熱パッファ動作、及びピストンの押し込み動作に基づく機械パッファ動作をともに行うように構成されており、
前記冷却部材は、前記パッファ室及び前記ピストンのいずれか一方に設けられるとともに、前記パッファ室及び前記ピストンのいずれか他方は、前記ピストンの動作に基づく前記冷却部材との干渉を防止する干渉防止凹部を備えている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記パッファ部は、前記パッファ室に導入される前記絶縁ガスを前記冷却部材の好適箇所に向く流れが生じるように整流する整流部材を備えている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記パッファ部は、前記可動接点の周りに前記冷却部材を含めて環状に構成されるものであり、前記パッファ室に導入される前記絶縁ガスを前記環状に沿って旋回する流れが生じるように構成されている、請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項6】
前記冷却部材は、複数の冷却板を有しており、前記パッファ室に導入される前記絶縁ガスの流れに沿うように各冷却板を配置して構成されている、請求項1に記載のガス遮断器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス遮断器に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統の電流遮断を行うガス遮断器においては、遮断動作過程で固定接点と可動接点との間に生じ得るアークを速やかに消弧することが望ましい。パッファ形と呼ばれるガス遮断器は、自身のパッファ室内に充填された絶縁ガスを遮断動作に伴いアークに向けて強く吹き付けて、アークの積極的な消弧を図るものである。
【0003】
ガス遮断器のアークの消弧性能を向上させるには、アークに吹き付けるガスの温度を極力低くすることが対策の一つとしてある。しかしながら、アークに吹き付けるガスのみならず、パッファ室内に高圧に充填されるガスは、アークからの熱を受けて非常に高温となるものである。
【0004】
上記対策の一例としては、パッファ室に出入りするガスの流路上にガスの熱を吸収する冷却部材を配置するものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-186796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記冷却部材の自身の熱容量には限りがあるため、冷却部材が熱飽和するとガスの熱を十分に吸収しきれない状況となる。冷却部材に熱が籠もると、パッファ室に出入りするガスの温度、ひいてはアークに吹き付けるガスの温度を十分に下げられないことが懸念事項となる。本発明者は、上記懸念事項の改善を図ってアークの消弧性能を向上させることを検討している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するガス遮断器は、絶縁ガスの雰囲気中に固定接点と可動接点とが配置され、開極時に前記固定接点から前記可動接点が離間動作し、各接点間で生じたアークを消弧して電流遮断を図るべく、前記アークの熱にて膨張した前記絶縁ガスをパッファ室内に充填し、充填した前記絶縁ガスを前記アークの消弧ガスとして前記パッファ室から噴出させる、少なくとも熱パッファ動作を行うパッファ部を備えたガス遮断器であって、前記パッファ部は、前記パッファ室内に突出する態様にて設けられて前記パッファ室内に導入される前記絶縁ガスの熱を吸熱する冷却部材を備え、前記冷却部材は、前記パッファ室を構成する構成部材と連結して熱的に接続されて構成されている。
【0008】
上記構成によれば、冷却部材は、パッファ室内に突出する態様をなしてパッファ室内に導入される絶縁ガスの熱を吸熱する機能を有しており、パッファ室の構成部材と連結して熱的に接続される。つまり、熱容量の十分大きいパッファ室の構成部材との連結にて、冷却部材での熱籠もりが極力抑えられて、冷却部材による吸熱を安定して効果的に行うことが可能となる。パッファ室内に充填する絶縁ガスをより安定的に低温にできるため、より低温の良質な消弧ガスをアークに対して吹き付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本開示のガス遮断器によれば、アークに吹き付けるガスの低温化がより安定的なものとなり、アークの消弧性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図2は、同形態のガス遮断器の構成を示す径方向断面図である。
図3は、同形態のガス遮断器の遮断動作初期の状態を示す断面図である。
図4は、同形態のガス遮断器の遮断動作中期の状態を示す断面図である。
図5は、同形態のガス遮断器の遮断動作後期の状態を示す断面図である。
図6は、第2実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図7は、第3実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図8は、同形態のガス遮断器の構成を示す径方向断面図である。
図9は、第4実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図10は、同形態のガス遮断器の構成を示す径方向断面図である。
図11は、第5実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図12は、同形態のガス遮断器の構成を示す径方向断面図である。
図13は、第6実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図14は、同形態のガス遮断器の構成を示す径方向断面図である。
図15は、第7実施形態のガス遮断器の構成を示す軸方向断面図である。
図16は、同形態のガス遮断器の構成を示す径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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