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公開番号
2024159251
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023075114
出願日
2023-04-28
発明の名称
厚膜抵抗体
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H01C
7/00 20060101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】抵抗温度係数を0に近づけることができ、かつ低温抵抗温度係数と、高温抵抗温度係数の差を小さくすることが可能な厚膜抵抗体を提供することを目的とする。
【解決手段】酸化ルテニウムと、ガラスと、を含み、
前記酸化ルテニウムは、ルチル型結晶構造を有し、
X線回折法により測定したa軸の格子定数をLa、c軸の格子定数をLcとした場合にLc/Laが0.6885以上であり、
結晶子径が10nm以上80nm以下である厚膜抵抗体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
酸化ルテニウムと、ガラスと、を含み、
前記酸化ルテニウムは、ルチル型結晶構造を有し、
X線回折法により測定したa軸の格子定数をLa、c軸の格子定数をLcとした場合にLc/Laが0.6885以上であり、
結晶子径が10nm以上80nm以下である厚膜抵抗体。
続きを表示(約 380 文字)
【請求項2】
前記酸化ルテニウムと前記ガラスの合計質量を100%とした場合に、
前記酸化ルテニウムの質量割合が5%以上60%以下である請求項1に記載の厚膜抵抗体。
【請求項3】
前記ガラスは、SiO
2
とB
2
O
3
とRO(RはCa、Sr、Baから選択される1種以上のアルカリ土類金属元素を示す)を含み、
SiO
2
とB
2
O
3
とROの合計を100質量部とした場合に、SiO
2
を18質量部以上50質量部以下、B
2
O
3
を10質量部以上30質量部以下、ROを35質量部以上70質量部以下の割合で含有する請求項1または請求項2に記載の厚膜抵抗体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚膜抵抗体に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
チップ抵抗器、ハイブリットIC、または抵抗ネットワーク等の抵抗器には、セラミック基板に厚膜抵抗体用ペーストを塗布し、焼成することによって形成された厚膜抵抗体が一般的に用いられている。
【0003】
厚膜抵抗体用の組成物としては、導電粒子として酸化ルテニウム粉末を代表とするルテニウム系導電粉末とガラス粉末を主な成分として含むものが広く用いられている。
【0004】
ルテニウム系導電粉末とガラス粉末が厚膜抵抗体に用いられる理由は、空気中での焼成ができ、抵抗温度係数(TCR:Temperature Cofficient of Resistance)を0に近づけられることに加え、広い領域の抵抗値の抵抗体が形成可能であることなどが挙げられる。
【0005】
ルテニウム系導電粉末とガラス粉末とを含む厚膜抵抗体用組成物では、その配合比によって厚膜抵抗体の抵抗値が変わる。具体的には、ルテニウム系導電粉末の配合比を多くすると厚膜抵抗体の抵抗値が下がり、ルテニウム系導電粉末の配合比を少なくすると厚膜抵抗体の抵抗値が上がる。このことを利用して、厚膜抵抗体では、ルテニウム系導電粉末とガラス粉末の配合比を調整して所望の抵抗値を出現させている。
【0006】
近年、電気・電子機器における抵抗器の搭載点数は増加しており、抵抗器一つ一つの抵抗値精度が高く、抵抗温度係数(TCR)が0に近いことが望まれている。
【0007】
上述のように、ルテニウム系導電粉末とガラス粉末とを含む厚膜抵抗体用組成物では、低い抵抗値が望まれる場合にはルテニウム系導電粉末を多く、ガラス粉末を少なく配合している。また、高い抵抗値が望まれる場合にはルテニウム系導電粉末を少なく、ガラス粉末を多く配合して抵抗値を調整している。
【0008】
しかし、ルテニウム系導電粉末を多く配合する低い抵抗値領域では抵抗温度係数(TCR)がプラスになりやすく、ルテニウム系導電粉末の配合が少ない高い抵抗値領域では抵抗温度係数(TCR)がマイナスになりやすい特徴がある。抵抗温度係数(TCR)は温度変化による抵抗値の変化を表したもので、厚膜抵抗体の重要な特性の一つである。抵抗温度係数は調整剤と呼ばれる主に金属酸化物を組成物に加えることで調整が可能である。抵抗温度係数をマイナスに調整することは比較的容易であり、調整剤としてはマンガン酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物等が挙げられる。しかし、抵抗温度係数をプラスに調整することは困難である。したがって、厚膜抵抗体用の導電粒子は、厚膜抵抗体に適用した場合に、抵抗温度係数が0近傍、もしくはプラスに大きくなるものが望ましい。
【0009】
厚膜抵抗体の抵抗温度係数(TCR)は、常温を基準として、低温側の低温抵抗温度係数(COLD-TCR)と高温側の高温抵抗温度係数(HOT-TCR)とで評価される。
【0010】
近年では、電子部品の高精度化への要求が高まっており、低温抵抗温度係数(COLD-TCR)、高温抵抗温度係数(HOT-TCR)とも0に近いことが求められている。
(【0011】以降は省略されています)
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