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公開番号2024144067
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023202002
出願日2023-11-29
発明の名称R‐T‐B系永久磁石
出願人TDK株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01F 1/057 20060101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高い残留磁束密度及び高い保磁力を両立するR‐T‐B系永久磁石の提供。
【解決手段】永久磁石2は、希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素を含有する。永久磁石2は、複数の主相粒子4と、複数の軟磁性粒子6と、を含む。複数の軟磁性粒子6は、Feを含有する。永久磁石2の断面2csは、複数の軟磁性領域smを含む。永久磁石2の断面2csは、永久磁石2の磁化容易軸方向Cに平行である。複数の軟磁性領域smそれぞれは、磁化容易軸方向Cに垂直なAB方向に沿って整列する複数の軟磁性粒子6を含む。磁化容易軸方向Cにおいて、複数の主相粒子4と複数の軟磁性領域smが交互に配置されている。磁化容易軸方向Cにおける複数の軟磁性粒子6の幅S6の平均値は、20nm以上5μm以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素を含有するR‐T‐B系永久磁石であって、
前記R‐T‐B系永久磁石が、前記希土類元素Rとして、少なくともNdを含有し、
前記R‐T‐B系永久磁石が、前記遷移金属元素Tとして、少なくともFeを含有し、
前記R‐T‐B系永久磁石が、複数の主相粒子と、複数の軟磁性粒子と、を含み、
複数の前記主相粒子が、少なくとも前記希土類元素R、前記遷移金属元素T、及び前記ホウ素を含有し、
複数の前記軟磁性粒子が、少なくともFeを含有し、
前記R‐T‐B系永久磁石の断面が、複数の軟磁性領域を含み、
前記R‐T‐B系永久磁石の前記断面が、前記R‐T‐B系永久磁石の磁化容易軸方向に平行であり、
複数の前記軟磁性領域それぞれが、前記磁化容易軸方向に垂直な方向に沿って整列する複数の前記軟磁性粒子を含み、
前記磁化容易軸方向において、複数の前記主相粒子と複数の前記軟磁性領域が交互に配置されており、
前記磁化容易軸方向における複数の前記軟磁性粒子の幅の平均値が、20nm以上5μm以下である、
R‐T‐B系永久磁石。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記磁化容易軸方向における複数の前記軟磁性領域の間隔の平均値が、4μm以上15μm以下である、
請求項1に記載のR‐T‐B系永久磁石。
【請求項3】
前記R‐T‐B系永久磁石の前記断面における複数の前記軟磁性粒子の面積分率が、4%以上15%以下である、
請求項1に記載のR‐T‐B系永久磁石。
【請求項4】
複数の前記軟磁性粒子の少なくとも一部が、前記希土類元素R及び前記遷移金属元素Tを含むR‐T相を含む、
請求項1に記載のR‐T‐B系永久磁石。
【請求項5】
前記希土類元素Rの含有量が、26質量%以上32質量%以下であり、
前記ホウ素の含有量が、0.77質量%以上1.15質量%である、
請求項1に記載のR‐T‐B系永久磁石。
【請求項6】
前記R‐T‐B系永久磁石の前記断面において観察される複数の前記主相粒子が、扁平である、
請求項1に記載のR‐T‐B系永久磁石。
【請求項7】
前記磁化容易軸方向における前記複数の主相粒子の幅が、前記磁化容易軸方向に垂直な方向における前記複数の主相粒子の幅よりも小さく、
前記磁化容易軸方向における前記複数の主相粒子の幅の平均値が、20nm以上200nm以下である、
請求項1に記載のR‐T‐B系永久磁石。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、R‐T‐B系永久磁石に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、R-T-B系永久磁石中の主相粒子は、隣接する主相粒子と強く磁気的に結合(couple)している。よって、R-T-B系永久磁石の保磁力を向上させるためには、粒界が形成され易い組成の設計、又は粒界拡散プロセスなどによって、Ndが濃化された粒界相(磁化反転過程を妨げるピンニングサイト)を主相粒子間に形成する必要がある。しかしながら、粒界相は非磁性相であるため、大量の粒界相の形成により、R-T-B系永久磁石の残留磁束密度が低下してしまう。
【0003】
下記特許文献1に記載の永久磁石は、高い保磁力と高い残留磁束密度を目的としている。下記特許文献1に記載の永久磁石では、主相(硬磁性相)よりも高い飽和磁化Msを示す軟磁性相(α-Fe相等)が、主相と混在している。下記特許文献1に記載の磁石の製造方法では、Nd

Fe
14
Bの化学量論的組成よりも多量のFeを含む溶湯の急冷により、薄帯(ribbon)が形成される。多量のFeを含む薄帯の焼結により、下記特許文献1に記載の永久磁石が得られる。下記特許文献1、2、及び下記非特許文献1に記載の永久磁石は、Feを含む軟磁性相、及びNd

Fe
14
Bを含む硬磁性相が混在する微細結晶の集合体から形成された準安定構造を有しており、「ナノコンポジット磁石」又は「交換スプリング磁石」と称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-234985号公報
特開2005-93730号公報
【非特許文献】
【0005】
A. M. Gabay et al., Numericalsimulation of a magnetostatically coupledcomposite magnet, JOURNAL OF APPLIEDPHYSICS 101, 09K507 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一側面の目的は、高い残留磁束密度及び高い保磁力を両立するR‐T‐B系永久磁石を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、下記[1]~[6]の通り、本発明の一側面は、R‐T‐B系永久磁石に関する。
【0008】
[1] 希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素(B)を含有するR‐T‐B系永久磁石(R-T-B based permanent magnet)であって、
R‐T‐B系永久磁石が、希土類元素Rとして、少なくともNdを含有し、
R‐T‐B系永久磁石が、遷移金属元素Tとして、少なくともFeを含有し、
R‐T‐B系永久磁石が、複数の主相粒子(main phase grains)と、複数の軟磁性粒子(soft magnetic grains)と、を含み、
複数の主相粒子が、少なくとも希土類元素R、遷移金属元素T、及びホウ素を含有し、
複数の軟磁性粒子が、少なくともFeを含有し、
R‐T‐B系永久磁石の断面が、複数の軟磁性領域(soft magnetic regiоns)を含み、
R‐T‐B系永久磁石の上記断面が、R‐T‐B系永久磁石の磁化容易軸方向(easy magnetization axis direction)に平行であり、
複数の軟磁性領域それぞれが、磁化容易軸方向に垂直な方向に沿って整列(align)する複数の軟磁性粒子を含み、
磁化容易軸方向において、複数の主相粒子と複数の軟磁性領域が交互に配置されており、
磁化容易軸方向における複数の軟磁性粒子の幅の平均値が、20nm以上5μm以下である、
R‐T‐B系永久磁石。
【0009】
[2] 磁化容易軸方向における複数の軟磁性領域の間隔の平均値が、4μm以上15μm以下である、
[1]に記載のR‐T‐B系永久磁石。
【0010】
[3] R‐T‐B系永久磁石の上記断面における複数の軟磁性粒子の面積分率が、4%以上15%以下である、
[1]又は[2]に記載のR‐T‐B系永久磁石。
(【0011】以降は省略されています)

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