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公開番号
2024141717
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023053512
出願日
2023-03-29
発明の名称
廃棄物処理設備及び廃棄物処理設備の運転方法
出願人
株式会社神鋼環境ソリューション
代理人
個人
,
個人
主分類
F23J
15/00 20060101AFI20241003BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約
【課題】排ガス温度の過度の降下を抑制しつつ排ガスの熱を有効利用することが可能な廃棄物処理設備を提供する。
【解決手段】廃棄物処理設備は、廃棄物を焼却する焼却炉と、排ガスが流れる排ガス経路と、前記排ガスの熱を加熱対象空気に伝えることにより当該加熱対象空気を加熱する伝熱部を含む制御対象熱交換器と、前記伝熱部の温度と相関して上下する検知対象温度を検知する温度検知部と、前記制御対象熱交換器に前記加熱対象空気を供給するための空気供給経路と、前記排ガス経路及び前記空気供給経路のうち少なくとも一方に設けられ、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部に供給される前記排ガス及び前記加熱対象空気のうち少なくとも一方の流量を変化させる動作を行う流量調整機構と、前記温度検知部により検知される前記検知対象温度が予め設定された許容温度以上になるように前記流量調整機構を動作させる温度制御部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
廃棄物を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス経路と、
前記排ガス経路に配置され、前記排ガスの熱を加熱対象空気に伝えることにより当該加熱対象空気を加熱する伝熱部を含む制御対象熱交換器と、
前記伝熱部の温度と相関して上下する検知対象温度を検知する温度検知部と、
前記制御対象熱交換器に前記加熱対象空気を供給するための空気供給経路と、
前記排ガス経路及び前記空気供給経路のうち少なくとも一方に設けられ、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部に供給される前記排ガス及び前記加熱対象空気のうち少なくとも一方の流量を変化させる動作を行うことが可能な流量調整機構と、
前記温度検知部により検知される前記検知対象温度が予め設定された許容温度以上になるように前記流量調整機構を動作させる温度制御部と、を備えた、廃棄物処理設備。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記温度検知部は、前記検知対象温度として、前記伝熱部の表面温度を検知する、廃棄物処理設備。
【請求項3】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記温度検知部は、前記検知対象温度として、前記伝熱部を通過した前記排ガスの温度を検知する、廃棄物処理設備。
【請求項4】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記流量調整機構は、前記加熱対象空気の少なくとも一部が前記制御対象熱交換器を迂回するように流れることを許容するように前記空気供給経路に接続された空気側バイパス経路と、前記加熱対象空気のうち前記空気側バイパス経路を流れる空気の流量である空気バイパス流量を変化させる動作を行うことが可能な空気バイパス流量調節部と、を含み、前記温度制御部は、前記検知対象温度が前記許容温度よりも低い場合に前記空気バイパス流量を増大させるように前記空気バイパス流量調節部を動作させる、廃棄物処理設備。
【請求項5】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記空気供給経路に接続されて前記制御対象熱交換器に前記加熱対象空気を送り出すための送風機をさらに備え、前記流量調整機構は、前記送風機により送り出される前記加熱対象空気の流量である送風流量を変化させる送風調整部を含み、前記温度制御部は、前記検知対象温度が前記許容温度よりも低い場合に前記送風流量を減少させるように前記送風調整部を動作させる、廃棄物処理設備。
【請求項6】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記流量調整機構は、前記排ガスの少なくとも一部が前記制御対象熱交換器を迂回するように流れることを許容するように前記排ガス経路に接続された排ガス側バイパス経路と、前記排ガスのうち前記排ガス側バイパス経路を流れる排ガスの流量である排ガスバイパス流量を変化させる動作を行うことが可能な排ガスバイパス流量調節部と、を含み、前記温度制御部は、前記検知対象温度が前記許容温度よりも低い場合に前記排ガスバイパス流量を減少させるように前記排ガスバイパス流量調節部を動作させる、廃棄物処理設備。
【請求項7】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記排ガス経路において前記制御対象熱交換器の上流側に配置される高温側熱交換器をさらに備え、前記高温側熱交換器は、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部とは別の高温伝熱部をさらに含み、前記高温伝熱部は、前記制御対象熱交換器を通過する前の前記排ガスの熱を前記制御対象熱交換器の前記伝熱部により加熱された後の前記加熱対象空気に伝えることにより当該加熱対象空気をさらに加熱し、当該高温伝熱部により温度が降下した後の前記排ガスが前記制御対象熱交換器の前記伝熱部に供給される、廃棄物処理設備。
【請求項8】
請求項1に記載の廃棄物処理設備であって、
前記排ガス経路において前記制御対象熱交換器の下流側に配置される低温側熱交換器をさらに備え、前記低温側熱交換器は、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部とは別の低温伝熱部をさらに含み、前記低温伝熱部は、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部を通過して温度が降下した後の前記排ガスの熱を前記制御対象熱交換器の前記伝熱部に供給される前の前記加熱対象空気の少なくとも一部に伝えることにより当該加熱対象空気の少なくとも一部を予備加熱する、廃棄物処理設備。
【請求項9】
請求項8に記載の廃棄物処理設備であって、
前記低温伝熱部は、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部を構成する材料よりも高い耐腐食性を有する材料により構成されている、廃棄物処理設備。
【請求項10】
請求項8に記載の廃棄物処理設備であって、
前記空気供給経路は、前記低温側熱交換器の前記低温伝熱部により予備加熱された後の予備加熱空気を前記制御対象熱交換器の前記伝熱部に供給される前記加熱対象空気に含めるように構成されている、廃棄物処理設備。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理設備及び廃棄物処理設備の運転方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、排ガスを排出する焼却炉等の設備において白煙防止装置を設けることが知られている。
【0003】
特許文献1に記載された設備では、焼却炉から煙突まで至る排ガス経路において、湿式排煙処理装置の前後段に高温熱交換器及び低温熱交換器がそれぞれ配置されている。この設備では、押込送風機により送り出された空気が、低温熱交換器において排ガスの熱により加熱された後、高温熱交換器において排ガスの熱によりさらに加熱され、その後排ガス経路のうち低温熱交換器の後段部分に導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭52-74133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、排ガスが高温熱交換器及び低温熱交換器のそれぞれにおいて空気と熱交換した結果、排ガスの温度が大幅に下がり、これによる不都合が発生するおそれがある。例えば、排ガス経路のうち前記低温熱交換器の下流側の配管において想定以上に排ガスの凝縮(例えば酸性物質の凝縮や水蒸気の凝縮)が起こると、設計時における想定を上回る速度で当該配管の腐食が進むおそれがある。このような不都合は、前記排ガスと前記空気との熱交換量を減らすように設計することにより抑制することができるが、このように排ガスの温度降下の抑制を重視した設計では、前記排ガスの温度が著しく降下するおそれのない運転状況、すなわち、本来は前記熱交換量を著しく減らす必要がない運転状況、において必要以上に熱交換量が抑制されることになる。このことは、排ガスの熱の利用効率の向上を妨げる。
【0006】
本発明は、排ガスの熱を熱交換器によって効率よく回収しながら当該熱交換器の伝熱部またはその下流側の配管の温度の過度の降下を抑制することが可能な廃棄物処理設備及び廃棄物処理設備の運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
提供されるのは、廃棄物処理設備であって、当該廃棄物処理設備は、廃棄物を焼却する焼却炉と、前記焼却炉から排出される排ガスが流れる排ガス経路と、前記排ガス経路に配置され、前記排ガスの熱を加熱対象空気に伝えることにより当該加熱対象空気を加熱する伝熱部を含む制御対象熱交換器と、前記伝熱部の温度と相関して上下する検知対象温度を検知する温度検知部と、前記制御対象熱交換器に前記加熱対象空気を供給するための空気供給経路と、前記排ガス経路及び前記空気供給経路のうち少なくとも一方に設けられ、前記制御対象熱交換器の前記伝熱部に供給される前記排ガス及び前記加熱対象空気のうち少なくとも一方の流量を変化させる動作を行うことが可能な流量調整機構と、前記温度検知部により検知される前記検知対象温度が予め設定された許容温度以上になるように前記流量調整機構を動作させる温度制御部と、を備える。
【0008】
前記設備において、前記温度制御部は、前記検知対象温度が予め設定された前記許容温度以上になるように前記流量調整機構を動作させる、すなわち、前記制御対象熱交換器に供給される排ガス及び空気のうち少なくとも一方の流量を調整する、ことにより、前記検知対象温度に対応する前記制御対象熱交換器の前記伝熱部の温度が過度に降下するのを抑制する一方、前記検知対象温度が前記許容温度以上である場合には前記伝熱部を通過する前記排ガスと前記加熱対象空気との十分な熱交換を確保して当該排ガスの熱が効率的に回収されることを可能にする。
【0009】
前記温度検知部により検知された.前記検知対象温度は、保護されるべき前記制御対象熱交換器の前記伝熱部の温度と相関して上下する温度であればよく、例えば、当該伝熱部そのものの表面温度であってもよいし、あるいは前記伝熱部を通過した前記排ガスの温度であってもよい。
【0010】
前記廃棄物処理設備における前記流量調整機構は、例えば、前記加熱対象空気の少なくとも一部が前記制御対象熱交換器を迂回するように流れることを許容するように前記空気供給経路に接続された空気側バイパス経路と、前記加熱対象空気のうち前記空気側バイパス経路を流れる空気の流量である空気バイパス流量を変化させる動作を行うことが可能な空気バイパス流量調節部と、を含み、前記温度制御部は、前記検知対象温度が前記許容温度よりも低い場合に前記空気バイパス流量を増大させるように前記空気バイパス流量調節部を動作させるように構成されたものが、好適である。
(【0011】以降は省略されています)
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