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公開番号2024140111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051109
出願日2023-03-28
発明の名称磁気分離装置および磁気分離方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B03C 1/28 20060101AFI20241003BHJP(液体による,または,風力テーブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離)
要約【課題】磁気分離速度および磁性ビーズと液体との分離効率の双方に優れる磁気分離装置および磁気分離方法を提供すること。
【解決手段】第1軸に沿って延在する筒状の収容部に隣り合う位置に設けられ、前記収容部に磁場を印加する磁化を持つ磁石と、前記磁石を支持する基台と、前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、前記第2軸を含む平面内において前記第2軸と直交する軸を第3軸とするとき、前記磁化の方向が前記第3軸よりも前記第2軸に近い方向を向く第1姿勢と、前記磁化の方向が前記第2軸よりも前記第3軸に近い方向を向く第2姿勢と、の間で前記磁石の姿勢を変化させる駆動部と、を備えることを特徴とする磁気分離装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1軸に沿って延在する筒状の収容部に隣り合う位置に設けられ、前記収容部に磁場を印加する磁化を持つ磁石と、
前記磁石を支持する基台と、
前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、前記第2軸を含む平面内において前記第2軸と直交する軸を第3軸とするとき、前記磁化の方向が前記第3軸よりも前記第2軸に近い方向を向く第1姿勢と、前記磁化の方向が前記第2軸よりも前記第3軸に近い方向を向く第2姿勢と、の間で前記磁石の姿勢を変化させる駆動部と、
を備えることを特徴とする磁気分離装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記磁石は、前記第1軸と平行な回動軸まわりに回動するように設けられ、
前記駆動部は、前記磁石を前記回動軸まわりに回動させる請求項1に記載の磁気分離装置。
【請求項3】
前記磁石は、前記回動軸を中心軸とする円柱状をなしている請求項2に記載の磁気分離装置。
【請求項4】
前記収容部を介して互いに反対の位置に設けられる2つの前記磁石を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気分離装置。
【請求項5】
磁性ビーズを収容する複数の前記収容部が並ぶウェルプレートが重ねられたとき、
隣り合う前記収容部同士の間に前記磁石が位置するように、前記磁石が配置されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気分離装置。
【請求項6】
前記収容部は、磁性ビーズを収容する容器が挿入される挿入部である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気分離装置。
【請求項7】
複数の前記磁石を備え、
前記駆動部は、前記磁石の姿勢を互いに同期して変化させる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気分離装置。
【請求項8】
前記駆動部は、
前記磁石に接続されているピニオンギアと、
前記ピニオンギアと螺合しているラックギアと、
を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気分離装置。
【請求項9】
前記第1軸に沿って前記基台を移動させる移動ステージをさらに備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気分離装置。
【請求項10】
磁性ビーズおよび液体を収容する筒状の収容部に磁場を印加して前記磁性ビーズを前記収容部の内壁に固定することにより、前記磁性ビーズと前記液体とを分離する磁気分離工程と、
前記磁性ビーズと前記液体とを分離した状態で、前記液体を排出する液体排出工程と、
を有し、
前記収容部の延在方向に沿う軸を第1軸とし、
前記第1軸と直交する平面内において前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、
前記平面内において前記第2軸と直交する軸を第3軸とするとき、
前記磁気分離工程では、前記第3軸よりも前記第2軸に近い角度で磁場を印加し、
前記液体排出工程では、前記第2軸よりも前記第3軸に近い角度で磁場を印加することを特徴とする磁気分離方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気分離装置および磁気分離方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、医療分野における診断や生命科学の分野において、生体物質の検査需要が高まっている。生体物質検査手法のうち、PCR(Polymerase chain reaction)法は、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)等の核酸を抽出し、その核酸を特異的に増幅して検出する方法である。こうした生体物質を検査する過程では、まず、検体から検査対象の物質を抽出することが必要である。この生体物質の抽出には、磁性ビーズを用いた磁気分離法が広く利用されている。磁気分離法では、抽出対象である生体物質を担持できる機能を有した磁性ビーズを利用し、磁場をかけることで生体物質を抽出する。具体的には、検査対象物質の担持能を表面に有する磁性ビーズを分散媒中に分散させた後、得られた分散液を磁気スタンド等の磁場発生装置に装着し、磁場印加のON/OFFを複数回繰り返す。これにより、検査対象物質を抽出する。こうした磁気分離法は、磁力によって磁性ビーズを分離し、回収する方法であるため、迅速な分離操作が可能である。
【0003】
また、PCR法における抽出に限らず、タンパク質の精製、エクソソーム、細胞の分離、抽出等の分野でも、同様の磁気分離法が利用されている。
【0004】
磁気分離法では、容器を保持する機能と、容器に磁場を印加する機能と、を有する磁気スタンドが用いられる。例えば、特許文献1には、容器を挿入するための保持孔を有する基台と、基台に設けられた永久磁石と、からなる磁気スタンドが開示されている。この磁気スタンドでは、N極が容器側を向き、S極が反対側を向くように、永久磁石が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-018692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
磁性ビーズが入った容器に磁場を印加すると、容器内の磁性ビーズは、磁場の方向に沿って配列する。このため、特許文献1に記載しているように永久磁石を配置した場合、容器の径方向に沿って磁性ビーズが針状に配列することになる。磁性ビーズがこのような針状に配列する現象を「スパイク現象」ともいう。スパイク現象が発生すると、針状に配列した磁性ビーズ同士の間に溶液が保持されやすくなる。その結果、磁性ビーズと溶液との分離性が低下し、抽出される生体物質に夾雑物が混入しやすくなる。
【0007】
一方、特許文献1に記載されている永久磁石の配置を変更すれば、スパイク現象の発生を抑制できる。しかし、その場合、容器内に生じる磁場勾配が小さくなり、磁気分離に要する時間が長くなる。
【0008】
そこで、磁気分離速度および磁性ビーズと液体との分離効率の双方に優れる磁気分離装置の実現が課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の適用例に係る磁気分離装置は、
第1軸に沿って延在する筒状の収容部に隣り合う位置に設けられ、前記収容部に磁場を印加する磁化を持つ磁石と、
前記磁石を支持する基台と、
前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、前記第2軸を含む平面内において前記第2軸と直交する軸を第3軸とするとき、前記磁化の方向が前記第3軸よりも前記第2軸に近い方向を向く第1姿勢と、前記磁化の方向が前記第2軸よりも前記第3軸に近い方向を向く第2姿勢と、の間で前記磁石の姿勢を変化させる駆動部と、
を備える。
【0010】
本発明の適用例に係る磁気分離方法は、
磁性ビーズおよび液体を収容する筒状の収容部に磁場を印加して前記磁性ビーズを前記収容部の内壁に固定することにより、前記磁性ビーズと前記液体とを分離する磁気分離工程と、
前記磁性ビーズと前記液体とを分離した状態で、前記液体を排出する液体排出工程と、
を有し、
前記収容部の延在方向に沿う軸を第1軸とし、
前記第1軸と直交する平面内において前記第1軸と直交する軸を第2軸とし、
前記平面内において前記第2軸と直交する軸を第3軸とするとき、
前記磁気分離工程では、前記第3軸よりも前記第2軸に近い角度で磁場を印加し、
前記液体排出工程では、前記第2軸よりも前記第3軸に近い角度で磁場を印加する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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