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公開番号
2024129529
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038809
出願日
2023-03-13
発明の名称
電気化学セルおよびその製造方法
出願人
セイコーインスツル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01M
50/446 20210101AFI20240919BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】本発明は、電気化学セルとその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の電気化学セルは、正極集電体上に正極活物質を含む正極層を備えた正極体と、負極集電体上に負極活物質を含む負極層を備えた負極体が、セパレータ層を介し対峙された電極体を電解液とともに外装体の内部に収容した電気化学セルであって、前記セパレータ層が、イオン液体を無機固体主粒子の表面に担持した複数の第1複合粒子と、イオン液体を前記無機固体主粒子より小さい無機固体副粒子の表面に担持した複数の第2複合粒子を含むセパレータ層であることを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
正極集電体上に正極活物質を含む正極層を備えた正極体と、負極集電体上に負極活物質を含む負極層を備えた負極体が、セパレータ層を介し対峙された電極体を電解液とともに外装体の内部に収容した電気化学セルであって、
前記セパレータ層が、イオン液体を無機固体主粒子の表面に担持した複数の第1複合粒子と、イオン液体を前記無機固体主粒子より小さい無機固体副粒子の表面に担持した複数の第2複合粒子を含むセパレータ層であることを特徴とする電気化学セル。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記無機固体主粒子の平均粒径が5μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記無機固体副粒子の平均粒径が0.005μm以上0.010μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記無機固体主粒子と前記無機固体副粒子が50:50~30:70の割合で含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記第2複合粒子が前記正極層と前記負極層の少なくとも一方に分散されている請求項1または請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項6】
無機固体主粒子と、前記無機固体主粒子より小さい無機固体副粒子と、イオン液体とを所定の割合で溶媒に投入し、混合した後、加熱処理により溶媒を揮発させることにより第1複合粒子及び第2複合粒子を作製し、リチウム塩を含むイオン液体:65~80質量%、前記第1複合粒子+前記第2複合粒子:20~30質量%、バインダー:1~5質量%を含有する疑似固体電解質のスラリーを作製し、
前記スラリーを用いて疑似固体電解質シートを作製し、
前記疑似固体電解質シートから得たセパレータ層を介し、正極体と負極体を重ねて電極体を作製することを特徴とする電気化学セルの製造方法。
【請求項7】
平均粒径が5μm以上30μm以下の無機固体主粒子を用いることを特徴とする請求項6に記載の電気化学セルの製造方法。
【請求項8】
平均粒径が0.005μm以上0.010μm以下の無機固体副粒子を用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電気化学セルの製造方法。
【請求項9】
前記無機固体主粒子と前記無機固体副粒子を50:50~30:70の割合で用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電気化学セルの製造方法。
【請求項10】
前記第2複合粒子を前記正極体と前記負極体の少なくとも一方に分散させる請求項6または請求項7に記載の電気化学セルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学セルおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
正極活物質層を含む正極と負極活物質層を含む負極と多孔質セパレータ層を有し、多孔質セパレータを介し正極と負極を対峙させた状態でケーシング内に電解液とともに収容した電池が知られている。
【0003】
この種の電池において以下の特許文献1に示すように、接触抵抗低減による導電性向上及び安全性向上を課題として、金属酸化物粒子とイオン伝導材を含む疑似固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池が知られている。
また、以下の非特許文献1に示すように、疑似固体電解質の金属酸化物粒子としてヒュームドシリカナノ粒子を用い、さらに、紫外線硬化樹脂を添加することで、3Dプリント可能な室温硬化型プロトン伝導性インク材料が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-059432号公報
【非特許文献】
【0005】
第62回電池討論会 要旨集 1F16 「疑似固体リチウムイオン二次電池の3Dプリント造形技術の開発」:(東北大学多元研)雁部祥行、小林弘明、岩瀬和至、シュタウススヴェン、本間格:電気化学会 電池技術委員会編
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の電池では、疑似固体電解質を塗膜として正極側あるいは負極側の活物質層表面に塗布し、ケーシングの内部に正極と負極を対峙させた状態で電解液に浸漬し、電池を構成する必要がある。
前述の疑似固体電解質のセパレータ層を用いて電池を構成する場合、ケーシングへの電解液注入後、正極と負極およびセパレータを電解液に浸漬し、正極とセパレータ層と負極の界面を一体化するための圧着処理を施す必要がある。
ところが、圧着処理を実施すると、疑似固体電解質のセパレータ層の厚み制御が容易ではなく、セパレータ層を介し対峙している正極の活物質と負極の活物質が接触するおそれがあり、正負極短絡を引き起こすおそれがあった。
【0007】
このため本願発明は、固体電解質のセパレータを用い、製造時に圧着を実施したとして正極側の活物質と負極側の活物質の接触を防止し、正負極短絡の問題を回避することができる電気化学セルおよびその製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る電気化学セルは、正極集電体上に正極活物質を含む正極層を備えた正極体と、負極集電体上に負極活物質を含む負極層を備えた負極体が、セパレータ層を介し対峙された電極体を電解液とともに外装体の内部に収容した電気化学セルであって、
前記セパレータ層が、イオン液体を無機固体主粒子の表面に担持した複数の第1複合粒子と、イオン液体を前記無機固体主粒子より小さい無機固体副粒子の表面に担持した複数の第2複合粒子を含むセパレータ層であることを特徴とする。
【0009】
第1複合粒子および第2複合粒子の周囲に適量のイオン液体が存在するので、セパレータ層は良好なイオン伝導性を得ることができ、電池性能の向上に寄与する。
第1複合粒子および第2複合粒子はイオン液体を担持しているため、径の大きな無機固体主粒子を含む第1複合粒子が正極体と負極体の仕切体として適切な間隔を維持し、正負極の短絡を防止しつつ良好なイオン伝導性を発揮する。
イオン液体を担持した第1複合粒子および第2複合粒子とバインダーを含むセパレータ層は、スラリーを乾燥させた疑似固体電解質層であり、焼成体ではないため、軟質である。このため、正極体と負極体の間に軟質のセパレータ層を配置した構造となるので、衝撃などの負荷が作用したとして破損リスクの低い電気化学セルを提供できる。
また、電極体を外装体に収容することで外力や負荷などに耐える堅牢な構成の電気化学セルを提供できる。
【0010】
(2)本発明に係る一形態に係る電気化学セルにおいて、前記無機固体主粒子の平均粒径が5μm以上30μm以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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