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公開番号
2024129410
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038603
出願日
2023-03-13
発明の名称
積層インダクタ
出願人
株式会社村田製作所
代理人
個人
,
個人
主分類
H01F
27/00 20060101AFI20240919BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】第1コイルと第2コイルとの間で電気特性の差異が小さい積層インダクタを提供する。
【解決手段】本開示の積層インダクタ1は、磁性層が積層された素体10と、素体10の内部に設けられ、複数の第1コイル導体層を積層方向に含む第1コイル21と、複数の第2コイル導体層を積層方向に含む第2コイル22と、第1コイル21に電気的に接続された第1外部電極及び第2外部電極とを備える。第1外部電極および第2外部電極は、素体10の底面に配置され、第2コイル22は積層方向において第1コイル21よりも素体の底面から離れた位置に設けられる。第1コイル21は、延伸方向が積層方向と直交するコイル導体からなるメインコイル要素21aと、メインコイル要素21aと電気的に直列に接続され、メインコイル要素21aにより生じる磁束の方向と逆向きの磁束を生じさせるサブコイル要素21bと、からなる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
磁性層が積層された素体と、
前記素体の内部に設けられ、複数の第1コイル導体層を積層方向に含む第1コイルと、複数の第2コイル導体層を前記積層方向に含む第2コイルと、
前記第1コイルに電気的に接続された第1外部電極及び第2外部電極と、を備え、
前記第1外部電極および第2外部電極は、前記素体の底面に配置され、
前記第2コイルは、前記積層方向において前記第1コイルよりも前記素体の底面から離れた位置に設けられ、
前記第1コイルは、前記積層方向と延伸方向が直交するコイル導体からなるメインコイル要素と、
前記メインコイル要素と電気的に直列に接続され、前記メインコイル要素により生じる磁束の方向と逆向きの磁束を生じさせるサブコイル要素と、
からなる、積層インダクタ。
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【請求項2】
前記サブコイル要素は、前記積層方向から見て 、前記メインコイル要素の一部と重複している、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項3】
前記メインコイル要素は複数のコイル導体層を備えている、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項4】
前記サブコイル要素の一端は、前記第1外部電極と直接接続されており、
前記サブコイル要素の他端は、スルーホールを介して前記メインコイル要素と電気的に接続されている、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項5】
前記積層方向における前記サブコイル要素と前記メインコイル要素との間の距離は、前記積層方向における前記第1コイル導体層間の層間距離よりも長くなっている、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項6】
前記サブコイル要素は、前記素体の底面に設けられている、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項7】
前記第1コイルのメインコイル要素の巻回数は、前記第2コイルの巻回数よりも多くなっている、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項8】
前記第2コイルに電気的に接続された第3外部電極及び第4外部電極を備え、
前記第3外部電極及び第4外部電極は、前記素体の底面に配置されている、請求項1に記載の積層インダクタ。
【請求項9】
前記素体の底面には、前記第1~第4外部電極を除く表面を被覆する絶縁層が形成されている、請求項8に記載の積層インダクタ。
【請求項10】
前記メインコイル要素の一端と直接接続される、第1スルーホールと、
前記メインコイル要素の他端と直接接続される、第2スルーホールと、
前記第2コイルの一端と直接接続される第3スルーホールと、
前記第2コイルの他端と直接接続される第4スルーホールと、を備え、
前記第1スルーホールは、一端が前記メインコイル要素と直接接続され、他端が前記サブコイル要素と直接接続されており、
前記第2スルーホールは、前記第2外部電極と直接接続されており、
前記第3スルーホールは、前記第2コイルに電気的に接続された第3外部電極と直接接続されており、
前記第4スルーホールは、前記第2コイルに電気的に接続された第4外部電極と直接接続されている、請求項1に記載の積層インダクタ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層インダクタに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、機器の高機能化により電圧変換回路のDC-DCコンバータは大電流化および高効率化が進んでおり、これらの機器に使われるパワーインダクタの定格電流も高まっている。大電流化および高効率化の手法としては、複数のインダクタからの出力電流を加算して大電流化するマルチフェーズ方式が採用されつつある。
【0003】
上記インダクタの一例を示す特許文献1には、磁性粒子を含有する磁性層を含む素体と、素体に内蔵された第1コイルおよび第2コイルと、素体の底面に設けられ、各コイルの端部のいずれか1つにそれぞれ電気的に接続された第1~第4外部電極とを有してなる積層型電子部品が開示されている(特許文献1の図6Aおよび図6B参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-000922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のコイルを駆動するマルチフェーズ方式のDC-DCコンバータにおいて、インダクタに内蔵された複数のコイルは、電気特性の差異が小さいことが望ましいとされている。
【0006】
特許文献1に記載の積層型電子部品は、上側に位置する第1コイルの巻回数と下側に位置する第2コイルの巻回数は同じだが、第1コイルを電気的に接続するスルーホールと、第2コイルを電気的に接続するスルーホールとで、長さが異なっている。そのため、第2コイルに接続されるスルーホールの方が第1コイルに接続されるスルーホールよりも長くなり直流抵抗値およびインダクタンス値に差異が生じている。また、上側に位置する第1コイルの配線構造または巻回数に基づく巻回態様と下側に位置する第2コイルの巻回態様とが異なることがある。そのため、インダクタンス値に差異が生じ得る場合がある。つまり、特許文献1に記載の積層型電子部品は、第1コイルと第2コイルとの間で電気特性に差異が生じ得る場合があった。
【0007】
本開示の主たる目的は、第1コイルと第2コイルとの間で電気特性の差異が小さい積層インダクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の積層インダクタは、
磁性層が積層された素体と、
前記素体の内部に設けられ、複数の第1コイル導体層を積層方向に含む第1コイルと、複数の第2コイル導体層を前記積層方向に含む第2コイルと、
前記第1コイルに電気的に接続された第1外部電極及び第2外部電極と、を備え、
前記第1外部電極および第2外部電極は、前記素体の底面に配置され、
前記第2コイルは、前記積層方向において前記第1コイルよりも前記素体の底面から離れた位置に設けられ、
前記第1コイルは、延伸方向が積層方向と直交するコイル導体からなるメインコイル要素と、
前記メインコイル要素と電気的に直列に接続され、前記メインコイル要素により生じる磁束の方向と逆向きの磁束を生じさせるサブコイル要素と、
からなる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、第1コイルと第2コイルとの間で電気特性の差異が小さい積層インダクタを提供することができる。具体的には、本開示の積層インダクタの第1コイルは、延伸方向が積層方向と直交するコイル導体からなるメインコイル要素と、メインコイル要素と電気的に直列に接続され、メインコイル要素により生じる磁束の方向と逆向きの磁束を生じさせるサブコイル要素と、を有している。そのため、メインコイル要素の巻回数は、サブコイル要素が設けられている分、より多く巻回することができ、第1コイルおよび第2コイルの間のスルーホールの長さおよび巻回態様に起因する、直流抵抗値の差異およびインダクタンス値の差異を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1実施形態の積層インダクタの一例を模式的に示す斜視図である。
図2は、第1実施形態の積層インダクタの内部構造の一例を模式的に示す斜視図である。
図3Aは、図2に示す内部構造から第1コイル、第1スルーホールおよび第2スルーホールを抜き出した斜視図である。
図3Bは、図2に示す内部構造から第2コイル、第3スルーホールおよび第4スルーホールを抜き出した斜視図である。
図4は、図2に示す内部構造の分解斜視図である。
図5は、図4のV-V線の矢視方向の断面図である。
図6Aは、第1実施形態のメインコイル要素の配線方向を説明する説明図である。
図6Bは、第1実施形態のサブコイル要素の配線方向を説明する説明図である。
図7は、メインコイル要素の磁束とサブコイル要素の磁束との関係を説明する説明図である。
図8は、第2実施形態の積層インダクタの内部構造の分解斜視図である。
図9Aは、第2実施形態のメインコイル要素の配線方向を説明する説明図である。
図9Bは、第2実施形態のサブコイル要素の配線方向を説明する説明図である。
図10は、第3実施形態の積層インダクタの内部構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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