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公開番号2024111044
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-16
出願番号2024096076,2022161184
出願日2024-06-13,2022-10-05
発明の名称エアゾール洗浄剤組成物
出願人神戸合成株式会社
代理人個人,個人
主分類C11D 17/04 20060101AFI20240808BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】引火の危険性や火災時のリスクが低く、消防法上の非危険物で、危険物倉庫不要および保管量に法的な制限がなく、低毒性で、オゾン層破壊などの環境負荷が小さく、高引火点の製品や水系の製品では未達な従来製品と同等以上の洗浄性を有し、適度な乾燥性を実現し、ゴムや樹脂に対する侵食を防止しつつ洗浄剤組成物で汚れ成分を湿潤させて洗い流し落とせ、一定程度離れた距離から噴射可能であることにより機械化に対応できる、新たな各種車両・乗物・輸送機関の洗浄用エアゾール組成物を用いた各種車両・乗物・輸送機関の洗浄方法の提供。
【解決手段】アルゴンを除く希ガス、または、それにN2、圧縮空気、CO2、前記アルゴンを除く希ガス以外のアルゴンを除く希ガスの少なくともいずれか1種以上を混合したものを噴射ガスとし、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを洗浄成分とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルゴンを除く希ガス、または、それにN

、圧縮空気、CO

、前記アルゴンを除く希ガス以外のアルゴンを除く希ガスの少なくともいずれか1種以上を混合したものを噴射ガスとし、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを洗浄成分とし、HFE系の不燃性フッ素系溶剤を質量比((Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン/HFE系の不燃性フッ素系溶剤)が30/70~99/1の範囲では含まないことを特徴とする各種車両・乗物・輸送機関の洗浄用不燃性エアゾール組成物を洗浄成分として各種車両・乗物・輸送機関に対して噴射して洗浄する各種車両・乗物・輸送機関の洗浄方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
アルゴンを除く希ガス、または、それにN

、圧縮空気、CO

、前記アルゴンを除く希ガス以外のアルゴンを除く希ガスの少なくともいずれか1種以上を混合したものを噴射ガスとし、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを洗浄成分とし、HFE系の不燃性フッ素系溶剤を質量比((Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン/HFE系の不燃性フッ素系溶剤)が30/70~99/1の範囲では含まないことを特徴とする各種車両・乗物・輸送機関の洗浄用不燃性エアゾール組成物を洗浄成分として各種車両・乗物・輸送機関の制動装置に対して噴射して洗浄する各種車両・乗物・輸送機関の制動装置の洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車、二輪自動車、自転車、建機、農機、航空機、鉄道車両、船舶などの各種車両・乗物・輸送機関の洗浄に用いるための新たなエアゾール洗浄剤組成物であって、各種車両・乗物・輸送機関におけるボディ、ブレーキ部品、サスペンション、ホイールなどの各種の車両用部品や制御装置などの細部に付着した油脂を除去するためのものであり、不燃性で、引火の危険性や火災のリスクが低く消防法上の非危険物に該当することから危険物倉庫が不要のため、大量使用する洗浄剤組成物の保管量に法的な制限がなく、さらに、毒性が低く、かつ、オゾン層破壊などの環境負荷が小さいという優れた特性を有し、さらには、従来の洗浄剤組成物と同等以上の洗浄性、乾燥性、汚れの再付着防止性を有するという優れた特性を併せ持つ、エアゾール洗浄剤組成物に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
自動車、二輪自動車、自転車、建機、農機、航空機、鉄道車両、船舶などの各種車両・乗物・輸送機関は、ボディ、ブレーキ、サスペンション、ホイールなどの各種部品や装置などが、金属や各種の樹脂などを用いて製造されている。また、近年、軽量化や装飾性を高めることを意図して、金属に樹脂を組み合わせた複合材料なども用いた部材も使用されている。これらの部品や装置は、使用する間に油分や汚れなどがその表面に付着すると所期の性能や装飾性が低下し、付着成分によっては金属表面が腐食して所期の性能や装飾性が不可逆的に損なわれてしまう。また、車両・乗物・輸送機関には、各装置の動きをスムーズにするようグリスなどの油分が必要部位に塗布される。しかし、それら油分は、走行時に空気の流れや雨水が吹き付けられるなどすることにより徐々に意図しない部位に流れ出るなどし、また他の車両・乗物・輸送機関から流れ出た油分などが汚れと共に路面から巻き上げられるなどして、車両・乗物・輸送機関の各部に付着し、各種の部品や装置における所期の性能を低下させる要因となる。特に、車両・乗物・輸送機関において多く用いられるブレーキライニングを施したブレーキシューをブレーキディスクやブレーキドラム等の回転体に制動子として作用させる摩擦ブレーキ装置においては、油分が付着すると摩擦係数が低下し、さらにブレーキライニングが摩耗して生じた粉塵が付着しやすくなって、ブレーキの制動性が低下してしまう。そこで、定期的にメンテナンス作業を実施し、これらの部品や装置の細部に入り込み付着している油分や汚れを洗浄する必要が生じている。
【0003】
また、車両・乗物・輸送機関の組み立て製造時や点検後の再組み立て時において、部品や装置の表面に油分などが付着したままになっていると、樹脂や塗料が安定して付着せずに剥離したり変質するなどして、製品の品質が大幅に低下してしまう。また、ブレーキ、サスペンション、ホイールなどの運行時の安全性担保のために特に重要な部品や装置においては、油分などが付着したままでは摩擦係数が低下し、そのまま組み上げてしまうと制動性が損なわれるなどして、所期の性能を安定して発揮させることが出来なくなる。そこで、車両・乗物・輸送機関の組み立て製造時や点検後の再組み立て時には、各部品の表面に付着した油分を細部にまで洗浄し、十分に取り除くことが求められている。
【0004】
そこで従来は、各種車両・乗物・輸送機関のボディ、ブレーキ部品、サスペンション、ホイールなどの洗浄剤組成物として、洗浄性を有するトリクロロエタンを主成分とするものが開発され、車両・乗物・輸送機関の洗浄に利用されていた。しかし、トリクロロエタンは、毒性を有しており、また、オゾン層の保護のためのウィーン条約の下で発効したオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書において、締約国における生産と消費を段階的に削減し1996年には全廃するとともに、議定書の非締約国との輸出入の禁止又は制限がされている。そのため、トリクロロエタンを用いた洗浄剤組成物の使用は、避けられることとなった。
【0005】
そこで、イソヘキサン、シクロヘキサンなどのC6の石油系炭化水素をベースに、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類を添加し、洗浄性、乾燥性、沸点を調整した洗浄剤組成物とそのエアゾール製品が提案され、用いられている。しかし、上記の石油系炭化水素やアルコール類は、いずれも引火性が高く、消防法上の危険物として規制を受けるため、保管には危険物倉庫の設置が必要であり、設置の為のコストがかかるものであった。また、危険物倉庫を有していても、保管できる量には制限があり、特に上記洗浄剤組成物は、その多くが第四類第一石油類に分類されるが、法令上1倉庫に保管可能な第四類第一石油類の指定数量は低く設定されていることから、洗浄剤組成物使用施設においては、洗浄剤組成物の使用量が多いにもかかわらず、少量しか保管できないという問題があり、その改善が求められていた。加えて、作業時に洗浄剤組成物のエアゾール製品を勢いよく噴射させるなどすると、作業者の手袋や衣服に引火性が高い上記洗浄剤組成物が多量に染みこむことがあるが、上記洗浄剤組成物は引火性が高く、その後の乾燥が不十分であると、静電気やタバコの火による発火事故が生じる危険性があり、作業環境における確実な安全性を確保する上でも、それらの引火性の高い成分の使用を避けるよう、改善が求められていた。さらに、上記炭化水素はトリクロロエタンのような毒性はないものの過剰量を吸入することにより炭化水素中毒となる危険性があるため、屋外や換気装置のある屋内などの換気がされている環境下にて使用する必要があり、製品にもその旨の注意書きがされているが、エアゾール製品を使用するため、作業場だけでなく風下にも気化した炭化水素が流れ、そこにいる人が吸入する危険性は残っており、改善が求められていた。
【0006】
引火点を持たない溶剤として一般的に良く知られているものにハロゲン系の溶剤があるが、塩素系、臭素系はその有害性から製造や使用に制限があり、洗浄剤組成物への使用は困難を伴う。そこで、保管量や安全性確保の問題を解決する一案として、炭素数の長い石油系炭化水素を用いた高引火点の製品や洗浄成分として、カルビトール、アルコールなどを含む水系の製品が提案されている(特許文献1を参照)。しかし、上述した水系組成物は、乾燥に30~40分もの時間を要するなど乾燥性が非常に悪く遅いため(特許文献1を参照)、使用後にブレーキ廻りに水系組成物の液が残留しやすくなり、液が残留したままにブレーキを使用してしまうとブレーキ制動力が下がるといった重大な影響を及ぼすことに繋がるため、洗浄後に十分な乾燥を行う作業工程が必須で煩雑であり、改善が求められていた。またさらに、水系であることから、従来のブレーキクリーナー用洗浄剤組成物に比して洗浄性に劣り、汚れの種類によっては必ずしも十分な洗浄性能を有していないために使用場面に制限があり、より汎用性を高めるものとなるよう改善が求められていた。
【0007】
他方、金属材料の洗浄を志向したものとして、出願人は、洗浄成分が周囲に飛び散らずに金属表面に留まる発泡型の汚れ除去剤を用いたエアゾール製品を、金型のような凹部を有する金属表面の汚れを除去するものとして提案している(特許文献2)。しかし、上記提案のものは、水系であることや、汚れ除去剤が発泡して金属表面に留まるため、発泡した汚れ除去剤を汚れと共にウエス布で拭き取る必要があり、各種車両・乗物・輸送機関のブレーキなどの制動装置など組み上がった製品の洗浄に適用するには、その工程が極めて煩雑になり、廃棄物が多量に排出され、洗浄の機械化対応も困難であり、さらなる改善が求められるものであった。
【0008】
金属の洗浄に利用し得る溶剤としては、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンも知られている。しかし、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンは、樹脂やエラストマーに対して強い侵食性を有しており(非特許文献1)、使用する場面を十分に精査する必要がある。特に、ブレーキなどの制動装置、ライト、窓などは、自動車、二輪自動車、自転車、建機、農機、航空機、鉄道車両、船舶などの各種車両・乗物・輸送機関において安全性を高く保つことが求められる重要部品であり、金属で構成された主要部材に、ポリカーボネート、アクリル、ABS、ポリスチレン、シリコーンゴム、天然ゴム、HNBR、NBR、フッ素ゴムおよびウレタンゴムなどの各種の樹脂やエラストマーからなる素材が併用されており、例えば、ブレーキは、ブレーキフルードの油圧により制御し、そのブレーキフルードは一般的に金属で作られる装置間を連結するゴムホース内に満たされている。しかし、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンは、上記車両・乗物・輸送機関の重要部品において金属と併用されるポリカーボネートを失透させ、アクリル、ABS及びポリスチレンを溶解し、シリコーンゴム、天然ゴム、HNBR、NBR、フッ素ゴム及びウレタンゴムを膨潤させる(非特許文献1)。そのため、(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを多量に触れさせると、車両・乗物・輸送機関の重要部品の安全性低下が懸念されることとなる。
【0009】
特開2001-207199号公報
特許第5121130号公報
1233Z 優れた環境性能、高い洗浄力 次世代フッ素系溶剤 セントラル硝子株式会社 カタログ発行年月 2015年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、引火の危険性が低く、火災時のリスクが低く、消防法上の非危険物に該当し、危険物倉庫が不要で、大量使用する洗浄剤組成物の保管量に法的な制限がなく、さらに、毒性が低く、オゾン層破壊などの環境負荷が小さいという特性を有し、高引火点の製品や水系の製品では達成していない従来製品と同等もしくはそれ以上の洗浄性を有し、適度な乾燥性が実現されるとともに、ゴムや樹脂に対する侵食を防止しつつ洗浄剤組成物で汚れ成分を湿潤させて洗い流し落とすことができ、さらに一定程度離れた距離から噴射可能であることにより機械化にも対応できる、新たな自動車、二輪自動車、自転車、建機、農機、航空機、鉄道車両、船舶などの各種車両・乗物・輸送機関の洗浄用エアゾール組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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