TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024114448
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023020233
出願日2023-02-13
発明の名称有機物汚れのコントロール剤及び有機物汚れのコントロール方法
出願人株式会社片山化学工業研究所
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C11D 1/66 20060101AFI20240816BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】有機物汚れコントロール能を有し、水処理プロセスの水系に有機物汚れコントロール剤を投入した際、発泡性が低く、発泡による障害を軽減することができる有機物汚れのコントロール剤を提供する。
【解決手段】HLB値が8以上14以下のノニオン性界面活性剤(A)とHLB値が17.5以上のノニオン性界面活性剤(B)とを含有することを特徴とする有機物汚れのコントロール剤。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
HLB値が8以上14以下のノニオン性界面活性剤(A)とHLB値が17.5以上のノニオン性界面活性剤(B)とを含有することを特徴とする有機物汚れのコントロール剤。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
ノニオン性界面活性剤(A)のHLB値が11.5以上13.5以下である請求項1記載の有機物汚れのコントロール剤。
【請求項3】
請求項1又は2記載の有機物汚れのコントロール剤を用いて水系の有機物汚れを処理することを特徴とする有機物汚れのコントロール方法。
【請求項4】
水系にノニオン性界面活性剤(A)の濃度が0.01mg/L以上500mg/L以下、ノニオン性界面活性剤(B)の濃度が0.01mg/L以上500mg/L以下となるように添加する請求項3記載の有機物汚れのコントロール方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物汚れのコントロール剤及び有機物汚れのコントロール方法に関する。詳しくは、本発明は、水処理プロセスでのバイオフィルム、生物由来の汚れ、油汚れ等の有機物汚れを起因として含む障害を防止できる有機物汚れのコントロール剤、及び、該有機物汚れのコントロール剤を用いた有機物汚れのコントロール方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
冷却水系等の工業用水システム等の熱源機器は冷却水が循環されているが、冷却水プロセスでバイオフィルム、生物由来の汚れ、油汚れ等の有機物汚れが発生すると、伝熱効率の低下や配管の目詰まり、製紙プロセスでは欠点の発生といった障害を引き起こす原因となる恐れがあった。なお、バイオフィルムとは生物膜やスライムとも呼ばれ、細菌が物質固相表面に付着・増殖し、さらに多糖類などの高分子有機物を生産することにより形成された膜状の構造体を指す。
【0003】
冷却水系等の工業用水システム等でのバイオフィルム付着、生物由来の汚れ、油汚れ等の有機物汚れを制御する方法として、例えば、界面活性剤を利用した分散処理や剥離処理が知られており、例えば、特許文献1にはスルファメートで安定化された、臭素をベースとする殺生物剤とバイオ分散剤とを含有する、バイオフィルムを根絶または抑制するための組成物が開示されており、バイオ分散剤として、アニオン性、ノニオン性、カチオン性および両性界面活性剤を包含する種々のタイプの界面活性剤から選ぶことができると記載されている。
また、特許文献2には、20~80重量%のエチレンオキシドと反応させたポリプロピレンオキシドのブロックポリマーで、HLB値(親水性親油性バランス値)が7以上で、平均分子量が2000~20000のポリマーによるバイオフィルムの防止方法が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2005-505408号公報
米国特許第6039965号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、界面活性剤からなるバイオフィルム用分散剤を、上述の工業プロセスで使用する場合、発泡が大きな課題となる。
特に特許文献2に記載のような、HLBが7以上と高いHLBの界面活性剤は、発泡しやすく、工業プロセスでの発泡は、液体の漏洩や外部への飛散、あるいは計器類への接触によるプロセスの誤動作など、様々な障害の原因となる。例えば、冷却水系に投入した場合、冷却塔上部から泡が飛散したり、冷却塔のピットから泡を伴って冷却水が漏洩したりするなどの問題を引き起こす。発泡を抑えるために、消泡剤の添加や気水界面への水の散布などが行われる場合があるが、薬品や消泡設備の設置にコストや手間を要する。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、有機物汚れコントロール能を有し、水処理プロセスの水系に有機物汚れコントロール剤を投入した際、発泡性が低く、発泡による障害を軽減することができる有機物汚れのコントロール剤、及び、該有機物汚れのコントロール剤を用いた有機物汚れのコントロール方法を提供することを課題とする。
なお、本明細書において「有機物汚れコントロール能」とは、水処理プロセスでのバイオフィルム、生物由来の汚れ、油汚れ等の有機物汚れの発生や付着を抑制すること、及びすでに系内に付着している有機物汚れの分散や剥離などにより、有機物汚れが改善することを指す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、有機物汚れをコントロールするための界面活性剤に着目し、特定のHLB値を有する2種の界面活性剤を併用することで、有機物汚れコントロール能を有し、またコントロール剤としての発泡を極力抑えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本願発明者らが見出した有機物汚れのコントロール剤は、含まれる界面活性剤の一方を単独で水処理プロセスの水系に使用すると泡立ちが大きく上述した発泡に起因する問題を引き起こす恐れがある。しかしながら、驚くべきことに本願発明は、特定のHLB値を有する2種の界面活性剤を併用することで、該界面活性剤の単独使用では生じていた発泡の問題を解決できたものである。
【0008】
なお、例えば、特開2020-176084号公報には少なくとも2種のオキシアルキレン単位を有し、HLB値が3.0以上7.0以下であり、数平均分子量が3000以上である非イオン性界面活性剤を含む、バイオフィルム用分散剤が開示されており、当該バイオフィルム用分散剤は発泡の問題を解決し得ることが開示されている。
しかしながら、上記バイオフィルム用分散剤は、本願発明者らが見出した有機物汚れのコントロール剤に含まれる界面活性剤と比較して低いHLB値の界面活性剤を使用しており、このような低いHLB値の界面活性剤は発泡し難い性質を有することはよく知られている。すなわち、低HLB値の界面活性剤を使用した従来のバイオフィルム用分散剤を使用する場合、本願発明に係る水処理プロセスの水系への投入により発泡が生じるという課題自体が生じない。
【0009】
(1)本発明は、HLB値が8以上14以下のノニオン性界面活性剤(A)とHLB値が17.5以上のノニオン性界面活性剤(B)とを含有することを特徴とする有機物汚れのコントロール剤である。
(2)また、本発明は、上記ノニオン性界面活性剤(A)のHLB値が11.5以上13.5以下である(1)記載の有機物汚れのコントロール剤である。
(3)本発明は、上記(1)又は(2)記載の有機物汚れのコントロール剤を用いて水系の有機物汚れを処理することを特徴とする有機物汚れのコントロール方法でもある。
(4)また、本発明は、当該水系に上記ノニオン性界面活性剤(A)の濃度が0.01mg/L以上500mg/L以下、上記ノニオン性界面活性剤(B)の濃度が0.01mg/L以上500mg/L以下となるように添加する上記(3)記載の有機物汚れのコントロール方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、一又は複数の実施形態において、発泡を極力抑え、かつ有機物汚れコントロール能を有するコントロール剤が得られるため、水処理プロセス等の水系にコントロール剤を投入した際の発泡による障害を軽減することができ、優れた有機物汚れコントロール能を発揮する。
また、本発明の有機物汚れのコントロール方法は、上述した本発明に係る有機物汚れコントロール剤を水系に使用するため、水系の発泡を極力抑え、かつ有機物汚れをコントロールすることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

池田食研株式会社
油脂含有造粒顆粒
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
殺菌剤組成物
7日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤製品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
粉末洗浄剤組成物
1か月前
花王株式会社
洗浄剤物品
7日前
花王株式会社
洗浄剤物品
1か月前
花王株式会社
洗浄剤組成物
1か月前
花王株式会社
洗浄剤組成物
1か月前
花王株式会社
繊維製品用洗浄剤物品
1か月前
株式会社 資生堂
洗浄料
7日前
株式会社J-オイルミルズ
食用油脂組成物の再生方法
1か月前
花王株式会社
繊維製品の型崩れ回復方法
1か月前
株式会社ニイタカ
洗浄剤組成物
1か月前
アース製薬株式会社
微粒子の浮遊抑制剤
1か月前
アース製薬株式会社
微粒子の浮遊抑制剤
1か月前
花王株式会社
繊維製品用型崩れ回復剤組成物
1か月前
セッツ株式会社
硬質表面に付着した油の洗浄剤組成物
1か月前
長谷川香料株式会社
香気徐放化合物およびこれを用いた香料組成物
1か月前
株式会社ニイタカ
酸素系漂白剤組成物
10日前
株式会社実践環境研究所
油分抽出装置、および、油分抽出方法
1か月前
花王株式会社
フラックス用洗浄剤組成物
1か月前
日華化学株式会社
硬質表面用洗浄剤組成物及び硬質表面の洗浄方法
2か月前
信越化学工業株式会社
洗浄剤組成物及び洗浄方法
1か月前
化研テック株式会社
洗浄剤組成物、及び洗浄剤組成物用の原液
24日前
堺化学工業株式会社
金属石けん
1か月前
株式会社リコー
洗浄液とすすぎ液とのセット、洗浄方法、及び液体吐出装置
1か月前
旭化成株式会社
成形機用洗浄剤
1か月前
大日精化工業株式会社
ラミネートフィルムからインキ層を脱離させる方法
1か月前
続きを見る