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公開番号
2024102930
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-01
出願番号
2023007012
出願日
2023-01-20
発明の名称
化学ループ燃焼システム
出願人
株式会社豊田中央研究所
代理人
個人
,
個人
主分類
F23C
10/04 20060101AFI20240725BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約
【課題】空気塔から回収される熱量および燃料塔から回収される二酸化炭素の量を調整することができる技術を提供する。
【解決手段】化学ループ燃焼システムは、金属粒子とガスとを反応させて金属粒子を酸化させる空気塔と、酸化された金属粒子と燃料とを反応させて金属粒子を還元させる燃料塔と、空気塔と燃料塔との間で金属粒子を循環させる循環配管と、化学ループ燃焼システムを制御する制御部と、を備え、制御部は、酸化される金属粒子の量および還元される金属粒子の量を調整する調整制御を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
化学ループ燃焼システムであって、
金属粒子とガスとを反応させて前記金属粒子を酸化させる空気塔と、
酸化された前記金属粒子と燃料とを反応させて前記金属粒子を還元させる燃料塔と、
前記空気塔と前記燃料塔との間で前記金属粒子を循環させる循環配管と、
前記化学ループ燃焼システムを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、酸化される前記金属粒子の量および還元される前記金属粒子の量を調整する調整制御を行う、化学ループ燃焼システム。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の化学ループ燃焼システムであって、さらに、
前記空気塔に供給される前記ガスの量を調整するガス量調整部と、
前記燃料塔に供給される前記燃料の量を調整する燃料量調整部と、
前記金属粒子を貯留可能な貯留部と、
前記循環配管から分岐して前記貯留部に接続している分岐配管と、を備え、
前記分岐配管には、前記分岐配管内の流路を開閉する流路開閉弁が設けられ、
前記制御部は、前記調整制御として、前記流路開閉弁を開弁させた状態で前記循環配管から前記貯留部に前記金属粒子を貯留させること、もしくは、前記流路開閉弁を開弁させた状態で前記貯留部から前記循環配管に前記金属粒子を放出させること、によって前記化学ループ燃焼システム内を循環する前記金属粒子の循環量を増減させるとともに、前記循環量の増減に応じて前記ガスの量および前記燃料の量を増減させる、化学ループ燃焼システム。
【請求項3】
請求項1に記載の化学ループ燃焼システムであって、さらに、
複数の前記空気塔と、
複数の前記燃料塔と、
前記空気塔の各々に供給される前記ガスの量を調整する複数のガス量調整部と、
前記燃料塔の各々に供給される前記燃料の量を調整する複数の燃料量調整部と、
を備え、
前記循環配管は、前記燃料塔の各々へ前記金属粒子を流通可能な第1配管と、前記空気塔の各々へ前記金属粒子を流通可能な第2配管と、を含み、
前記第1配管には、前記燃料塔の各々へ前記金属粒子を流通させる第1個別流路の各々を開閉する複数の第1開閉弁が設けられ、
前記第2配管には、前記空気塔の各々へ前記金属粒子を流通させる第2個別流路の各々を開閉する複数の第2開閉弁が設けられ、
前記制御部は、前記調整制御として、開弁する前記第1開閉弁の数の調整および開弁する前記第2開閉弁の数の調整を行うとともに、前記第1開閉弁の開弁により前記金属粒子が流通可能になった前記燃料塔への前記燃料の供給および前記第2開閉弁の開弁により前記金属粒子が流通可能になった前記空気塔への前記ガスの供給を行わせる、化学ループ燃焼システム。
【請求項4】
請求項1に記載の化学ループ燃焼システムであって、さらに、
前記空気塔に供給される前記ガスの量を調整するガス量調整部と、
前記燃料塔に供給される前記燃料の量を調整する燃料量調整部と、
前記空気塔に供給される不活性ガスの量を調整する第1不活性ガス調整部と、
前記燃料塔に供給される不活性ガスの量を調整する第2不活性ガス調整部と、を備え、
前記制御部は、前記調整制御として、前記空気塔に供給される前記ガスの量と不活性ガスの量との合計量を変えることなく当該合計量に占める前記ガスの割合と不活性ガスの割合とを調整するとともに、前記燃料塔に供給される前記燃料の量と不活性ガスの量との合計量を変えることなく当該合計量に占める前記燃料の割合と不活性ガスの割合とを調整する、化学ループ燃焼システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学ループ燃焼システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
化学ループ燃焼システムは、金属粒子を酸化する空気塔と金属粒子を還元する燃料塔との間で金属粒子を循環流動させるシステムである。粉体や粒子の流動を伴う他の装置として、特許文献1には、現像剤のような粉体を搬送する粉体搬送装置が開示されている。また、特許文献2には、分割された各室間で粒子を流動する多室型流動層反応装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-156929号公報
特開昭61-102141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化学ループ燃焼システムにおいては、空気塔からは主に熱エネルギーを回収することができ、燃料塔からは主に二酸化炭素を回収することができる。この回収される熱量や二酸化炭素の量は必要に応じて調整できるのが好ましく、そのような調整を可能とする技術が要望されていた。なお、特許文献1,2に開示された装置では、そのような調整については何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、空気塔から回収される熱量および燃料塔から回収される二酸化炭素の量を調整することができる化学ループ燃焼システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、化学ループ燃焼システムが提供される。この化学ループ燃焼システムは、金属粒子とガスとを反応させて前記金属粒子を酸化させる空気塔と、酸化された前記金属粒子と燃料とを反応させて前記金属粒子を還元させる燃料塔と、前記空気塔と前記燃料塔との間で前記金属粒子を循環させる循環配管と、前記化学ループ燃焼システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、酸化される前記金属粒子の量および還元される前記金属粒子の量を調整する調整制御を行う。
【0008】
この構成によれば、酸化される金属粒子の量および還元される金属粒子の量を調整することができる。したがって、空気塔から回収される熱量および燃料塔から回収される二酸化炭素の量を調整することができる。
【0009】
(2)上記形態の化学ループ燃焼システムにおいて、さらに、前記空気塔に供給される前記ガスの量を調整するガス量調整部と、前記燃料塔に供給される前記燃料の量を調整する燃料量調整部と、前記金属粒子を貯留可能な貯留部と、前記循環配管から分岐して前記貯留部に接続している分岐配管と、を備え、前記分岐配管には、前記分岐配管内の流路を開閉する流路開閉弁が設けられ、前記制御部は、前記調整制御として、前記流路開閉弁を開弁させた状態で前記循環配管から前記貯留部に前記金属粒子を貯留させること、もしくは、前記流路開閉弁を開弁させた状態で前記貯留部から前記循環配管に前記金属粒子を放出させること、によって前記化学ループ燃焼システム内を循環する前記金属粒子の循環量を増減させるとともに、前記循環量の増減に応じて前記ガスの量および前記燃料の量を増減させてもよい。
この構成によれば、貯留部による金属粒子の貯留および貯留部からの金属粒子の放出によって金属粒子の循環量を増減させつつ、その循環量の増減に応じて空気塔に供給されるガスの量および燃料塔に供給される燃料の量を増減させる。このため、循環量の増減後においても金属粒子の適切な循環を維持しつつ、酸化反応に適切な量のガスおよび還元反応に適切な量の燃料を空気塔および燃料塔に供給することができる。したがって、循環量の増減に比例して酸化される金属粒子の量および還元される金属粒子の量を増減させることができるため、化学ループ燃焼システムから回収される熱量および二酸化炭素の量を精度良く調整することができる。
【0010】
(3)上記形態の化学ループ燃焼システムにおいて、さらに、複数の前記空気塔と、複数の前記燃料塔と、前記空気塔の各々に供給される前記ガスの量を調整する複数のガス量調整部と、前記燃料塔の各々に供給される前記燃料の量を調整する複数の燃料量調整部と、を備え、前記循環配管は、前記燃料塔の各々へ前記金属粒子を流通可能な第1配管と、前記空気塔の各々へ前記金属粒子を流通可能な第2配管と、を含み、前記第1配管には、前記燃料塔の各々へ前記金属粒子を流通させる第1個別流路の各々を開閉する複数の第1開閉弁が設けられ、前記第2配管には、前記空気塔の各々へ前記金属粒子を流通させる第2個別流路の各々を開閉する複数の第2開閉弁が設けられ、前記制御部は、前記調整制御として、開弁する前記第1開閉弁の数の調整および開弁する前記第2開閉弁の数の調整を行うとともに、前記第1開閉弁の開弁により前記金属粒子が流通可能になった前記燃料塔への前記燃料の供給および前記第2開閉弁の開弁により前記金属粒子が流通可能になった前記空気塔への前記ガスの供給を行わせてもよい。
この構成によれば、開弁する第1開閉弁の数および開弁する第2開閉弁の数を調整して金属粒子が流通可能な空気塔の数および燃料塔の数を調整することによって、金属粒子の循環量を増減させる。また、第1開閉弁の開弁により金属粒子が流通可能になった燃料塔への燃料の供給および第2開閉弁の開弁により金属粒子が流通可能になった空気塔へのガスの供給を行わせる。このため、循環量の増減後においても金属粒子の適切な循環を維持しつつ、酸化反応に適切な量のガスおよび還元反応に適切な量の燃料を空気塔および燃料塔に供給することができる。したがって、循環量の増減に比例して酸化される金属粒子の量および還元される金属粒子の量を増減させることができるため、空気塔から回収される熱量および燃料塔から回収される二酸化炭素の量を精度良く調整することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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