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公開番号2024095088
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212100
出願日2022-12-28
発明の名称表示システムおよび積層フィルム
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 27/02 20060101AFI20240703BHJP(光学)
要約【課題】VRゴーグルの軽量化、視認性の向上。
【解決手段】表示素子と、表示光を反射する反射型偏光部材と、前記表示素子と前記反射型偏光部材との間のレンズ部と、前記表示素子と前記レンズ部との間に配置され、前記表示素子からの出射光を透過、前記反射型偏光部材からの光を前記反射型偏光部材へ反射するハーフミラーと、前記反射型偏光部材の前方のレンズ部と、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間のλ/4部材と、前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間のλ/4部材と、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間と、前記ハーフミラーと前記レンズ部との間のいずれかに配置する保護部材と、を備え、前記保護部材は、波長420nmから680nmの範囲における5°正反射率のY値、波長450nm及び、波長600nmにおける5°正反射率が0.3%以下、波長680nmと波長420nmにおける5°正反射率の比が0.3以上9以下。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ユーザに対して画像を表示する表示システムであって、
偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、
前記表示素子の前方に配置され、前記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、
前記表示素子と前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第一レンズ部と、
前記表示素子と前記第一レンズ部との間に配置され、前記表示素子から出射された光を透過させ、前記反射型偏光部材で反射された光を前記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、
前記反射型偏光部材の前方に配置される第二レンズ部と、
前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、
前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、
前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上と、前記ハーフミラーと前記第二レンズ部との間の光路上の少なくとも一方に配置される保護部材と、
を備え、
前記保護部材は、波長420nmから680nmの範囲における5°正反射率のY値が0.3%以下であり、波長450nmにおける5°正反射率が0.3%以下であり、波長600nmにおける5°正反射率が0.3%以下であり、波長680nmにおける5°正反射率に対する波長420nmにおける5°正反射率の比が0.3以上9以下である、
表示システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
ユーザに対して画像を表示する表示システムであって、
偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、
前記表示素子の前方に配置され、前記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、
前記表示素子と前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第一レンズ部と、
前記表示素子と前記第一レンズ部との間に配置され、前記表示素子から出射された光を透過させ、前記反射型偏光部材で反射された光を前記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、
前記反射型偏光部材の前方に配置される第二レンズ部と、
前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、
前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、
前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上と、前記ハーフミラーと前記第二レンズ部との間の光路上の少なくとも一方に配置される保護部材と、
を備え、
前記保護部材は、波長420nmから680nmの範囲における30°正反射率のY値が0.35%以下であり、波長450nmにおける30°正反射率が0.5%以下であり、波長600nmにおける30°正反射率が0.5%以下であり、波長680nmにおける30°正反射率に対する波長420nmにおける30°正反射率の比が0.05以上1.5以下である、
表示システム。
【請求項3】
前記保護部材は、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間に形成される空間に接する、請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記保護部材は、前記保護部材と、前記第一レンズ部と前記第二レンズ部の少なくとも一つとの間に形成される空間に接する、請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項5】
前記保護部材は、表面平滑性が0.5arcmin以下である、請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項6】
前記λ/4部材は、Re(450)<Re(550)を満たす、請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項7】
前記第1のλ/4部材と前記保護部材とを含む積層部を備える、請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項8】
前記積層部は、前記表示素子に含まれる偏光部材を含む、請求項7に記載の表示システム。
【請求項9】
前記第2のλ/4部材と前記保護部材とを含む積層部を備える、請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項10】
前記反射型偏光部材と前記保護部材とを含む積層部を備える、請求項1または2に記載の表示システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システムおよび積層フィルムに関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置においては、画像表示を実現し、画像表示の性能を高めるために、一般的に、偏光部材、位相差部材等の光学部材が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
近年、画像表示装置の新たな用途が開発されている。例えば、Virtual Reality(VR)を実現するためのディスプレイ付きゴーグル(VRゴーグル)が製品化され始めている。VRゴーグルは様々な場面での利用が検討されていることから、その軽量化、視認性の向上等が望まれている。軽量化は、例えば、VRゴーグルに用いられるレンズを薄型化することで達成され得る。一方で、薄型レンズを用いた表示システムに適した光学部材の開発も望まれている。例えば、視認性の向上のため、VRゴーグル内で生じ得る反射の問題を解決し得る光学部材が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-103286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑み、本発明はVRゴーグルの軽量化、視認性の向上を実現し得る表示システムの提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.本発明の実施形態による表示システムは、ユーザに対して画像を表示する表示システムであって、偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、前記表示素子の前方に配置され、前記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、前記表示素子と前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第一レンズ部と、前記表示素子と前記第一レンズ部との間に配置され、前記表示素子から出射された光を透過させ、前記反射型偏光部材で反射された光を前記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、前記反射型偏光部材の前方に配置される第二レンズ部と、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上と、前記ハーフミラーと前記第二レンズ部との間の光路上の少なくとも一方に配置される保護部材と、を備え、前記保護部材は、波長420nmから680nmの範囲における5°正反射率のY値が0.3%以下であり、波長450nmにおける5°正反射率が0.3%以下であり、波長600nmにおける5°正反射率が0.3%以下であり、波長680nmにおける5°正反射率に対する波長420nmにおける5°正反射率の比が0.3以上9以下である。
2.本発明の実施形態による表示システムは、ユーザに対して画像を表示する表示システムであって、偏光部材を介して画像を表す光を前方に出射する表示面を有する表示素子と、前記表示素子の前方に配置され、前記表示素子から出射された光を反射する反射型偏光部材と、前記表示素子と前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第一レンズ部と、前記表示素子と前記第一レンズ部との間に配置され、前記表示素子から出射された光を透過させ、前記反射型偏光部材で反射された光を前記反射型偏光部材に向けて反射させるハーフミラーと、前記反射型偏光部材の前方に配置される第二レンズ部と、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上に配置される第1のλ/4部材と、前記ハーフミラーと前記反射型偏光部材との間の光路上に配置される第2のλ/4部材と、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上と、前記ハーフミラーと前記第二レンズ部との間の光路上の少なくとも一方に配置される保護部材と、を備え、前記保護部材は、波長420nmから680nmの範囲における30°正反射率のY値が0.35%以下であり、波長450nmにおける30°正反射率が0.5%以下であり、波長600nmにおける30°正反射率が0.5%以下であり、波長680nmにおける30°正反射率に対する波長420nmにおける30°正反射率の比が0.05以上1.5以下である。
3.上記1または2に記載の表示システムにおいて、上記保護部材は、上記表示素子と上記ハーフミラーとの間に形成される空間に接してもよい。
4.上記1から3のいずれかに記載の表示システムにおいて、上記保護部材は、上記保護部材と、上記第一レンズ部と上記第二レンズ部の少なくとも一つとの間に形成される空間に接してもよい。
5.上記1から4のいずれかに記載の表示システムにおいて、上記保護部材は、表面平滑性が0.5arcmin以下であってもよい。
6.上記1から5のいずれかに記載の表示システムにおいて、上記λ/4部材は、Re(450)<Re(550)を満たしてもよい。
7.上記1から6のいずれかに記載の表示システムは、上記第1のλ/4部材と上記保護部材とを含む積層部を備えてもよい。
8.上記7に記載の表示システムにおいて、上記積層部は、上記表示素子に含まれる偏光部材を含んでもよい。
9.上記1から8のいずれかに記載の表示システムは、上記第2のλ/4部材と上記保護部材とを含む積層部を備えてもよい。
10.上記1から9のいずれかに記載の表示システムは、上記反射型偏光部材と上記保護部材とを含む積層部を備えてもよい。
11.上記10に記載の表示システムにおいて、上記積層部は、上記反射型偏光部材と上記第二レンズ部との間に配置される吸収型偏光部材を含んでもよい。
12.本発明の実施形態による積層フィルムは、偏光部材を介して出射された画像を表す光を、第1のλ/4部材を通過させるステップと、前記第1のλ/4部材を通過した光を、ハーフミラーおよび第一レンズ部を通過させるステップと、前記ハーフミラーおよび前記第一レンズ部を通過した光を、第2のλ/4部材を通過させるステップと、前記第2のλ/4部材を通過した光を、反射型偏光部材で前記ハーフミラーに向けて反射させるステップと、前記反射型偏光部材および前記ハーフミラーで反射させた光を、前記第2のλ/4部材により前記反射型偏光部材を透過可能にするステップと、前記反射型偏光部材を透過した光を、第二レンズ部を通過させるステップと、を有する、表示方法に用いられ、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上と、前記ハーフミラーと前記第二レンズ部との間の光路上の少なくとも一方に配置される積層フィルムであって、波長420nmから680nmの範囲における5°正反射率のY値が0.3%以下であり、波長450nmにおける5°正反射率が0.3%以下であり、波長600nmにおける5°正反射率が0.3%以下であり、波長680nmにおける5°正反射率に対する波長420nmにおける5°正反射率の比が0.3以上9以下である。
13.本発明の実施形態による積層フィルムは、偏光部材を介して出射された画像を表す光を、第1のλ/4部材を通過させるステップと、前記第1のλ/4部材を通過した光を、ハーフミラーおよび第一レンズ部を通過させるステップと、前記ハーフミラーおよび前記第一レンズ部を通過した光を、第2のλ/4部材を通過させるステップと、前記第2のλ/4部材を通過した光を、反射型偏光部材で前記ハーフミラーに向けて反射させるステップと、前記反射型偏光部材および前記ハーフミラーで反射させた光を、前記第2のλ/4部材により前記反射型偏光部材を透過可能にするステップと、前記反射型偏光部材を透過した光を、第二レンズ部を通過させるステップと、を有する、表示方法に用いられ、前記表示素子と前記ハーフミラーとの間の光路上と、前記ハーフミラーと前記第二レンズ部との間の光路上の少なくとも一方に配置される積層フィルムであって、波長420nmから680nmの範囲における30°正反射率のY値が0.35%以下であり、波長450nmにおける30°正反射率が0.5%以下であり、波長600nmにおける30°正反射率が0.5%以下であり、波長680nmにおける30°正反射率に対する波長420nmにおける30°正反射率の比が0.05以上1.5以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態による表示システムによれば、VRゴーグルの軽量化、視認性の向上を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の1つの実施形態に係る表示システムの概略の構成を示す模式図である。
図1に示す表示システムの表示素子の一部の詳細の一例を示す模式的な断面図である。
本発明の1つの実施形態に係る積層フィルムの概略の構成を示す模式的な断面図である。
図1に示す表示システムのレンズ部の詳細の一例を示す模式的な断面図である。
反射型偏光フィルムに含まれる多層構造の一例を示す模式的な斜視図である。
図1に示す表示システムのレンズ部の詳細の別の一例を示す模式的な断面図である。
実施例1および比較例1の積層フィルムの5°正反射率スペクトルを示すグラフである。
実施例1、比較例1および比較例2の積層フィルムの30°正反射率スペクトルを示すグラフである。
(a)、(b)および(c)は外観評価の結果を示す写真である。
(a)、(b)、(c)および(d)は外観評価の結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、図面については、同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0010】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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