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公開番号2024086567
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2023170084
出願日2023-09-29
発明の名称光学レンズ用又はカメラ部材用樹脂組成物、光学レンズ及びカメラユニット
出願人株式会社日本触媒
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類G02B 5/22 20060101AFI20240620BHJP(光学)
要約【課題】本発明は、長波長の近赤外光の吸収特性に優れた光学レンズ用又はカメラ部材用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る光学レンズ用又はカメラ部材(但し、波長350nm~1100nmの範囲の吸収スペクトルにおいて、波長700nm~750nmの範囲に最大吸収ピークを有する近赤外線カットフィルターを除く)用樹脂組成物は、750nm~1200nmに極大吸収波長を有し且つテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを有する色素と、熱可塑性樹脂とを含む点に特徴を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
750nm~1200nmに極大吸収波長を有し且つテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを有する色素と、熱可塑性樹脂とを含む光学レンズ用又はカメラ部材(但し、波長350nm~1100nmの範囲の吸収スペクトルにおいて、波長700nm~750nmの範囲に最大吸収ピークを有する近赤外線カットフィルターを除く)用樹脂組成物。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記色素が、下記式(1)で表されるカチオンを含む請求項1に記載の樹脂組成物。
TIFF
2024086567000027.tif
36
99
[式(1)中、


は、CR
16

17
を表すかまたはR
15
と連結する場合は炭素原子を表し、R
16
とR
17
は互いに連結して環を形成してもよく、


は、CR
26

27
を表すかまたはR
25
と連結する場合は炭素原子を表し、R
26
とR
27
は互いに連結して環を形成してもよく、

11
およびR
21
はそれぞれ独立して、有機基を表し、

12
~R
15
、R
16
~R
17
、R
22
~R
25
、R
26
~R
27
はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または有機基を表し、

15
は、R
14
と連結して芳香環を形成していてもよく、Y

が炭素原子のときY

と連結して芳香環を形成していてもよく、

25
は、R
24
と連結して芳香環を形成していてもよく、Y

が炭素原子のときY

と連結して芳香環を形成していてもよく、
Lは、炭素数5以上9以下のメチン鎖を表し、当該メチン鎖に含まれるメチン基はそれぞれ独立して置換基を有していてもよく、当該置換基は互いに連結していてもよい。]
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂に対する前記色素の濃度を0.014質量%に調整し、厚さ1mmの平滑な成形板を形成したときに、前記成形板は、波長700nm以上の範囲に透過率が50%となる波長(T
50
)を有する請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物を成形して形成される光学レンズ。
【請求項5】
厚さが30μm~5mmである請求項4に記載の光学レンズ。
【請求項6】
請求項4に記載の光学レンズと、近赤外線カットフィルターとを含むカメラユニット。
【請求項7】
前記近赤外線カットフィルターは、700nm~750nmに極大吸収波長を有する近赤外線吸収色素を含む請求項6に記載のカメラユニット。
【請求項8】
前記近赤外線吸収色素は、下記式(3)で表されるスクアリリウム系色素を含む請求項7に記載のカメラユニット。
TIFF
2024086567000028.tif
31
67
[式(3)中、R
71
~R
72
はそれぞれ独立して、下記式(3a)または下記式(3b)で表される基を表す。]
TIFF
2024086567000029.tif
28
67
[式(3a)中、
環Pは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、芳香族複素環、またはこれらの環構造を含む縮合環を表し、

81
~R
83
はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、R
82
とR
83
は互いに連結して環を形成してもよく、
*は、式(3)中の4員環との結合部位を表す。]
TIFF
2024086567000030.tif
29
67
[式(3b)中、

84
~R
88
はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、R
84
とR
85
、R
85
とR
86
、R
86
とR
87
、R
87
とR
88
はそれぞれ、互いに連結して環を形成していてもよく、
*は、式(3)中の4員環との結合部位を表す。]
【請求項9】
前記近赤外線カットフィルターは、
波長350nm~1100nmの範囲の吸収スペクトルにおいて、波長700nm~750nmの範囲に最大吸収ピークを有し、
波長620nm~660nmの範囲に透過率が50%となる波長(T
50
)を有する請求項6に記載のカメラユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ用又はカメラ部材用樹脂組成物、光学レンズ及びカメラユニットに関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
スマートフォン用のカメラ等の撮像装置には、角度依存性や光学ノイズを低減するための近赤外線カットフィルターが備えられている。
【0003】
近年主流となっている反射吸収型の近赤外線カットフィルターとしては、主として青ガラスが広く使用されているが(例えば、特許文献1)、青ガラスは近赤外光を一定量透過するため角度依存性を十分に低減することが難しい。
【0004】
一方で、長波長(波長750nm~1100nm程度)の近赤外光を十分にカットする目的で、近赤外線カットフィルターにシアニン系色素を含ませる技術も知られている(例えば、特許文献2~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2022/138299号
国際公開第2019/151344号
国際公開第2019/168090号
国際公開第2019/022069号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~4が示すように、近赤外線領域と紫外線領域に幅広い吸収を有し角度依存性を低減できる近赤外線カットフィルターは種々提案されているものの、昨今の近赤外線カットフィルターに対する薄膜化の要請に応えるには、さらなる改良が求められる。近赤外線カットフィルターの塗布膜は非常に薄く、また厳密な吸収スペクトルの制御が必要なため、近赤外線カットフィルターだけでなく、近赤外線カットフィルターと組み合わせて用いられる光学レンズ等のカメラ部材の構成を改良することで長波長の近赤外光の吸収特性を改善できないか検討を重ねた。すなわち本発明の課題は、長波長の近赤外光の吸収特性に優れたカメラ部材用樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、750nm~1200nmに極大吸収波長を有し且つテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを有する色素と、熱可塑性樹脂とを含む光学レンズ用又はカメラ部材(但し、近赤外線カットフィルターを除く)用樹脂組成物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は以下の点に要旨を有する。
[1] 750nm~1200nmに極大吸収波長を有し且つテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを有する色素と、熱可塑性樹脂とを含む光学レンズ用又はカメラ部材(但し、波長350nm~1100nmの範囲の吸収スペクトルにおいて、波長700nm~750nmの範囲に最大吸収ピークを有する近赤外線カットフィルターを除く)用樹脂組成物。
[2] 前記色素が、下記式(1)で表されるカチオンを含む[1]に記載の樹脂組成物。
TIFF
2024086567000002.tif
36
99
[式(1)中、


は、CR
16

17
を表すかまたはR
15
と連結する場合は炭素原子を表し、R
16
とR
17
は互いに連結して環を形成してもよく、


は、CR
26

27
を表すかまたはR
25
と連結する場合は炭素原子を表し、R
26
とR
27
は互いに連結して環を形成してもよく、

11
およびR
21
はそれぞれ独立して、有機基を表し、

12
~R
15
、R
16
~R
17
、R
22
~R
25
、R
26
~R
27
はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または有機基を表し、

15
は、R
14
と連結して芳香環を形成していてもよく、Y

が炭素原子のときY

と連結して芳香環を形成していてもよく、

25
は、R
24
と連結して芳香環を形成していてもよく、Y

が炭素原子のときY

と連結して芳香環を形成していてもよく、
Lは、炭素数5以上9以下のメチン鎖を表し、当該メチン鎖に含まれるメチン基はそれぞれ独立して置換基を有していてもよく、当該置換基は互いに連結していてもよい。]
[3] 前記熱可塑性樹脂に対する前記色素の濃度を0.014質量%に調整し、厚さ1mmの平滑な成形板を形成したときに、前記成形板は、波長700nm以上の範囲に透過率が50%となる波長(T
50
)を有する[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] [1]~[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物を成形して形成される光学レンズ。
[5] 厚さが30μm~5mmである[4]に記載の光学レンズ。
[6] [4]又は[5]に記載の光学レンズと、近赤外線カットフィルターとを含むカメラユニット。
[7] 前記近赤外線カットフィルターは、700nm~750nmに極大吸収波長を有する近赤外線吸収色素を含む[6]に記載のカメラユニット。
[8] 前記近赤外線吸収色素は、下記式(3)で表されるスクアリリウム系色素を含む[7]に記載のカメラユニット。
TIFF
2024086567000003.tif
31
67
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹脂組成物によれば、長波長の近赤外光の吸収特性に優れた光学レンズやカメラ部材が容易に製造される。本構成により、カメラ部材と近赤外線カットフィルターでターゲットとする吸収領域を異ならせることができ、カメラ部材と近赤外線カットフィルターそれぞれで、産業界で求められる種々の特性を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、カメラユニットの概略図である。
図2-1は、実施例1~3で得られた成形体の吸収スペクトルを表す。
図2-2は、実施例4~5で得られた成形体の吸収スペクトルを表す。
図2-3は、比較例2で得られた成形体の吸収スペクトルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<樹脂組成物>
図1はカメラユニットの概略図である。カメラユニット10は、光学レンズ1と近赤外線カットフィルター2を含む。レンズ単品に対する高精度の要求に応じて、光学レンズ1の枚数は増える傾向にあり、近年では厚さ5mm程度のカメラユニットの中に光学レンズ1が3~5枚収容されている(図1では5枚)。前記光学レンズ1と近赤外線カットフィルター2は、通常、筐体7に収容されている。カメラユニット10は、光学レンズ1よりも入光側にカバーガラス4を備える。カバーガラス4は、好ましくはカメラユニット10の最表側に備えられ、より好ましくは筐体7に備えられる。またカメラユニット10は、受光部(センサー)3を有しており、通常受光部3は、基板6上に設けられる。カメラユニット10は、必要に応じて、更に長波長の近赤外光の吸収に優れた第2近赤外線カットフィルター5を有していてもよい。図1では、カメラユニット10に入光した光は、カバーガラス4、光学レンズ1、近赤外線カットフィルター2、第2近赤外線カットフィルター5を経て、受光部3で感知される。本発明に係る樹脂組成物は、これらカバーガラス4、光学レンズ1、第2近赤外線カットフィルター5、受光部3等のカメラ部材(但し、波長350nm~1100nmの範囲の吸収スペクトルにおいて、波長700nm~750nmの範囲に最大吸収ピークを有する近赤外線カットフィルターを除く)の製造に好適な樹脂組成物である。
(【0011】以降は省略されています)

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