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公開番号2024083692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197635
出願日2022-12-12
発明の名称交流回転電機の制御装置
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H02P 21/22 20160101AFI20240617BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流指令値を設定する設定データのデータ量を低減すると共に、誤差要因に対して、トルク及び変調率の制御精度を確保できる交流回転電機の制御装置を提供する。
【解決手段】回転速度の検出値と直流電圧との比率である速度電圧比率の検出値を演算し、変調率指令値と実変調率との偏差に基づいて速度電圧比率の検出値を補正して、補正後の速度電圧比率を演算し、トルク指令値と、速度電圧比率と、電流指令値と関係が予め設定された電流指令値設定データを参照し、現在のトルク指令値と、補正後の速度電圧比率に対応する電流指令値を演算する交流回転電機の制御装置。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
電機子巻線を有する交流回転電機を、インバータを介して制御する交流回転電機の制御装置であって、
トルク指令値、前記交流回転電機の回転速度の検出値、及び前記インバータに供給される直流電圧に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、
前記電流指令値に基づいて、前記電機子巻線に印加する電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、
前記電圧指令値に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
前記直流電圧に対する前記電圧指令値の実効値の比率に応じた値を変調率と定義し、
前記電流指令値演算部は、前記回転速度の検出値と前記直流電圧との比率である速度電圧比率の検出値を演算し、前記電圧指令値及び前記直流電圧に基づいて実変調率を演算し、変調率指令値と前記実変調率との偏差に基づいて前記速度電圧比率の検出値を補正して、補正後の速度電圧比率を演算し、
前記トルク指令値と、前記速度電圧比率と、前記電流指令値と関係が予め設定された電流指令値設定データを参照し、現在の前記トルク指令値と、前記補正後の速度電圧比率に対応する前記電流指令値を演算する交流回転電機の制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記電流指令値設定データには、
基本制御を実行すると仮定した場合に、前記電機子巻線に流れる電流及び前記回転速度に応じて前記電機子巻線に生じる誘起電圧である基本制御時の誘起電圧が、前記直流電圧を超える運転領域では、前記トルク指令値と、前記速度電圧比率と、前記トルク指令値及び前記速度電圧比率の条件で前記誘起電圧を前記直流電圧に一致させつつ、前記トルク指令値のトルクを前記交流回転電機に出力させる前記電流指令値と、の関係が予めされており、
前記基本制御時の誘起電圧が、前記直流電圧を超えない運転領域では、前記トルク指令値と、前記速度電圧比率と、前記トルク指令値及び前記速度電圧比率の条件で前記トルク指令値のトルクを前記交流回転電機に出力させる前記基本制御による前記電流指令値と、の関係が予めされている請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項3】
前記基本制御は、前記トルク指令値のトルクを出力させる電流が最小になる前記電流指令値を設定する最大トルク/電流制御、又はd軸電流を0に設定しつつ、前記トルク指令値のトルクを出力させる前記電流指令値を設定するId=0制御である請求項2に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項4】
前記速度電圧比率は、前記回転速度を前記直流電圧で除算した比率であり、
前記電流指令値演算部は、前記実変調率が前記変調率指令値よりも小さい場合は、前記補正後の速度電圧比率が減少するように、前記速度電圧比率の検出値に対する補正値を変化させ、
前記実変調率が前記変調率指令値よりも大きい場合は、前記補正後の速度電圧比率が増加するように、前記補正値を変化させる請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項5】
前記電流指令値演算部は、前記変調率指令値と前記実変調率との前記偏差に基づく、フィードバック制御により、前記速度電圧比率の検出値に対する補正値を演算する請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項6】
前記電流指令値演算部は、前記回転速度の検出値に対する条件、又は前記変調率指令値又は前記実変調率に対する条件が満たされた場合に、前記フィードバック制御に含まれる積分器の動作を停止又は積分値を初期化する請求項5に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項7】
前記電流指令値演算部は、前記回転速度の検出値に対する条件、又は前記変調率指令値又は前記実変調率に対する条件が満たされた場合に、前記速度電圧比率の検出値に対する補正量を0に設定し、前記速度電圧比率の検出値を、前記補正後の速度電圧比率として演算する請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項8】
前記電流指令値演算部は、前記速度電圧比率として、前記速度電圧比率を、前記変調率指令値、前記直流電圧の基準値、及び前記変調率の基準値のいずれか一つ以上により規格化した規格化速度電圧比率を用いる請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項9】
前記電流指令値演算部は、検出又は推定した前記交流回転電機のトルクに基づいて、前記トルク指令値を補正し、補正後のトルク指令値に基づいて、前記電流指令値を演算する請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
【請求項10】
前記電流指令値演算部は、前記回転速度の検出値、前記トルク指令値、前記交流回転電機のトルク検出値又は推定値、前記電流指令値、電流検出値、及び前記実変調率の少なくとも1つに基づいて、前記変調率指令値を変化させる請求項1に記載の交流回転電機の制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、交流回転電機の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
交流回転電機は、回転速度が高いほど誘起電圧が大きくなり、電圧指令値の実効値が大きくなるが、インバータに供給される直流電圧の制約により電圧飽和が生じる。電圧飽和が生じると、所望の電流を通電することができず、出力トルクが低下する。また、直流電圧が低いほど、電圧飽和が生じやすい。
【0003】
そのため、特許文献1及び特許文献2の技術では、トルク指令値と回転速度と直流電圧に基づいて電流指令値を演算することで、電圧飽和を回避できるような電流指令値を演算し、所望のトルクを出力している。
【0004】
また、特許文献2及び特許文献3の技術では、電圧指令値の実効値、及び電圧指令値の実効値から演算される変調率に基づいて、電流指令値を演算することで、パラメータ誤差、又は電圧誤差などの誤差要因に対してロバストな制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6289545号
特許第6244379号
国際公開2008/152929号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トルク指令値と、回転速度と、直流電圧と、電流指令値との関係が予め設定されたマップデータを参照して、電流指令値を演算し、電流指令値に対して、変調率指令値と実変調率との偏差が小さくなるように、弱め磁束制御を行って電流指令値を補正する手法が考えられる。例えば、特許文献1と特許文献3を組み合わせたような手法である。しかしながら、マップデータを参照して電流指令値を演算した後に、電流指令値が調整されるので、マップデータを参照し、トルク指令値に応じて演算された電圧指令値から変化するので、トルク指令値通りのトルクを出力することができない。
【0007】
これに対し、特許文献2では、マップデータの前段で、変調率に応じて直流電圧を補正しているため、トルク指令値通りのトルクを出力することができるが、マップデータは、トルク指令値と回転速度と直流電圧との3つを入力とするため、データ量が大きくなるという課題があった。
【0008】
そこで、本願は、電流指令値を設定する設定データのデータ量を低減すると共に、バラツキ要因又は誤差要因に対して、トルク及び変調率の制御精度を確保できる交流回転電機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に係る交流回転電機の制御装置は、電機子巻線を有する交流回転電機を、インバータを介して制御する交流回転電機の制御装置であって、
トルク指令値、前記交流回転電機の回転速度の検出値、及び前記インバータに供給される直流電圧に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、
前記電流指令値に基づいて、前記電機子巻線に印加する電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、
前記電圧指令値に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
前記直流電圧に対する前記電圧指令値の実効値の比率に応じた値を変調率と定義し、
前記電流指令値演算部は、前記回転速度の検出値と前記直流電圧との比率である速度電圧比率の検出値を演算し、前記電圧指令値及び前記直流電圧に基づいて実変調率を演算し、変調率指令値と前記実変調率との偏差に基づいて前記速度電圧比率の検出値を補正して、補正後の速度電圧比率を演算し、
前記トルク指令値と、前記速度電圧比率と、前記電流指令値と関係が予め設定された電流指令値設定データを参照し、現在の前記トルク指令値と、前記補正後の速度電圧比率に対応する前記電流指令値を演算するものである。
【発明の効果】
【0010】
本願に係る交流回転電機の制御装置によれば、バラツキ要因又は誤差要因により実変調率が変調率指令値から変動した場合に、電流指令値演算部は、変調率指令値と実変調率との偏差に基づいて速度電圧比率の検出値を補正して、補正後の速度電圧比率を演算し、電流指令値設定データを参照し、現在のトルク指令値と補正後の速度電圧比率に対応する電流指令値を演算する。よって、バラツキ要因又は誤差要因により実変調率が変調率指令値から変動した場合でも、変動がない状態で設定された電流指令値設定データをそのまま用い、速度電圧比率を補正することにより、トルク指令値のトルク出力を維持しつつ、電流指令値を変化させ、実変調率を変調率指令値に近づけることができる。電流指令値設定データは、回転速度と直流電圧とが、一つの速度電圧比率にまとめられているので、データ量が低減されている。よって、このようなデータ量が低減された電流指令値設定データをそのまま用いて、トルク指令値のトルク出力を維持しつつ、変調率の変動に対応できるので、制御系全体を簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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