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公開番号2024077833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190019
出願日2022-11-29
発明の名称風力発電設備用の異常診断システム、および、異常診断方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F03D 17/00 20160101AFI20240603BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】早期に異常を検出できる風力発電設備用の異常診断システム、および、異常診断方法を提供する。
【解決手段】風力発電設備用の異常診断システムは、少なくとも1つの風車翼と風車翼のピッチ角を変更するためのピッチ機構とを備える風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、ピッチ機構に入力されるピッチ指令値と、ピッチ指令値の入力後に計測されたピッチ角とのピッチ偏差の時系列データであるピッチ偏差時系列データを取得するための時系列データ取得部と、ピッチ偏差時系列データに含まれる、風力発電設備における風速変動の主成分を除外するためのハイパスフィルタ処理を実行するためのHPF処理部と、少なくともハイパスフィルタ処理が施されたピッチ偏差時系列データにおけるピッチ偏差と、閾値とを比較することで、ピッチ機構の異常診断を行うための第1異常診断部とを備える。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つの風車翼と前記風車翼のピッチ角を変更するためのピッチ機構とを備える風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、
前記ピッチ機構に入力されるピッチ指令値と、前記ピッチ指令値の入力後に計測された前記ピッチ角とのピッチ偏差の時系列データであるピッチ偏差時系列データを取得するための時系列データ取得部と、
前記ピッチ偏差時系列データに含まれる、前記風力発電設備における風速変動の主成分を除外するためのハイパスフィルタ処理を実行するためのHPF処理部と、
少なくとも前記ハイパスフィルタ処理が施された前記ピッチ偏差時系列データにおける前記ピッチ偏差と、閾値とを比較することで、前記ピッチ機構の異常診断を行うための第1異常診断部と、
を備える、
風力発電設備用の異常診断システム。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記閾値は、第1閾値と、前記第1閾値よりも大きな第2閾値とを有し、
前記第1異常診断部は、
前記ピッチ偏差が前記第1閾値以上かつ前記第2閾値未満である場合、前記ピッチ機構に軽度な異常があると判定するための第1軽度異常判定部と、
前記ピッチ偏差が前記第2閾値以上である場合、前記軽度な異常よりも深刻な中程度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するための第1中程度異常判定部と、
を含む、
請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項3】
前記第1中程度異常判定部によって前記中程度の異常があると判定された場合、前記風力発電設備の目標出力を下げるための指令、または、風速に応じて前記ピッチ角を変更する前記風力発電設備のフィードバック制御における目標ピッチ角をフェザー側に変更するための指令の少なくとも一方を含む負荷低下指令を生成するための負荷低下指令生成部をさらに備える、
請求項2に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項4】
前記閾値は、前記第2閾値よりも大きな第3閾値をさらに有し、
前記第1中程度異常判定部は、前記ピッチ偏差が前記第2閾値以上かつ前記第3閾値未満である場合、前記中程度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するように構成され、
前記第1異常診断部は、前記ピッチ偏差が前記第3閾値以上である場合、前記中程度の異常よりも深刻な重度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するための第1重度異常判定部をさらに含む、
請求項2または3に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項5】
前記第1重度異常判定部によって前記重度の異常があると判定された場合、前記風力発電設備が停止するための指令、または、前記風力発電設備の点検を促すことを示すテキストメッセージを生成するための指令の少なくとも一方の指令である警戒指令を生成するための警戒指令生成部をさらに備える、
請求項4に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項6】
少なくとも前記ハイパスフィルタ処理が施された前記ピッチ偏差時系列データにおける前記ピッチ偏差は、前記風力発電設備における風速が規定風速以上となる前記ピッチ偏差である高風速ピッチ偏差を含み、
前記第1軽度異常判定部、前記第1中程度異常判定部、および、前記第1重度異常判定部は、前記高風速ピッチ偏差に基づいて前記異常の有無を判定するように構成される、
請求項5に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項7】
少なくとも前記ハイパスフィルタ処理が施された前記ピッチ偏差時系列データにおける前記ピッチ偏差は、前記風速が前記規定風速未満となる前記ピッチ偏差である低風速ピッチ偏差を含み、
前記閾値は、前記第1閾値よりも大きくかつ前記第3閾値未満の第4閾値を有し、
前記第1異常診断部は、前記低風速ピッチ偏差が前記第4閾値以上である場合、前記重度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するための低風速重度異常判定部をさらに含む、
請求項6に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項8】
少なくとも前記ハイパスフィルタ処理が施された前記ピッチ偏差時系列データによって示される前記ピッチ偏差を絶対値化する処理を実行するための絶対値処理部と、
少なくとも絶対値化された前記ピッチ偏差時系列データを平均化処理するための平均化処理部と、
前記平均化処理が施された前記ピッチ偏差時系列データにおける前記ピッチ偏差である平均ピッチ偏差と、基準値とを比較することで、前記ピッチ機構の異常診断を行うための第2異常診断部と、
をさらに備える、
請求項2または3に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項9】
前記基準値は、第1基準値と、前記第1基準値よりも大きな第2基準値とを有し、
前記第2異常診断部は、
前記平均ピッチ偏差が前記第1基準値以上かつ前記第2基準値未満である場合、前記ピッチ機構に軽度な異常があると判定するための第2軽度異常判定部と、
前記平均ピッチ偏差が前記第2基準値以上である場合、前記軽度な異常よりも深刻な中程度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するための第2中程度異常判定部と、
を含む、
請求項8に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
【請求項10】
前記基準値は、前記第2基準値よりも大きな第3基準値をさらに有し、
前記第2中程度異常判定部は、前記平均ピッチ偏差が前記第2基準値以上かつ前記第3基準値未満である場合、前記中程度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するように構成され、
前記第2異常診断部は、前記平均ピッチ偏差が前記第3基準値以上である場合、前記中程度の異常よりも深刻な重度の異常が前記ピッチ機構にあると判定するための第2重度異常判定部をさらに含む、
請求項9に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システム、および、異常診断方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、風力発電設備用の異常診断システムの一例として、風力発電設備の監視装置を開示する。監視装置は、風速の経時的変化を示すデータに基づき突風評価を実行し、突風評価の結果に基づき風力発電設備の所定機器の損傷度を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-003723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
風力発電設備の所定機器における異常は早期に検出できることが好ましい。例えば、風車翼のピッチ角を調整するためのピッチ機構において異常が発生した場合、当該異常を早期に検出できることが好ましい。
【0005】
本開示の目的は、早期に異常を検出できる風力発電設備用の異常診断システム、および、異常診断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備用の異常診断システムは、
少なくとも1つの風車翼と前記風車翼のピッチ角を変更するためのピッチ機構とを備える風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、
前記ピッチ機構に入力されるピッチ指令値と、前記ピッチ指令値の入力後に計測された前記ピッチ角とのピッチ偏差の時系列データであるピッチ偏差時系列データを取得するための時系列データ取得部と、
前記ピッチ偏差時系列データに含まれる、前記風力発電設備における風速変動の主成分を除外するためのハイパスフィルタ処理を実行するためのHPF処理部と、
少なくとも前記ハイパスフィルタ処理が施された前記ピッチ偏差時系列データにおける前記ピッチ偏差と、閾値とを比較することで、前記ピッチ機構の異常診断を行うための第1異常診断部と、
を備える。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備用の異常診断方法は、
少なくとも1つの風車翼と前記風車翼のピッチ角を変更するためのピッチ機構とを備える風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断方法であって、
前記ピッチ機構に入力されるピッチ指令値と、前記ピッチ指令値の入力後に計測された前記ピッチ角とのピッチ偏差の時系列データであるピッチ偏差時系列データを取得するための時系列データ取得ステップと、
前記ピッチ偏差時系列データに含まれる、前記風力発電設備における風速変動の主成分を除外するためのハイパスフィルタ処理を実行するためのHPF処理ステップと、
少なくとも前記ハイパスフィルタ処理が施された前記ピッチ偏差時系列データにおける前記ピッチ偏差と、閾値とを比較することで、前記ピッチ機構の異常診断を行うための第1異常診断ステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、早期に異常を検出できる風力発電設備用の異常診断システム、および、異常診断方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施形態に係る異常診断システムと風力発電設備を示す概略図である。
一実施形態に係る異常診断システムのハードウェア構成を示す概略図である。
一実施形態に係る異常診断システムの基本的な機能構成を示す概略的なブロック図である。
一実施形態に係るピッチ偏差時系列データのスペクトル強度データを示す概略的なグラフである。
一実施形態に係るバンドパスフィルタ処理が施される前後のピッチ偏差時系列データを示す概略図である。
一実施形態に係る第1異常診断部の機能構成の詳細を示す概略的なブロック図である。
第1の例示に係る追加的構成を備えた異常診断システムの概略的なブロック図である。
第2の例示に係る追加的構成を備えた異常診断システムの概略的なブロック図である。
一実施形態に係る絶対値化処理が施される前後のピッチ偏差時系列データを示す概略図である。
一実施形態に係るローパスフィルタ処理が施される前後のピッチ偏差時系列データを示す概略図である。
一実施形態に係る平均化処理が施される前後のピッチ偏差時系列データを示す概略図である。
一実施形態に係る第2異常診断部の機能構成の詳細を示す概略的なブロック図である。
第3の例示に係る追加的構成を備えた異常診断システムの概略的なブロック図である。
一実施形態に係る高速フーリエ変換処理が施される前後のピッチ偏差時系列データを示す概略図である。
一実施形態に係る第3異常診断部の機能構成の詳細を示す概略的なブロック図である。
一実施形態に係る異常診断処理を示すフローチャートである。
図16に続く、異常診断処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(【0011】以降は省略されています)

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