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公開番号2024077005
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2023198889
出願日2023-11-24
発明の名称自動巻き上げ連鎖用伝達機構
出願人ロレックス・ソシエテ・アノニム,ROLEX SA
代理人弁理士法人第一国際特許事務所
主分類G04B 5/02 20060101AFI20240530BHJP(時計)
要約【課題】手動巻き上げ中にユーザが感じる感覚の最適化を可能にする、時計自動巻き上げ連鎖用伝達機構を提供する。
【解決手段】楔止めにより機能する、第一フリーホイール40、障害物により機能する少なくとも1つの一方向連結器、または障害物により機能する少なくとも1つの第二フリーホイール51a、51bを含む、逆転器5、及び巻き上げ可動錘60、の連続組立体を含む、時計400の自動巻き上げ連鎖用伝達機構110。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
楔止めにより機能する、第一フリーホイール(40)、
障害物により機能する少なくとも1つの一方向連結器、または障害物により機能する少なくとも1つの第二フリーホイール(51a、51b)を含む、逆転器(50)、及び
巻き上げ可動錘(60)、
の連続組立体を含む、
時計(400)の自動巻き上げ連鎖用伝達機構(110)。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記逆転器(50)と前記第一フリーホイール(40)は、互いに直接機械的に連結される、特に前記逆転器(50)の出力部と前記第一フリーホイール(40)の入力部との直接噛み合いにより直接接続される、
請求項1に記載の伝達機構(110)。
【請求項3】
前記逆転器(50)の出力部、及び
前記第一フリーホイール(40)の入力部、
の間の第一減速比は、8より小さい、または6より小さい、または5より小さい、
請求項1または2に記載の伝達機構(110)。
【請求項4】
少なくとも1つの第二フリーホイール(51a、51b)は、少なくとも1つの爪(53)を有するフリーホイールである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の伝達機構(110)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの爪(53a、53b)は、セラミック製である、
請求項4に記載の伝達機構(110)。
【請求項6】
前記第一フリーホイール(40)は、楔止めにより機能する、少なくとも1つの阻止要素(43)を、特に
- ボールまたはローラまたはランナといった転がり要素、特にセラミックボールまたはセラミックローラまたはセラミックランナといったセラミック転がり要素、または
- シェイプランナまたはカムといった摺動要素、特にセラミックシェイプランナまたはセラミックカムといったセラミック摺動要素、
を含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の伝達機構(110)。
【請求項7】
前記逆転器は、前記逆転器の出力部が、前記逆転器の入力部の方向に関わらず、同一の所定の方向に回転するよう、2つの第二フリーホイール(51a、51b)を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の伝達機構(110)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の伝達機構(110)を含む、自動巻き上げ連鎖(200)または自動巻き上げモジュール(250)。
【請求項9】
前記巻き上げ可動錘(60)から前記第一フリーホイール(40)へ延長し、6より小さい、または5より小さい、または4より小さい第二減速比を有する、第一減速連鎖を含む、及びまたは
前記第一フリーホイール(40)から前記香箱(20)のラチェット(21)へ延長し、20より大きい、または25より大きい、または30より大きい第三減速比を有する、第二減速連鎖を含む、
請求項8に記載の自動巻き上げ連鎖(200)または自動巻き上げモジュール(250)。
【請求項10】
前記逆転器(50)の入力部と前記巻き上げ可動錘(60)は、互いに直接、機械的に接続される、特に前記巻き上げ可動錘(60)の歯(61)と噛み合う、前記逆転器(50)の入力部により、直接接続される、
請求項8または9に記載の自動巻き上げ連鎖(200)または自動巻き上げモジュール(250)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動巻き上げ連鎖用伝達機構に関する。本発明はまた、当該種類の伝達機構を含む、自動巻き上げ連鎖に関する。本発明はまた、当該種類の伝達機構または当該種類の自動巻き上げ連鎖を含む、時計ムーブメントに関する。本発明は最後に、当該種類の伝達機構または当該種類の自動巻き上げ連鎖または当該種類の時計ムーブメントを含む、時計に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
爪フリーホイールを用いた逆転システムは、今日、時計において、香箱ばねの自動巻き上げ用に広く使用されている。爪フリーホイールは、
- 特に低い死角による、高性能の自動巻き上げ、
- 汚染への低い感度、及び
- 低い固有摩擦
という利点を可能にする、信頼性がある頑強な解決策を構成する。
【0003】
揺動錘に対する逆転システムの死角を可能な限り低くするため、逆転システムを揺動錘に可能な限り近づけて配置することが好ましい。しかしながら、自動巻き上げ連鎖の高い伝達率のため、この種の配置は、手動巻き上げ中に、逆転システムの歯車に過大な機械的負荷を発生させる。実際、逆転システムが揺動錘に近づくにつれて、巻き上げ軸からの伝達率が高くなり、このため、手動巻き上げ中に逆転システムの一部を構成する歯車が早く回転することになる。この種の配置において、逆転システムの歯車の回転速度は、3000Hzより大きい、または5000Hzより大きい振動数で、爪の揺動を発生しかねない。こうした過度の負荷は、爪及びまたは補完歯の時期尚早な摩耗を通じて、爪フリーホイールを悪化させる傾向にある。更に、手動巻き上げ中、揺動錘に最も近い爪フリーホイールの爪の揺動は、巻き上げ軸に伝達される高いトルクを発生する。このため、運動学的システムが耐えなければならないトルクも高くなり、これはまた、各種歯車列の時期尚早な経年劣化を引き起こしかねない。
【0004】
感覚的観点から、こうした負荷は、巻き上げ軸に引っかく感覚と、小型時計のユーザに対する不愉快な騒音を発生しかねない。
【0005】
逆転システムの時期尚早な摩耗を軽減する、手動巻き上げ中の自動巻き上げ連鎖の解放を可能にする、フリーホイール解決策が知られている。解放が手動巻き上げ中、即ちユーザが発揮するトルクの影響によってのみに効果を発揮すると仮定すると、従来技術から既知のフリーホイールは、より単純な設計であり、逆転システムを構成するものに比べて低い性能を提供する。当該フリーホイールは、歯付歯車と障害物により協働するよう適合された1以上の板ばねまたは爪を有する、高い解放トルクを発生可能な、基本的な形状を有してもよい。フリーホイールは、通常、手動巻き上げ中の高すぎる回転速度を防止し、時期尚早な摩耗を防止するため、香箱ラチェットに可能な限り近く配置される。
【0006】
この比較的単純な設計のため、従来技術から既知のフリーホイールは、
- 手動巻き上げ中にユーザが感じる、巻き上げ軸のトルクの変動、
- 板ばねまたは爪の揺動により生じる、引っかく感覚及びまたは騒音、
- 手動巻き上げに続く自動巻き上げの効率の減少、
といった欠点を生じかねない。
【0007】
非特許文献1において、手動巻き上げ中の自動巻き上げ連鎖の解放が説明される。フリーホイールが、ラチェット駆動可動部に配置される。当該フリーホイールは、例えば、ピニオン周りのラチェット駆動歯車と協働することが意図される、ピニオンに固定されたアームを有するばねを含む。当該タイプのフリーホイールを解放するのに必要なトルクは、比較的高いことがある。この高い解放トルクは、それが逆転システム解放トルクよりも大きい場合には、単純にフリーホイールが部分的にしか機能しないまたは全く機能しなくなるため、問題となりかねない。実際、フリーホイールは、逆転システムの著しい楔止めまたは引っかきの場合を除き解放しなくなるかもしれず、その場合には、ユーザにとって潜在的に不快な、様々な騒音や巻き上げ軸の感覚を不可避的に発生することになる。ラチェット近くに当該フリーホイールを配置することはまた、自動巻き上げ中に耐えねばならないトルクが高いことを暗示する。
【0008】
弾性爪を用いた自動巻き上げ連鎖の解放は、特許文献1にも説明される。前述の解決策同様、当該フリーホイールは、ラチェットと係合するラチェットドライバに配置される。
【0009】
特許文献2は、内部歯と協働することが意図される弾性爪を有するフリーホイールの特定の構成を開示する。自動巻き上げ連鎖中のフリーホイールの配置は、上述の解決策と同様のままである。
【0010】
特許文献3は、ペラトン型逆転システムの可動部に配置されたフリーホイールを用いた解決策を開示する。これは、障害物により機能するフリーホイールにより、手動巻き上げ中の逆転システムの解放を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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