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公開番号2024051657
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157940
出願日2022-09-30
発明の名称電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物、積層体、電極、電気化学素子、積層体の製造方法、電極の製造方法、及び電気化学素子の製造方法
出願人株式会社リコー
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/13 20100101AFI20240404BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】絶縁層の柔軟性、及びイオン透過性に優れ、電極の積層ずれの発生を低減でき、電池特性に優れる電気化学素子を作製可能な電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物の提供。
【解決手段】基材と、前記基材上に設けられた接着性多孔質絶縁層と、を有し、前記接着性多孔質絶縁層が、樹脂を骨格とする共連続構造である多孔質構造体であり、前記樹脂が、架橋樹脂であり、30mm×100mmの前記基材2枚のそれぞれの一方の面全体に、前記接着性多孔質絶縁層を設け、前記接着性多孔質絶縁層同士を対向させ、温度140℃、エアシリンダー推力500N、及び1秒間の条件で熱接着したピール強度測定用素子を用いたときのピール測定法によるピール強度が、2N/m以上である電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
基材と、
前記基材上に設けられた接着性多孔質絶縁層と、を有し、
前記接着性多孔質絶縁層が、樹脂を骨格とする共連続構造である多孔質構造体であり、
前記樹脂が、架橋樹脂であり、
30mm×100mmの前記基材2枚のそれぞれの一方の面全体に、前記接着性多孔質絶縁層を設け、前記接着性多孔質絶縁層同士を対向させ、温度140℃、エアシリンダー推力500N、及び1秒間の条件で熱接着したピール強度測定用素子を用いたときのピール測定法によるピール強度が、2N/m以上であることを特徴とする電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記樹脂が、エネルギー照射によって重合可能な重合性化合物の重合物である請求項1に記載の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物。
【請求項3】
前記重合性化合物が、(メタ)アクリロイル基を有する請求項2に記載の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物。
【請求項4】
請求項1に記載の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物と、
前記接着性多孔質絶縁層の少なくとも一部を介して接着された他の基材と、を有することを特徴とする積層体。
【請求項5】
請求項1に記載の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物を有し、
前記基体が、電極基体を有し、
最表層として前記接着性多孔質絶縁層を有することを特徴とする電極。
【請求項6】
第1の電極と、前記第1の電極と絶縁された第2の電極とを含み、前記第1の電極と前記第2の電極が積層された電気化学素子であって、
前記第1の電極、及び前記第2の電極の少なくともいずれかが、請求項5に記載の電極であることを特徴とする電気化学素子。
【請求項7】
前記接着性多孔質絶縁層の少なくとも一部が、他の基材の表面と接着される請求項6に記載の電気化学素子。
【請求項8】
前記第1の電極が、前記第2の電極の外側に配置され、前記接着性多孔質絶縁層を介して前記第2の電極と接着される請求項6に記載の電気化学素子。
【請求項9】
リチウムイオン二次電池である請求項6から8のいずれかに記載の電気化学素子。
【請求項10】
第1の基材と、
第2の基材と、を備え、
前記第1の基材は、第1の接着性多孔質絶縁層を有し、
前記第1の基材と、前記第2の基材とは、前記第1の接着性多孔質絶縁層を介して接着され、
前記第1の接着性多孔質絶縁層は、樹脂を骨格とする共連続構造である多孔質構造体であり、
前記樹脂は、架橋樹脂であり、
30mm×100mmの前記第1の基材の一方の面全体、及び30mm×100mmの前記第2の基材の一方の面全体に、前記第1の接着性多孔質絶縁層をそれぞれ設け、前記第1の接着性多孔質絶縁層同士を対向させ、温度140℃、エアシリンダー推力500N、及び1秒間の条件で熱接着したピール強度測定用素子を用いたときのピール測定法によるピール強度が、2N/m以上であることを特徴とする積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物、積層体、電極、電気化学素子、積層体の製造方法、電極の製造方法、及び電気化学素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年の日常生活において、スマートフォンやノートパソコンなどが普及し、また世界全体では、脱炭素社会を目指して内燃機関を持たない電気自動車が注目され始めている。これらの電子機器には、高出力、及び高エネルギー密度の特徴を有するリチウムイオン二次電池が搭載される。
【0003】
現在の一般的な電池では、電極同士が固定されていない場合が多数であり、電極を積層する際に積層ずれが生じやすいという問題がある。電池内部で電極の積層ずれが生じた場合は、良好な電池特性、及び安全性の低下につながることから、電極の積層ずれを抑制することが重要である。
【0004】
これまでに、電極活物質層に積層した絶縁層の樹脂粒子の剥がれが抑制された二次電池として、正極活物質層及び負極活物質層の少なくとも一方を覆うように前記正極活物質層及び前記負極活物質層の少なくとも一方の表面に結合して積層されてなる多孔質の絶縁層と、前記絶縁層の縁に形成され、前記絶縁層の前記樹脂粒子の溶融により空孔が消失した状態で固化されている溶融部と、を備えた二次電池が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、正極の表面の一部と負極の表面の一部に接着して前記正極と前記負極とを離間させる第1の絶縁層と、平面視すると前記第1の絶縁層によって閉じられた領域であって、前記正極と前記負極の間に電解質を保持するための領域と、を含んで成る蓄電ユニットと、電解質とを有する蓄電デバイスであって、前記第1の絶縁層の透気度が1250秒/100cc超、かつ95000秒/100cc未満である蓄電デバイスが報告されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、絶縁層の柔軟性、及びイオン透過性に優れ、電極の積層ずれの発生を低減でき、電池特性に優れる電気化学素子を作製可能な電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としての本発明の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物は、基材と、前記基材上に設けられた接着性多孔質絶縁層と、を有し、前記接着性多孔質絶縁層が、樹脂を骨格とする共連続構造である多孔質構造体であり、前記樹脂が、架橋樹脂であり、30mm×100mmの前記基材2枚のそれぞれの一方の面全体に、前記接着性多孔質絶縁層を設け、前記接着性多孔質絶縁層同士を対向させ、温度140℃、エアシリンダー推力500N、及び1秒間の条件で熱接着したピール強度測定用素子を用いたときのピール測定法によるピール強度が、2N/m以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、絶縁層の柔軟性、及びイオン透過性に優れ、電極の積層ずれの発生を低減でき、電池特性に優れる電気化学素子を作製可能な電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本実施形態の多孔質絶縁層の塗布領域の一例を示す模式平面図である。
図2は、本実施形態の電極の一例を示す模式断面図である。
図3は、本実施形態の積層体の一例を示す模式断面図である
図4は、本実施形態の電極の一例を示す模式断面図である。
図5は、本実施形態の積層体の他の一例を示す模式断面図である。
図6は、本実施形態の積層体の他の一例を示す模式断面図である。
図7は、本実施形態の多孔質絶縁層の塗布領域の一例を示す模式平面図である。
図8は、本実施形態の多孔質絶縁層の塗布領域の一例を示す模式平面図である。
図9は、本実施形態の電極の他の一例を示す模式断面図である。
図10は、本実施形態の電極の他の一例を示す模式断面図である。
図11は、本実施形態の電極の他の一例を示す模式断面図である。
図12は、本実施形態の積層体の他の一例を示す模式断面図である。
図13は、本実施形態の積層体の他の一例を示す模式断面図である。
図14は、本実施形態の積層体の他の一例を示す模式断面図である。
図15は、本実施形態の積層体の他の一例を示す模式断面図である。
図16Aは、多孔質絶縁層を模式的に示す平面図である。
図16Bは、多孔質絶縁層を模式的に示す断面図である。
図17は、本実施形態の接着性多孔質絶縁層の製造装置の一例を示す模式図である。
図18は、図17の液体吐出装置の変形例を示す模式図である。
図19は、本実施形態の接着性多孔質絶縁層の製造装置の他の一例を示す模式図である。
図20は、本実施形態の接着性多孔質絶縁層の製造装置である液体吐出装置の他の例を示す模式図である。
図21は、図20の液体吐出装置の変形例を示す模式図である。
図22は、本実施形態の接着性多孔質絶縁層の製造装置としてのドラム状の中間転写体を用いた印刷部の一例を示す構成図である。
図23は、本実施形態の接着性多孔質絶縁層の製造装置としての無端ベルト状の中間転写体を用いた印刷部の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物)
本発明の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物は、基材と、前記基材上に設けられた接着性多孔質絶縁層と、を有し、前記接着性多孔質絶縁層が、樹脂を骨格とする共連続構造である多孔質構造体であり、前記樹脂が、架橋樹脂であり、30mm×100mmの前記基材2枚のそれぞれの一方の面全体に、前記接着性多孔質絶縁層を設け、前記接着性多孔質絶縁層同士を対向させ、温度140℃、エアシリンダー推力500N、及び1秒間の条件で熱接着したピール強度測定用素子を用いたときのピール測定法によるピール強度が、2N/m以上である。
前記電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物は、電気化学素子用部材の接着用途に用いられ、接着性の絶縁層を有する。
【0010】
本発明の電気化学素子用部材の接着用多孔質絶縁層付与物は、本発明者らが、以下の従来技術における問題点を見出したことに基づく発明である。
すなわち、従来、絶縁層の樹脂粒子の剥がれを抑制するために、絶縁性の接着剤を塗布した電池用電極が知られているが(特許文献1等参照)、熱溶着により接着する材料を用いた場合は、絶縁層の樹脂粒子の溶融により空孔が消失することにより空隙率が低下してしまい、絶縁層の絶縁性が低下するという問題がある。
また、絶縁性の接着剤としては、セル内部の電解液の循環を妨げない空隙率の高い多孔質であることが好ましいが、例えば、特許文献2の蓄電デバイスのように、絶縁層の透気度(空隙率)が高い場合は、絶縁層の強度が低下するという問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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