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公開番号2024047010
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022152419
出願日2022-09-26
発明の名称潤滑剤の製造方法および潤滑剤
出願人学校法人大同学園,国立大学法人 東京大学
代理人個人
主分類C10M 177/00 20060101AFI20240329BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】粒子をイオン液体中に分散させた潤滑剤をより容易に製造する技術を提供する。
【解決手段】潤滑剤22の製造方法は、少なくとも1種のモノマーを含む液状の原料モノマーおよび光重合開始剤とからなる、モノマー混合液10を調製する工程と、調製されたモノマー混合液10を、予め準備されたイオン液体20に添加して、イオン液体中20にモノマー混合液を分散あるいは溶解させた、含モノマーイオン液体21を調製する工程と、調製された含モノマーイオン液体21に、光重合開始剤が感度を有し、かつ、イオン液体20を透過する波長の光を照射して、原料モノマーを重合させることにより、ポリマー粒子を生成する工程と、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
潤滑剤の製造方法であって、
(a)少なくとも1種のモノマーを含む液状の原料モノマーおよび光重合開始剤とからなる、モノマー混合液を調製する工程と、
(b)前記工程(a)において調製された前記モノマー混合液を、予め準備されたイオン液体に添加して、前記イオン液体中に前記モノマー混合液を分散あるいは溶解させた、含モノマーイオン液体を調製する工程と、
(c)前記工程(b)において調製された前記含モノマーイオン液体に、前記光重合開始剤が感度を有し、かつ、前記イオン液体を透過する波長の光を照射して、前記原料モノマーを重合させることにより、ポリマー粒子を生成する工程と、
を備える、
潤滑剤の製造方法。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記原料モノマーは、2種のモノマーを含んでいる、請求項1記載の潤滑剤の製造方法。
【請求項3】
前記2種のモノマーの少なくとも一方は、フッ素含有モノマーである、請求項2記載の潤滑剤の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか記載の潤滑剤の製造方法によって製造された潤滑剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、潤滑剤に関し、特に、イオン液体を利用した潤滑剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
常温付近で液体の塩であるイオン液体は、電気伝導性、化学的安定性、難燃性および不揮発性等の種々の特性を有している。特に、化学的安定性や難燃性は、潤滑剤として好ましい特性であり、また、不揮発性は、高真空環境下における潤滑剤として望ましい特性である。そこで、このように優れた特性を有しているイオン液体を潤滑剤として利用することが、種々提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このように潤滑剤として期待されるイオン液体には、極めて多くの種類が存在するものの、潤滑剤として好適な物性を有するイオン液体の多くは、フッ素をはじめとするハロゲンを含んでいる。ハロゲンを含むイオン液体を金属部材の潤滑剤として使用した場合、摺動面(摩擦面)において発生するトライボケミカル反応によって、イオン液体に由来するハロゲンと摩擦面の金属材料とが反応し、摩擦面の近傍で金属材料が腐食する虞がある。また、イオン液体を金属以外の材料で形成された部材の潤滑剤として使用した場合、腐食等は発生しないものの、イオン液体が分解して、潤滑剤としての特性が劣化し、あるいは、分解生成物がアウトガスとして放出される等の問題が生じる可能性がある。
【0004】
ところで、イオン液体に粒子を分散させることによって、潤滑性が改善可能であることが知られている。例えば、非特許文献2では、官能基を付与したカーボンナノチューブをイオン液体に分散させることにより、潤滑性が向上することが報告されている。このことから、イオン液体中に粒子を分散させることによって、トライボケミカル反応を抑制し、良好な特性を有する潤滑剤を実現することが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
Y. Kondou, T. Koyama, S. Sasaki, Journal of the Vacuum Society of Japan Vol. 56 (2013), 77
B. Wang, X. Wang, W. Lou, J. Hao, Journal of Physical Chemistry C Vol. 114 (2010), 8749
T. Okabe,.D. Moritaka, M. Miyatake, Y. Kondo, S. Sasaki, SYoshimoto, Precision Engineering, Vol. 47 (2017), 97
T. Torimoto, K. Okazaki, T. Kiyama, K. Hirahara, N.Tanaka, S. Kuwabata, Applied Physics Letters Vol. 89 (2006), 243117
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、イオン液体に粒子を分散させることは、必ずしも容易ではない。イオン液体に粒子を分散させる方法としては、非特許文献2に記載された方法のほか、図7(a)に示すように、分散させる粒子PTDの表面を界面活性剤SFTで修飾し、界面活性剤SFTで表面修飾された粒子PTDをイオン液体ILaに添加する方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【0007】
界面活性剤SFTは、通常、粒子PTDと親和性のある官能基部FNGと、イオン液体ILaと親和性のある長鎖部LCSで構成される。しかしながら、イオン液体ILaは、イオン液体ILaを構成するカチオンやアニオンが異なると、その化学的性質も大きく変化する。そのため、イオン液体ILaの種類に応じて適切な長鎖部LCSを有する界面活性剤SFTを選択することが困難であり、場合によっては、新たに界面活性剤SFTを設計・合成する必要が生じる。
【0008】
また、粒子PTDに表面修飾する手順は、非特許文献2に記載された方法と同様に煩雑であり、さらに、表面修飾された粒子PTDには、表面修飾に使用されなかった界面活性剤SFT等が残存するため、表面修飾された粒子PTDをイオン液体ILaに添加した潤滑剤には、多くの不純物が混入する。
【0009】
加えて、表面修飾は、イオン液体ILaの外部で行う必要があるため、粒子PTDの粒径は、粒子PTDを単独で取り扱うことが可能な程度よりも小さくすることができない。そのため、粒子PTDの粒径を十分に小さくして、粒子PTDをイオン液体ILa中に安定して分散させることは、必ずしも容易ではない。
【0010】
また、イオン液体に粒子を分散させるさらに別の方法として、図7(b)に示すように、スパッタリングによりイオン液体ILb中において粒子PTSを生成することも提案されている(例えば、非特許文献4参照)。スパッタリングによる粒子PTSの生成は、Ar

等の不活性ガスのイオンIIGをターゲットTGTに衝突させて原子AMSを離脱させ、離脱した原子AMSをイオン液体ILb中で凝集させることにより行われる。この方法によれば、スパッタリングの条件を適宜設定することにより、粒子PTSの粒径を十分に小さくすることができるので、粒子PTSをイオン液体ILb中に安定して分散させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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