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公開番号2024037263
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-19
出願番号2022141972
出願日2022-09-07
発明の名称浸透圧発電システムおよび浸透圧発電方法
出願人何乃繊維株式会社
代理人個人
主分類F03G 7/00 20060101AFI20240312BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】より幅広い材質を適用可能で、かつ、簡易な構成でありながら、形成されたナノファイバー部材を利用して、実用可能な発電を得ることを可能とする、新規な浸透圧発電システムおよび浸透圧発電方法を提供する。
【解決手段】塩水に含まれる水分を保持し、水分を表面から蒸発させることができるナノファイバー部材を有し、蒸発した水分を凝縮させて淡水を得るとともに、塩水から塩分濃度の高い高濃度塩水を得ることができる淡水化装置10と、半透膜21を有し、高濃度塩水とそれより塩分濃度の低い水とを半透膜を介して接触させ、それらの浸透圧差により生じる正浸透現象を利用して高濃度塩水にそれよりも塩分濃度の低い塩水または水を浸透させて低濃度塩水とする浸透膜装置20と、浸透膜装置により搬送された低濃度塩水の水流を利用して発電可能な発電装置30と、を有する浸透圧発電システムおよびそれを用いた浸透圧発電方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
塩水に含まれる水分を保持し、前記水分を表面から蒸発させることができるナノファイバー部材を有し、蒸発した前記水分を凝縮させて淡水を得るとともに、前記塩水から塩分濃度の高い高濃度塩水を得ることができる淡水化装置と、
半透膜を有し、前記高濃度塩水とそれより塩分濃度の低い塩水または水とを前記半透膜を介して接触させ、それらの浸透圧差により生じる正浸透現象を利用して前記塩分濃度の低い塩水または水を前記高濃度塩水側に浸透させて低濃度塩水とする浸透膜装置と、
前記浸透膜装置で前記高濃度塩水が低濃度塩水になるときに生じる増水圧を利用して発電可能な発電装置と、を有する、浸透圧発電システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記ナノファイバー部材は、その半円部が前記塩水に浸漬し、残部が前記塩水から大気中に露出するように配置されている、浸透圧発電システム。
【請求項3】
請求項2に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記ナノファイバー部材は、複数枚のディスクを有して形成され、
前記ディスクは、その隣接するディスクと所定の間隔を有するように整列して配置されている、浸透圧発電システム。
【請求項4】
請求項3に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記ナノファイバー部材は、前記複数枚のディスクの中心を保持軸で保持され、前記保持軸が回転可能に形成されている、浸透圧発電システム。
【請求項5】
請求項4に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記保持軸の回転によって、前記ナノファイバー部材の前記塩水に対する浸漬部分と露出部分とが経時的に変動できる、浸透圧発電システム。
【請求項6】
請求項2に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記ナノファイバー部材の表面積における前記塩水の浸漬部分と露出部分の割合が、20:80~80:20である、浸透圧発電システム。
【請求項7】
請求項1に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記ナノファイバー部材の大気への露出部分に風を送る送風装置を有する、浸透圧発電システム。
【請求項8】
請求項1に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記淡水化装置が、ペルチェ素子を有し、
前記ペルチェ素子が、前記塩水を加熱できるように、かつ、前記蒸発した水分を凝縮できるように配置されている、浸透圧発電システム。
【請求項9】
請求項1に記載の浸透圧発電システムにおいて、
前記塩水が海水であり、かつ、前記塩分濃度の低い水が、海水および汚水から選ばれる少なくとも1種を含む水である、浸透圧発電システム。
【請求項10】
塩水に含まれる水分を保持し、前記水分を表面から蒸発させることができるナノファイバー部材を用い、前記水分を蒸発させた後、凝縮させて淡水を得るとともに、前記塩水から塩分濃度の高い高濃度塩水を得る淡水化工程と、
前記高濃度塩水とそれよりも塩分濃度の低い塩水または水とを半透膜を介して接触させ、それらの浸透圧差により生じる正浸透現象を利用して前記塩分濃度の低い塩水または水を前記高濃度塩水側に浸透させて低濃度塩水とする浸透膜工程と、
前記浸透膜工程で前記高濃度塩水が低濃度塩水になるときに生じる増水圧を利用して発電する発電工程と、を有する、浸透圧発電方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のナノファイバー部材を用いた淡水化装置を有する浸透圧発電システムおよび浸透圧発電方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、海水の淡水化法としては、従来から逆浸透膜法、多段フラッシュ法が実施されている。これら淡水化法は、塩水(塩分濃度:3.5%程度)から淡水を抽出し、他方で濃度が高められた塩水(塩分濃度:7~20%)が生成される。このような濃度の高められた塩水は、海に排出されると、周辺の生態系に大きなダメージを与えてしまう。そのため、下水処理などから排出される水を利用して海水と同程度まで薄めてから海に排出するなどの手法が実施されている。そころが、このような手法を行うことで、そのための設備が必要になるなど、余計なコストがかかったりするため、現実的に実施するにはさらに解決すべき課題が多い。
【0003】
一方、半透膜を利用した発電方法が研究されており、河川から淡水を取水するとともに、海から海水を取水し、これら淡水と海水とを半透膜を介して接触させることで、淡水を海水に浸透させ、その過程で生じる浸透圧を利用することが検討されている。この手法は、上記浸透圧を利用して生じる、海水と淡水の混合水の水流によってタービン発電機を回転させて発電する方法である。
【0004】
しかしながら、海水の塩水濃度(3.5%)が低いため、半透膜により得られる浸透圧が低く、実用できる程度の発電を得ることが困難であった。
【0005】
これに対して、ナノファイバー膜を利用した膜蒸留による淡水化装置と、その淡水化装置により得られた高濃度塩水を、上記の浸透膜装置に適用し、半透膜により得られる浸透圧を高め、実用可能な発電を得ることを可能とする、発電システムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-21490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のように膜蒸留を利用する場合には、海水中の水分(液体)は透過させずに、蒸気(気体)のみを通過させようとするため、撥水性または疎水性のナノファイバー膜を使用し、所定の機能を有する材質、構造に限定されてしまう。
【0008】
本発明は、上記のような材質の限定をせずに、より幅広い材質を適用可能で、かつ、簡易な構造でありながら、形成されたナノファイバー部材を利用して、実用可能な発電を得ることを可能とする、新規な浸透圧発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の浸透圧発電システムは、塩水に含まれる水分を保持し、前記水分を表面から蒸発させることができる比表面積が大きいナノファイバー部材を有し、蒸発した前記水分を凝縮させて淡水化を得るとともに、前記塩水から塩分濃度の高い高濃度塩水を得ることができる淡水化装置と、半透膜を有し、前記高濃度塩水とそれよりも塩分濃度の低い塩水または水とを前記半透膜を介して接触させ、それらの浸透圧差により生じる正浸透現象を利用して塩分濃度の低い塩水または汚水から淡水を吸い上げて、前記浸透膜装置により搬送された前記高濃度塩水が吸い上げた淡水により希釈された低濃度塩水になるときの増水圧を利用して発電可能な圧電装置と、を有する。
【0010】
本発明の浸透圧発電方法は、塩水に含まれる水分を保持し、前記水分を表面から蒸発させることができる比表面積が大きいナノファイバー部材を用い、前記水分を蒸発させた後、凝縮させて淡水を得るとともに、前記塩水から塩分濃度の高い高濃度塩水を得る淡水化工程と、前記高濃度塩水とそれよりも塩分濃度の低い水とを半透膜を介して接触させ、それらの浸透圧差により生じる正浸透現象を利用して生じた低濃度塩水を搬送させる浸透工程と、前記浸透工程により搬送された前記高濃度塩水の水流を利用して発電する発電工程と、を有する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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