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公開番号2024032523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022136211
出願日2022-08-29
発明の名称洋上風車の製作曳航方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類F03D 13/25 20160101AFI20240305BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】コンクリート製の浮体式基礎を備えた洋上風車の効率的な製作と曳航を実現できる、洋上風車の製作曳航方法を提供する。
【解決手段】岸壁Pに係留したコンクリート製の浮体式基礎70を水上に浮上させた状態でタワー82を接続し、洋上風車80を製作して曳航する、洋上風車の製作曳航方法であり、浮体式基礎70のバラスト室79Aに注水して、浮体式基礎70の吃水を岸壁Pの水深よりも小さくしつつ、浮体式基礎70のレベルを下げる調整を行う準備工程と、水上に浮上させた状態の浮体式基礎70に対して、タワー82を接続して洋上風車80を製作する、洋上風車製作工程と、バラスト室79Aからバラスト水を排水して吃水を曳航用の吃水に戻した後、洋上風車80を洋上の所定位置まで曳航する、曳航工程とを有する。
【選択図】図18
特許請求の範囲【請求項1】
岸壁に係留したコンクリート製の浮体式基礎を水上に浮上させた状態でタワーを接続し、洋上風車を製作して曳航する、洋上風車の製作曳航方法であって、
前記浮体式基礎のバラスト室に注水して、該浮体式基礎の吃水を岸壁の水深よりも小さくしつつ、該浮体式基礎のレベルを下げる調整を行う、準備工程と、
水上に浮上させた状態の前記浮体式基礎に対して、前記タワーを接続して前記洋上風車を製作する、洋上風車製作工程と、
前記バラスト室からバラスト水を排水して吃水を曳航用の吃水に戻した後、前記洋上風車を洋上の所定位置まで曳航する、曳航工程とを有することを特徴とする、洋上風車の製作曳航方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記浮体式基礎のレベルを下げる調整により、該浮体式基礎を前記岸壁の側方の海底に着底させることを特徴とする、請求項1に記載の洋上風車の製作曳航方法。
【請求項3】
前記洋上風車製作工程では、岸壁にある揚重機により前記タワーを揚重して前記浮体式基礎に接続することを特徴とする、請求項1に記載の洋上風車の製作曳航方法。
【請求項4】
前記洋上風車製作工程では、岸壁にある立て起こし装置により前記タワーを立て起こして前記浮体式基礎に接続することを特徴とする、請求項1に記載の洋上風車の製作曳航方法。
【請求項5】
前記洋上風車製作工程では、水上にある自己昇降式作業台船により前記タワーを前記浮体式基礎に接続することを特徴とする、請求項1に記載の洋上風車の製作曳航方法。
【請求項6】
前記曳航工程では、前記バラスト室にバラスト水を注水して吃水を増加させ、前記浮体式基礎を安定姿勢で曳航することを特徴とする、請求項1に記載の洋上風車の製作曳航方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、洋上風車の製作曳航方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出量削減を目的として、再生可能エネルギーの需要が高まっている。再生可能エネルギーには、例えば、太陽光発電や風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス等がある。風力発電施設は、風車による騒音や振動が生活環境に影響を及ぼす場合があり、居住空間等への影響を十分に考慮する必要があることから、居住区域から離れた山間部などに設置されることが多い。
しかしながら、大型の風車を設置する用地を山間部に確保することは難しく、また、風力発電施設までの交通路の確保や、送電線等の設置等も困難であることから、風力発電施設を構成する洋上風車を海上(水上や湖上を含む)に設置するための技術開発が進められている。
海上に洋上風車を構築する場合、その基礎として浮体式基礎を採用する場合があり、この浮体式基礎には、セミサブマージブル型やスパー型、パージ型、TLP(Tension Leg Platform:緊張係留式プラットフォーム)型等が存在する。この中でも、セミサブマージブル型基礎(半潜水浮体式基礎)は、風車のタワー(支柱)を支持するセンターカラムと、センターカラムの周囲に間隔を置いて配設されている複数(3基もしくは4基)のサイドカラムと、センターカラムとサイドカラムとを連結するポンツーンとを有し、波浪や海風に対して優れた安定性を奏し得ることから、比較的実績の多い基礎である。
【0003】
従来の浮体式基礎は、鋼材により製作されている形態が一般的であるため、製作コストの高騰が課題の一つとなっており、浮体式基礎の規模が大きくなるに従い、この課題は一層顕著になる。
そこで、コンクリート製の浮体式基礎をドックにて製作し、浮体式基礎にタワーを接続して洋上風車を製作し、海上へ曳航して設置することにより、製作コストの低減を図ることができるものの、現状、コンクリート製の浮体式基礎を備えた洋上風車の効率的な製作から曳航までの一連の方法が確立されていないことから、効率的な洋上風車の製作曳航方法が望まれる。
【0004】
ここで、特許文献1には、洋上風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材を、地盤上に設置された台座を基礎として台座上に構築されたジャッキ付き架台にて組み立てる、タワー組立方法が提案されている。
一方、特許文献2には、洋上風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材を洋上で組み立てて据え付ける、洋上風車の据付方法が提案されており、この据付方法は、洋上風車の基礎となるケーソンを洋上風車の設置位置に設置するケーソン設置工程と、ケーソンにて複数のタワー部材を組み立てる組立工程と、最上段のタワー部材に取り付けられたナセルに、ケーソンにてブレードを取り付けるブレード取付工程とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-80852号公報
特開2021-76043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2には、効率的なタワーの組立方法に関する記載はあるものの、上記するように、コンクリート製の浮体式基礎を備えた洋上風車の効率的な製作から曳航までの一連の方法に関する記載はない。
【0007】
本発明は、コンクリート製の浮体式基礎を備えた洋上風車の効率的な製作と曳航を実現できる、洋上風車の製作曳航方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による洋上風車の製作曳航方法の一態様は、
岸壁に係留したコンクリート製の浮体式基礎を水上に浮上させた状態でタワーを接続し、洋上風車を製作して曳航する、洋上風車の製作曳航方法であって、
前記浮体式基礎のバラスト室に注水して、該浮体式基礎の吃水を岸壁の水深よりも小さくしつつ、該浮体式基礎のレベルを下げる調整を行う、準備工程と、
水上に浮上させた状態の前記浮体式基礎に対して、前記タワーを接続して前記洋上風車を製作する、洋上風車製作工程と、
前記バラスト室からバラスト水を排水して吃水を曳航用の吃水に戻した後、前記洋上風車を洋上の所定位置まで曳航する、曳航工程とを有することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、浮体式基礎のバラスト室に注水して浮体式基礎の吃水を岸壁の水深よりも小さくしつつ、浮体式基礎のレベルを下げる調整を行った後に、水上に浮上させた状態の浮体式基礎に対してタワーを接続して洋上風車を製作することにより、重機によるタワーの吊り上げ高さを可及的に低くすることができ、このことによって浮体式基礎に対するタワーの接続性を良好にできる。その上で、バラスト室からバラスト水を排水して吃水を曳航用の吃水に戻した後に、洋上風車を洋上の所定位置まで曳航することにより、洋上風車をスムーズかつ安全に洋上の所定位置まで曳航することができる。
【0010】
ここで、「コンクリート製」とは、鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concrete)製のことを意味しており、浮体式基礎がセミサブマージブル型基礎である場合は、センターカラムやサイドカラム、ポンツーンやそれらの構成要素が鉄筋コンクリート製であることを意味している。尚、RC構造を主たる構造形式とした上で、鋼材(S:Steel)が含まれるSRC(Steel Reinforced Concrete)構造も、本明細書では「コンクリート製」に含まれるものとする。また、セミサブマージブル型基礎においては、センターカラムとサイドカラムをポンツーンを介して連結する際に、センターカラム基礎及びサイドカラム基礎とポンツーンが、PC(Prestressed Concrete)鋼棒やPC鋼線等の緊張材にて緊張されることにより、浮体式基礎が製作される。
センターカラムやサイドカラム、ポンツーンのそれぞれを構成する各構成要素は、例えば固有の製作ヤードにてPCa(Precast Concrete)体として製作され、接続ヤードに搬送された後、接続ヤードでは各PCa体が緊張材にて緊張されることにより、PCaPC(Precast Prestressed concrete)製の浮体式基礎が製作される。
(【0011】以降は省略されています)

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