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公開番号
2025178972
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-09
出願番号
2024085891
出願日
2024-05-27
発明の名称
排水の水質測定システム、排水処理設備及び排水の水質測定方法
出願人
栗田工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C02F
3/12 20230101AFI20251202BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】排水のCODまたはBODを迅速に予測する水質測定システムを提供する。
【解決手段】試験水を貯留可能な測定セル11と、排水から採取した試験水を測定セル11に供給する試験水供給部12と、測定セル11内の記試験水を曝気する空気供給部13と、曝気開始から曝気終了までの間の試験水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素センサ14と、試験水供給部12、空気供給部13および溶存酸素センサ14の動作を制御する制御部15と、を備え、制御部15は、溶存酸素センサ14によって測定された曝気開始から曝気終了までの間の試験水の溶存酸素濃度に基づき、試験水の酸素消費速度の時間変化量を求める第1機能部と、予め取得した排水の酸素消費速度の時間変化量と排水のBODまたはCODとの関係に基づき、試験水の酸素消費速度の時間変化量から試験水のBODまたはCODを予測する第2機能部と、を有する排水の水質測定システム10を採用する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
試験水を貯留可能な測定セルと、
排水から採取した前記試験水を前記測定セルに供給する試験水供給部と、
前記測定セル内の前記試験水を曝気する空気供給部と、
曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素センサと、
前記試験水供給部、前記空気供給部および前記溶存酸素センサの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記溶存酸素センサによって測定された曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量を求める第1機能部と、
予め取得した排水の酸素消費速度の時間変化量と排水のBODまたはCODとの関係に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量から前記試験水のBODまたはCODを予測する第2機能部と、を有する、排水の水質測定システム。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記第1機能部は、前記溶存酸素センサによって、曝気開始から曝気終了までの時間内において複数回に渡り前記試験水の溶存酸素濃度を測定し、溶存酸素濃度毎に酸素消費速度を算出し、算出された酸素消費速度と時間との関係に基づき酸素消費速度の時間変化量を求める、請求項1に記載の排水の水質測定システム。
【請求項3】
前記第1機能部は、前記溶存酸素センサによって、曝気開始から曝気終了までの時間内において複数回に渡り前記試験水の溶存酸素濃度を測定し、測定開始時および測定終了時の溶存酸素濃度の差分を算出し、この溶存酸素濃度の差分を、測定開始時から測定終了時までの時間で除することで、酸素消費速度の時間変化量を求める、請求項1に記載の排水の水質測定システム。
【請求項4】
曝気終了後の静置状態の前記試験水の濁度を測定する濁度センサを更に備える、請求項1に記載の排水の水質測定システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記濁度センサによって、静置開始から静置終了までの間の前記試験水の濁度に基づき、一定の時間ごとの濁度の時間変化率を求める第3機能部と、
予め取得した排水の濁度の時間変化率と排水に含まれる濁質の粒度分布との関係に基づき、前記試験水の濁度の時間変化率から前記試験水に含まれる濁質の粒度分布を予測する第4機能部を更に有する、請求項4に記載の排水の水質測定システム。
【請求項6】
前記溶存酸素センサに向けて、洗浄用の圧縮空気を供給するセンサ洗浄部を更に備える、請求項1に記載の排水の水質測定システム。
【請求項7】
前記測定セルに洗浄水を供給する洗浄水供給部を更に備える、請求項1に記載の排水の水質測定システム。
【請求項8】
排水を貯留する原水槽と、
前記原水槽の後段に設置された曝気槽と、
前記原水槽から前記曝気槽に向けて前記排水を送る流路と、
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の排水の水質測定システムと、
前記流路から前記水質測定システムの前記試験水供給部に、前記排水の一部である試験水を供給する試験水供給流路と、を備える排水処理設備。
【請求項9】
排水から採取した試験水を測定セルに導入する試験水供給段階と、
前記測定セル内の前記試験水を曝気しながら、曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度を溶存酸素センサで測定する第1測定段階と、
曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量を求める第1計算段階と、
予め取得した排水の酸素消費速度の時間変化量と排水のBODまたはCODとの関係に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量から前記試験水のBODまたはCODを予測する第1予測段階と、を有する、排水の水質測定方法。
【請求項10】
曝気終了後の静置状態の前記試験水の濁度を測定する第2測定段階と、
静置開始から静置終了までの間の前記試験水の濁度に基づき、一定の時間ごとの濁度の時間変化率を求める第2計算段階と、
予め取得した排水の濁度の時間変化率と排水に含まれる濁質の粒度分布との関係に基づき、前記試験水の濁度の時間変化率から前記試験水に含まれる濁質の粒度分布を予測する第2予測段階と、を更に有する、請求項9に記載の排水の水質測定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水の水質測定システム、排水処理設備及び排水の水質測定方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば活性汚泥法のように、好気性の微生物を利用して有機物(汚泥物質や澱粉など)を分解して排水を処理する場合、微生物の活性状況により、有機物の分解量に変化が生じる。すなわち、微生物の活性状況が高いほど、言い換えると、微生物の総数が多く、しかも個々の微生物の代謝活性が高いほど、水中の酸素をより多く消費し、その結果、有機物の分解量は多くなる。そのため、有機物の分解量に変化に応じて、例えば曝気量を変更するなど、排水処理の条件を変更する必要がある。
【0003】
微生物の活性状況は、COD(化学的酸素要求量)やBOD(生物的酸素要求量)から推定できることが知られている。好気性の微生物の活性状況が高いほど、水中の酸素を多く消費するためである。しかし、CODやBODの測定には、周知のように長時間を要する。そのため、CODやBODを指標として微生物の活性状況を把握する方法では、微生物の活性状況が変化したとしても、それを検知するためのタイムラグが発生し、活性状況の変化に対応した排水処理の処置が遅くなるケースが発生する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-169840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、排水のCODまたはBODを迅速に予測することを可能にする、排水の水質測定システム、排水処理設備及び排水の水質測定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
[1] 試験水を貯留可能な測定セルと、
排水から採取した前記試験水を前記測定セルに供給する試験水供給部と、
前記測定セル内の前記試験水を曝気する空気供給部と、
曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素センサと、
前記試験水供給部、前記空気供給部および前記溶存酸素センサの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記溶存酸素センサによって測定された曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量を求める第1機能部と、
予め取得した排水の酸素消費速度の時間変化量と排水のBODまたはCODとの関係に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量から前記試験水のBODまたはCODを予測する第2機能部と、を有する、排水の水質測定システム。
[2] 前記第1機能部は、前記溶存酸素センサによって、曝気開始から曝気終了までの時間内において複数回に渡り前記試験水の溶存酸素濃度を測定し、溶存酸素濃度毎に酸素消費速度を算出し、算出された酸素消費速度と時間との関係に基づき酸素消費速度の時間変化量を求める、[1]に記載の排水の水質測定システム。
[3] 前記第1機能部は、前記溶存酸素センサによって、曝気開始から曝気終了までの時間内において複数回に渡り前記試験水の溶存酸素濃度を測定し、測定開始時および測定終了時の溶存酸素濃度の差分を算出し、この溶存酸素濃度の差分を、測定開始時から測定終了時までの時間で除することで、酸素消費速度の時間変化量を求める、[1]に記載の排水の水質測定システム。
[4] 曝気終了後の静置状態の前記試験水の濁度を測定する濁度センサを更に備える、[1]に記載の排水の水質測定システム。
[5] 前記制御部は、前記濁度センサによって、静置開始から静置終了までの間の前記試験水の濁度に基づき、一定の時間ごとの濁度の時間変化率を求める第3機能部と、
予め取得した排水の濁度の時間変化率と排水に含まれる濁質の粒度分布との関係に基づき、前記試験水の濁度の時間変化率から前記試験水に含まれる濁質の粒度分布を予測する第4機能部を更に有する、[4]に記載の排水の水質測定システム。
[6] 前記溶存酸素センサに向けて、洗浄用の圧縮空気を供給するセンサ洗浄部を更に備える、[1]に記載の排水の水質測定システム。
[7] 前記測定セルに洗浄水を供給する洗浄水供給部を更に備える、[1]に記載の排水の水質測定システム。
[8] 排水を貯留する原水槽と、
前記原水槽の後段に設置された曝気槽と、
前記原水槽から前記曝気槽に向けて前記排水を送る流路と、
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の排水の水質測定システムと、
前記流路から前記水質測定システムの前記試験水供給部に、前記排水の一部である試験水を供給する試験水供給流路と、を備える排水処理設備。
[9] 排水から採取した試験水を測定セルに導入する試験水供給段階と、
前記測定セル内の前記試験水を曝気しながら、曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度を溶存酸素センサで測定する第1測定段階と、
曝気開始から曝気終了までの間の前記試験水の溶存酸素濃度に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量を求める第1計算段階と、
予め取得した排水の酸素消費速度の時間変化量と排水のBODまたはCODとの関係に基づき、前記試験水の酸素消費速度の時間変化量から前記試験水のBODまたはCODを予測する第1予測段階と、を有する、排水の水質測定方法。
[10] 曝気終了後の静置状態の前記試験水の濁度を測定する第2測定段階と、
静置開始から静置終了までの間の前記試験水の濁度に基づき、一定の時間ごとの濁度の時間変化率を求める第2計算段階と、
予め取得した排水の濁度の時間変化率と排水に含まれる濁質の粒度分布との関係に基づき、前記試験水の濁度の時間変化率から前記試験水に含まれる濁質の粒度分布を予測する第2予測段階と、を更に有する、[9]に記載の排水の水質測定方法。
[11] 前記第1測定段階または前記第2測定段階の終了後に、前記測定セルに洗浄水を供給し、前記溶存酸素センサの測定部に向けて圧縮空気を噴射してから、前記測定セル内の前記洗浄水に空気を供給して前記洗浄水を撹拌する洗浄段階を有する、[9]または[10]に記載の排水の水質測定方法。
[12] 前記第1測定段階または前記第2測定段階の終了後に、前記測定セルに洗浄水を供給し、前記測定セル内の前記洗浄水に空気を供給して前記洗浄水を撹拌してから、前記溶存酸素センサの測定部に向けて圧縮空気を噴射する洗浄段階を有する、[9]または[10]に記載の排水の水質測定方法。
[13] 前記洗浄段階の開始時から終了時までの間において、前記溶存酸素センサによって前記洗浄水の溶存酸素濃度を測定することで前記溶存酸素センサの動作確認を行う点検段階を有する、[11]に記載の排水の水質測定方法。
[14] 前記洗浄段階の開始時から終了時までの間において、前記溶存酸素センサによって前記洗浄水の溶存酸素濃度を測定することで前記溶存酸素センサの動作確認を行う点検段階を有する、[12]に記載の排水の水質測定方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排水のCODまたはBODを迅速に予測することを可能にする、排水の水質測定システム、排水処理設備及び排水の水質測定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態である排水処理設備を示す模式図。
本発明の実施形態である排水の水質測定システムを示す模式図。
排水の水質測定方法の実施例を説明する図であって、試験水のBODと、酸素消費速度の時間変化量との関係を示す散布図。
排水の水質測定方法の実施例を説明する図であって、試験水のCOD
Cr
と、酸素消費速度の時間変化量との関係を示す散布図。
排水の水質測定方法の実施例を説明する図であって、試験水のBODと、酸素消費速度の時間変化量との関係を示す散布図。
排水の水質測定方法の実施例を説明する図であって、試験水のCOD
Cr
と、酸素消費速度の時間変化量との関係を示す散布図。
排水の水質測定方法の比較例を説明する図であって、試験水のCOD
Cr
と、酸素消費速度の時間変化量との関係を示す散布図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態である、排水の水質測定システム、排水処理設備及び排水の水質測定方法を説明する。
【0010】
図1に、本実施形態の排水の水質測定システム10を備えた排水処理設備1を示す。
図1に示す排水処理設備1は、原水槽2と、原水槽2の後段に設置された曝気槽3と、原水槽2から曝気槽3に向けて排水を送る流路4とを備える。
(【0011】以降は省略されています)
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