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公開番号2025151988
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053669
出願日2024-03-28
発明の名称腎機能の予後予測及び/又はモニタリングのバイオマーカー
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G01N 33/68 20060101AFI20251002BHJP(測定;試験)
要約【課題】新規な慢性腎臓病マーカーを用いた慢性腎臓病患者の予後の予測方法を提供する。
【解決手段】慢性腎臓病に罹患している対象から採取された生体試料中のプロリンベタインの量を検出する工程を含む、慢性腎臓病患者の予後の予測方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象における腎機能を予後予測及び/又はモニターする方法であって、
対象から採取された生体試料中のプロリンベタインの量を測定する工程を含む方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
下記の(I)又は(II)の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
(I)前記測定したプロリンベタインの量を、腎機能障害の不良な予後を表すプロリンベタイン量の参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量が前記参照値と比較して低いことは、腎機能障害を有しているか、対象が、腎機能について不良な予後を示す指標となる;
(II)前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値を、腎機能障害の不良な予後を表すプロリンベタインの量をクレアチニンの量で除した値である参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値が、前記参照値と比較して低いことは、対象が、腎機能について不良な予後を示す指標となる。
【請求項3】
下記の(I)又は(II)の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
(I)前記測定したプロリンベタインの量を、腎機能障害の良好な予後を表すプロリンベタイン量の参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量が前記参照値と比較して高いことは、対象が、腎機能障害について良好な予後を示す指標となる;
(II)前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値を、腎機能障害の良好な予後を表すプロリンベタインの量をクレアチニンの量で除した値である参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値が、前記参照値と比較して高いことは、対象が、腎機能障害について良好な予後を示す指標となる。
【請求項4】
前記対象が慢性腎臓病の患者である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象が非糖尿病型の慢性腎臓病の患者である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生体試料が全血、血清、血漿、又は尿である請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
プロリンベタインを有効成分として含有する、腎機能障害の予防又は治療剤。
【請求項8】
プロリンベタインの、腎機能障害の予防又は治療剤の製造のための使用。
【請求項9】
腎機能障害の予防又は治療のための薬物として使用される候補化合物をスクリーニングする方法であって、
候補化合物を提供する工程、及び
前記候補化合物を対象に投与した後の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量が、候補化合物を対象に投与する前の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量と比較して上昇しているか、又は候補化合物を対象に投与した後の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量を候補化合物を対象に投与した後の該対象から採取した生体試料中のクレアチニンの量で除した値が、候補化合物を対象に投与する前の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量を対象に候補化合物を投与する前の該対象から採取した生体試料中のクレアチニンの量で除した値と比較して上昇している場合に、前記候補化合物を選択する工程を含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腎機能の予後予測及び/又はモニタリングのバイオマーカーに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
腎機能の予後の予測因子は現在までほとんど知られていない。糖尿病性腎臓病(DKD)の予後の予測因子として、アルブミンがよく知られているが(非特許文献1)、それ以外の慢性腎臓病の予後の予測因子はほとんど知られていない。
【0003】
対象における腎機能をより正確に予後予測、及び/又はモニターする方法が必要とされている。また、対象における腎機能障害の予防及び/又は治療剤が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
F. Persson et al., Kidney Int Suppl (2011). 2018 Jan;8(1):2-7. doi: 10.1016/j.kisu.2017.10.003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、対象における腎機能を予後予測及び/又はモニターするバイオマーカーを同定し、その使用を提供することにより、上記の必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下に記載の実施形態を包含する。
項1.
対象における腎機能を予後予測及び/又はモニターする方法であって、
対象から採取された生体試料中のプロリンベタインの量を測定する工程を含む方法。
項2.
下記の(I)又は(II)の工程をさらに含む、項1に記載の方法。
(I)前記測定したプロリンベタインの量を、腎機能障害の不良な予後を表すプロリンベタイン量の参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量が前記参照値と比較して低いことは、対象が、腎機能障害を有しているか、腎機能について不良な予後を示す指標となる;
(II)前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値を、腎機能障害の不良な予後を表すプロリンベタインの量をクレアチニンの量で除した値である参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値が、前記参照値と比較して低いことは、対象が、腎機能について不良な予後を示す指標となる。
項3.
下記の(I)又は(II)の工程をさらに含む、項1に記載の方法。
(I)前記測定したプロリンベタインの量を、腎機能障害の良好な予後を表すプロリンベタイン量の参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量が前記参照値と比較して高いことは、対象が、腎機能障害について良好な予後を示す指標となる;
(II)前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値を、腎機能障害の良好な予後を表すプロリンベタインの量をクレアチニンの量で除した値である参照値と比較する工程、
ここで、前記測定したプロリンベタインの量を前記対象から採取された生体試料中のクレアチニンの量で除した値が、前記参照値と比較して高いことは、対象が、腎機能障害について良好な予後を示す指標となる。
項4.
前記対象が慢性腎臓病の患者である項1に記載の方法。
項5.
前記対象が非糖尿病型の慢性腎臓病の患者である項1に記載の方法。
項6.
前記生体試料が全血、血清、血漿、又は尿である項1~5のいずれか一項に記載の方法。
項7.
プロリンベタインを有効成分として含有する、腎機能障害の予防又は治療剤。
項8.
プロリンベタインの、腎機能障害の予防又は治療剤の製造のための使用。
項9.
腎機能障害の予防又は治療のための薬物として使用される候補化合物をスクリーニングする方法であって、
候補化合物を提供する工程、及び
前記候補化合物を対象に投与した後の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量が、候補化合物を対象に投与する前の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量と比較して上昇しているか、又は候補化合物を対象に投与した後の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量を候補化合物を対象に投与した後の該対象から採取した生体試料中のクレアチニンの量で除した値が、候補化合物を対象に投与する前の該対象から採取した生体試料中のプロリンベタインの量を対象に候補化合物を投与する前の該対象から採取した生体試料中のクレアチニンの量で除した値と比較して上昇している場合に、前記候補化合物を選択する工程を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
eGFR低下率が15%未満の群(Group0)とeGFR低下率が15%以上の群(Group1)の2群の血漿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
Group0とGroup1の血漿中のプロリンベタインの量のグラフ。Student’s test。縦軸の単位はμM。
Group0とGroup1の尿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
Group0とGroup1の尿中のプロリンベタインの量のグラフ。Student’s test。縦軸の単位はμmol/gCre。
糖尿病に罹患していない慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の血漿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
糖尿病に罹患している慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の血漿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
糖尿病に罹患していない慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の尿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
糖尿病に罹患している慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の尿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
尿蛋白が陽性の慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の血漿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
尿蛋白が陰性の慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の血漿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
尿蛋白が陽性の慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の尿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
尿蛋白が陰性の慢性腎臓病・高血圧患者のeGFR低下率が15%未満の群とeGFR低下率が15%以上の群の2群の尿中の代謝物のメタボローム解析のVolcanoプロット。
血漿中のプロリンベタインの量の腎不全進行予測に関するROC曲線 。
尿中のプロリンベタインの量の腎不全進行予測に関するROC曲線。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、単数形は、本明細書で別途明示がある場合又は文脈上明らかに矛盾する場合を除き、単数と複数を含むものとする。
【0009】
本明細書において、「含有する」は、「実質的にのみからなる」、及び「のみからなる」も包含する概念である。
【0010】
本明細書において、哺乳動物は、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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