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公開番号2025139134
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024037911
出願日2024-03-12
発明の名称コンクリートの乾燥収縮ひずみ、および乾燥収縮応力の予測方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 33/38 20060101AFI20250918BHJP(測定;試験)
要約【課題】時間(コンクリートの材齢)をパラメータに含む乾燥収縮ひずみの予測式を用いて、コンクリートの乾燥収縮ひずみを予測する方法等を提供する。
【解決手段】(A)湿度解析過程、(B)第1の回帰式(下記(1)式)の導出過程、(C)第2の回帰式(下記(2)式)の導出過程、および(D)乾燥収縮ひずみの予測値の算出過程を少なくとも含む、コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法等である。
εRH_te60_te=(96-RH)/{c×(96-RH)+d}・・・(1)
ε60_te60_7=-a×(te)1/2+b・・・(2)
(ただし、εRH_te60_teは、3種類以上の各位置の相対湿度における乾燥収縮のひずみの終局値(εRH_te)、および基準相対湿度(60%)における乾燥収縮のひずみの終局値(ε60_te)の比を表し、RHは相対湿度(%)を表し、cおよびdは係数を表す、等々。)
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(D)の過程を少なくとも含む、コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
(A)湿度解析によりコンクリート表面から中心部に至る各位置の相対湿度を求める、湿度解析過程
(B)3種類以上の上記各位置の相対湿度における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
RH_te
)、および基準相対湿度(60%)における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_te
)の比(ε
RH_te
/ε
60_te
)と、
上記各位置の相対湿度(RH)を用いて、
下記(1)式に基づき係数cおよびdを回帰分析により算出し回帰式を導出する、第1の回帰式の導出過程
ε
RH_te
/ε
60_te
=(96-RH)/{c×(96-RH)+d} ・・・(1)
(ただし、(1)式中、ε
RH_te
/ε
60_te
は、3種類以上の各位置の相対湿度における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
RH_te
)、および基準相対湿度(60%)における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_te
)の比を表し、RHは相対湿度(%)を表し、cおよびdは係数を表す。)
(C)基準相対湿度における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_te
)、および基準相対湿度における乾燥開始材齢7日の乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_7
)の比(ε
60_te
/ε
60_7
)と、
乾燥開始材齢(te)を用いて、
下記(2)式に基づき係数aおよびbを回帰分析により算出し回帰式を導出する、第2の回帰式の導出過程
ε
60_te
/ε
60_7
=-a×(te)
1/2
+b ・・・(2)
(ただし、(2)式中、ε
60_te
/ε
60_7
は、基準相対湿度における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_te
)、および基準相対湿度における乾燥開始材齢7日の乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_7
)の比を表し、teは乾燥開始材齢(日)を表し、aおよびbは係数を表す。)
(D)上記(C)過程で導出した第2の回帰式を用いて、任意の乾燥開始材齢(te)における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_te
)を算出し、
さらに、第1の回帰式と、コンクリート内の各位置の相対湿度(RH)と、上記乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_te
)とを用いて、乾燥収縮のひずみの予測値(ε
RH_te
)を算出する、乾燥収縮ひずみの予測値の算出過程
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
下記(a)および(b)の過程を含む、コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測方法。
(a)基準相対湿度における乾燥開始材齢7日の乾燥収縮のひずみの終局値(ε
60_7
)と、下記(3)~(5)式を用いて、基準相対湿度おける乾燥収縮ひずみの終局値(ε
60_te
)を算出する過程
(ただし、aおよびbは定数であり、普通ポルトランドセメントではa = 0.0170、b = 1.0898、中庸熱ポルトランドセメントではa = 0.0093、b = 1.0493を用いる。)
TIFF
2025139134000016.tif
26
155
(b)基準相対湿度おける乾燥収縮ひずみの終局値(ε
60_te
)に基づき、下記(6)式を用いて、各位置の相対湿度(RH)における乾燥収縮のひずみの終局値(ε
RH_te
)を算出する過程
ε
RH_te
=((96-RH)/(c ×(96-RH)+ d))×ε
60_te
・・・(6)
(ただし、cおよびdは定数であり、普通ポルトランドセメントではc = 0.63,d = 13.26、中庸熱ポルトランドセメントではc = 0.50,d = 18.00を用いる。)
【請求項3】
さらに請求項1または2に記載の各位置のコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測値から、応力解析により該各位置の乾燥収縮応力の予測値を算出する、コンクリートの乾燥収縮応力の予測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時間(コンクリートの材齢)をパラメータに含む乾燥収縮ひずみの予測式を用いて、コンクリートの乾燥収縮ひずみ等を予測する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリートは引張強度が低いため、コンクリートの収縮により、収縮ひび割れが発生する場合がある。この収縮ひび割れは、コンクリート構造物の美観を損なうほか、コンクリートの水密性・気密性の低下や鉄筋の腐食等により、コンクリート構造物の耐久性を低下させる。したがって、コンクリートの耐久性を維持するには、収縮ひび割れの制御が必要になる。
ところで、この収縮ひび割れの主因は、コンクリートの乾燥収縮ひずみであって、図1に示すように、コンクリートの外部拘束および内部拘束により生じるひずみである。したがって、コンクリートの収縮ひび割れを制御するには、この乾燥収縮ひずみを事前に把握することが重要である。
【0003】
従来、コンクリートの乾燥収縮ひずみの予測式は、日本建築学会が提案する式(以下「日本建築学会式」という。)と、土木学会が提案する式(以下「土木学会式」という。)等がある。
これらの内、日本建築学会式は、コンクリート周囲の相対湿度、並びに、コンクリートの体積、外気に接する表面積、および体積表面積比等のパラメータを含む式に、セメント等の種類の影響を表す修正係数を含む式を乗じた下記の予測式である(非特許文献1の4頁、5頁、182頁)。
【0004】
TIFF
2025139134000002.tif
52
159
【0005】
また、土木学会式は、日本建築学会式と同様のパラメータを含む下記の予測式である(非特許文献2の46頁)。
【0006】
TIFF
2025139134000003.tif
60
156
【0007】
しかし、コンクリート内部の相対湿度は、図2に示すように、コンクリートの中心部に近い程高く一定ではない。したがって、予測式中の相対湿度のパラメータにコンクリート周囲の相対湿度(一定値)を用いる従来の予測方法では、コンクリート内部の相対湿度の分布が反映されず、例えば、図3(特許文献2の図12を転載した。)中の土木学会式を用いた比較例に示すように、コンクリートの全断面に単一の乾燥収縮ひずみの予測値が与えられるに過ぎなかった。さらに、乾燥収縮応力を予測する場合、外部拘束のみが評価対象となり、内部拘束は考慮されないため、例えば、図4(特許文献2の図13を転載した。)の比較例に示すように、予測精度は低かった。
【0008】
かかる状況を受けて、本発明者は、特許文献1に記載の発明を創出し、高い精度で予測できるようになった。しかし、この発明では、乾燥収縮ひずみの終局値をJIS A 1129の附属書A(参考)に準拠して測定するため、乾燥収縮ひずみの終局値を得るのに長期間を要し、コンクリートの乾燥収縮ひずみや乾燥収縮応力の予測に時間がかかるという課題があった。
【0009】
そこで、本発明者が次に創出した特許文献2に記載の発明によれば、
(i)レーザーを利用した特定の乾燥収縮ひずみ測定装置を用いれば、コンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの終局値を短期間で精度よく測定でき、また、
(ii)該乾燥収縮ひずみの終局値の比と、相対湿度の関係を示す特定の予測式(単一の式)を用いれば、セメントや骨材等が異なるコンクリートでも、その乾燥収縮ひずみや乾燥収縮応力を精度よく予測できるようになった。
【0010】
このように、特許文献1および2に記載の予測式によって、乾燥収縮ひずみの予測精度は著しく向上した。しかし、これらの式も含めて従来の予測式は、乾燥期間にかかわらず、すなわち、乾燥直後でも、乾燥期間1年後でも、相対湿度と収縮ひずみの関係(式)は不変であった。
しかし、乾燥や水和の進行によるコンクリート中の空隙構造の経時変化を考慮すれば、相対湿度と収縮ひずみの関係は、経時により自ずと変わると考えられる。したがって、コンクリートの上記経時変化に対応できる、時間をパラメータに含む式があれば、乾燥収縮ひずみの予測精度は、さらに向上すると期待できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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