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公開番号2025137748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2025123550,2024159175
出願日2025-07-23,2021-09-22
発明の名称汚損物質量算出装置および汚損物質量算出方法
出願人株式会社東芝
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類G01N 5/02 20060101AFI20250911BHJP(測定;試験)
要約【課題】汚損物質の付着量を精度よく測定することができる汚損物質量測定装置および汚損物質量測定方法を提供することである。
【解決手段】実施形態によれば、筐体は、上面に開口を有する。第1水晶振動子は、第1水晶板と第1電極対を持つ。第1電極対は、第1水晶板を挟む第1金属からなる。第1水晶振動子は、筐体の内部に第1電極対の一方が開口に対向するように設けられる。第2水晶振動子は、第2水晶板と第2電極対を持つ。第2電極対は、第2水晶板を挟む第2金属からなる。第2金属は第1金属よりイオン化傾向が低い。第2水晶振動子は、筐体の内部に第2電極対の一方が開口に対向するように設けられる。第1周波数計測回路は、第1水晶振動子の共振周波数を出力する。第2周波数計測回路は、第2水晶振動子の共振周波数を出力する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
第1水晶板と前記第1水晶板を挟む第1金属からなる第1電極対を備え、前記第1電極対の一方が上を向くように設けられる第1水晶振動子と、
第2水晶板と前記第2水晶板を挟む、前記第1金属よりイオン化傾向が低い第2金属からなる第2電極対を備え、前記第2電極対の一方が上を向くように設けられる第2水晶振動子と、
前記第1水晶振動子の共振周波数を出力する第1周波数計測回路と、
前記第2水晶振動子の共振周波数を出力する第2周波数計測回路と
を備える汚損物質検出センサを用いて汚損物質量を算出する汚損物質量算出装置であって、
前記第1水晶振動子と前記第2水晶振動子の周波数変動差と汚損物質量との関係を規定する検量線関数に基づいて、汚損物質量を算出する汚損物質量演算部
を備える汚損物質量算出装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第2水晶振動子の近傍の相対湿度の計測データを保存する計測データ保存部と、
前記相対湿度と前記検量線関数の勾配との関係を規定する導出関数に基づいて、前記検量線関数の勾配を算出する検量線決定部と
を備える請求項1に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項3】
前記汚損物質量が閾値以上である場合に、アラームを発する報知部を備える
請求項1または請求項2に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項4】
前記汚損物質量の変化量が閾値以上である場合に、アラームを発する報知部を備える
請求項1または請求項2に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項5】
前記第1水晶振動子の共振周波数が閾値以上である場合に、アラームを発する報知部を備える
請求項1または請求項2に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項6】
前記第1水晶振動子と前記第2水晶振動子の周波数変動差が閾値以上である場合に、アラームを発する報知部を備える
請求項1または請求項2に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項7】
前記汚損物質量演算部は、前記第1水晶振動子と前記第2水晶振動子の周波数変動差が閾値以上になった場合に、前記第1水晶振動子の共振周波数と、前記第1水晶振動子と前記第2水晶振動子の周波数変動差から算出された汚損物質量との関係に基づいて、前記第1水晶振動子の共振周波数から汚損物質量を算出する
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項8】
前記第1金属は金であり、前記第2金属は銅である
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の汚損物質量算出装置。
【請求項9】
第1水晶板と前記第1水晶板を挟む第1金属からなる第1電極対を備え、前記第1電極対の一方が上を向くように設けられる第1水晶振動子と、
第2水晶板と前記第2水晶板を挟む、前記第1金属よりイオン化傾向が低い第2金属からなる第2電極対を備え、前記第2電極対の一方が上を向くように設けられる第2水晶振動子と、
前記第1水晶振動子の共振周波数を出力する第1周波数計測回路と、
前記第2水晶振動子の共振周波数を出力する第2周波数計測回路と
を備える汚損物質検出センサを用いて汚損物質量を算出する汚損物質量算出方法であって、
前記第1水晶振動子と前記第2水晶振動子の周波数変動差と汚損物質量との関係を規定する検量線関数に基づいて、汚損物質量を算出するステップ
を有する汚損物質量算出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、汚損物質量算出装置および汚損物質量算出方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
電力設備は社会インフラストラクチャを支える重要な設備であり、長期にわたり安定して稼動できることを求められる。安定稼動のためには、電力設備の劣化状態を把握し、保全・更新を計画的に実施する必要がある。電力設備の導体支持またはバリヤなどに用いられる絶縁材料は材料自体の経年劣化や、設置環境に浮遊する塵埃または水分の付着などで絶縁特性が低下する。絶縁特性が低下すると放電やトラッキングを生じて設備停止に至る虞もあることから、絶縁材料の状態は電力設備の劣化を診断するためのバロメータになる。
【0003】
設置環境が絶縁材料の劣化に及ぼす影響は、塵埃や水分の付着だけとは限らない。絶縁材料の成分と化学反応する環境因子が存在する環境では、通常の経年劣化を上回る速度で、絶縁材料が劣化する場合がある。例えば炭酸カルシウムは、絶縁材料の無機充填材として多く使用される。炭酸カルシウムが塩素系ガスや窒素酸化物ガスなどと反応すると、絶縁材料表面に塩化カルシウムまたは硝酸カルシウムが形成される。これらの物質は相対湿度40%RH以下の低湿度であっても大気中の水分を吸入して潮解するので、低湿度条件であっても絶縁材料の表面が結露し、絶縁材料の表面を漏れ電流が流れることがある。これが甚だしくなると絶縁が破壊され、最悪の場合には設備停止に至ることもある。
【0004】
電力設備に使われている絶縁材料の絶縁抵抗値を、フィールドで直接測定することは可能である。しかしながらその測定値は測定場所の雰囲気、具体的には湿度に大きく影響される。例えば乾燥した環境下では絶縁抵抗値は現状よりも高くなることが多く、絶縁材料の劣化が見逃されるケースがある。また、電力設備が絶縁不良で停止するのは、ほとんど梅雨時の高温多湿の時期である。このように抵抗値を直接測定することは実地の運用には向いているといえない。
【0005】
そこで、多変量解析などの数値的な演算により絶縁材料の絶縁抵抗を推定する方法が提案されている。つまり、絶縁抵抗と相関を持ち測定場所の雰囲気に影響されない項目を測定し、その項目の値に基づいて絶縁抵抗値を算出する方法である。この方法ではフィールドで使用されている絶縁材料、および強制劣化させた絶縁材料について、絶縁抵抗と相関のあるデータを取得し、多変量解析により診断指標である絶縁抵抗の推定式を策定する。絶縁診断では、推定式を策定した項目を測定し、絶縁抵抗推定式から、任意の温度や湿度の絶縁抵抗を推定するようにする。
【0006】
絶縁抵抗と相関のあるデータとして、大きく分類すると、材料そのものの特性、及び設置個所周囲の大気環境による因子が挙げられる。これらの項目の測定に関しては、従来は検査員が実際に対象機器そのものを測定し、対象機器からサンプリング作業を実施する必要がある。そのため、連続的な材料特性及び環境因子の監視は不可能であり、離散的な評価となってしまうという課題があった。近年の計測技術の進歩により、材料特性、大気環境因子を連続的に測定することが可能となってきており、例えば材料特性を絶縁材料の分光反射率から推定する技術や、大気環境に含まれるイオン性の汚損物質を計測する技術を適用することで、連続的な絶縁性能の監視を実現可能となってきている。そこで、塵埃や水分などによる通常の経年劣化を上回る速度で絶縁材料を劣化させる汚損物質量を精度よく測定することができる技術が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5951299号公報
特許第5836904号公報
特許第5872643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、汚損物質の付着量を精度よく測定することができる汚損物質量算出装置および汚損物質量算出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の汚損物質検出センサは、筐体と、第1水晶振動子と、第2水晶振動子と、第1周波数計測回路と、第2周波数計測回路とを持つ。筐体は、上面に開口を有する。第1水晶振動子は、第1水晶板と第1電極対をもつ。第1電極対は、第1水晶板を挟む第1金属からなる。第1水晶振動子は、筐体の内部に、第1電極対の一方が筐体の開口に対向するように設けられる。第2水晶振動子は、第2水晶板と第2電極対をもつ。第2電極対は、第2水晶板を挟む第2金属からなる。第2金属は第1金属よりイオン化傾向が低い。第2水晶振動子は、筐体の内部に、第2電極対の一方が筐体の開口に対向するように設けられる。第1周波数計測回路は、第1水晶振動子の共振周波数を出力する。第2周波数計測回路は、第2水晶振動子の共振周波数を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1の実施形態に係る汚損物質量測定装置の構成を示す概略図。
第1の実施形態に係る汚損物質検出センサの構造を示す分解斜視図。
第1の実施形態に係る汚損物質検出センサの筐体の断面図。
第1の実施形態に係る汚損物質量測定装置の第1水晶振動子及び第2水晶振動子に汚損物質と非汚損物質が付着した直後の状態を示す断面図。
第1の実施形態に係る汚損物質量測定装置の第1水晶振動子及び第2水晶振動子に汚損物質と非汚損物質が付着してから時間が経過した後の状態を示す断面図。
銅電極に付着する塩分の量と銅電極の腐食生成物の増加速度との関係を示す図。
塩分噴霧試験において銅電極に付着した塩分量と時間当たりの銅電極の共振周波数の変動との関係を示す図。
塩分噴霧試験において環境の相対湿度別の塩分量と時間当たりの銅電極の共振周波数の変動との関係を示す図。
第1の実施形態の相対湿度と塩分検量線の傾きとの関係を示す勾配導出関数の一例。
第1の実施形態に係る汚損物質量算出装置の構成を示す概略ブロック図。
第1の実施形態における第1水晶振動子に対する第2水晶振動子の周波数差分の時間変化を示す図。
第1の実施形態に係る汚損物質量測定装置による対象物の汚損状況の監視方法を示すフローチャート。
第2の実施形態に係る汚損物質検出センサの構成を示す図。
第3の実施形態に係る汚損物質量算出装置の構成を示す概略ブロック図。
第3の実施形態に係る汚損物質量測定装置による対象物の汚損状況の監視方法を示すフローチャート。
少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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