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公開番号2025136905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035837
出願日2024-03-08
発明の名称イリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末、触媒、電極、及び水電解方法
出願人東ソー株式会社,国立研究開発法人理化学研究所
代理人弁理士法人T.S.パートナーズ
主分類C25B 11/093 20210101AFI20250911BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】高い酸素発生電極触媒活性を示し、イリジウムの使用量が低減された、アスペクト比が低く工業的製造に適したイリジウム含有マンガン酸化物の粉末、当該粉末を含む触媒、当該触媒を含む電極、及び当該電極を用いた水電解方法の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】本発明は、イリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末であって、イリジウム含有マンガン酸化物粒子のマンガンに対するイリジウムの平均モル比が、0.001以上0.1以下であり、イリジウム含有マンガン酸化物粒子の平均アスペクト比が、1.0以上2.5以下であり、イリジウム含有マンガン酸化物粒子が、ルチル型結晶構造を有し、前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子のうち、マンガンに対するイリジウムのモル比が1以上のイリジウム含有マンガン酸化物粒子の割合が、2.5%以下であるイリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
イリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末であって、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子のマンガンに対するイリジウムの平均モル比が、0.001以上0.10以下であり、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子の平均アスペクト比が、1.0以上2.5以下であり、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子が、ルチル型結晶構造を有し、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子のうち、マンガンに対するイリジウムのモル比が1以上のイリジウム含有マンガン酸化物粒子の割合が、2.5%以下であるイリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
体積粒度分布におけるD50径が0.1μm以上50μm以下である、請求項1に記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末。
【請求項3】
BET比表面積が1m

/g以上200m

/g以下である、請求項1又は2に記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末。
【請求項4】
粉末X線回折パターンにおいて、線源にCuKα線を使用したときの2θ=28±1°に出現するピークの半値全幅が2.06°超4.00°以下である、請求項1又は2に記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末を含む触媒。
【請求項6】
請求項5に記載の触媒を含む電極。
【請求項7】
請求項6に記載の電極を用いる水電解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、イリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末、触媒、電極、及び水電解方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
化石燃料の枯渇問題や環境汚染問題から、クリーンなエネルギーとしての水素の利用とその製造手法に注目が集まっている。高純度の水素ガスを製造する有効な手段のひとつとして、水電解法がある。
水電解法において、イリジウム系触媒は非常に高活性な酸素発生電極触媒として広く知られている(例えば、非特許文献1)。さらに、特許文献1では、酸素発生電極触媒として、導電性基材に直接電析させたマンガン酸化物にイリジウムを導入した、イリジウム-マンガン酸化物複合電極材料が開示されている。また、イリジウムの使用量が低減された酸素発生電極触媒として、α-MnO

に少量のイリジウムを導入したイリジウム含有マンガン酸化物が報告されている(非特許文献2)。
【0003】
一方、水電解装置は、通常、膜-電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、MEAを挟持するセパレータと、を備えるセルを直列に積層して構成される。MEAは、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)と、触媒層及び導電性基材と、を備える。一般的なMEAの作製方法としては、電解質膜の両面に触媒層が形成された触媒層形成電解質膜(CCM:Catalyst Coated Membrane)の触媒層の面に導電性基材を加熱圧着して接合することにより作製される(例えば、特許文献2)。
CCMは、酸素発生電極触媒が溶媒に分散したインクを電解質膜に塗布することにより、工業的規模での製造が容易になる。この場合、酸素発生電極触媒は粉末状であることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/264960号
国際公開第2024/004857号
【非特許文献】
【0005】
F.Birol,World Energy Outlook 2016,International Energy Agency (IEA),Paris,2016.
Nature Communications (2024)15:95
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1で開示されたイリジウム-マンガン酸化物複合電極材料と比べ、粉末状である非特許文献2で開示されるイリジウム含有マンガン酸化物は、CCMの工業的製造に適している。しかしながら、当該イリジウム含有マンガン酸化物は、アスペクト比の高い針状粒子であり、製造時の取り扱い性が煩雑になるなど制約が大きい。
本開示では、高い酸素発生電極触媒活性を示し、イリジウムの使用量が低減された、アスペクト比が低く工業的製造に適したイリジウム含有マンガン酸化物の粉末、当該粉末を含む触媒、当該触媒を含む電極、及び当該電極を用いた水電解方法の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、イリジウム含有マンガン酸化物粉末の諸物性について検討した。その結果、特定の組成及び物性を有するマンガン酸化物に対し、イリジウムの担持方法を制御することで、水電解方法において、イリジウム含有量が少ないながらも著しく高い酸素発生電極触媒活性を示すイリジウムを含有するマンガン酸化物を、工業的製造に適した粉末として得られることを見出した。
すなわち、本発明は特許請求の範囲の記載の通りであり、また、本開示の要旨は以下の通りである。
【0008】
[1]イリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末であって、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子のマンガンに対するイリジウムの平均モル比が、0.001以上0.10以下であり、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子の平均アスペクト比が、1.0以上2.5以下であり、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子が、ルチル型結晶構造を有し、
前記イリジウム含有マンガン酸化物粒子のうち、マンガンに対するイリジウムのモル比が1以上のイリジウム含有マンガン酸化物粒子の割合が、2.5%以下であるイリジウム含有マンガン酸化物粒子を含む粉末。
[2]体積粒度分布におけるD50径が0.1μm以上50μm以下である、[1]に記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末。
[3]BET比表面積が1m

/g以上200m

/g以下である、[1]又は[2]に記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末。
[4]粉末X線回折パターンにおいて、線源にCuKα線を使用したときの2θ=28±1°に出現するピークの半値全幅が2.06°超4.00°以下である、[1]から[3]のいずれかに記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末。
[5]前記[1]から[4]のいずれかに記載のイリジウム含有マンガン酸化物の粉末を含む触媒。
[6]前記[5]に記載の触媒を含む電極。
[7]前記[6]に記載の電極を用いる水電解方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、高い酸素発生電極触媒活性を示し、イリジウムの使用量が低減された、工業的製造に適したイリジウム含有マンガン酸化物の粉末、当該粉末を含む触媒、当該触媒を含む電極、及び当該電極を用いた水電解方法の少なくともいずれかを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
粒子の長軸径及び短軸径の計測方法を示した模式図である。
実施例1のイリジウム含有マンガン酸化物粒子の反射電子像である。
比較例1のイリジウム含有マンガン酸化物粒子の反射電子像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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