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公開番号2025135060
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024032631
出願日2024-03-05
発明の名称スパイラル分離膜エレメントおよび流体分離装置
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 63/10 20060101AFI20250910BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 運転したときの供給側流路の流動抵抗を低減しながら、ファウリングを抑制できるスパイラル分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明のスパイラル分離膜エレメントは、集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備え、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、所定の条件で運転した後の接着部供給側流路高さDAと非接着部供給側流路高さDBの平均差|DA-DB|が0.05mm以下であることを特徴とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、
前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、所定の条件で運転した後の接着部供給側流路高さD

と非接着部供給側流路高さD

の平均差|D

-D

|が0.05mm以下であることを特徴とするスパイラル分離膜エレメント。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記非接着部供給側流路高さD

の変動係数が0.04以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパイラル分離膜エレメント。
【請求項3】
運転圧4.0MPa以上8.0MPa以下での運転に適している、請求項1または2に記載のスパイラル分離膜エレメント。
【請求項4】
請求項1~3に記載のスパイラル分離膜エレメントを備える流体分離装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載のスパイラル分離膜エレメントを用いて、4.0MPa以上8.0MPa以下の供給水圧力で造水する、スパイラル分離膜エレメントの運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不純物を含む種々の液体から不純物を分離するため、特に海水の淡水化、かん水の脱塩、超純水の製造または排水処理などに用いるための分離膜エレメントに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜および正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
【0003】
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に原水を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過流体の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
【0004】
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜ユニットとを備える。分離膜ユニットは、供給水としての原水を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過流体を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル分離膜エレメントは、原水に圧力を付与することができるので、透過流体を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
【0005】
分離膜エレメントを用いて供給水を処理する際に、供給水中の塩などの溶存物質が分離膜に垂直な方向に沿って濃度勾配を形成する濃度分極が生じることがある。濃度分極が生じると、膜面浸透圧が増大し、分離膜エレメントの性能を低下させる。分離膜エレメントにおいて、透過の駆動力は膜間差圧であるため、造水量を向上させるためには膜間差圧を増加させることが有効である。膜間差圧は、分離膜エレメントへの印加圧力から浸透圧と流動抵抗を差し引いたもので表される。よって、膜間差圧を増加させるには、印加圧力を大きくする、膜面浸透圧を下げる又は流動抵抗を下げることが必要である。印加圧力が同じ場合を考えると、造水量向上のためには膜面浸透圧か流動抵抗を下げればよい。膜面浸透圧を下げるためには、繊維状物周辺の乱流の程度を増すことが重要である。乱流により分離膜表面にまだ膜に接触していない供給水が供給されるからである。
【0006】
また、エレメント性能を高めるためには圧力損失ができるだけ低い方が好ましく、圧力損失と濃度分極を抑制することが求められる。そこで、分離膜エレメントの流路を広く、内部を狭くすることで流入水の縮流、拡流を抑制するエレメントが提案されている。
【0007】
具体的には、特許文献1では、端部の封止材厚みが、前記透過側流路材の厚みより小さいことを特徴とするエレメントが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
日本国特開2017-064598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載の分離膜エレメントは、低圧での使用を想定されており、高圧を掛けて支持膜が薄膜化するような条件では、ネットを把持する部分が存在せず、ネットが飛び出してしまう恐れがあった。また、供給側流路材が膜面から浮いてしまい、十分な乱流効果が得られない場合があった。そこで、本発明は、分離膜エレメントの構造を制御することで、流動抵抗を低減しながら、膜面濃度分極を低減できる分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明およびその好ましい態様は、下記[1]~[5]の構成を有する。
[1]少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、所定の条件で運転した後の接着部供給側流路高さD

と非接着部供給側流路高さD

の平均差|D

-D

|が0.05mm以下であることを特徴とするスパイラル分離膜エレメント。
[2]前記非接着部供給側流路高さD

の変動係数が0.04以下であることを特徴とする[1]に記載のスパイラル分離膜エレメント。
[3]運転圧4.0MPa以上8.0MPa以下での運転に適している、[1]または[2]に記載のスパイラル分離膜エレメント。
[4][1]~[3]に記載のスパイラル分離膜エレメントを備える流体分離装置。
[5][1]~[3]のいずれかに記載のスパイラル分離膜エレメントを用いて、4.0MPa以上8.0MPa以下の供給水圧力で造水する、スパイラル分離膜エレメントの運転方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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