TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025133016
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024208539
出願日2024-11-29
発明の名称リサイクルポリエステル樹脂組成物およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 63/12 20060101AFI20250903BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】粒子を含み、かつ、粒子径が0.5μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で10%以上90%以下である廃ポリエステル樹脂組成物を原資とし、粒子径が1.0μmを超える粒子が少ないリサイクルポリエステル樹脂組成物およびそれを製造する方法を提供する。
【解決手段】粒子を含有する廃ポリエステル樹脂組成物を原料とするリサイクルポリエステル樹脂組成物であって、廃ポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子中、粒子径が0.5μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で10%以上90%以下であり、リサイクルポリエステル樹脂組成物が(1)及び(2)を満足するリサイクルポリエステル樹脂組成物。
(1)粒子含有量が、1質量ppm以上10,000質量ppm未満
(2)リサイクルポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子のうち粒子径が1.0μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で0%以上20%以下
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
粒子を含有する廃ポリエステル樹脂組成物を原料とするリサイクルポリエステル樹脂組成物であって、前記廃ポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子中、粒子径が0.5μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で10%以上90%以下であり、リサイクルポリエステル樹脂組成物が下記条件(1)及び(2)を満足する、リサイクルポリエステル樹脂組成物。
条件(1) 粒子含有量が、1質量ppm以上10,000質量ppm未満
条件(2) リサイクルポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子のうち、粒子径が1.0μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で0%以上20%以下
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
粒子を含有する廃ポリエステル樹脂組成物を原料とするリサイクルポリエステル樹脂組成物であって、前記廃ポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子中、粒子径が1.0μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で21%以上90%以下であり、リサイクルポリエステル樹脂組成物が下記条件(3)及び(4)を満足する、請求項1記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物。
条件(3)粒子含有量が、10質量ppm以上10,000質量ppm未満
条件(4)リサイクルポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子のうち、粒子径が1.0μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で0%以上20%以下
【請求項3】
リサイクルポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子のうち、粒子径が0.5μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で0%以上20%以下である、請求項1記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
廃ポリエステル樹脂組成物に含まれる粒子中、粒子径が1.0μmを超える粒子が、粒子の総量に対して体積換算で21%以上90%以下である廃ポリエステル樹脂組成物を用いであって、(a)~(c)の工程を含むリサイクルポリエステル樹脂組成物の製造方法。
工程(a):粒子を含有する廃ポリエステル樹脂組成物をエチレングリコールで解重合し、低重合体を得る工程。
工程(b):得られた低重合体を濾過精度10μm未満のフィルターで濾過する工程。
工程(c):濾過後の低重合体を重合してリサイクルポリエステル樹脂組成物を得る工程。
【請求項5】
工程(a)と工程(b)の間に、工程(a-1)を含む、請求項4記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物の製造方法。
工程(a-1):遠心分離機を用いて、得られた低重合体に含まれる粒子の一部を除去する工程。
【請求項6】
工程(a-1)において、遠心分離機がデカンタ型遠心分離機または円筒型遠心分離機である、請求項5記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
工程(a)と工程(b)の間に、工程(a-2)を含む、請求項4記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物の製造方法。
工程(a-2):得られた低重合体を工程(b)で使用するフィルターよりも濾過精度が大きいフィルターで1回以上濾過する工程。
【請求項8】
工程(a)において、ポリエステル中の酸成分の0.8倍モル以上6.0倍モル以下のエチレングリコールを加えて解重合する、請求項4記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
工程(a)と工程(b)の間に、工程(a-2)を含み、工程(a-1)、工程(a-2)および工程(b)を200℃以上270℃未満の温度で実施する、請求項5または6記載のリサイクルポリエステル樹脂組成物の製造方法。
工程(a-2):得られた低重合体を工程(b)で使用するフィルターよりも濾過精度が大きいフィルターで1回以上濾過する工程。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子を含有する廃ポリエステル樹脂組成物由来のリサイクルポリエステル樹脂組成物、およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(以降PETと記す)は、透明性や加工性に優れていることから、光学用フィルムや離型用フィルムなど高品位性が求められる用途に幅広く使われているが、離型用フィルムのような工程用フィルムでは使用後廃棄となることから、近年環境負荷低減が求められている。
【0003】
環境負荷の低減として、廃棄となるポリエステル樹脂を燃焼させ熱エネルギーを得るサーマルリサイクルがあるが、サーマルリサイクルを行うと、二酸化炭素の発生があること、またポリエステル原料が損失することから、ポリエステルを再生産するためには新たに石油原料を使用する必要がある。
【0004】
また、廃棄となるポリエステル樹脂を解重合し、再重合することで品位を整え、再利用する方法があるが、廃棄となるポリエステル樹脂に含まれる粗大粒子がフィルムに加工した際に異物欠点となったり、糸に加工する際には糸切れの原因となることがある。
【0005】
これらの課題に対して、特許文献1では、スクラップPETを解重合し、ディスク型遠心分離を用いてリサイクルポリエステル樹脂組成物を得る方法が開示されている。
【0006】
特許文献2には使用済みポリオエステル製品または/及びポリエステル製品を製造する工程で発生する未採用ポリエステルを解重合し、粒子径17μm以上の粒子の含有量が少ないリサイクルポリエステル樹脂組成物に関する技術が開示されている。
【0007】
特許文献3には、使用済みポリエステル製品及びポリエステル製品を製造する工程で発生する未採用ポリエステルの少なくとも1種を解重合し、12μmのフィルターを通過する際の平均上昇速度が小さいリサイクルポリエステル樹脂組成物に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平5-230199号公報
特開2023-129213号公報
特開2021-120445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には、スクラップPETを解重合し、ディスク型遠心分離を用いて不溶な粒子を除去したリサイクルポリエステル樹脂組成物を得る方法が開示されている。実施例では20メッシュ(濾過精度約1mm)の金網フィルターによる濾過も行っているが、フィルターの濾過精度が大きく、実質的には遠心分離機のみによる不溶な粒子の除去を行っており、粒子径が1.0μmを超える粒子を除去するには不十分である。
【0010】
特許文献2には、使用済みポリエステル製品または/及びポリエステル製品を製造する工程で発生する未採用ポリエステルを解重合し、粒子径17μm以上の粒子の含有量が少ないリサイクルポリエステル樹脂組成物を得るために、10μmのフィルターで濾過する技術が開示されている。しかしながら、10μmのフィルターでは粒子径が1.0μmを超える粒子を除去するには不十分である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東レ株式会社
複合半透膜
17日前
東レ株式会社
積層フィルム
11日前
東レ株式会社
風車ブレード
18日前
東レ株式会社
積層フィルム
2か月前
東レ株式会社
積層多孔質膜
1か月前
東レ株式会社
多孔質炭素シート
4日前
東レ株式会社
サンドイッチ構造体
5日前
東レ株式会社
織物および繊維製品
1か月前
東レ株式会社
熱硬化性樹脂組成物
27日前
東レ株式会社
合成繊維の巻取装置
1か月前
東レ株式会社
フィルムの製造方法
2か月前
東レ株式会社
マルチフィラメント
2か月前
東レ株式会社
フィルムの製造方法
2か月前
東レ株式会社
フィルムの製造方法。
1か月前
東レ株式会社
ガス拡散層の製造方法
4日前
東レ株式会社
引抜成形品の製造方法
20日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
織物およびシート表皮材
4日前
東レ株式会社
プラスチック光ファイバ
5日前
東レ株式会社
霧化状活性液体供給装置
16日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
1か月前
東レ株式会社
樹脂含浸繊維束の製造方法
1か月前
東レ株式会社
炭素繊維シートの製造方法
1か月前
東レ株式会社
透明ディスプレイシステム
25日前
東レ株式会社
シート状巻物製品の梱包体
2か月前
東レ株式会社
織物および織物プリプレグ
5日前
東レ株式会社
繊維強化プラスチック構造体
26日前
東レ株式会社
有価物の分離方法及び分離装置
1か月前
東レ株式会社
繊維強化樹脂成形品の製造方法
25日前
東レ株式会社
繊維強化樹脂成形品の製造方法
25日前
東レ株式会社
一体化成形品及びその製造方法
17日前
東レ株式会社
多孔繊維および液体処理カラム
4日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
17日前
東レ株式会社
プリプレグおよびその製造方法。
2か月前
東レ株式会社
ポリマーフィルムおよび二次電池
1か月前
東レ株式会社
多孔繊維、繊維束及び吸着カラム
4日前
続きを見る