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公開番号2025132709
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030454
出願日2024-02-29
発明の名称圧電薄膜、及び圧電薄膜素子
出願人TDK株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 30/853 20230101AFI20250903BHJP()
要約【課題】圧電特性に優れた圧電薄膜を提供すること。
【解決手段】圧電薄膜は、窒化アルミニウムを含む複数の結晶粒3gを含む。窒化アルミニウムは、添加元素を含む。添加元素は、少なくとも2価元素Ed及び4価元素Etを含む。隣り合う一対の結晶粒3gの間の粒界3b中の2価元素Edの濃度は、[Ed]b原子%と表される。粒界3bに隣接する一つの結晶粒3g中の2価元素Edの濃度は、[Ed]g原子%と表される。[Ed]b/[Ed]gは、0.7以上1.6以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
窒化アルミニウムを含む複数の結晶粒を備え、
前記窒化アルミニウムは、添加元素を含み、
前記添加元素は、少なくとも2価元素及び4価元素を含み、
隣り合う一対の前記結晶粒の間の粒界中の前記2価元素の濃度は、[Ed]b原子%と表され、
前記粒界に隣接する一つの前記結晶粒中の前記2価元素の濃度は、[Ed]g原子%と表され、
[Ed]b/[Ed]gは、0.7以上1.6以下である、
圧電薄膜。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記粒界は、前記第一主面から前記第二主面まで延びており、
前記圧電薄膜の断面は、前記第一主面及び前記第二主面に垂直であり、
前記断面における前記粒界の長さは、Lと表され、
前記第一主面及び前記第二主面の間の距離は、dと表され、
(L-d)/dは、1%以上20%以下である、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項3】
前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記窒化アルミニウムの(10-10)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-10)
と表され、
前記窒化アルミニウムの(10-11)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-11)
と表され、
前記I
(10-10)
及び前記I
(10-11)
は、前記第一主面又は前記第二主面の面内方向において測定され、

(10-11)
/I
(10-10)
は、1%以上10%以下である、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項4】
前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記粒界は、前記第一主面から前記第二主面まで延びており、
前記圧電薄膜の断面は、前記第一主面及び前記第二主面に垂直であり、
前記断面における前記粒界の長さは、Lと表され、
前記第一主面及び前記第二主面の間の距離は、dと表され、
(L-d)/dは、1%以上20%以下であり、
前記窒化アルミニウムの(10-10)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-10)
と表され、
前記窒化アルミニウムの(10-11)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-11)
と表され、
前記I
(10-10)
及び前記I
(10-11)
は、前記第一主面又は前記第二主面の面内方向において測定され、

(10-11)
/I
(10-10)
は、1%以上10%以下である、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項5】
窒化アルミニウムを含む複数の結晶粒を備える圧電薄膜であって、
前記窒化アルミニウムは、添加元素を含み、
前記添加元素は、少なくとも2価元素及び4価元素を含み、
前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記複数の結晶粒の間の粒界は、前記第一主面から前記第二主面まで延びており、
前記圧電薄膜の断面は、前記第一主面及び前記第二主面に垂直であり、
前記断面における前記粒界の長さは、Lと表され、
前記第一主面及び前記第二主面の間の距離は、dと表され、
(L-d)/dは、1%以上20%以下である、
圧電薄膜。
【請求項6】
前記窒化アルミニウムの(10-10)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-10)
と表され、
前記窒化アルミニウムの(10-11)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-11)
と表され、
前記I
(10-10)
及び前記I
(10-11)
は、前記第一主面又は前記第二主面の面内方向において測定され、

(10-11)
/I
(10-10)
は、1%以上10%以下である、
請求項5に記載の圧電薄膜。
【請求項7】
窒化アルミニウムを含む複数の結晶粒を備える圧電薄膜であって、
前記窒化アルミニウムは、添加元素を含み、
前記添加元素は、少なくとも2価元素及び4価元素を含み、
前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記窒化アルミニウムの(10-10)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-10)
と表され、
前記窒化アルミニウムの(10-11)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-11)
と表され、
前記I
(10-10)
及び前記I
(10-11)
は、前記第一主面又は前記第二主面の面内方向において測定され、

(10-11)
/I
(10-10)
は、1%以上10%以下である、
圧電薄膜。
【請求項8】
少なくとも一部の前記2価元素は、マグネシウムであり、
少なくとも一部の前記4価元素は、ジルコニウム及びハフニウムのうち少なくとも一つである、
請求項1~7のいずれか一項に記載の圧電薄膜。
【請求項9】
前記圧電薄膜中の前記添加元素の濃度は、3原子%以上70原子%以下である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の圧電薄膜。
【請求項10】
前記圧電薄膜中の前記添加元素の濃度は、36原子%以上70原子%以下である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の圧電薄膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電薄膜及び圧電薄膜素子に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
窒化アルミニウム(AlN)は、圧電体の一種である。下記特許文献1及び2は、価数が2以上5以下である一種類以上の添加元素をAlNにドープ(dоpe)することにより、AlNの圧電特性が向上することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-015148号公報
特開2013-219743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、AlNを含む圧電薄膜は、圧電薄膜の厚み方向に対して平行に延びる複数のAlNの柱状結晶からなり、複数の柱状結晶の間に形成される粒界も厚み方向に対して平行に延びている。AlN中の添加元素の濃度が高いほど、添加元素の一部が粒界に偏析し易い。粒界に偏析した添加元素は、リーク電流の経路になるので、粒界に偏析した添加元素は、粒界が延びる方向(圧電薄膜の厚み方向)における圧電薄膜の抵抗率を低下させる。結果として、圧電薄膜の圧電特性が劣化する。つまり、AlN中の添加元素の濃度が高いほど、圧電薄膜の圧電特性が劣化し易い。
【0005】
本開示の一側面の目的は、圧電特性に優れた圧電薄膜、及び当該圧電薄膜を含む圧電薄膜素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本開示は、以下の[1]~[11]のいずれか一項に記載の圧電薄膜、及び以下の[12]~[15]のいずれか一項に記載の圧電薄膜素子に関する。
【0007】
[1] 窒化アルミニウムを含む複数の結晶粒(crystal grain)を含み、
前記窒化アルミニウムは、添加元素を含み、
前記添加元素は、少なくとも2価元素及び4価元素を含み、
隣り合う一対の前記結晶粒の間の粒界(grain bоundary)中の前記2価元素の濃度は、[Ed]b原子%と表され、
前記粒界に隣接する一つの前記結晶粒中の前記2価元素の濃度は、[Ed]g原子%と表され、
[Ed]b/[Ed]gは、0.7以上1.6以下である、
圧電薄膜。
【0008】
[2] 前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記粒界は、前記第一主面から前記第二主面まで延びており、
前記圧電薄膜の断面は、前記第一主面及び前記第二主面に垂直であり、
前記断面における前記粒界の長さは、Lと表され、
前記第一主面及び前記第二主面の間の距離は、dと表され、
(L-d)/dは、1%以上20%以下である、
[1]に記載の圧電薄膜。
【0009】
[3] 前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記窒化アルミニウムの(10-10)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-10)
と表され、
前記窒化アルミニウムの(10-11)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-11)
と表され、
前記I
(10-10)
及び前記I
(10-11)
は、前記第一主面又は前記第二主面の面内方向において測定され、

(10-11)
/I
(10-10)
は、1%以上10%以下である、
[1]に記載の圧電薄膜。
【0010】
[4] 前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記粒界は、前記第一主面から前記第二主面まで延びており、
前記圧電薄膜の断面は、前記第一主面及び前記第二主面に垂直であり、
前記断面における前記粒界の長さは、Lと表され、
前記第一主面及び前記第二主面の間の距離は、dと表され、
(L-d)/dは、1%以上20%以下であり、
前記窒化アルミニウムの(10-10)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-10)
と表され、
前記窒化アルミニウムの(10-11)面の回折X線のピーク強度は、I
(10-11)
と表され、
前記I
(10-10)
及び前記I
(10-11)
は、前記第一主面又は前記第二主面の面内方向において測定され、

(10-11)
/I
(10-10)
は、1%以上10%以下である、
[1]に記載の圧電薄膜。
(【0011】以降は省略されています)

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