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公開番号2025122480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-21
出願番号2024018007
出願日2024-02-08
発明の名称せん断力センサ、力覚センサシート、及び、力覚センサ
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類G01L 1/14 20060101AFI20250814BHJP(測定;試験)
要約【課題】圧縮方向の変形を抑制し、かつ、せん断方向の変形を強調することが可能なせん断力センサ、及び、力覚センサシート及び力覚センサを提供すること。
【解決手段】せん断力センサは、第1~第n軟質層(n≧2)と、第1~第m硬質層(1≦m≦n-1、1≦m≦n、又は、1≦m≦n+1)との積層体からなる誘電層Aを備えている。Esoft,max<Ehard,min、εsoft,maxhard,min、及び、tsoft,j>thard,adminを満たす。但し、Esoft,maxは第1~第n軟質層の弾性率の最大値、Ehard,minは第1~第m硬質層の弾性率の最小値、εsoft,maxは第1~第n軟質層の比誘電率の最大値、εhard,minは第1~第m硬質層の比誘電率の最小値、tsoft,jは第j軟質層(1≦j≦n)の厚み、thard.adminは第j軟質層に隣接する第k硬質層の厚みの最小値。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1~第n軟質層(n≧2)と、第1~第m硬質層(1≦m≦n-1、1≦m≦n、又は、1≦m≦n+1)とが交互に積層された積層体からなる誘電層Aと、
前記誘電層Aの一方の面に接合された第1電極Aと、
前記誘電層Aの他方の面に接合された第2電極Aと
を備え、
次の式(1)~式(3)を満たす
せん断力センサ。

soft,max
<E
hard,min
…(1)
ε
soft,max
<ε
hard,min
…(2)

soft,j
>t
hard,admin
…(3)
但し、

soft,max
は、前記第1~第n軟質層の弾性率の最大値、

hard,min
は、前記第1~第m硬質層の弾性率の最小値、
ε
soft,max
は、前記第1~第n軟質層の比誘電率の最大値、
ε
hard,min
は、前記第1~第m硬質層の比誘電率の最小値、

soft,j
は、第j軟質層(1≦j≦n)の厚み、

hard.admin
は、前記第j軟質層に隣接する第k硬質層(kは、j-1、j、又は、j+1の内のいずれか1つ又は2つ)の厚みの最小値。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
次の式(1.1)及び/又は式(1.2)をさらに満たす請求項1に記載のせん断力センサ。
0.01MPa≦E
soft,j
<100MPa …(1.1)

hard,k
≧100MPa …(1.2)
但し、

soft,j
は、第j軟質層(1≦j≦n)の弾性率、

hard,k
は、第k硬質層(1≦k≦m)の弾性率。
【請求項3】
次の式(2.1)及び/又は式(2.2)をさらに満たす請求項1に記載のせん断力センサ。
ε
soft,j
≧2.0 …(2.1)
ε
hard,k
≧4.0 …(2.2)
但し、
ε
soft,j
は、前記第j軟質層(1≦j≦n)の比誘電率、
ε
hard,k
は、前記第k硬質層(1≦k≦m)の比誘電率。
【請求項4】
次の式(3.1)及び/又は式(3.2)をさらに満たす請求項1に記載のせん断力センサ。
0.01mm≦t
soft,j
<3.0mm …(3.1)
0.003mm≦t
hard,k
<1.0mm …(3.2)
但し、

soft,j
は、前記第j軟質層(1≦j≦n)の厚み、

hard,k
は、前記第k硬質層(1≦k≦m)の厚み。
【請求項5】
前記第1電極A及び前記第2電極Aは、それぞれ、同一寸法を有する四角形の電極からなり、かつ、無負荷状態において前記誘電層Aの法線方向から見たときにそれらの投影面が一致するように配置されており、
次の式(4)をさらに満たす請求項1に記載のせん断力センサ。

1
/L
2
≧1.0 …(4)
但し、

1
は、前記第1電極A(又は前記第2電極A)の長辺の長さ、

2
は、前記第1電極A(又は前記第2電極A)の短辺の長さ。
【請求項6】
前記第1電極A及び前記第2電極Aは、それぞれ、同一寸法を有する四角形の電極からなり、かつ、無負荷状態において前記誘電層Aの法線方向から見たときにそれらの投影面が一致するように配置されており、
次の式(5)をさらに満たす請求項1に記載のせん断力センサ。
X/Z≧5.0 …(5)
但し、
Xは、前記せん断力センサの水平方向(=前記第1電極Aの長辺方向、又は、前記第2電極Aの長辺方向)及び垂直方向に、それぞれ、0.4N/mm
2
の応力を同時に印加したときの前記せん断力センサの水平方向変位、
Zは、前記せん断力センサの前記水平方向及び前記垂直方向に、それぞれ、0.4N/mm
2
の応力を同時に印加したときの前記せん断力センサの垂直方向変位。
【請求項7】
せん断力を計測するための第1~第pせん断力センサ(p≧1)と、
垂直力を計測するための第1~第q垂直力センサ(q≧1)と、
前記第1~第pせん断力センサ、及び、前記第1~第q垂直力センサを載置するための基板と
を備え、
前記第1~第pせん断力センサは、それぞれ、請求項1に記載のせん断力センサからなる
力覚センサシート。
【請求項8】
2以上の前記第1~第pせん断力センサを備え、
前記第1~第pせん断力センサのうちの少なくとも2つは、それぞれ、せん断力の検出感度に異方性があり、かつ、前記せん断力の検出感度が最大となる方向が互いに非平行となるように前記基板表面に載置されている
請求項7に記載の力覚センサシート。
【請求項9】
前記第1~第q垂直力センサは、それぞれ、
誘電層Bと、
前記誘電層Bの一方の面に接合された第1電極Bと、
前記誘電層Bの他方の面に接合された第2電極Bと
を備え、
前記誘電層Bは、次の式(6)を満たす
請求項7に記載の力覚センサシート。

B
<E
hard,min
…(6)
但し、

B
は、前記誘電層Bの弾性率、

hard,min
は、前記第1~第pせん断力センサに含まれる前記第1~第m硬質層の弾性率の最小値。
【請求項10】
請求項7に記載の力覚センサシートと、
前記第1~第pせん断力センサ、及び、前記第1~第q垂直力センサの静電容量の変化を計測する計測器と
を備えた力覚センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、せん断力センサ、力覚センサシート、及び、力覚センサに関し、さらに詳しくは、せん断力を効果的に検出することが可能なせん断力センサ、並びに、このようなせん断力センサを備えた力覚センサシート及び力覚センサに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
人の動作やロボットの作業時に物体に作用する力を計測することは、人間工学、生産工学、医療・福祉といった多岐にわたる分野において、重要な課題となっている。これらの力を計測することで、例えば感覚に頼る部分が多い熟練者の技の定量的な分析や技能継承の効率化に有用と考えられる。また、ロボットがこれらの力を計測・認識することができれば、より精緻な動作・制御が可能になると考えられる。力を計測するデバイスとしては、力覚センサが知られている。「力覚センサ」とは、測定対象への力の作用によって生じる変形を利用して、力やトルクの大きさと向きを測定することが可能なセンサをいう。
【0003】
力覚センサは工業的に広く利用されているが、ロードセルに代表されるバルク型のセンサが一般的である。一方、人の動作や作業を計測する場合、代表的な例として人が物をつかんだ状態(すなわち、把持状態)での力の計測が想定される。この場合、センサが人の動作の妨げとならない必要がある。また、ロボットにおいても様々な硬さの物体を柔軟に認識できることが望ましい。このような目的にはロードセルのようなバルク型のセンサは適しておらず、薄くかつ柔軟なシート型のセンサが望ましいと考えられる。
【0004】
このような柔軟性を有する力覚センサに関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
第1絶縁層と、第1導電層と、第1誘電層と、第2導電層と、第2誘電層と、第3導電層と、第2絶縁層とがこの順で積層された積層体からなり、
第1導電層と第3導電層とが電気的に接続され、
第1誘電層と第2誘電層の硬さが異なる
静電容量型センサが開示されている。
【0005】
同文献には、
(A)第1誘電層と第2誘電層の硬さが異なっていると、加えられた荷重の大小にかかわらず、誘電層の厚みの変化の直線性を保つことができる点、及び、
(B)誘電層の厚みの変化の直線性が保たれることによって、荷重測定においてダイナミックレンジの広い静電容量型センサを実現することができる点
が記載されている。
【0006】
特許文献2には、
ポアソン比が0~0.48である絶縁層と、
絶縁層の一方の面に形成された2個の第一電極と、
絶縁層の他方の面に形成された6個の第二電極と
を備えた圧力センサシートが開示されている。
【0007】
同文献には、
(A)圧力センサシートに押圧力が作用したときに、位置が異なる複数の電極間で発生する静電容量値の変化を検出すると、垂直力だけでなくせん断力も測定できる点、及び、
(B)ポアソン比が0~4.8である絶縁層を用いると、Z軸方向の圧力検知とXY軸方向のせん断力検知とを区別しやすくなる点
が記載されている。
【0008】
特許文献3には、
スリットのある第1樹脂層の両面にスリットのない第2樹脂層が形成された樹脂層と、
樹脂層の一方の面に形成された第1電極と、
樹脂層の他方の面に形成された第2電極と
を備えたずり力検知用検知部が開示されている。
【0009】
同文献には、
(A)対向する電極間の樹脂層にスリットを設けると、検知部が力の入力方向に対して変形しやすくなる点、及び、
(B)これによって、樹脂層を薄くしても樹脂層の変形性能を確保できる点
が記載されている。
【0010】
特許文献4には、電極層、X方向の変形に異方性を有するX方向用誘電層、電極層、Y方向の変形に異方性を有するY方向用誘電層、電極層、Z方向の変形に異方性を有するZ方向用誘電層、及び、電極層がこの順で積層された触覚センサが開示されている。
同文献には、このような触覚センサを用いると、入力された荷重を三方向に分解して検出することができる点が記載されている。
(【0011】以降は省略されています)

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