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公開番号2025114354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2024009005
出願日2024-01-24
発明の名称二酸化炭素回収システム、二酸化炭素回収方法、および二酸化炭素回収プログラム
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 53/62 20060101AFI20250729BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】吸収液に関する計測を好適に実施可能な二酸化炭素回収システムを提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含む処理対象ガスと、アミン系化合物を含む吸収液とを接触させて、前記吸収液に前記二酸化炭素を吸収させる吸収部と、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を加熱して、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生部とを備える。前記システムはさらに、前記吸収部および前記再生部を備える二酸化炭素回収装置内の前記吸収液のpH、電気伝導度、および二酸化炭素濃度のうちの2つ以上を計測する複数の計測装置を備える。前記システムはさらに、前記二酸化炭素回収装置から導入された前記吸収液を精製して前記二酸化炭素回収装置に送液する吸収液精製装置と、前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度のうちの2つ以上に基づいて、前記吸収液精製装置を制御する情報処理装置とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素を含む処理対象ガスと、アミン系化合物を含む吸収液とを接触させて、前記吸収液に前記二酸化炭素を吸収させる吸収部と、
前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を加熱して、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生部と、
前記吸収部および前記再生部を備える二酸化炭素回収装置内に設けられた複数の計測装置であって、前記二酸化炭素回収装置内の前記吸収液のpH、電気伝導度、および二酸化炭素濃度をそれぞれ計測するpH計測装置、電気伝導度計測装置、および濃度計測装置のうちの2つ以上を含む複数の計測装置と、
前記二酸化炭素回収装置から導入された前記吸収液を精製し、精製された前記吸収液を前記二酸化炭素回収装置に送液する吸収液精製装置と、
前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度のうちの2つ以上に基づいて、前記吸収液精製装置を制御する情報処理装置と、
を備える二酸化炭素回収システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記複数の計測装置は、前記pH計測装置、前記電気伝導度計測装置、および前記濃度計測装置を含み、
前記情報処理装置は、前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度に基づいて、前記吸収液精製装置を制御する、
請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度のうちの2つ以上に基づいて、前記吸収液中の酸成分の濃度を算出し、前記酸成分の濃度に基づいて、前記吸収液精製装置を制御する、請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度のうちの2つ以上と、前記情報処理装置に入力された前記アミン系化合物および/または前記酸成分に関する情報とに基づいて、前記酸成分の濃度を算出する、請求項3に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
前記アミン系化合物に関する情報は、前記アミン系化合物の種類または濃度に関する情報であり、
前記酸成分に関する情報は、前記酸成分に含まれる酸の種類に関する情報、または、前記酸成分に含まれる複数種類の酸の含有比に関する情報である、
請求項4に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記酸成分の濃度と基準値とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記吸収液精製装置を制御する、請求項3に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記酸成分の濃度に基づいて、前記吸収液精製装置の稼働開始および/または稼働停止を制御する、請求項3に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記吸収液精製装置の稼働停止後に前記吸収液精製装置内に残留する前記吸収液が前記二酸化炭素回収装置に排出されるよう、前記吸収液精製装置を制御する、請求項7に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記二酸化炭素回収装置を制御する制御装置である、請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度のうちの2つ以上に基づいて、所定の情報を生成し、前記所定の情報を画面に表示する、請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、二酸化炭素回収システム、二酸化炭素回収方法、および二酸化炭素回収プログラムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
パリ協定で掲げられた気温上昇の抑制に関する「2℃目標」「1.5℃努力目標」を達成するため、各国の気候変動対策を加速することが求められている。その中でも、温室効果の大きい二酸化炭素(CO

)の排出量を削減するための方策として、水素や再生可能エネルギーなどと並んでCarbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CCUS)が大いに期待されている。
【0003】
CO

の回収方法の1つに、化学吸収法がある。化学吸収法では、火力発電所や製鉄所などから排出されるCO

含有排ガス(以下「排ガス」と呼ぶ)と吸収液とを接触させ、排ガス中のCO

を吸収液に吸収させる。吸収液の例は、アミノ基含有化合物(以下「アミン系化合物」と呼ぶ)を含む水溶液である。化学吸収法を採用する二酸化炭素回収装置では、吸収液にCO

を吸収させる吸収部と、吸収液からCO

を放出させる再生部との間で、吸収液が繰り返し循環することにより、排ガスからCO

が回収される。
【0004】
しかし、吸収液がCO

を吸収する際には、排ガス中の窒素酸化物(NO

)、硫黄酸化物(SO

)、硫化カルボニル、シアン化水素、チオシアン酸、チオ硫酸などの酸が吸収液中のアミン系化合物と反応し、熱安定性アミン塩(Heat Stable Amine Salt:HSAS)と呼ばれる不純物が生成される。また、吸収液からCO

を放出させるための加熱や、排ガス中の酸素とアミン系化合物との反応により、アミン系化合物が分解または変性し、熱安定性アミン塩の生成が促進されることもある。吸収液中に熱安定性アミン塩が蓄積すると、吸収液のCO

吸収効率が低下するだけでなく、二酸化炭素回収装置の腐食の原因となることから、吸収液から熱安定性アミン塩を除去することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-128899号公報
特開2015-097982号公報
特許第5919894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
二酸化炭素回収装置では、例えば、排ガスに起因する無機酸や、アミン系化合物の分解に起因する有機酸が、吸収液に蓄積する。熱安定性アミン塩を構成し得る酸成分を吸収液から除去する装置の1つに、吸収液精製装置がある。吸収液精製装置の稼働を開始する時期は、例えば、吸収液中の酸成分の濃度に基づいて決定される。吸収液中の酸成分の濃度を計測する方法として、イオンクロマトグラフィーが広く使われている。
【0007】
しかし、イオンクロマトグラフィーの原理上の制約や、イオンクロマトグラフィー用の装置の構成上の制約から、吸収液中の酸成分の濃度をイオンクロマトグラフィーにより計測する処理は、オンライン計測で行われることは少なく、オフライン計測で行われることが多い。オンライン計測では、二酸化炭素回収装置内の吸収液配管を流れている吸収液中の酸成分の濃度を計測するなど、二酸化炭素回収装置内で吸収液が使用されている状況下で当該吸収液中の酸成分の濃度を計測する。一方、オフライン計測では、二酸化炭素回収装置から採取された吸収液中の酸成分の濃度を分析室で計測するなど、二酸化炭素回収装置内で吸収液が使用されていない状況下で当該吸収液中の酸成分の濃度を計測する。
【0008】
そのため、吸収液中の酸成分の濃度をイオンクロマトグラフィーによりオフライン計測で計測する場合、イオンクロマトグラフィーを容易に使える環境にないと、吸収液精製装置の稼働の要否を即時に決めるのが難しい。例えば、二酸化炭素回収装置の付近に分析室が設置されていない場合には、上記のオフライン計測を行うのに長い時間がかかり、その結果、吸収液精製装置の稼働の要否を決めるのに長い時間がかかる。
【0009】
そこで、本発明の実施形態は、吸収液に関する計測を好適に実施可能な二酸化炭素回収システム、二酸化炭素回収方法、および二酸化炭素回収プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一の実施形態によれば、二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含む処理対象ガスと、アミン系化合物を含む吸収液とを接触させて、前記吸収液に前記二酸化炭素を吸収させる吸収部と、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を加熱して、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生部とを備える。前記システムはさらに、前記吸収部および前記再生部を備える二酸化炭素回収装置内に設けられた複数の計測装置であって、前記二酸化炭素回収装置内の前記吸収液のpH、電気伝導度、および二酸化炭素濃度をそれぞれ計測するpH計測装置、電気伝導度計測装置、および濃度計測装置のうちの2つ以上を含む複数の計測装置を備える。前記システムはさらに、前記二酸化炭素回収装置から導入された前記吸収液を精製し、精製された前記吸収液を前記二酸化炭素回収装置に送液する吸収液精製装置と、前記pH、前記電気伝導度、および前記二酸化炭素濃度のうちの2つ以上に基づいて、前記吸収液精製装置を制御する情報処理装置とを備える。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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