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公開番号2025112513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024006773
出願日2024-01-19
発明の名称被覆アーク溶接棒、溶接継手及び溶接金属
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 35/365 20060101AFI20250725BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】極低温領域における構造物の溶接に使用される被覆アーク溶接棒であって、優れた強度を有し、かつ横膨出量が所望の値以上となる溶接金属を得ることができる被覆アーク溶接棒を提供する。
【解決手段】被覆アーク溶接棒は、溶接棒全質量に対するFe、C、Cr、Ni等の含有量が規定されているとともに、Nb:0.001~0.400質量%、V:0.001~0.400質量%及びN:0.001~0.020質量%、を含有する。また、値A1:0.120以上0.500以下、値A2:0.10以下である。なお、A1=[Nb]W+[V]W、A2=1.22×([Cr]W+[Mo]W+0.7×[Nb]W)-([Ni]W+35×[C]W+20×[N]W+0.25×[Cu]W)-10.0である。ただし、[元素]Wは、被覆アーク溶接棒中の該元素の含有量を質量%で表した値である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶接棒全質量に対して、
Fe:30質量%以上55質量%以下、
C:0.001質量%以上0.020質量%以下(炭酸塩のCを除く)、
Cr:10.0質量%以上30.0質量%以下、
Ni:6.0質量%以上20.0質量%以下、
Nb:0.001質量%以上0.400質量%以下、
V:0.001質量%以上0.400質量%以下、及び
N:0.001質量%以上0.020質量%以下、を含有し、
Mo:4.0質量%以下、
Cu:0.50質量%以下、
下記式(1)により算出される値A1:0.120以上0.500以下、
下記式(2)により算出される値A2:0.10以下であることを特徴とする被覆アーク溶接棒。
A1=[Nb]

+[V]

・・・式(1)
A2=1.22×([Cr]

+[Mo]

+0.7×[Nb]

)-([Ni]

+35×[C]

+20×[N]

+0.25×[Cu]

)-10.0 ・・・式(2)
ただし、[Nb]

は、被覆アーク溶接棒中のNb含有量を質量%で表した値であり、[V]

は、被覆アーク溶接棒中のV含有量を質量%で表した値であり、[Cr]

は、被覆アーク溶接棒中のCr含有量を質量%で表した値であり、[Mo]

は、被覆アーク溶接棒中のMo含有量を質量%で表した値であり、[Ni]

は、被覆アーク溶接棒中のNi含有量を質量%で表した値であり、[C]

は、被覆アーク溶接棒中のC含有量を質量%で表した値であり、[N]

は、被覆アーク溶接棒中のN含有量を質量%で表した値であり、[Cu]

は、被覆アーク溶接棒中のCu含有量を質量%で表した値である。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
さらに、溶接棒全質量に対して、
F:0.50質量%以上3.00質量%以下、
Ca:3.0質量%以上9.0質量%以下、
Mn:0.1質量%以上6.0質量%以下、
TiO

:5.0質量%以上25.0質量%以下、
金属Si及びSi化合物のSiO

換算値:3.0質量%以上8.0質量%以下、
Na:0.05質量%以上0.50質量%以下、及び
K:0.05質量%以上1.50質量%以下、を含有し、
金属Zr及びZr化合物のZrO

換算値:2.0質量%以下、
金属Mg及びMg化合物のMgO換算値:1.0質量%以下、
P:0.030質量%以下、
S:0.030質量%以下、
Co:0.30質量%以下、
W:0.50質量%以下、
REM:0.50質量%以下、
Ti:1.0質量%以下、
Al:0.3質量%以下、
Al



:2.0質量%以下、
Li:0.50質量%以下、であることを特徴とする、請求項1に記載の被覆アーク溶接棒。
【請求項3】
前記Ni:7.0質量%以上10.0質量%以下、
前記Cr:12.0質量%以上15.0質量%以下、
前記Mo:1.0質量%以上2.0質量%以下、であることを特徴とする、請求項1に記載の被覆アーク溶接棒。
【請求項4】
ステンレス鋼板を母材として、請求項1~3のいずれか1項に記載の被覆アーク溶接棒を使用して溶接することにより製造されることを特徴とする、溶接継手。
【請求項5】
溶接金属全質量に対して、
C:0.001質量%以上0.040質量%以下、
Cr:14.0質量%以上22.0質量%以下、
Ni:7.0質量%以上18.0質量%以下、
Mn:0.3質量%以上3.0質量%以下、
Nb:0.001質量%以上0.400質量%以下、及び
V:0.001質量%以上0.400質量%以下、
N:0.001質量%以上0.050質量%以下、を含有し、
Si:1.0質量%以下、
Ti:1.0質量%以下、
Mo:4.0質量%以下、
Cu:0.50質量%以下、であり、残部がFe及び不可避的不純物であるとともに、
下記式(3)により算出される値A3:0.120以上0.500以下、及び
下記式(4)により算出される値A4:9.40以下であることを特徴とする溶接金属。
A3=[Nb」

+「V」

・・・式(3)
A4=1.22×([Cr]

+[Mo]

+0.7×[Nb]

)-([Ni]

+35×[C]

+20×[N]

+0.25×[Cu]

) ・・・式(4)
ただし、[Nb]

は、溶接金属中のNb含有量を質量%で表した値であり、[V]

は、溶接金属中のV含有量を質量%で表した値であり、[Cr]

は、溶接金属中のCr含有量を質量%で表した値であり、[Mo]

は、溶接金属中のMo含有量を質量%で表した値であり、[Ni]

は、溶接金属中のNi含有量を質量%で表した値であり、[C]

は、溶接金属中のC含有量を質量%で表した値であり、[N]

は、溶接金属中のN含有量を質量%で表した値であり、[Cu]

は、溶接金属中のCu含有量を質量%で表した値である。
【請求項6】
P:0.030質量%以下、
S:0.030質量%以下、
Co:0.500質量%以下、
W:0.50質量%以下、
前記Ni:12.0質量%以上14.0質量%以下、
前記Cr:17.0質量%以上19.0質量%以下、
前記Mo:1.7質量%以上2.5質量%以下、であることを特徴とする、請求項5に記載の溶接金属。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆アーク溶接棒、溶接継手及び溶接金属に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、ガスは輸送・保管の効率を上げるため、低温で液化してタンクに貯蔵されるため、貯蔵用タンクの構造部材には貯蔵するガスの液化温度域における低温靱性が求められる。例えば、特許文献1には、ステンレス鋼板を溶接するための低温用ステンレス溶接棒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平2-205293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、環境を考慮して、水素を発電や自動車等の燃料として用いることが考えられており、水素の需要が増大している。これに伴って、貯蔵用タンクについても、液化水素を安全に貯蔵することができる貯蔵用タンクへの要求が高まっている。具体的には、通常の液化貯蔵用タンクで使用される温度よりも低温の、例えば-253℃程度以上の極低温領域でも使用できることが求められる。このため、より一層低温度領域における構造物の溶接に対応することができる被覆アーク溶接棒の開発が望まれている。このような低温タンク用の溶接金属の低温靱性の指標として、横膨出の値が要求されることがある。しかし、特許文献1に記載の被覆アーク溶接棒においては、横膨出について考慮されていない。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、極低温領域における構造物の溶接に使用される被覆アーク溶接棒であって、優れた強度を有し、かつ横膨出量が所望の値以上となる溶接金属を得ることができる被覆アーク溶接棒、該被覆アーク溶接棒を用いて得られる溶接継手、及び溶接金属を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、極低温領域において優れた強度及び横膨出量を示す溶接金属を得るためには、溶接棒中のNbとVとの合計量を制御するとともに、Cr当量とNi当量とを用いた計算式により得られる値を所定の範囲にすることでフェライト量を制御することが効果的であることを見出した。本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
【0007】
本発明の上記目的は、被覆アーク溶接棒に係る下記[1]の構成により達成される。
【0008】
[1] 溶接棒全質量に対して、
Fe:30質量%以上55質量%以下、
C:0.001質量%以上0.020質量%以下(炭酸塩のCを除く)、
Cr:10.0質量%以上30.0質量%以下、
Ni:6.0質量%以上20.0質量%以下、
Nb:0.001質量%以上0.400質量%以下、
V:0.001質量%以上0.400質量%以下、及び
N:0.001質量%以上0.020質量%以下、を含有し、
Mo:4.0質量%以下、
Cu:0.50質量%以下、
下記式(1)により算出される値A1:0.120以上0.500以下、
下記式(2)により算出される値A2:0.10以下であることを特徴とする被覆アーク溶接棒。
A1=[Nb]

+[V]

・・・式(1)
A2=1.22×([Cr]

+[Mo]

+0.7×[Nb]

)-([Ni]

+35×[C]

+20×[N]

+0.25×[Cu]

)-10.0 ・・・式(2)
ただし、[Nb]

は、被覆アーク溶接棒中のNb含有量を質量%で表した値であり、[V]

は、被覆アーク溶接棒中のV含有量を質量%で表した値であり、[Cr]

は、被覆アーク溶接棒中のCr含有量を質量%で表した値であり、[Mo]

は、被覆アーク溶接棒中のMo含有量を質量%で表した値であり、[Ni]

は、被覆アーク溶接棒中のNi含有量を質量%で表した値であり、[C]

は、被覆アーク溶接棒中のC含有量を質量%で表した値であり、[N]

は、被覆アーク溶接棒中のN含有量を質量%で表した値であり、[Cu]

は、被覆アーク溶接棒中のCu含有量を質量%で表した値である。
【0009】
また、被覆アーク溶接棒に係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[3]に関する。
【0010】
[2] さらに、溶接棒全質量に対して、
F:0.50質量%以上3.00質量%以下、
Ca:3.0質量%以上9.0質量%以下、
Mn:0.1質量%以上6.0質量%以下、
TiO

:5.0質量%以上25.0質量%以下、
金属Si及びSi化合物のSiO

換算値:3.0質量%以上8.0質量%以下、
Na:0.05質量%以上0.50質量%以下、及び
K:0.05質量%以上1.50質量%以下、を含有し、
金属Zr及びZr化合物のZrO

換算値:2.0質量%以下、
金属Mg及びMg化合物のMgO換算値:1.0質量%以下、
P:0.030質量%以下、
S:0.030質量%以下、
Co:0.30質量%以下、
W:0.50質量%以下、
REM:0.50質量%以下、
Ti:1.0質量%以下、
Al:0.3質量%以下、
Al



:2.0質量%以下、
Li:0.50質量%以下、であることを特徴とする、[1]に記載の被覆アーク溶接棒。
(【0011】以降は省略されています)

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