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公開番号2025116226
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2025093586,2022181160
出願日2025-06-04,2022-11-11
発明の名称レシプロ式の圧縮機ユニット及び圧縮機ユニットの運転方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人三協国際特許事務所
主分類F04B 39/00 20060101AFI20250731BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】ボイルオフガスを扱う圧縮機ユニットに好ましいシール構造を実現する。
【解決手段】圧縮機ユニットは、ピストンロッド33とシリンダ部との間をシールするロッドパッキン部36と、ロッドパッキン部36にリークした水素ガスを外部へ排出するリークガス排出部66と、を備える。ロッドパッキン部36は、パッキンリング部41と、パッキンリング部41を通してリークした水素ガスをリークガス排出部66に流入させる排出通路52と、排出通路52よりもクランク機構側において、水素ガスにより、ピストンロッド33との間の隙間50にガスシールを形成するガスシール部54と、ガスシール部54と排出通路52との間に配置されるパッキンリング部43と、を備える。ガスシール部54内における水素ガスの圧力は、リークガス排出部66内における水素ガスの圧力よりも高い。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
液体水素貯槽からボイルオフガスである水素ガスを吸入する圧縮機ユニットであって、
吸込流路の水素ガスを圧縮する圧縮ステージと、
前記圧縮ステージを駆動するクランク機構と、
を備え、
前記圧縮ステージは、
シリンダ部と、
ピストンと、
前記ピストンを前記クランク機構に接続するピストンロッドと、
前記ピストンロッドと前記シリンダ部との間をシールするロッドパッキン部と、
前記シリンダ部と前記クランク機構のケースとを繋ぐアダプタ部と、
を備え、
前記アダプタ部が、内部を複数の空間に仕切る少なくとも1つの仕切り部を備え、
前記圧縮ステージは、
前記アダプタ部内部における最も圧縮室側に位置する空間に水素ガスを供給する水素ガス供給部と、
前記アダプタ部内部における、前記最も圧縮室側に位置する空間よりも前記クランク機構側に位置する少なくとも1つの空間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部と、
前記水素ガス供給部と吐出流路とを繋ぎ、前記圧縮ステージから吐出された水素ガスの一部を前記最も圧縮室側に位置する空間に送る、送りラインと、
をさらに備え、
前記最も圧縮室側に位置する空間における水素ガスの温度は、前記クランク機構側に位置する少なくとも1つの空間における窒素ガスの液化温度よりも高い、圧縮機ユニット。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記圧縮ステージは、
前記最も圧縮室側に位置する空間における水素ガスの圧力P2と、前記クランク機構側に位置する前記少なくとも1つの空間における窒素ガスの圧力P3との間において、圧力P2>圧力P3の関係が成立するように、前記水素ガス供給部および前記窒素ガス供給部の少なくとも1つの圧力を調整する圧力調整手段をさらに備える、請求項1に記載の圧縮機ユニット。
【請求項3】
前記アダプタ部には、
前記クランク機構側に位置する前記少なくとも1つの空間を形成する外周壁に窒素ガスの供給口と排出口が設けられる、請求項2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項4】
前記圧縮ステージが、
前記最も圧縮室側に位置する空間に開口するようにアダプタ部に接続される第1排出部をさらに備え、
前記第1排出部は、前記吸込流路またはベントに接続される、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮機ユニット。
【請求項5】
前記圧縮ステージが、
前記仕切り部における前記ピストンロッドを貫通させる貫通孔の周縁部に、シール部をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮機ユニット。
【請求項6】
前記窒素ガス供給部による前記アダプタ部内部への窒素ガスの供給は、前記圧縮ステージの運転中のみならず、前記圧縮ステージの停止中にも行う、請求項1に記載の圧縮機ユニットの運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レシプロ式の圧縮機ユニット及び圧縮機ユニットの運転方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境を考慮して、水素を発電や自動車等の燃料として用いることが考えられており、水素の需要が増大している。また、液化天然ガス(LNG)、液体水素(LH2)などの低温のボイルオフガス(BOG)を圧縮機によって回収してエンジン等の需要先に供給することが行われている。特にLH2から発生したボイルオフガスは非常に低温である。このため、圧縮機がそのままボイルオフガスを吸入する構成を採用すると、極低温に適した材料を選択する必要があったり、熱変形量を考慮した設計条件を採用したり、厳重な断熱処理を実施したりする必要がある等の制約がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-172870号公報
特開平7-119634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では次のような問題が指摘されている。「近年、新たなエネルギー源として、水素が注目されている。エネルギー源として水素を利用する場合にも、天然ガスのように、貯蔵および輸送時には、液化した状態とすることが想定されている。しかし、水素は、液化温度が空気の液化温度よりも低いという特性を有する。そのため、天然ガス等を対象とした往復動圧縮機といった設備をそのまま水素に適用すると、極低温の液体水素に起因する不具合が生じる可能性がある。例えば、液体水素が供給される装置の周辺に液化空気を生じさせてしまう。」
このため特許文献1では、往復動圧縮機に対する種々の構造が提案されている。例えば、往復動圧縮機は、ピストン駆動部と容器部との間に配置されて、ピストンロッドを収容する中間筒部を備える。中間筒部には、ピストン駆動部側から順に第1中間室、第2中間室及びロッドパッキン室が形成されている。第1中間室の内部圧力は、第2中間室及びロッドパッキン室の内部圧力よりも高い。ロッドパッキン室には常温の水素ガスが充填される。第1中間室には窒素ガスが充填される。ベントは第2中間室に対応する位置に設けられる。
【0005】
このような構造により、圧縮部からピストン駆動部への水素ガスの漏れを抑制することが可能であることや、極低温のガスの漏れを抑制することによりピストン駆動部を確実に動作させることが開示されている。
【0006】
しかしながら、第1中間室の内部圧力を第2中間室及びロッドパッキン室の内部圧力よりも高くしたとしても、第1中間室の窒素ガスがロッドパッキン室に流入してしまう虞がある。そして、窒素ガスが極低温の水素ガス(圧縮機の吸込ガス)に接触してしまった場合には、窒素ガスが液化してしまう可能性がある。
【0007】
ところで、特許文献2に開示される往復動圧縮機では、次のような構成が開示されている。「吐出流路7より分岐した被圧縮ガスを、ガス冷却器23にて冷却して、パッキンケース10内の冷却流路28の吐出流路側部分28aを介して冷却室22に導き、これによりピストン棒1を直接的に冷却し、その後この被圧縮ガスをパッキンケース10内の冷却流路28の吸込流路側部分28bを介して吸込流路5に戻すようなっている。」
特許文献2では、ピストン棒1を冷却することを目的としているいため、滞りなく冷却室22を被圧縮ガスが流通している。このような構造は、窒素ガスと極低温の水素ガス(圧縮機の吸込ガス)との接触を回避するという目的においては、必ずしも適当とは言えない。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液化水素のボイルオフガスを扱うレシプロ式の圧縮機ユニットに好ましいシール構造を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る圧縮機ユニットは、液体水素貯槽からボイルオフガスである水素ガスを回収し、その少なくとも一部をエンジン、発電設備又はボイラの少なくとも一つを含む需要先に供給するレシプロ式の圧縮機ユニットであって、吸込流路の水素ガスを圧縮する圧縮ステージと、前記圧縮ステージを駆動するクランク機構と、を備える。前記圧縮ステージは、シリンダ部と、ピストンと、前記ピストンを前記クランク機構に接続するピストンロッドと、前記ピストンロッドと前記シリンダ部との間をシールするロッドパッキン部と、前記シリンダ部と前記クランク機構のケースとを繋ぐアダプタ部と、前記アダプタ部内部に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部と、前記ロッドパッキン部にリークした水素ガスを外部へ排出するリークガス排出部と、前記ロッドパッキン部に水素ガスを供給する水素ガス供給部と、を備える。前記ロッドパッキン部は、前記ピストンロッドに接触してシールする少なくとも1つのパッキンリング部と、前記リークガス排出部に接続されており、前記シリンダ部で圧縮するガスの一部であって前記パッキンリング部を通してリークした水素ガスを前記リークガス排出部に流入させる排出通路と、前記排出通路よりも前記クランク機構側において、前記水素ガス供給部からの水素ガスの供給により、前記ピストンロッドとの間の隙間にガスシールを形成するガスシール部と、前記ガスシール部と前記排出通路との間に配置される少なくとも1つの他のパッキンリング部と、を備える。前記ガスシール部内における水素ガスの圧力は、前記リークガス排出部内における水素ガスの圧力よりも高い。
【0010】
本発明に係る圧縮機ユニットでは、ロッドパッキン部に排出通路が設けられ、この排出通路がリークガス排出部に接続されているので、パッキンリング部を通してリークした水素ガスを排出通路及びリークガス排出部を通過して外部へ排出する。また、ロッドパッキン部に、排出通路よりもクランクケース側に水素ガスによるガスシール部を設け、当該ガスシール部内における水素ガスの圧力をリークガス排出部内の圧力よりも高くする。これにより、シリンダ部で圧縮する低温ガスである液化水素のボイルオフガス(吸込ガス)が当該ガスシール部を超えて、アダプタ部側、クランクケース側へ侵入することを防止することができ、それにより、窒素ガスの液化を防止できる。
(【0011】以降は省略されています)

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