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公開番号
2025108940
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-24
出願番号
2024002498
出願日
2024-01-11
発明の名称
電気自動車のバッテリの劣化後の満充電容量の推定式を作成する方法
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類
G01R
31/387 20190101AFI20250716BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本明細書は、バッテリの劣化後満充電量の推定式を作成する方法であって精度の高い推定式を作成する方法を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する推定方法は以下の処理を含む。既定係数とバッテリの状態に関する第1バッテリ変数を含んでおり、バッテリの劣化後の満充電容量の第1推定値を求める第1推定式と、未定係数とバッテリの状態に関する第2バッテリ変数を含んでおりバッテリの劣化後の満充電容量の第2推定値を求める第2推定式を準備する。L個の電気自動車から第1バッテリ変数と第2バッテリ変数の実績データを集める。L個の実績データ中の第1バッテリ変数に関するK個の実績データと第1推定式を用いて重回帰分析によって未定係数を特定する。(L-K)個の実績データを用いて、第1推定値と第2推定値の相関が強くなるように特定した未定係数を補正する。特定し補正した未定係数を含む第2推定式が最終的に得られる推定式である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電気自動車のバッテリの劣化後の満充電容量の推定式を作成する方法であり、
既定係数とバッテリの状態に関する第1バッテリ変数を含んでおり、バッテリの劣化後の満充電容量の第1推定値を求める第1推定式と、未定係数とバッテリの状態に関する第2バッテリ変数を含んでおりバッテリの劣化後の満充電容量の第2推定値を求める第2推定式を準備する第1ステップと、
L個の電気自動車から第1バッテリ変数と第2バッテリ変数の実績データを集める第2ステップと、
L個の実績データ中の第1バッテリ変数に関するK個の実績データを第1推定式に代入してK個の第1推定値を求める第3ステップと、
L個の実績データ中の第2バッテリ変数に関するK個の実績データとK個の第1推定値を代入した第2推定式から重回帰分析によって未定係数を特定する第4ステップと、
特定した未定係数を含む第2推定式に、実績データ中の第2バッテリ変数に関する(L-K)個の実績データを代入して(L-K)個の第2推定値を求めるとともに、第1バッテリ変数に関する(L-K)個の実績データを第1推定式に代入して新たな第1推定値を求る第5ステップと、
第5ステップで得た(L-K)個の第1推定値と第2推定値との相関が強くなるように、特定した未定係数を補正する第6ステップと、
特定し補正した未定係数と第2バッテリ変数を含む第2推定式を、バッテリの劣化後の満充電容量の推定式とする第7ステップと、
を備えており、
第1推定式は、次の(式1)で表され、
TIFF
2025108940000008.tif
18
112
ここで、
y:バッテリの劣化後の満充電容量の第1推定値
y1(x1、z1):既定の係数を含み、第1バッテリ変数x1とz1を引数にする関数
z1:バッテリが使われていないときにバッテリが取り得る温度を複数の温度区分に分け、そのうちの一つの温度区分を示す第1バッテリ変数
x1:温度区分z1において、バッテリが放置された時間を表す第1バッテリ変数
y2(x2、z2):既定の係数を含み、第1バッテリ変数x2とz2を引数にする関数
z2:電気自動車の走行時にバッテリが取り得る温度を複数の温度区分に分け、そのうちの一つの温度区分を示す第1バッテリ変数
x2:温度区分z2において、バッテリに出入りした電気量を表す第1バッテリ変数
であり、
第2推定式は、次の(式2)で表され、
JPEG
2025108940000009.jpg
8
114
ここで、
Qdeg:バッテリの劣化後の満充電容量の第2推定値
Dpark:バッテリの放置時間に起因する劣化量を表す放置劣化量
Dlow:所定の電力閾値よりも小さい小電力でバッテリを充電したときに生じる劣化量を表す小電力充電劣化量
Dhigh:所定の電力閾値よりも大きい大電力でバッテリを充電したときに生じる劣化量を表す大電力充電劣化量
Drun:電気自動車の走行中に生じる劣化量を表す走行劣化量
であり、
放置劣化量Dpark、小電力充電劣化量Dlow、大電力充電劣化量Dhigh、走行劣化量Drunは、それぞれ、
TIFF
2025108940000010.tif
13
114
ここで、
a、b:未定係数
X
i
:バッテリ温度をn個の温度区分に区切り、第i温度区分にてバッテリが放置された時間を表す第2バッテリ変数
r
i
:第i温度区分における放置時間の劣化への寄与度を表す未定係数
C:電気自動車の出荷時から販売先に届くまでの時間を表す第2バッテリ変数
Y1:放置中にバッテリ残量が初期満充電量の80%以上であった時間を表す第2バッテリ変数
JPEG
2025108940000011.jpg
9
115
ここで、
c
k
:1回の小電力充電で充電される電気量をm個の電気量区分に区切り、第k電気量区分に対する未定係数
Tempa
i
:バッテリ温度をn個の温度区分に区切り、第i温度区分にて小電力充電に要した時間を小電力充電の総時間で除した値を表す第2バッテリ変数
ra
i
:第i温度区分におけるバッテリ使用の劣化への寄与度を表す未定係数
Z
k
:1回の小電力充電で充電される電気量をm個の電気量区分に区切り、第k電気量区分に属する充電回数を表す第2バッテリ変数
JPEG
2025108940000012.jpg
9
115
ここで、
e
j
:1回の大電力充電で充電される電気量をp個の電気量区分に区切り、第j電気量区分に対する未定係数
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、電気自動車のバッテリの劣化後の満充電容量の推定式を作成する方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
長期間用いたバッテリの満充電容量は、劣化によって、使用開始時の満充電容量(初期満充電容量)から低下する。長期間放置しても、劣化によって満充電量は初期満充電容量よりも低くなる。本明細書は、所定の期間を経たバッテリの満充電容量を「劣化後満充電容量」と称する。劣化後満充電容量を推定する技術の例が特許文献1に開示されている。特許文献1の方法は、バッテリの充放電履歴を用いて劣化後満充電容量を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-042036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、従来よりも高い精度でバッテリの劣化後満充電容量を推定する技術を提供する。なお、本明細書では、劣化後満充電容量を、初期満充電容量を100[%]としたときの割合で表す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する推定式の作成方法は、次の7つのステップを備える。
【0006】
(第1ステップ)既定係数とバッテリの状態に関する第1バッテリ変数を含んでおり、バッテリの劣化後の満充電容量の第1推定値を求める第1推定式と、未定係数とバッテリの状態に関する第2バッテリ変数を含んでおりバッテリの劣化後の満充電容量の第2推定値を求める第2推定式を準備する。なお、第1推定式と第2推定式の具体的な構造は「発明の詳細な説明」にて示す。
【0007】
(第2ステップ)L個の電気自動車から第1バッテリ変数と第2バッテリ変数の実績データを集める。(第3ステップ)L個の実績データ中の第1バッテリ変数に関するK個の実績データを第1推定式に代入してK個の第1推定値を求める。(第4ステップ)L個の実績データ中の第2バッテリ変数に関するK個の実績データとK個の第1推定値を代入した第2推定式から重回帰分析によって未定係数を特定する。(第5ステップ)特定した未定係数を含む第2推定式に、実績データ中の第2バッテリ変数に関する(L-K)個の実績データを代入して(L-K)個の第2推定値を求めるとともに、第1バッテリ変数に関する(L-K)個の実績データを第1推定式に代入して新たな第1推定値を求める。(第6ステップ)第5ステップで得た(L-K)個の第1推定値と第2推定値との相関が強くなるように、特定した未定係数を補正する。(第7ステップ)特定し補正した未定係数と第2バッテリ変数を含む第2推定式を、バッテリの劣化後の満充電容量の推定式とする。
【0008】
なお、バッテリの状態に関する第1バッテリ変数と第2バッテリ変数は、バッテリ温度を複数の温度区分に区切った各温度区分ごとの放置時間や通電電気量などを含む。
【0009】
本明細書が開示する推定式作成方法は、バッテリの温度区分ごとに定義されるバッテリ変数を採用しているので、劣化後満充電容量を高い精度で推定することができる。また、L個の実績データのうちK個の実績データを未定係数の特定に用い、残りの(L-K)個の実績データを特定した未定係数の補正に用いる。このことも、劣化後満充電容量を高い精度で推定することに貢献する。
【0010】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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