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公開番号2025107041
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-17
出願番号2024000755
出願日2024-01-05
発明の名称農園芸用殺虫剤
出願人クニミネ工業株式会社,地方独立行政法人青森県産業技術センター,国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人,個人
主分類A01N 61/00 20060101AFI20250710BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】本発明は、安価で、人体に安全で且つ環境への負荷が少なく、薬害の発生リスクを低減でき、さらに抵抗性獲得のリスクの少ない農園芸用殺虫剤を提供すること、及び当該農園芸用殺虫剤を用いて、害虫を駆除する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】スメクタイトを有効成分とする、農園芸用殺虫剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スメクタイトを有効成分とする、農園芸用殺虫剤。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記殺虫剤が増粘剤を含有する、請求項1に記載の殺虫剤。
【請求項3】
前記殺虫剤が殺卵活性を有する、請求項1に記載の殺虫剤。
【請求項4】
前記スメクタイトが、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の殺虫剤。
【請求項5】
殺虫対象が、ダニ類、線虫類、昆虫類、クモ類、及び軟体動物類の1種又は2種以上である、請求項1に記載の殺虫剤。
【請求項6】
殺虫対象が、ハダニ類、サビダニ類、ホコリダニ類、コナダニ類、アザミウマ類、アブラムシ類、カイガラムシ類、キジラミ類、及びコナジラミ類の1種又は2種以上である、請求項1に記載の殺虫剤。
【請求項7】
適用対象とする農園芸作物が、果樹類、野菜類、穀類、花き類・観葉植物、樹木類、及び茶から選ばれる、請求項1に記載の殺虫剤。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項記載の殺虫剤によって、農園芸作物又は土壌を処理することを含む、殺虫方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項記載の殺虫剤がスメクタイトを含む分散液であり、当該分散液を農園芸作物又は土壌に散布処理することを含む、請求項8に記載の殺虫方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、農園芸用殺虫剤及び殺虫方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
農園芸作物の葉が害虫による吸汁被害を受けた場合、吸汁された部分が小さな白い斑点状になり、さらに被害が進むと白斑が葉全体に及びその後褐変、枯死する場合がある。このような害虫による被害に対し、農園芸作物から害虫を防除する種々の技術が提案されており、代表的な技術として、農園芸作物から害虫を駆除する殺虫技術、害虫を農園芸作物に近寄らせなくする忌避技術、害虫を防除手段に誘い込む誘引技術等が知られている。また、上記以外の新たなアプローチとして、例えば特許文献1には、病害虫を防除するための病害虫防除剤であって、層状ケイ酸塩鉱物と、溶媒と、を含有する、病害虫防除剤が開示されている。この病害虫防除剤は、果実表面に当該病害虫防除剤による緻密な面状の塗膜を形成することで、病害虫であるモモシンクイガを誘引する香気成分の揮発を抑えるという防除技術(誘引成分抑制技術)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-176059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記殺虫技術としては、有機リン系殺虫剤などの化学農薬を用いた技術が広く普及している。有機リン系殺虫剤は、害虫内でコリンエステラーゼと結合してその作用を阻害し、神経伝達物質であるアセチルコリンが分解されずに蓄積して神経伝達に異常をきたすことで殺虫効果を発揮する。このように殺虫活性を有する化合物はこれまで数多く同定されている。一方で、特にハダニ類は殺虫剤に対する薬剤抵抗性を獲得しやすい害虫として知られており、既に多くの薬剤に対して抵抗性を獲得している種も存在する。そのため、ハダニ類に対する殺虫剤(殺ダニ剤)の散布は、抵抗性回避の観点から同一作物あたり年1~2回の使用が推奨されており、作用機序(作用機作)の異なる殺虫剤を輪番で使用するのが一般的である。
【0005】
さらに、上記有機リン系殺虫剤は強力な殺虫効果を示す一方で、使用者が吸引等してしまうと中毒症状が現れることがあり、より安全で効果の高い殺虫剤の開発が進められている。このような状況の中、化学農薬ではなく害虫の気門を封鎖することで物理的に殺虫効果を発揮する殺虫剤(気門封鎖剤)が開発されている。このような気門封鎖剤には、例えばマシン油、調合油、デンプン液等が用いられている。特に気門封鎖剤は、害虫に付着して気門を封鎖することで物理的に殺虫効果を発揮するため、化学農薬と比較して抵抗性が獲得されにくいというメリットがある。しかしながら、多くの気門封鎖剤は殺卵活性を有しない他、農園芸作物に対して薬害を生じやすく、例えば葉に黒色小斑点が表れたり、油浸状の染みが観察されたりする場合がある。
【0006】
本発明は、安価で、人体に安全で且つ環境への負荷が少なく、薬害の発生リスクを低減でき、さらに抵抗性獲得のリスクの少ない農園芸用殺虫剤の提供を課題とする。
また本発明は、前記農園芸用殺虫剤を用いて、害虫を駆除する方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、ハダニによる被害を受けている農園芸作物に対して、人体への安全性が高く化粧品用途としての使用実績もあるスメクタイトを、水分散液として農園芸作物に散布したところ、ハダニを効果的に殺虫できること、また当該分散液がハダニの卵に対しても殺卵活性を有することを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
スメクタイトを有効成分とする、農園芸用殺虫剤。
〔2〕
前記殺虫剤が増粘剤を含有する、前記〔1〕に記載の農園芸用殺虫剤。
〔3〕
前記殺虫剤が殺卵活性を有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の農園芸用殺虫剤。
〔4〕
前記スメクタイトが、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の農園芸用殺虫剤。
〔5〕
殺虫対象が、ダニ類、線虫類、昆虫類、クモ類、及び軟体動物類の1種又は2種以上である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の農園芸用殺虫剤。
〔6〕
殺虫対象が、ハダニ類、サビダニ類、ホコリダニ類、コナダニ類、アザミウマ類、アブラムシ類、カイガラムシ類、キジラミ類、及びコナジラミ類の1種又は2種以上である、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の農園芸用殺虫剤。
〔7〕
適用対象とする農園芸作物が、果樹類、野菜類、穀類、花き類・観葉植物、樹木類、及び茶から選ばれる、前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の農園芸用殺虫剤。
〔8〕
前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の農園芸用殺虫剤によって農園芸作物又は土壌を処理することを含む、殺虫方法。
〔9〕
前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の農園芸用殺虫剤がスメクタイトを含む分散液であり、当該分散液を農園芸作物又は土壌に散布処理することを含む、前記〔8〕に記載の殺虫方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の農園芸用殺虫剤は、安価であり、人体や環境への負荷が少なく、かつ薬害の発生リスクを低減しつつ、抵抗性獲得のリスクが少なく、害虫を効果的に駆除することができる。
また本発明の殺虫方法によれば、前記農園芸用殺虫剤を用いることで、害虫を効果的に駆除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例におけるハダニの駆除効果を示すグラフである。
図2は、実施例のサポナイト区画において、本発明の農園芸用殺虫剤を散布した後の葉上のナミハダニを観察した結果を示す、図面代用写真である。図2中、Aは「乾燥して萎縮し死亡した卵」を、Bは「本発明の農園芸用殺虫剤が固着して死亡したナミハダニ成虫」をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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