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公開番号2025102807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2025040403,2023537773
出願日2025-03-13,2021-07-27
発明の名称マルチキャピラリ電気泳動装置
出願人株式会社日立ハイテク
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G01N 21/64 20060101AFI20250701BHJP(測定;試験)
要約【課題】単数または複数のキャピラリを用いて電気泳動を行い、複数種類の蛍光体が発光する蛍光を、イメージセンサまたはラインセンサによって、それぞれを識別しながら計測する分析方法および分析装置において、高感度と高ダイナミックレンジを両立する。
【解決手段】複数本のキャピラリから発光される蛍光をそれぞれ分光してイメージセンサを用いて一括で蛍光計測する装置において、各蛍光の所定の波長帯成分が投影されるイメージセンサ上のビニング領域の画素数をBmとし、ハードビニングの画素数をBhとし、ソフトビニングの画素数をBsとし、Bm=Bh×Bsとし、Bm=Bh=Bs=1の場合に計測される総合ノイズをNとし、読み出しノイズをNrとし、暗電流ノイズをNdとし、ショットノイズをNsとするとき、Bm、Bh、Bs、N、Nr、NdおよびNsが所定の関係を満足するように制御することによって、高感度かつ高ダイナミックレンジな蛍光計測を実現する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
G(≧2)個の蛍光体で標識された成分を含むE(≧2)個のサンプルが注入されて同時に電気泳動されるE本のキャピラリと、
前記E本のキャピラリの同一平面に配置された計測部に対しレーザビームを照射するレーザ光源と、
前記計測部を通過する前記G個の蛍光体が前記レーザビームにより励起されることにより発光される蛍光を受光する光学系と、を備え、
前記光学系は、
前記E本のキャピラリから発光される前記蛍光をそれぞれF(≧2,F≧G)個の所定の波長帯に分光する分光素子と、
複数の画素が2次元状に配列され、E×F個の分光された蛍光を、イメージセンサ上のE×F個の異なるビン領域で受光する前記イメージセンサと、を有し、
前記イメージセンサは、
前記E×F個のビン領域において前記E×F個の分光された蛍光のE×F個の信号強度を計測し、
所定の露光時間および所定の時間間隔の連続的な繰り返し計測によって、前記E×F個の信号強度の時系列データを取得するように構成され、
前記E×F個のビン領域のうちのいずれかひとつのビン領域において、
前記ビン領域の画素数をB
m
(≧1)個とし、
前記ビン領域がB
s
(≧1)個のハードビニング領域に分割されており、
前記ハードビニング領域の平均の画素数をB
h
=1個とし、
前記ビン領域のハードビニングの画素数をB
h
個とし、
前記ビン領域のソフトビニングの画素数をB
s
個とし、
B
m
=B
h
×B
s
=B
s
とし、
B
m
=B
h
=B
s
=1とした場合について、
前記時系列データの総合ノイズが、前記イメージセンサの読み出しノイズ、前記イメージセンサの暗電流ノイズ,および背景光のショットノイズの3成分に分類され、
前記総合ノイズをNとし、前記読み出しノイズをN
r
とし、前記暗電流ノイズをN
d
とし、前記ショットノイズをN
s
とし、混合ノイズをN
x
とし、N
x
2
=N
r
2
+N
d
2
とし、
ショットノイズ混合比をa=N
s
/N
x
とするとき、
B
s
とaが所定の関係を満足することを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1において、
TIFF
2025102807000087.tif
6
34
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
TIFF
2025102807000088.tif
12
68
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項4】
請求項1において、
TIFF
2025102807000089.tif
11
34
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項5】
請求項1または4において、
TIFF
2025102807000090.tif
12
81
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項6】
G(≧2)個の蛍光体で標識された成分を含むE(≧2)個のサンプルが注入されて同時に電気泳動されるE本のキャピラリと、
前記E本のキャピラリの同一平面に配置された計測部に対しレーザビームを照射するレーザ光源と、
前記計測部を通過する前記G個の蛍光体が前記レーザビームにより励起されることにより発光される蛍光を受光する光学系と、を備え、
前記光学系は、
前記E本のキャピラリから発光される前記蛍光をそれぞれF(≧2,F≧G)個の所定の波長帯に分光する分光素子と、
複数の画素が2次元状に配列され、E×F個の分光された蛍光を、イメージセンサ上のE×F個の異なるビン領域で受光する前記イメージセンサと、を有し、
前記イメージセンサは、
前記E×F個のビン領域において前記E×F個の分光された蛍光のE×F個の信号強度を計測し、
所定の露光時間および所定の時間間隔の連続的な繰り返し計測によって、前記E×F個の信号強度の時系列データを取得するように構成され、
前記E×F個のビン領域のうちのいずれかひとつのビン領域において、
前記ビン領域の画素数をB
m
(≧1)個とし、
前記ビン領域がB
s
(≧1)個のハードビニング領域に分割されており、
前記ハードビニング領域の平均の画素数をB
h
=1個とし、
前記ビン領域のハードビニングの画素数をB
h
個とし、
前記ビン領域のソフトビニングの画素数をB
s
個とし、
B
m
=B
h
×B
s
=B
s
とし、
B
m
=B
h
=B
s
=1とした場合について、
前記時系列データの総合ノイズが、前記イメージセンサの読み出しノイズ、前記イメージセンサの暗電流ノイズ、および背景光のショットノイズの3成分に分類され、
前記総合ノイズをNとし、前記読み出しノイズをN
r
とし、前記暗電流ノイズをN
d
とし、前記ショットノイズをN
s
とし、
暗電流ノイズ比をb=N
d
/N
r
、ショットノイズ比をc=N
s
/N
r
とするとき、
B
m
、B
h
、B
s
、b、cが所定の関係を満足することを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項7】
請求項6において、
c≧1.75、
4≦B
s
≦34
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項8】
請求項6において、
c≧3.43、
3≦B
s
≦103
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項9】
請求項6において、
c≧5.61、
12≦B
s
≦42
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
【請求項10】
請求項6において、
c≧9.31、
11≦B
s
≦111
が満足されることを特徴とするマルチキャピラリ電気泳動装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチキャピラリ電気泳動装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
単数または複数のキャピラリに、電解質溶液、あるいは高分子ゲル若しくはポリマを含む電解質溶液等の電気泳動分離媒体を充填し、電気泳動分析を行うキャピラリ電気泳動装置が広く用いられている。分析対象は、低分子から、タンパク質、核酸等の高分子まで、幅広い。また、計測モードには、ランプ光を各キャピラリの吸光点に照射し、分析対象が吸光点を通過する際に生じるランプ光の吸収を検出するモード、あるいは、レーザ光を各キャピラリの発光点に照射し、分析対象が発光点を通過する際に生じる蛍光あるいは散乱光を検出するモード等、多数ある。以降では、DNA分析用キャピラリ電気泳動装置を例に詳細に説明する。
【0003】
DNA分析用キャピラリ電気泳動装置では、E本(Eは1以上の整数)のキャピラリを同一平面上に配列した箇所にレーザビームを一括照射することによって、直線上に配列するE個の発光点を形成する。G種類(Gは1以上の整数)の蛍光体で標識されたDNA断片が電気泳動によって発光点を通過する際に、レーザビーム照射によって蛍光体が励起され、蛍光を発光する。これらのG種類の蛍光体は互いに異なる蛍光スペクトルを有するため、蛍光を分光計測することによって、発光点を通過する蛍光体の種類を同定することができる。つまり、DNA分析用キャピラリ電気泳動装置では、直線上に配列するE個の発光点から発光される蛍光が分光計測され、さらにその時間変化が計測される。これを実現するために、DNA分析用キャピラリ電気泳動装置には以下のような多色検出光学系が備えられている。E個の発光点から発光される蛍光は一括して、第1カメラレンズによってコリメートされ、ロングパスフィルタによってレーザ波長の光がカットされた後、透過型回折格子によって波長分散され、第2カメラレンズによってイメージセンサ上に結像される。イメージセンサとして、CCD、CMOS、あるいはその他の種類のデバイスを用いることができる。ここで、波長分散の方向は、各キャピラリの長軸と平行な方向、すなわち各発光点が配列する方向と垂直な方向である。このため、イメージセンサ上で、各発光点からの蛍光の波長分散像は、互いに混じり合うことなく、互いに平行に配列される。したがって、各発光点からの蛍光を独立に分光計測することができる。また、イメージセンサの画素の2次元格子状配列の一方の軸と波長分散方向とが平行になり、他方の軸と発光点の配列方向とが平行になるようにイメージセンサを配置する。その結果、各波長分散像に沿った画素配列の強度分布は蛍光スペクトルを与えるようになる。イメージセンサによるE個の波長分散像の一括撮像を一定の露光時間で行い、これを一定の時間間隔で連続的に行うことによって、E個の発光点からの蛍光を分光分析しながら、それらの時系列変化を分析することができる。
【0004】
各波長分散像をF個の波長帯(以降、ビンと呼ぶ)に分割し、それぞれのビンに属する複数の画素で受光された蛍光強度が積算される。このように積算することをビニングと呼ぶ。これをF色検出と呼ぶ。各波長帯の波長幅は、1 nmでも、10 nmでも、100 nmでも良く、任意に設定することができる。また、F個の波長帯のそれぞれで波長幅が異なっていても構わない。一般に、G種類の蛍光体を識別しながら定量するためには、F≧Gである必要がある。時系列の各時刻について、F色検出結果に対して色変換を施し、G種類の蛍光体それぞれの単独の蛍光強度、すなわちG種類の蛍光体それぞれの濃度を取得することができる。本開示では、各蛍光体の濃度に比例する蛍光強度、すなわち各蛍光体それぞれ単独の蛍光強度を単に濃度と呼ぶことにする。
【0005】
発光点P(e)(e=1,2,…,E)それぞれについて、ビンW(f)(f=1,2,…,F)で、蛍光体D(g)(g=1,2,…,G)の発光蛍光を検出する。任意の時刻において、発光点P(e)における蛍光体D(g)の濃度をZ(g)とし、発光点P(e)についてのビンW(f)で積算された信号強度をX(f)とする。ここで、信号強度X(f)を要素とするF行1列のベクトルをXとし、濃度Z(g)を要素とするG行1列のベクトルをZとし、Y(f)(g)を要素とするF行G列の行列をYとして、次の式(1)~式(4)が成り立つ。式(1)~式(4)は、(f)および(g)の関係式であるが、(e)の関係式ではなく、各発光点P(e)それぞれについて独立に成立する。F=1の単色検出の場合は、F≧Gにより、G=1となり、X、Y、Zはいずれもベクトルおよび行列ではなくなる。
【0006】
TIFF
2025102807000002.tif
6
36
【0007】
TIFF
2025102807000003.tif
15
41
【0008】
TIFF
2025102807000004.tif
15
74
【0009】
TIFF
2025102807000005.tif
15
40
【0010】
ここで、F行G列の行列Yの要素Y(f)(g)は、スペクトルクロストークによって、蛍光体D(g)の発光蛍光がビンW(f)で検出される信号強度比率を表す。いずれか1種類の蛍光体D(g
0
)を単独に蛍光発光させることにより、行列Yの1列の要素Y(f)(g
0
)(f=1,2,…,F)を決定することができる。ここで、蛍光体D(g
0
)の濃度を厳密に制御することは一般に困難であるため、1列の要素Y(f)(g
0
)を規格化すると便利である。例えば、F個の要素のうち、最大の要素を1として、他の要素を最大値に対する比率で示すのが良い。あるいは、F個の要素の合計が1になるように、各要素の比率を決めるのが良い。つまり、下記式(5)とするのが良い。
(【0011】以降は省略されています)

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